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『やまと』 ~戦乙女との現代戦争奮戦記~  作者: Sky Aviation
第8章 ~日台vs中最終決戦! 敵本拠地高雄市陸海空軍総力戦!~
142/168

終わりに向けて

次話への繋ぎの回ですので少し短めであります。

―TST:PM14:34 DCGやまとCIC―







「…………はぁぁぁああ!!??」


 思わずそう叫ばずにはいられなかった。


 ……は? 単独制圧? あれを?

 え? なに? ドユコト? ドユコトナノ?

 空港だっけ? あの総司令部って空港だっけ? あれを単独はないとして司令部の部屋制圧とか? え? どっちにしろひどくない? いろいろとひどくない? 


 ……えぇ~~~~~?


『あー、ではそういうことですので。では』


「あ、ちょ!」


 と、そのまま無線は切れた。

 今のところこの無線を聞いているのはやまとだけ。ここから中継してほかの艦や部隊に伝えることになってる。


 ……が、


「……え?」








「……えぇぇえええ?」








 艦橋内がこの声一色です。

 そして、一斉に……、








「……お前の妹チート?」


「俺も今知ったわ」








 全員から一斉にこの声がハモッた。

 そして俺も本音をそのままさらけ出した。


 ……俺だって今知ったよ。あいつがこんなチートだなんて今知ったよ。

 オーマイガッどころの話じゃないよ。どこぞの一人で一個飛行隊に匹敵する超人になお連ねる気かあいつは。

 一人でどんくらいだ? 一個班に匹敵でもするつもりか? いや、分隊か?


 ……なんかいろいろと妹が俺の知ってる妹でなくなってきてる気がしてきた。懐かしきあのころの我が兄妹。


 ……そんで、まあ例の変態共あたりが当然パニくるわけでして。


「いやちょっと待ってお前の妹チートすぎやしないか!?」


「うん。さっきも言ったけど俺も今知った」


「いやいやいったい何が起こったんだ向こうで!? めっちゃ気になるんだが!?」


「俺が知りたいわ」


「なに、お前がチートならその妹もチートなの?」


「知らんがな」


「となるとお前の残りの家族もチートの可能性があるな」


「弟と両親はいったいなにしたってんだよ」


「いいかお前ら! 新澤の妹には絶対歯向かうなよ! 絶対だぞ!」


「ああこれでまた妹の風評被害が増えていくわけだな」


 まあ、その原因を作ったのはあいつだろうがな。

 これ終わったら絶対事情聴取してやる……。この無線がこの艦内だけで済んでよかったわ。これがほかの艦にまでわたってたら違う意味で大パニックだわ。


 そして海外のネットで有名になるんだろ?


『【海外の反応】一人で司令部の部屋を制圧した日本軍新人女性軍人が思ったより若い件』


 とでもネットでまとめサイトにでるんだろ?


 そんでもって、


・こんな若いの!?

・えー……、これはさすがに日本の欺瞞報道を疑うレベル

・↑こんな欺瞞報道する意味なくね?

・日本の女性こえー……(汗

・美人だけど中身絶対ヤンデレレベルだろこれ……。


 とかって海外コメントが流れるんだろうな。そして見事に勝手に誇大解釈されるあたりまでは幻視した。


 ……でたら絶対いろいろ法的問題が出てきそうだがな。


 ほんと、こんなことにならんでよかったわ。あいつのこと知ってるの俺だけだから。まさか陸軍関係者が上げるわけじゃあるまいし。


 ……まあ、たぶん説明不足でこっちが誇大妄想しただけだな。どうせやってもせいぜい偶然敵兵少なかった敵司令部部屋内に間違って突入して敵兵倒しまくってその結果ほかの非武装の司令部要人を投降させたって程度だろ。たぶん。


 ……と、少し騒がしくなり始めた艦橋内を副長が少しため息をつきつつ制した。


「あー……、とりあえず落ち着けお前ら。とにかく今はほかの別名があるまで待機だ。あと、通信は旗艦にこれを報告しておけ」


「了解」


 ひとまず落ち着いた艦橋内ではまたほかの各自で行動がなされた。


 といっても、今のところほかの指令がない以上とりあえず身の回りの片づけとか、あとは負傷者治療とかの手伝いのみ。あとダメコン。


 俺は一応治療してもらい終えたし、何かあるかなーとあたりを見渡すが……。


「……操舵舵握るか」


 今のところそっちが空いているからいつもの業務に戻るか。それしかあるまい。

 操舵舵は一応は無事だ。操舵はいつも通りできそうだった。

 舵を握ると何とも言えない安心感を覚えた。

 やっぱり俺は舵とり人間だな……。M2なんて物騒なもん持ってたらいろいろと疲れるわ。


 ……はぁ~。


「(……もういいだろさっさと終わろうぜ……)」


 というか、もう戦線のいたるところが敵味方ともに「もう戦争終われ」ってムード一色になっているし、もう中国も後がないだろう。


 事実これ以上の戦線展開は無理だ。さっさと終わりましょうぜもう……。


 問題は誰が出てくるかだが……、まあ、たぶん主席さんかな。

 軍部とて今はそれどころではないだろう。主席さんが一言「降伏します」って言えばそれを口実にアメリカが即行で終戦処理を進めてくるに違いない。たぶん北京あたりにアメリカ軍送って共産党要人確保して裁判にかけるとかそんな感じ。

 共産党軍部側は慌ててその宣言を否定するだろうが、それでも「今回出たのは主席の声だ」とかいてごり押し安定で行くかもしれない。

 まあ、それがアメリカ流ならぬヤンキー流。この後で問題なのは裁判があの東京裁判の再現にならないかどうかなんだよなぁ……。

 あれって結局はその場で急増した法で勝手気ままにいろんな人を裁きまくった結果だろ? 公平さのくそもない。裁判官も連合国の人間ばっかで中立国や枢軸側の人間はこれっぽっちもいなかったし。

 あれみたいなことにならないでせめて平等にやってはもらいたいが……、まあ、アメリカ主導なのは目に見えているし、たぶんこれでいくかなぁ……。国連も、たぶんさっさと終わってくれって思ってるだろうしたぶん黙認状態で安定だと思う。


 ……まあ、歴史なんて勝者が決めちまうのが現実だけどもさ、歴史を見て学ばないのが人間なんだよなぁ……、はぁ……。


 そう考えると結構憂鬱だ。まあ、事実関係によって度合いは結構違ってくるだろうが、あの裁判なんてとにかく全員死刑にしてしまえなんて無茶苦茶なこと言ってるやつだっていたくらいだ。


 戦争なんて、言ってしまえば国家同士の喧嘩ってやつで、もちろん互いの度合いにもよるが、あの時は互いにやっちゃいけないことしまくってたんだから中立国立会いの下の喧嘩両成敗になってしかるべきなのに、これじゃ喧嘩で勝ったやつが裁判したらそりゃ勝った側に都合のいい判決しか出ないに決まってるだろって話で……。アメリカだって原爆投下っていう名の民間人大虐殺をして国際法違反なのにこれはスルーだもんな。


 ……と、すまんすまん。とんでもなく話がずれてしまった。とにかく戦争終わるならせめてこういうことにならないようにしてもらいたいっていう歴史をいくらか知っている人間からのお願いだ。


「……あれからかれこれ10分か……」


 核ミサイルを迎撃してからかれこれ10分が経過した。

 たった10分前の騒がしい出来事は、今ではすっかり冷めている。興奮しきったようだった。


 ……この後どうなるか。まあ、ぶっちゃけ司令部の指示通り右側から中国がどう動くかなんて知ったことではないが……。


「……で、司令部からの追加の指示まだ来ないのか?」


 副長も少し気になって通信に聞いた。

 しかし、通信から来たのは肯定だった。


「ええ……、司令部からは何も」


「なんだ……。また何かほかの情報でもつかんだのか?」


 そうつぶやきつつ頭をかきむしった時だった。


「……ッ! ふ、副長! これって!」


「あぁん……? ッ! こ、これは!」


 その視線は、例のさっきまでアメリカ大統領の記者会見映像が映っていたモニターに移っていた。

 そのモニターには……、


「……え? 主席?」


 なぜか、モニターの映像が移り変わったらしく今度は周主席が映っていた。

 バックを見ても何やらどこからの建物の前……。これ、アメリカ大使館? なんか背景の建物がそれに似ていた。


「主席がなぜこんなところに? 何をしに来た?」


 副長がそう疑問を呈した。


 ……いったい何をしようとしている? 降伏宣言かなんかか? でもなんだってアメリカ大使館で……。


「ん~……」












「何したんだあの人……」













 少し疑問に思いつつも、俺はそのモニターを凝視した…………

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