49 自分達が生きられる場所へ
「それでだ」
考え始めた仲間に声をかける。
これからの事を。
「今すぐどうにかは出来ないけど。
やれる事はある。
みんなと一緒にやっていきたい」
その声に仲間は耳を傾けていく。
イツキの能力の事は仲間も知っている。
先の事を見通す事が出来る目を持ってると。
その能力で最も効果的な道筋を見いだす事が出来ると。
予知能力ともいえるその能力は、仲間にとっても重要なものだ。
この先に起こる事を見通し、対策をとる事が出来るのだから。
そんな仲間はイツキの言葉を、指示を待つ。
「まずはここから出る」
イツキの最初の言葉はこれだった。
一瞬、誰もが呆気にとられた。
次に、
「ああ」
「なるほど」
少しずつ納得していった。
何も真っ正面から戦う必用は無い。
かなわないなら逃げても良い。
幸い、阻む者はない。
むしろ、今のうちに安全地帯に向かう方が良いのかもしれない。
「そこで皆の能力をあげる。
力を蓄える」
対抗するにも力が必要だ。
それを手に入れるためには訓練をするしかない。
幸い、能力の鍛え方は分かってる。
使う事、使い続ける事。
これで身につけた能力を成長・上昇させる事が出来る。
その方法もイツキが見付けてくれる。
実際、イツキに救出された者達は魔術や超能力の成長方法を教えてもらってる。
その通りにやって、以前より能力を上昇させた者もいる。
そうして能力を上げて対抗できる力を身につける。
「それに食料も必要だ。
今のうちに田んぼや畑も手に入れておきたい」
これも言われて「あっ」と思う事だった。
それもそうだなと誰もが思いつつも。
忘れていたわけではない。
食糧問題は常につきまとう。
だが、食料を手に入れる事だけに目が向いていた。
食料を作ることまで考えがおよんでなかった。
日頃、農作業に従事してないから、発想が無かった。
人間、普段からやってない事には考えが及ばない事がある。
身近すぎて気づかないという事もあるが。
「だからこれから必要なものを作れる場所を確保しようと思う」
この提案に誰もが賛成していった。
目の前の脅威から一先ず逃げるために。
今後の生活を保つために。
力を養う場所を手に入れるために。
全ては今後の、これからのために。
行動は早い。
提案が出た次の瞬間、仲間は動いていった。
イツキの指示通りに。
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