第3話 豪華客船2日目
「みなさーん、今日もおはようございまーす!体調の悪いお方はいませんかー!!!」
『はーい!』
「これはこれは元気な挨拶ですね、それじゃあ今日も!楽しむぞ—!!!」
『おー!!!』
〜北海道某軍事地下施設跡地にて〜
「ボス、たった今潜入版から連絡が」
「ほう、司令塔、なんと連絡が?」
「そ、それが、潜入班Bが消息を絶ちました。おそらくターゲット方にやられたのかと」
「ふむ、小さな損失だ。気にするな、情報チームから連絡は?」
「はい、大和朝廷の所有する人工衛星のハッキングに成功し、映像の録画を停止させたと」
「よろしい、、、技術チームからは?」
「あともう少しで完成すると」
「あともう少し、、、何度目だ?もう少し、、、この言葉を聞いたのは何度目か?1度目か?ん?技術チームに早く完成させろと言ってこい、もう待てない。いいか?」
「は、はい!!!」
「それともう一つ、ターゲットはもう私達の存在に気づいていることでしょう。隠しカメラが1台破壊されました」
「なっ、、、すぐに新しいのを」
「おまえは馬鹿なのか?ターゲットはこっちの存在、動きに気づいているんだ。警戒しているに決まっているだろう、おまえは拷問訓練を受けていない、捕まれば、すぐに私たちのことを吐く可能性がある、安易に動くな。私は引き続き映像と音声の確認をします、指示を各班に通達するように」
「はい!」
男は急いで部屋を出た。
「船の横に何人か潜水しているなあ、、、技術チーム、いつまでタラタラしてるんだか、、、」
〜豪華客船、やまと号にて〜
「なあ先輩、これって司令塔から指示が出るまでずっとステージ下でDJの曲聞きながら無言で待たなきゃだめなわけ?」
「仕方がないだろう、、、ボスの下で動くというのは、そういうことなんだ」
「はぁーい、てか、こんな狭苦しい場所に3人も詰め込むなよな、、、」
「それはそうだな、、、って、おい、もう1人どこ行った?」
「え、マジかよ、1人だけ逃げたか、、、クソっ、、、っ!」
「いやー、どこにも居な、、、え、、、お、おい!ど、どこ行ったんだよ!!!っ!」
ステージ下に潜んでいた3人が次々と消えた。
「ステージ下、処理完了、そちらは?」
『ツー、こちらも処理完了、Bへの搬入途中です』
「了解、こちらもBへ搬入する準備をする。Bで合流しよう。以上」
『了解、以上』
精鋭部隊たちが、潜入員たちを次々と裏へと連れていった。
「大和、Eから」柳之介が大和に報告した。
「了解、行こうか」
「はい」
柳之介と大和は船の使われていない部屋へと向かった。
「ん、ん、、、ん!?んーんー!!!プハァッ!なっ!?おまえは、大和!?てめえ、ぶちころ、っ!?」精鋭部隊に拘束された潜入員の口に貼ったテープを剥がすと、大和にすぐさま暴言を吐き始めた。
「黙れ」柳之介が拳銃の銃口をピタッと潜入員の額につけた。「てめえこそ頭ぶち抜くぞ」柳之介の目に光はなかった。
「ひ、ひぃ、、、」潜入員はすぐに腰を抜かした。
「あと、俺は大和じゃない。柳之介、尚柳之介だ。てめえらの狙うべき相手の顔はちゃんと確認しておけ」
「、、、」潜入員はだんまりとした。
「おい、てめえらのボスの名前を言え」柳之介は潜入員に詰め寄った。
「、、、」潜入員はそれでも黙っていた。
「柳之介、そいつの名札とかない?」大和が柳之介に聞いた。
「ああ、それならそこの机に顔写真と一緒に並べてある、こいつ拷問耐性検定3級かあ、、、」
拷問耐性検定、去年WAAと大和朝廷が合併したときにできた裏の業界のみの検定だ。
この検定は特に機密情報を持っているものや諜報員が受けている。
大和朝廷の重要職に就くには3級以上を持っていないといけない。
「柳之介、耐性1級用の拷問するぞ」大和はそう言い、潜入員の方へと歩み寄った。
「了解、おい、誰かナイフを取ってきてくれ。フォークもだ」
「て、てめえら、何するつもりだ!どんな拷問を受けようとも俺はボスのことを話さな、ぎゃあああああ!!!」潜入員は悲鳴を上げた。それもそうだ。ナイフで指を1本切断されたのだから。
「柳之介、フォークを取ってくれ」
「了解」
「お、おい、、、な、何する、な、、、あ、ああああ!!!やめろ!!!やめろ!!!」
潜入員は必死であがき、口を必死に閉じた。
大和は切断した潜入員の指をフォークで食べさせようとした。
拷問耐性検定1級の訓練で実際にある訓練だ。
「食いたくなければてめえらの組織の情報をすべて言え、言えばすぐに医療チームを呼び、手を縫い合わせてやる。医療費はタダだ。さあ、どうする?もし、これを食べたら、、、一生忘れられない味になるだろうねえ、、、」大和は口だけ笑っていた。
「い、言います、、、言いますから!!!」
「よろしい、、、E!!!他の潜入員は?」
「この2人は拷問耐性検定を受けていないのですぐに言いました」
「ほう、、、おい、おまえ、今から俺の質問に全て答えろよ」
「はい」
「おまえ、この2人より偉い役職か?」
「はい、、、一応班長です」
「へえ、、、んで、おまえらのボスとか所属してる組織はあるの?」
「えーっと、、、」潜入員は突然言葉を濁らせた。
「ふうん、、、おい!気づいてるぞ、後ろのおまえ!」大和は突然拳銃を後ろへ向けた。
「なっ!?」実際、そこにはEが拳銃を構えていた。銃口を大和に向けて。
「相手方の潜入員か?」
「な、なぜ気がついた!?」
「簡単だ。口調、顔、身長、そして動きの速さ。全て違う。俺は自分の部下の事はすべて暗記している。てめえみてえなやつは見たことねえ、、、ん?おまえ、能生貞暁の下で動いていた諜報員じゃないか?」
「なっ!?」
「なんで気づいたかって?大和はな、関わった組織の情報は把握するんだよ、おまえら能生貞暁財閥は、諜報員の拳銃の構え方にクセがある。左手と右手の間隔が短い。だろ?」
「く、くそ、、、うう!」諜報員は引き金に指をかけ大和を狙った。
しかし、そこに大和は居なかった。
「う・し・ろ」バァン!銃声が鳴り、諜報員が床に倒れた。
「大和ナイスショット」柳之介は残酷な状況下で冗談を言った。
「おい、おまえ、班長さん!はよ情報を言ってもらわな困るんですわ。貴方だけ指を食べて命からがらで逃げ出したとしても、ボスに何されちゃうかな?んー?」大和は笑顔で聞いた。
「ボスは、、、能生貞暁貞春様の、、、御子息です」
その場に居た全員が息を呑んだ。
「あいつ息子いたのかあ、、、まあよい、帰れ。医療チームは隣の部屋で待機してる。残りのおまえらも、ここであったことはなにも話すな、ボスにもだ。いいな?」
『は、はい!』
指を切断された潜入員は隣の部屋に治療を受けに行った。
部屋には誰も居なくなった。
「E、こいつの遺体処理しとけ、記録も全て処理しておいてくれ。能生貞暁家の家系図も調査してくれ。ありがとう」
「了解、直ちに」Eが諜報員の遺体を持ち出した。
「大和、順調だな」
「ああ、ノコノコと医療チームに治療してもらって、、、発信機をつけられているとも知らずに」
「これで少しは敵組織の情報が掴めるな、、、」
「お二人方、治療が終了して、潜入員を帰しました」医療チームの人が報告してきた。
「よし、みんなと合流するか」大和は一息ついて柳之介と部屋から出た。




