- Night Test Working. - part Ⅲ - 〆
いかん、ナトリ編は
地の文がカタくなってしまう(*´▽`*)笑
いつの間にか、
ホログラム・スタンドライザーに、
固定されていたガルンツァーMk.9は、
ジョイントが外れ、
大理石のロビーへと接地し。
その機体のそばで、
魔王の女と、御館様は、
座り込んでいる。
魔獣:『がるん……がるんぅ……zzZ……っ!
がるがるぅ〜〜……がるぅ……Zzz……』
暗黒の妖精は、
燃料タンクの上で、
ぷかぷかと舟を漕いでいて。
太ももが何とも はち切れそうな、
女座りをする魔王の服装は、
いつの間にか、
恐ろしく深いスリットが入った、
体のラインがよく見える、
漆黒のドレスと、
ふくらはぎ、までを隠す、ロングブーツ、
という様になっている。
ブーツは革にも見えるが、
恐らく、生物の素材ではあるまい。
当然:(魔王は……"夜"を着よるのだな)
などと、よくわからん事を思った、
トウゼンローだが、
イニィに渡されたグラスを、
てっきり檸檬の紅茶だと思って飲むと、
明らかに蜂蜜酒がブチ込んであったので、
殿は、閉口した。
魔王:{{ ひっく……/// なんですか、
酔ってはいませんよ }}
当然:「……ほろ酔いで、敵を薙ぎ倒したか……」
バイクに立てかけられた杖は、
まったく、美しい十字である。
窓からの閃青に、
そのシルエットは、優しく、淡く──。
思ったより魔王は、ワル酔いは しておらず、
代わりに、少々、饒舌となった。
あぐらの袴と、
色っぺぇ魔王の柔脚の間に、
グラスは二つと並び、
言の花は咲く──。
当然:「……では、南……この先に、其方の故郷が?」
魔王:{{ えぇ……。信じられぬでしょうが、はるか昔、私はレエンの騎士であり、王族の血も引いておりました }}
当然:「信じぬも何も……正誤を断す理があらぬ」
魔王:{{ まだ……あの街は生まれ変わり、生きています }}
あの義賊と狂銀も、そうだが、
魔王の話も また、
よっぽど、御伽話であった。
口当たりの良い、茶の蜂蜜酒などあれば、
夜の艶やかさと、尻の石の冷たさは、
実に上手い調子に、噛み合うに限る──。
当然:「心、穏やかではあらぬ……であろうな」
魔王:{{ 毒にやられるような、聖域ではありません。でも……近くでは、あるいは── }}
なるほど、トウゼンローが話を聞けば。
つまり、ほろ酔いの魔王は、
生まれの故郷が──心配なのである。
魔王:{{ 毒が霧となるには、大量の"水"が必要なはず。レエンで、なければ……よいのですが }}
当然:「……よもや。後ろの闇馬は、そのためか?」
魔王:{{ やみうま? ほ、ほほほ……♪ }}
魔王の髪飾りが揺れる。
魔王:{{ ……ええ。変異した、この身体には、最早、毒は効きません }}
当然:「単騎で……南に斬り込むつもりか」
魔王:{{ 名ばかりではありますが、魔王の号は当てられております }}
グラスを持つイニィは、
座りながら、ニヤリと笑う。
当然:「……ふ、ワシが何を言うても、何も変わらぬじゃろうて」
魔王:{{ 貴方様は、皆が思うよりも、ずっと誠実で あらせられました。あの子たちにとっては、有難いことです。出会う前は、どれだけ短絡的なお方なのかと、危惧したものですが……♪ }}
当然:「ふんっ……ズケズケと言いよる!」
まだ、トウゼンローの含む酒の味は、
変わってはいない。
魔王の威勢か、
イニィは、さらに言い重ねた。
魔王:{{ 思ったことは、言いなさるが宜しい }}
当然:「む?」
魔王:{{ 一度、何名か、街に返す おつもりですね? }}
当然:「──!!」
あまりに図星だったので、
やはり、トウゼンローは魂消た。
朝に、提案するつもりだったのである。
魔王:{{ よろしいかと思います。皆……凄まじい速さで、前を向いておりますし。御息女様方からも、さぞ、言いづらいでしょう }}
当然:「……」
魔王:{{ あの子たちは……どうも、まっすぐですから♪ }}
アンティ、マイスナはじめ、
プレミオムズは、まだまだ、これからだ!!
という感覚のようだが、
そもそも、毒の霧を晴らしつつ、
数十ケルガの砂岩地帯、
森林地帯を駆け下るなどと、
人ならざる者たちのスピードである。
魔物を倒しながら、修行をしつつ、
それは、わずか一日で行われたのである。
魔王:{{ 張り詰めた心が溶け、御息女様方は皆、疲労が染み渡っている頃合いでしょう。予言いたしますわ。明日、貴方の娘さんは、皆、寝坊します }}
当然:「……ふ、で、あろうな」
トウゼンローは、朝日所に、
数名が、立てぬほどの足腰になると、
踏んでいたのである。
今、火の娘たちは、
布団に落ちるように眠っているのであろう。
当然:「……ここまで、毒を押し下げることが叶うとは、まっこと、思ってもみなかったのじゃ……。現状は、街に言葉にて、持ち帰らねばならぬ。書簡だけでは……。民に、希望は必要じゃ。そうでなくては、正しく、言霊は、伝わらぬでな?」
魔王:{{ ご立派です。お察ししますわ……。原因はまだ分からぬとはいえ、大きな成果です。多くの者が、安心されるでしょう }}
街に迫る毒に怯える者を思うと、
胸が熱くなる、トウゼンローである。
魔王:{{ あの子たちの地図は、寸分違いません。より正確に、吉報は届くでしょう }}
当然:「……すまぬ。勝手に従属させたが、深く入り過ぎたからとて、帰らせたいなどと……」
魔王:{{ ふ、ふ……父として、殿としても、たいへんですわね? }}
魔王の瞳は優しく、
まるで、心を見透かされているようである。
当然:「……其方は……魔王と言う割には、ずいぶんと……男を立てるのが上手いな?」
魔王:{{ あらっ、ほほほ……♪ 昔は、男社会に居ました故♪ }}
何やら、少し、いい雰囲気だが──。
トウゼンローてめー、既婚者だろ。
魔獣:『 がぁるる………る……ぅーzzZ
──がっ、がるぅ──ん!?!? 』
──ツルっ!
──ぺたんっ!
燃料タンクから、ガルンが滑り、
トウゼンローの頭に落ちた。
(*´▽`*)草。










