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48 隠蔽も嘘もない事実を伝えて

「────て事があった」

 目にした事を仲間に伝えていく。

 イツキから話を聞いた者達は嘆いていく。

「嘘だろ」

「バカが……」

 自ら怪物になっていく愚行。

 聞いてもすぐに信じたくなかった。

 疑いのない事実であると分かっていてもだ。



「残念だけど、今すぐどうにか出来るわけじゃない」

 不安を抱えてる仲間に声をかけていく。

「怪物が一気に増えたし、どうにかしたいけど。

 今の俺達の力じゃ片づける事は出来ない」

 答えをイツキは出していく。



 仲間が不安をおぼえてるのは、怪物が一気に増えたからだ。

 怪物になったのだ、いずれ襲いかかってくる。

 これまであらわれた怪物の全てがそうだった。

 ヒロトモによって怪物になった連中が例外であるわけがない。



 対抗できればいいが、それが出来るかどうか。

 仲間の不安はこの一点に尽きた。

 そんな彼等にイツキは事実を伝えていく。

 無理だ、出来ないと。



「夢も希望もないけど、しっかり理解してくれ」

 絶望的な話だ。

 しかし、嘘をいうわけにはいかない。

 事実を知らない事には今後の対策をたてられない。

 よく、混乱をおさえるために、などといって真相を隠す事があるが。

 そんな悪辣な事はしない。



 こういった隠蔽は、その方が都合が良いからやっているだけだ。

 人を支配する、騙すために。

 そして何の対策も出来ず、適切な行動もとれずに死んでいく。

 代表例が、大本営発表である。



 負けてるくせに、我々は勝ってると嘘をつき続けた。

 おかげで負けるべき時に負ける事が出来ず、日本本土は爆撃によって破壊された。

 核爆弾によって瞬時に何十万もの命が喪われた。

 負けを負けとして事実を伝えていれば、まだ違っていただろうに。



 そんな歴史を授業でほんの少し聞いただけでもイツキは思ったものだ。

 嘘を吐くわけにはいかないと。



 まして、能力に目覚めてから、ミオの裏切りを知った。

 知らないところで何をしてるのかを。

 知ったからこそショックだった。

 だが、知る事が出来たから対処が出来た。



 事実は隠してはいけない。

 真相を隠蔽してはいけない。

 これは嘘の一種だ。



 嘘とは、事実ではない事をでっちあげる。

 隠蔽は、あった事を伝えない。

 どちらも間違いをもたらす。



 そんな間違いをおかさないために、イツキは真相を伝えていった。

 自分の知る限りの事は。

 確かにそれで人は絶望するだろう。

 だが、知った事で考える事が出来る。

 情報を材料にして対策をたてる事が出来る。

 気分の落ち込みなんぞ、先々を見通すための材料を得るためのささやかな対価だ。

 気にするような事ではない。



 実際、イツキの周りに居る者達は考えていっている。

 絶望はしていてもだ。

 気分は最悪だが、それで行動をとめる事はない。

 まずはこれからどうするかを考えようとしている。

 そんな仲間の姿が頼もしい。



(こいつらがいてくれて良かった)

 各地で助けた者達。

 人数は少ないが、頼みに足る者達だ。

 そんな仲間がいる事が今はありがたい。




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