あとがき
ここまで『王女の私が処刑寸前の兵器少女を助けたら、祖国から追われることになりました』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
リゼは最初から自分の名前を持っていませんでした。
与えられていたのは「No.017」という番号だけ。
命令されれば戦い、必要とされれば生きる。
そこに自分の意思を挟むことすら知らなかった少女です。そんなリゼがアティシアと出会い、名前をもらい、食事をして、海を見て、村の子供たちと触れ合って。
少しずつ『自分は何がしたいのか』を考えるようになっていく。その変化を書いていくことがこの作品を書いていて一番楽しかった部分でした。
そして、もう一人の主人公であるアティシアも旅の中で変わっていきました。
王女として国を守ること。
父王の期待に応えること。
戦姫として強くあること。
それまで当たり前だと思っていたものをリゼとの旅を通して一つずつ見つめ直していく。
最初は『リゼを助ける』という行動だったものが、
いつしか『リゼと一緒に生きたい』という自分自身の願いへ変わっていきました。
この二人がお互いを救うだけではなく、お互いの存在によって自分の人生を選ぶというところまで辿り着くことをこの物語の大きなテーマにしていました。
タイトルにある『兵器でなくなる』という言葉も単純に兵器としての能力を失うという意味ではありません。誰かに名前を付けられ、役割を与えられ、命令されるだけの存在ではなく。
自分で誰かを好きになって自分で生きたいと思って、自分で未来を選ぶ。
そんな意味でリゼが『兵器でなくなる』物語として、このタイトルを付けました。
物語の最後、二人はまだすべてを解決したわけではありません。
王国の秘密も、父王との対峙も、兵器人間を生み出した施設のことも。まだ二人の前にはたくさんの困難が残っています。
それでも、もう最初とは違います。
かつては『王女』と『兵器』だった二人が、
今は自分の意思で隣に立っている。
私は、そこまで辿り着けたことがこの物語にとって一つの答えだったのだと思っています。
最後まで二人の旅を見届けてくださり本当にありがとうございました。少しでもアティシアとリゼの旅が読んでくださった方の心に残ってくれたなら嬉しいです。
そして、この作品を読んでくださった方が、
「この二人の続きをもう少し見てみたい」と思ってくださったなら、作者としてこれほど嬉しいことはありません。
ここまで読んでくださったあなたに心から感謝を。
次は別の物語でお会いできればと思います。
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