42 ろくでなしを処分して
避難所の中は悲惨な事になっていた。
幾つかの部屋には閉じ込められた男子が転がっている。
ろくに食べる物もなく、生死の狭間をさまよっている。
このまま放置して処分するつもりなのだろう。
別の部屋には女が集められていた。
こちらは見目麗しい者が揃っている。
何のためなのかは言うまでもない。
管理してる者達の慰みものだ。
そして、避難所を管理してる連中だが。
こちらは比較的快適な部屋で暮らしている。
食料などの物資もここに集められている。
そこを目指してイツキは進んでいった。
数家族数十人が快適に暮らしてる空間。
公民館の中でも畳敷きになってる大部屋。
避難所の中ではかなり快適な場所。
そこに集まってる者達は、こんな状況だというのに快適に過ごしていた。
残りの食料も減っているが、そんな事気にしてる者はいない。
無くなったら無くなったで困るだろうが、そんな先の事を気にしてないのだから。
今だけ楽が出来ればよい。
これがこの場にいる者達の考えだ。
そして、自分達だけが快適なら良いとも。
他の者がどうなろうと知った事ではないと。
傲慢極まる心で凝り固まった者達だ。
そんな連中をまずは処分していく。
放置しておいても碌な事にはならない。
自滅してくれるなら良い。
だが、そんな事にはならない。
必ず他の誰かに危害を加えるようになる。
その証拠がこの避難所だ。
統制し独裁をしいてる町内会の中心人物だった者達。
これらがこの避難所で何をしたのか。
他の者達を支配し、奴隷として扱っている。
他の者への慈しみなど持ち合わせていない。
この避難所が壊滅したら、他の場所でも同じような事をする。
そうするような行動パターンの人間なのだから。
当然、こんな連中が人間のままでいられるわけがない。
いずれ怪物に変化する。
そうなったら被害を受ける者は拡大する。
巡り巡ってイツキも被害にあう。
そうなる前に片づけておくのが効率的で効果的というものだ。
幸い、まだ人間のままである。
数家族、数十人と数は多いが手間はかからない。
畳敷きの和室にいる連中は問題なく倒す事が出来る。
その出入り口には警戒のために何人かが張り込んでいた。
警戒をしてるのだろう。
あるいは、他の者と中にいる者達の取り次ぎだろうか。
どっちにしろ、邪魔である。
そんな連中に水を放つ。
直径10センチほどの球にして、勢いよく飛ばしていく。
それらはねらい通りに目標に当たった。
すぐに水浸しになっていく。
その水に周囲の魔力・霊力・霊気を注ぎこんでいく。
地球から溢れたエネルギーは、イツキの意思に従って動いていく。
魔力によって発生した水はこのエネルギーを得て増大していく。
標的の頭を覆うほどに。
地球から溢れるエネルギーの全てを意のままには出来ない。
だが、一部だけならある程度動かす事が出来る。
今やってるのはそうした操作だ。
己の気力や霊気を使って放った魔術や超能力。
これに地球のエネルギーを注ぎ込み、効果を増大させていく。
人間単体では出す事が出来ない大きな効果を発生させる事が出来る。
頭を覆われた者達は当然呼吸が出来なくなる。
口や鼻から水が入りこんで、肺にまで押しよせるのだから。
窒息は免れない。
しかも、イツキはこの水を凍らせていく。
頭を覆い、口や鼻から入り、肺まで到達していた水。
これらが一瞬にして固体となっていく。
頭を塞がれ、呼吸が出来なくなる。
苦しさに頭を氷で覆われた者達はもがき始めた。
どうしても音が出る。
「しくじったな」
出来るだけ音を立てずに処分したかった。
中にいる者達に気づかれないように。
だが、そう上手くいくものではない。
完全な無音というのは、今の段階では不可能だ。
だが、問題があるわけではない。
これも最適な行動のうちだ。
目に飛び込んでくる様様な情報は、これが一番良いと示している。
ならばその通りに動けば良い。
下手に余計な事をする方が危険だ。
想定外の何かが起こるかもしれない。
それこそ避けたい事態だった。
良い方向に転がるならともかく。
そうなる可能性はとても低い。
分の悪い博打にしかならない。
そんな事する必要がない。
見通す事が出来た未来に沿った動くのが一番面倒がない。
その指示に従って、部屋の中の様子をうかがう。
壁の向こう側を見通し、中にいる者達の状態を確かめる。
ありがたい事に、中にいる者達は動きを止めている。
外から聞こえた物音に警戒をしていた。
そんな様子を眺めながら攻撃の準備をする。
わざわざ部屋の中に入る必要はない。
それなら狙いを付ける事は簡単だ。
壁越しでも魔術や超能力は発生させられるのだから。
やる事は簡単。
今度は砂を発生させて、それを顔に叩きつける。
これだけで相手の目を塞ぐ事が出来る。
そうすれば相手は何も出来なくなる。
目が見えないというのは、それだけで様様な行動を妨げる。
あとは一人ずつ始末をしていけば良い。
その為に一握りの砂を中にいる者達の目の前に発生させる。
それを次々に顔に叩きつける事で、中にいる者達の視界を奪う。
痛みに悲鳴があがってくる。
それが合図になる。
相手が確実に視力を失ったという。
そこからは簡単だった。
中に入って目が潰れた者達にナイフを突き刺していく。
急所を突き刺された者達は次々に死んでいった。
突き刺す位置は見れば分かるので楽勝だった。
一時的であっても目を潰された者達は、ろくに抵抗も出来ない。
されるがままに次々に倒れていく。
仮に目を回復させられても問題はない。
砂をもう一度叩きつけてやれば良いのだから。
だが、中にいた者達の目が回復する事はなかった。
それより前にイツキによって中にいた者達は片づけられた。
部屋の外からイツキが攻撃をしてから5分もかからなかった。
ブックマークをつけて今後も付き合ってくれるとありがたい。
面白いと思った部分は、いいねを押して教えてくれ。
参考になる。
評価点は最終回を迎えてから考慮してくれ。




