メガホンアンサー
ロビーに集合だ( ◉ω◉ )
──" メガホン "、とは ── 。
声を遠くまで届かせるための、
口に当てて使う、らっぱ形の筒である。
学校の運動会の応援や、
お昼過ぎの定食3割引セールの呼び込み、
たまに同級生へ、
「うるせぇわ! 私だって、
いつか魔法を使ってやるかんなボケが!」
と、ヤジを飛ばすのにも使用する。
よーするに、拡声器であーるぅ。
ちな、今、私が持っているメガホンは、
マイスナ特製の、ミスリル銀・仕様である。
めっさ、すげぇ魔法とおすが、
私には、あんま意味ないことである。
どっちくしょお。
金娘:「 〜〜ぁあ、ああ、テス、テス。お集まりの皆様、落ち着きやがれ、静かにして下さい、こんちくしょー 」
──わいわぃ、がやがーっやッ♪♪♪
格納屋敷の、ロビーに集まった みんなは、
人数も相まって、
ナカナカな騒ぎとなっている。
萌殺:「マジすげぇぇえええ〜〜♪♪♪ マジな、お屋敷じゃねーかぁあああああ〜〜!!!」
白童:「──なるほどぉおおおおおおお!!! "家"を持ち運ぶというのは、想定して、なかったなぁああああああああああああああああ!!!!!!」
姉乳:「は? どこでも遊びにいけんじゃん。今度、遠出すっ時、義賊は確保な。絶確」
妹乳:「こ、こんなものまで、入れていたとは……あきれてモノが言えませんわ……!」
銃侍:「おったまげたで、ござるなぁ……!!」
熊神:「おい、あそこの壁、レターライダーの紋章、はいってね? もしかして、おまえら専用?」
獣王:「ガオガゥ、ガオオッ、ガゥオ?」
[あの床、どうやって直したの?]
う、うっせぇえええ〜〜〜〜……い!!!///
銀娘:「アンティが、ぴきぴきしている。さては、命がいらんな、きさらまーっ!」
……ラマ?
当然:「うぅむ、なるほど……夜を恐れず、前に進める訳よの……!」
逢火:「すごい……タテモノだぁ……!」
新火:「こんなの、入っちゃうんだね……///」
茶火:「こんなの、入んないよぅ……///」
禍火:「めちゃめちゃ、豪華じゃないですか……?」
蝶火:「思った……どう見ても、装飾とか……?」
炊火:「このロビー、なんか、夢みたい……///」
封火:「わかります。憧れるよね……!」
ぁー。種貸城と比べると、
また、違った趣の建築よね。
わかるけど、静かにしてねーっい。
おいコラ青銅ズ。
銅メイドモードで突っ立ってないで、
注意せんかぃ。
え?
私たちが声をあげると?
主である私に、ドロ塗る行為?
なにを言うとんねや。
なんなら、泥パックでもしてやろうか。
いくらでも、マイスナと泥まみれになっぞ?
ん?
泥レス? いま言ったん誰や?
箱庭勢やろ?
怒らんから、自首しろゴルァ、お?
銀娘:「アンティとイチャイチャするのが、一秒一秒、おくれてると思うと、気が狂いそうだなーっ」
うん、今のは聞かれなくて、よかったねーっ!
イヤー、騒がしくって、ヨカッタナーッ。
マイちゃん、やめようねー。
フルフリ、かわいいねー♡
私も欲情しちゃうからねーっ♡
やば、ホントに、
さっさと終わらせたくなってきた……。
こうなれば、人を使おう。
金娘:「オシ姉、オシ姉──」
姉乳:「あんに?」
金娘:「今日の晩ごはんに、お酒が一本、付くか付かないかは……、今、皆が静かになるまでの、タイムに、かかってんだけど──── 」
────スラァァァァ──……!
オシ姉は、抜刀した。
姉乳:「──"黙れ"。仕事中に飲む酒のためなら、私は神すら斬る」
熊神:「──おォーし、おまぃら。このおっぱいは本気だ。今のコイツは、剣のハラで殴打するくらいなら、平気でやる」
こえーよ、あんあんだよ……。
そのハゴイタみたいな剣、
二本とも抜くんじゃないわよ……。
また、ひとつがデカいんよ……。
剣つかってまで脅せとは言ってねーよ。
ヒトのあげた凶器で、
なーにしてくれちゃってんの、
この、おっぱいお姉ちゃんは……。
あ、でも、効果テキメンだわ。
でかした、おっぱい。
金娘:「はァァァァァ〜〜……、ぁー、あー。
本日は、移動格納型拠点、
" アイノス "を、ご利用いただきまして、
まことに、ありゃーとぅございますぅー」
銀娘:「ますぅー」
セールストーク。
金娘:「わかっているとぁー、思いますが……、
"コレ"の存在は、どうか……どうか、
秘密裏に……むしろ記憶から消して、
いただければ……」
萌殺:「今さら、マジで言わねぇから」
銃侍:「死んでも言わんでござるよぉ……!」
金娘:「割とソコの二人は今回、信用ならんのだが」
萌殺:「マママ、マジ言われてっぞ……?」
銃侍:「からから、面目なぃ……」
白童:「──はいっっっ!!!
質問でっす!!!」
金娘:「……、……」
たいへんイヤな顔をしながら、
ユーくんを指名した。
金娘:「……はぃ、ユーくん」
白童:「この、お屋敷は!!!
アンティさんと、マイスナさんの、
ご実家ですか!?!?!?」
金娘:「ちがいまーっす」
銀娘:「ちがうよーっ」
白童:「──でもっっ!!!
後ろのデッカイ絵は、
明らかにっ、アンティさんと、
マイスナさん、ですよねっ!!!」
金娘&銀娘:
「「 ……、…… 」」
私たちは、後ろを振り向いてはいないが、
ロビー玄関の階段の上には、
くっそでかい、私とマイスナの、
変身後の油絵が、飾ってあったはずだ。
みんな、スイカの木箱に乗って、
ちょっと背伸びした私の後ろを、
しげしげと覗き込んでいる。
姉乳:「ホントだ、ガッツリ描いてあんじゃない!」
妹乳:「あれって……かなりのお値段なのでは??」
金娘:「ノーコメント。同じ質問は禁止」
さっさとマイスナと寝室に転がり込みたい私は、
邪魔くせぇ質問は拒否ることにした。
銃侍:「あの……すまぬ、質問なのでござるが……」
もぉぅぅうおおおおおおおお。
金娘:「……ぁい。おサムライさん……」
銃侍:「す、すまぬ……。がんぜる殿の容態は、如何程に……?」
──ぬ。……。
……まぁ、それは、気になるだろっな……。
半壊、してたもんなぁ。
金娘:「あの、火の神様は、身体の修復は、ほぼ終わっています。ただ……肉体的ではなく、精神的なショックで、今は寝込んでいます」
銃侍:「──な!? なにが、あったので、ござるか!?!?」
金娘:「ノーコメント」
報告では……1時間後に、
丸まったまま、気絶してたらしぃ……。
姉乳:「察しなさいよ……。あの名称が本当なら……いきなり、新人冒険者が、私たちの拠点に、放り込まれたよぉーなモンよ……」
銃侍:「……っ! ぁあ……!」
心労って、たまにくる。
熊神:「タテ社会って、タイヘンだよなァ? で? これァ、レターライダーのせんぱいから、譲り受けてんのかィ?」
金娘:「はぁー。クマさん? みんな、疲れてるでしょーから、必要最低限のことだけ、先に説明していい?」
熊神:「──おっと。こりゃ、悪かったゼ。どうぞ、続きをやってくれ?」
──お。
うまい切り返しで、
話せる雰囲気に、してくれたじゃない?
確信犯だとしたら、
ずいぶんとヤリ手なクマさんだこと。
ふふ……ま、この流れは貰うべきだわ。
金娘:「ふふ、どーも。まぁ、強いて言うことは、あまり無いんです。秘密にしてください、食事は用意します、部屋は、それなりにあるけど、妹ちゃんチームは相部屋で、お願いね? それと、けっこう大きな、お風呂があるわ。男女で時間を分けるから、ゆっくり入ってちょうだい」
それを聞くと、おもに妹ちゃんチームから、
小さな歓声のようなものが上がった。
金娘:「装備の汚れも、格納しちゃうから。あと、支給するので、歯磨きは、ゼッタイするように!」
姉乳:「こんな時に……」
金娘:「朝ごはんの有無は、私の気分しだいだかんね?」
姉乳:「くま、ぜったい磨けよ?」
熊神:「おま、おれは一日三回するクマだから」
金娘:「ま、そんなトコです。一応、メイドっぽいナニカも6名ひかえていますから、困ったことがあったら、遠慮なく言って」
ブロンズ・ワークスが、一礼する。
妹乳:「家事だけではなく、夜間警備にも、事欠かないでしょうね……」
姉乳:「王都のギルドマスターが見たら、おったまげるわよ?」
金娘:「──さて。じゃあ、さいごに、イチバン、大事なこと、言っちょくかー……──!」
姉乳&妹乳:
「「 ────……?? 」」
みんなの視線が、
スイカ箱の上の、私に集まる。
金娘:「──この、お屋敷は、
──"お化け屋敷"です」
────……"!?"
全員の、おもしろいほどに、
同期した、表情。
金娘:「厄介な"ゴースト"が、一体、住み着いています」
ざわつく皆さん。
姉乳:「……、一体だけなの?」
妹乳:「厄介、とは?」
金娘:「私とマイスナで、本気で倒そうとして、ムリだったわ」
これを言うと、
なんか、思ったより、
オシ姉も、ヒキ姉も驚愕していた。
白童:「やばいのではー!!!???」
熊神:「ヲィヲィ……おま。おれ、聖水、持ってねーぞ?」
うーん……。
やばいのは、ヤバいンだけど。
ヤバい方向の、ベクトルがなぁ……。
萌殺:「……マジで、やばたんなら、交代で、マジ夜警すっぞ?」
銃侍:「然り。協力するでござるよ?」
金娘:「待って、待って。実は、そのユーレイ。至高の皆さんは、すでに、会ってます」
は? という、反応。
金娘:「とくに、クマさん」
熊神:「へっ……? ……。
────あ"っ!!!」
思い出したか……。
金娘:「なので、兎に角、トウゼンロー様と、妹ちゃんチームに向けて、警告しておきます」
当然:「む、む……?」
封火:「け、警告、ですか……?」
金娘:「──まず、女性にとっては、危険なユーレイです」
禍火:「だ、ダメじゃあ、ないですかぁあ……!」
えぇ……、ダメなのよ……。
当然:「……"男子"には、被害が出ぬ、と?」
金娘:「えぇ、狙われにくいです。恐らく大丈夫かと」
当然:「ぉ、女子だけを狙うとは、なんと卑劣な……!」
封火:「ぁ、あのぉ……! すごく、不安になってきました……!」
禍火:「ぜぜぜ、ぜひとも! 対抗策を、お聞かせ願いだいのですがあぁああ……!!?」
そぉだね。うんうん。わかるよ。
金娘:「まず、必ず、デる場所ですが──」
妹組:
「「「「「「「
か、かならずぅうう──!?!?
」」」」」」」
金娘:「──" 女湯 "には、必ず出ます。 」
……………………。
──" あっ " 。
数人、なにかを察したようね……。
金娘:「今日は、おっぱいケンシマイがいるので、必ず出ます」
姉乳&妹乳:
「「・・・・・・」」
萌殺:「………………マジ、ドエロ?」
核心を突いたな。
熊神:「……、えェと……実害は? 攻撃は、されるのか?」
銀娘:「元、宮廷画家さんの、ユーレイです」
マイスナが、返礼する。
銀娘:「なので、描かれます」
妹組:
「「「「「「「
………………///////(ポッ)
」」」」」」」
銃侍:「…………攻撃は、してこぬでござる?」
金娘:「まったくしてきません。温かく見守られながら、すみずみまで、描かれます」
白童:「おもしろいですぬえええええええええええ!!!」
なにがおもろいんじゃシバくぞコイツ。
金娘:「皆さん、想像してください」
私は、両手を横に広げた。
金娘:「人が、秘密の お屋敷で、仲良しの子と、気持ちよーく、お風呂に入って、るんるん気分で、ベッドに入り──」
銀娘:「んだんだ」
金娘:「──朝、起きたら、屋敷の廊下に、私たちの精巧な裸婦画が、それも……かなりの大作が、3点ほど、掛かっていたときの気持ちを・・・」
萌殺:「・・・マジ、やられたんか・・・」
熊神:「すてちまえよ……」
クマさん、なんにも、わかってにゃい……。
金娘:「オソロシイのは……その絵が、どんなにアレでも……被害者である当人が、廃棄を躊躇うほどの、完成度だと、いうことです……」
銀娘:「んだ……」
姉乳:「そんなにヤバいの?」
私とマイスナ、こくこく頷く。
金娘:「描かれたら、終わりです。あまりの芸術性の高さに、どこかに……誰にも見られない所に、封印するしか、なくなります……」
封火:「ゴーストって、何だっけ……」
姉乳:「ちょっと見せなさいよ。サイコーに気になるじゃない」
金娘:「お酒いいの?」
姉乳:「ワタシ オパイ、ナニモ イッテナイヨ!」
当然:「じょ……除霊は、できぬのか……?」
金娘:「魔法は聖属性を含めて、すべて効きません。物理は元々が効かない上、威力が半減されます」
妹乳:「……対処法は?」
金娘:「ウチのメイドが全力で妨害しますが、風呂で会ったら、全力で殴ってください」
禍火:「ゴーストって、何だっけ……」
銀娘:「攻撃はしてきませんが、蹴りは見られる可能性があるので、気をつけてね」
ナニとは言わんが。
萌殺:「ま、マジで……、ナぁニを飼ってんだよォ、レターライダーズの、おふたりさんはよぉぉ……」
銀娘:「クルルカンの絵本の原作者だから、女湯の絵本を描かれる可能性あるよ」
熊神:「ぉま、さらっとバクダン発言してんじゃねェーよ……」
クマさんが、頭がイタそうに、
眉間を押さえている……。
──わかるわっ。
金娘:「とにかく、見た目を覚えてください。マイスナ?」
銀娘:「あぃ」
マイスナが、どこからとも無く出した、
スケッチブックとデカい蝋色で、
あのアホの似顔絵を描く。
銀娘:「できたーっ!」
て────ん!
当然:「……絵は、苦手なのか……?」
封火:「そんなゴースト、居るわけ、ありません……」
金娘:「クリソツ」
禍火:「うソぉぉおお…………!?」
マガカちゃん?
世界って、広いのよ。
金娘:「その緑の帽子を被ったアホが湧いたら、全力で殴ってください。ちなみに女湯以外の場所では、友好的です。道に迷った時に会ったら、案内してくれます」
当然:「……クラクラしてきよったわ……」
銃侍:「か、からから……思った方向とは、違ったアブなさの、ようでござるな……///?」
金娘:「──ともかく! ヌードデッサンをされないように、各自、気をつけて寛いでくださいっ! わかりましたねっ!?」
姉乳:「はーっい」
妹乳:「わ……わかりまし、た……?」
熊神:「ウェーイ」
獣王:「ガオーっ」
白童:「はいはいのッ、はぁああああい!!!」
銃侍:「しょ、承知……!」
萌殺:「マジおっけー」
絵幽:『ニョロォォォお〜〜♡』
きぃぃぃいいいいい、
さぁぁぁぁああああああああ、
まぁァああああああああぁぁぁあああああ。
金娘:「そいつです。ソイツが女湯に出たら、全力で殴ってください」
銀娘:「にょろにょろ、きさまー。トイレにだけは出るなよ。出たら、絵筆は全てチリと化すと思え」
絵幽:『──ニョロッッ!!!』
萌殺:「マジおる」
熊神:「マイちゃんの絵、ソックリじゃねぇか……」
当然:「た、たしかに……の!!」
封火:「ぁ、あんまり、怖くない、ね……?」
禍火:「ね、ねーっ?」
金娘:「オシ姉、ヒキ姉、くれぐれも、全力で、よ? 全力で、だからね? 試し斬りもオーケィよ?」
姉乳:「いいけど……アンタ。一応、絵本の原作者さんなんじゃないのぉ……??」
妹乳:「ょ、容赦が、ありませんわねぇぇ……」
ったりめーだろ……。
私とマイスナの、"夜戦"シリーズぅぅ……。
ヘタしたら、もうすぐ3ケタ、
いくんだぞおおおおおおおおお。
白童:「うわはははははははは──っっっ!!!
よろしく、おねがいしますねぇえええええ!!!」
絵幽:『ニョロおおおおおおおおおおおおお──っ♪♪♪』
ソコ、握手してんじゃねーよ……。
ヤバ味しか、しねーんだよ……。
妹乳:「ところで、アンティ……マイスナさん?
アレは……いぃんですの……?」
姉乳:「ぁ、私もおもた」
金娘:「──へっ?」
銀娘:「?? なにがですか?」
妹乳:「いや……だから、このロビーの上に掛かっている、巨大な絵……」
姉乳:「さっきから、あんた達、うしろは見てないでしょう?」
んぁい?
いや、だって……、、、?
金娘:「わたしと、マイスナの……──?」
銀娘:「ヨロイ、すがたの、絵……──?」
だよ、────ね────……?
──── ふ り 、 か え る 。
妹乳:「綺麗な絵ですけれど……、
明らかに、ベッドの上で、
半裸同士ですし……///」
姉乳:「仮面も着けてないし……?
何より、ちょっと、あんたら、
エッチな雰囲気よねーっ♪♪///」
金娘&銀娘:
「「 ──── ─ ─ ─…
私とマイスナのキックは、光の速さを超え。
絵描きは、星になったという────。
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バリッーン!
.*・゜
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.*・゜━
グッバイ☆ニョロニョロっ!(´๑>ڡ∂`)☆彡










