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第4話05最後の希望

闇に立ち向かう者たちの決意


「ダメだ……転送魔法は、詠唱後に動かず1分間維持しなければならない。その間、他の魔法も一切使えない。もし私が試みたら……転送する前に、あの化け物に殺されるだけだ。」

チャーリーの顔に絶望の影が落ちた。喉の奥から押し殺した息が漏れ、震える指先がわずかに空を切る。


「なら……あの巨大ゴブリンを倒すしかないな。」

目の前にそびえ立つ怪物を見据えながら、ヘンリーは静かに言い放った。鋭い眼光が揺らぐことはなく、剣の柄を握る手には決意が宿っていた。


「……仕方がない。戦うしかない。でも、本当にこいつに勝てるのか?」


「試すしかない!」

迷う暇はない。チャーリーは地面に手をかざし、鋭く詠唱を唱えた。瞬間、大地が揺れ、無数の岩の槍が突き出す。槍の一本が、狙い澄ましたかのように巨大ゴブリンの膝を貫いた。


「今だ!」

ヘンリーは迷いなく瞬時にゴブリンの正面へと跳び込んだ。宙を舞う彼の指先が閃き、手裏剣が矢のように一直線に放たれる。銀色の閃光が夜闇を裂き、ゴブリンの顔へと降り注いだ。しかし、刃は硬質な皮膚に阻まれ、かすかな傷しか残せなかった。


「くそっ……こいつの皮膚は鉄のように硬い!」

ニックスが歯噛みしながら叫ぶ。彼は両手の剣を振り上げ、ゴブリンの両足を狙い、幾度も斬撃を繰り出した。しかし、それすらも表面を浅く裂くに留まり、致命傷には至らない。


「……策がある!」

チャーリーの声が鋭く響いた。一瞬の逡巡もなく、彼は仲間たちへと手短に計画を伝える。


「分かった!」

ヘンリーが頷いた瞬間、彼の姿が一閃し、次の瞬間にはゴブリンの背後に出現していた。詠唱とともに放たれた魔力が膨れ上がり、瞬く間に爆発を引き起こす。轟音と共に巻き起こった衝撃波がゴブリンの背を焼き、皮膚が裂け、肉が炙られる。


「今だ!」

ニックスとクリは瞬時に駆け、深手を負った背後へと猛攻を仕掛けた。傷口を狙った斬撃が次々と繰り出され、ついに十字の傷が刻み込まれる。鮮血が噴き出し、ゴブリンの巨体がぐらりと揺れた。


「チャーリー! 土魔法の付与を!」


「了解!」

チャーリーは高らかに詠唱し、ヘンリーの剣に鋭利な土の刃をまとわせる。刃先は黄金の輝きを放ち、まるで大地の怒りを宿したかのように脈動する。


「この一撃で決める……!」

ヘンリーの声が冷たく冴えわたる。全身の力を込め、振り上げた剣が唸りを上げた。凶暴な閃光を放ちながら、それは巨大ゴブリンの背を貫くべく、振り下ろされる――。



史上最強の幽霊剣士は第4章も中盤まで来ました、。そしてもうすぐPVが1,000を超えます。 ご協力ありがとうございました。

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