44 救われるべき者達を助けていって
最初に解放した公民館の避難所。
ここで2人の子供を救い出した。
これを皮切りに、イツキは近隣の避難所を攻略していく。
幸いな事に、人数は二人増えている。
消費や負担も大きくなるが、戦力は増大した。
まだ小学生の子供だが、それでも頭数が増えたのは大きい。
たとえ子供といえどもだ。
救い出した2人には素質と才能があった。
魔力や霊気を操り、魔術・超能力を発現させる事が出来る。
一人は体内の生命力を活性化させ、身体能力を強化して。
一人は風を生み出し空気を動かす。
これだけの事が出来る者を遊ばせておくわけにはいかない。
それに、2人も乗り気だ。
自分のように虐げられてきた者を救える。
人をいたぶった者を殲滅出来る。
それが楽しみなようで、かなり乗り気になっている。
ならば同行を拒む理由は無い。
たのもしい戦力が追加された事で、イツキの活動は勢いをつけていった。
次の避難所の解放はもっと楽に進める事が出来るようになった。
敵も多いが、こちらの戦力も増えている。
出てきた敵を簡単に蹴散らす事が出来た。
また、救出した者達も貴重な戦力になってくれる。
全員が魔術や超能力を使えるわけではない。
だが、それでも生活の助けになったり、活動の補助などをしてくれる。
炊事・掃除・洗濯といった日常を受け持ってくれたり。
物資の管理などをしてくれる者がいるというのはありがたい。
もちろん、魔術・超能力を使える者もありがたい。
即戦力になってくれる。
避難所を破壊して虐げられてる者を救う時に力になってくれる。
近隣をうろつく怪物を撃破もしてくれる。
イツキの負担は一気に減っていく。
良い事ばかりではない。
人が増えた事で食料の消費も増えた。
残った物資などを回収はしてるが、それでも足りなくなる。
まずはあちこちに散らばる食料を確保せねばならない。
そして、今後を見据えて、食料の生産も考えねばならない。
それでも、今は頭数が増える利点の方が大きい。
この先、この人手が必要になってくる。
未来を見通す目がもたらす生存方法の中にしっかりと映り込んでいる。
今では無いこの先の未来において、人は必要になる。
その時の為に、今は人材を確保していく時だった。
その為に各地の避難所を渡っていく。
必要な人材を手に入れるために。
人数をとにかく集めるために。
誰でもよいというわけではない。
何よりも性格・人格がまともである。
これが必要だ。
といって堅物だとか、学識があるだと、信心深い者というわけではない。
むしろ、こういった者ほど邪魔だった。
欲しいのは、当たり前が出来る事。
人を殺さない、傷つけない。
物を奪わない、壊さない。
人を騙さない、貶さない。
こんな当たり前が出来る者が必要だった。
こういった者達でなければ仲良くやっていく事は出来ない。
人を甚振るようなクズは排除していった。
おかげでイツキの集めた者達は和気藹々とやっている。
「これで良かったんだ」
前々から思っていた事が証明された。
学校で虐待という犯罪被害にあって思った事だ。
クズを取り除けば、人は平和に生きていけるのではないかと。
やってみたらその通り。
クズがいない、問題を起こす者がいないなら人は穏やかに生きていける。
こんな環境を作り出し、守っていく。
その為にも、今は動くしかない。
決意をあらたに、イツキは行動していく。
仲間と共に。
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