ポロっとコヨン! さーしーえー
※前話のタイトルを変更。
※前話に挿し絵を追加。
挿し絵かきたいから話ふやしたのに
力尽きて挿し絵が後になるの
かばあるあるです(笑)( ^_^ ;)
ぼくの名は、ポロ。
小さな子供に見えるかもだけど、
れっきとした、大人のラクーン族だ!
結婚もしてる。
ほ、ホントだ。
今回の語り手は僕になるわけだけど、
え……? コヨンのほうが、よかったって?
ま、まぁ……/// そう言わないで……。
アンティ達が来て、僕達の不安は、
ずいぶん和らいだ!
しかも、プレミオムズ、せいぞろいだ……!
まだ、ちょっと信じられない。
嬉しいことに、アンティと(あともうひとり?)、
オシハさん、ヒキハさんが、
個別で、僕とコヨンに、話しかけに来てくれた!
「久しぶりっ。なんつーか……えらいこと続きね?」
「こんちはー!」
「はは、なんか……鎧のカタチ、変わってないかぃ?」
腕の装甲とか……そんな形だったっけ?
マフラーも、おニューになってるし。
「はぁい♪ 来てあげたわよぉ〜〜♪」
「あれ以来ですね。この前は、来れなくて申し訳ありませんでした」
「うわぁぁぁああ〜〜! オシハさん、ヒキハさんぅう〜〜……っ!」
コヨンは、感激して、泣いていた。
オシハさんたちに、抱きついている。
と、というか……オシハさんと、ヒキハさん?
ずいぶんと……キワドイ格好だなぁ……!?///
全身に、ピッタリと張り付いたような、
不思議な鎧だった。
暗い色をしていて、でも、浮かび上がるような。
見た事のない、巨大な大剣を、
二人で、三振りも、背中に付けている。
にしたって、そ、その、胸が……///
ちょっとの間、目のやり場に困っていたら、
コヨンに尻尾で、ペシペシされた。
ご、ごめんって……。
僕には、君だけさ。
ふと気づくと、目の前に、銀色の女性がいる。
おぉ……狂銀だ。
こちらも、中身は女の子のようだ。
「モフモフかわいい」
「……/////」
そんなに……撫でないでくれ。
これでも、既婚者なんだ。
ホントだ。
ほら、ぷんすか顔で、奥さんが見ているだろう?
勘弁してください。
「んー。こっちも、かわいいなー」
「あ、う、遠慮がない……///」
コヨンも撫でられている。
危機は脱した。
いや、奥さんと故郷の危機だ。
マイスナさん、というらしい。
「義賊に、狂銀か……すごい、組み合わせだな」
「ふふ、バッチリでしょう?」
アンティは、仄かに微笑んでいる。
僕達のために、絵本の敵味方は、
手を組んでくれたようだ。
オシハさんが、声をかけてくる。
「んで? 現状は、どうなってる?」
「「 ……! 」」
僕とコヨンは、顔を見合わせて、頷く。
この人たちに、隠すことは、ないだろう。
「ええと……ナトリの部隊の人達には秘密なんだけど、隠れて、何回かラクーンだけで、南の森に、偵察に出ていたんだよ。数日前に警備が厳しくなって、できなくなっちゃったけど……」
「まだ、私たちの里に、毒は届いていません。でも、かなりゆっくりですが、確実に毒は北上しています」
「やるわね、さすが獣人の先駆け。それくらいの行動力が、なけりゃね♪」
「んもぅ、あぶないですわよ……?」
オシハさんが言った"先駆け"の意味は、
ラクーン族が、太古からいる獣人、
という意味だろう。
アライ族の歴史は、ふかい。
僕達の故郷への愛着は、
族名が変わっても、受け継がれている。
「これ、ざっくりとしているけど……」
「おおまかな、毒の範囲の地図です」
「──! 助かるわ」
「そんなものまで……」
オシハさんとヒキハさんに、
地図をわたす。
横からアンティと、マイスナさんが、覗き込む。
「ぁ……ここまで来ているんですね」
「紫色だなぁー」
パープルの顔料は貴重だったけど、
分かりやすさを重視して、
粗野な地図に、塗ったくっている。
ぼくは、毒の範囲の所を指さして、言う。
「ここに、野生の果樹園のような所があるんだけど、その手前まで、毒の霧は来ているんだ」
「あそこが飲み込まれるのは、私達、ラクーン族にとっては、悲しいことです……」
「何ソレ、めっちゃ行きたいんだけど」
「美味しい果物、ある??」
それはもう、と、僕とコヨンは頷いた。
ヒキハさんが言う。
「少し……ここと、ここのポイントの毒の範囲が、不明瞭ですわね……いや、でも、頑張って調べたことが伺えますわ。点と点を、結んだのね?」
その通りだった。
僕達は、個別で毒の境い目まで行き、
その到達地点を、地図の上で線で繋げた。
でも、毒の霧の範囲は、
きっちり分けられるようなものじゃない。
この"ポイズン・マップ"は、
かなり……まだ、未完成なんだ。
少し悔しい顔をしてると、
オシハさんが、アンティとマイスナさんに、
声をかける。
「へぃ、義賊ちゃんたち? 今回の任務は、マッピングが大切になってくるわ。頼りにしてるわよ?」
「っ! 了解です」
「任せんさいっ」
……! そういえば、
アンティは、砂岩帯で、
全く迷子に、ならなかったっけ。
とても頼りに、なりそうだな。
思わず、にぎり拳が、
ギュギュっと、なった。
「ただ……この位置なら、思ったよりかは、距離が……あるわね。お城で見せてもらった地図と比べると、確かに、ゆっくり進んできてる、、、」
「多少の情報収集をする時間は、ありそうですわね」
「ま、飛び出す前に、ちっとばかし、ニガテな情報収集でも、してくっかな?」
「あら! 姉さまの得意分野は、そちらだと思っていましたけど?」
オシハさんとヒキハさんは、
チャーミングに挨拶をすると、
刀連の人たちに聞き込みに行ってしまった。
「あの……/// アンティさん、この狂銀さん、止めてくれませんか……?///」
「なでなで、ナデナデ♪」
「ふふ、コヨンちゃん、かわいっから♪」
「そりゃそうさ。僕の自慢の、お嫁さんだよ!」
僕とアンティは、顔を見合わせて笑う。
少しだけ、炊き出しを、
手伝ってもらうことになった。
いや、少しじゃない。
なんだぁ……あのデカい鍋は。
どっから出たんだ……???????
あっ、この香りは、ナトリで有名な、
トンジル、ってやつだろう。
食べた。
美味しい。
思わず、がっつく。
「おおぉぉぉ……有り難や、有り難や……! ずずず……!」
ジジアラのじぃちゃんが、感激して泣いていた。
ちょっと、恥ずかしい……泣きすぎだ……。
さすが、オジイチャンなだけはあるな……。
コヨンと、泣き顔がソックリだ。
食事のあとで、ジジアラのじぃちゃんが、
ラクーンの皆を、コッソリ集めた。
「──アンティラ様の、おそばにおるのが、マイス様じゃ。あのお方は、アンティラ様と対を成す存在……! ゆめゆめ、失礼があってはならんぞっ……!」
「「「「「「「「 おぉ……! 」」」」」」」」
「……ねぇ、ポロ。おじいちゃん、何言ってんの?」
「孫娘が分かんないのに、僕が、分かるわけ無いだろう……?」
マイス……様?
マイスナ様、じゃ、なくって?
というか、アンティラ様って、
アンティの、その場しのぎの、
偽名だったはずなんだけど……。
隣で一緒に聞いてたコヨンと、
かるぅく、首をひねる。
「おじいちゃん、盛り上がってる」
「僕は、知らないぞ……?」
なんのこっちゃ……。
まぁ、深くはツッコまないことにした。
「おかしいわね……」
「どうしました、姉さま」
「ゆっくりに、なっているのよ……」
話を、あらかた聴き終わった、
オシハさんとヒキハさんは、
何やら、考えこんでいるようだった。
「マイスナ! あの お鍋、見えないトコロで液状化すんのよ」
「もう、しまったよー。おっぱいズさんら、どーしたの?」
お、おっそろしい呼び方をしてるなぁ、
あの、狂銀さん……。
「炊き出し、ごくろーさん。美味しかったわよ♪」
「オシ姉、なんで食べてんのよ……」
そーいや、しれっと並んでいたなぁ……。
「ゆっくりに、なってんの? 毒が?」
「変でしょう? でも、間違いないと思うわ……ヒキハはどう思う?」
「原因から、離れたためにスピードが遅くなったのでは?」
「毒の拡散の話ですか?」
というか、アンティも、マイスナさんも、
すごいな……。
あの、オシハ・シナインズと、
ヒキハ・シナインズ相手に、
あんなに物怖じせず、
しゃべれるもんだろうか。
いや、僕とコヨンも、
もちろん友人なんだけれど、
あんな、仕事の話まで……、
とっても、堂々と対話をしてる。
内心、感動していると、
コヨンに声をかけられた。
「あまり焦るのも良くないからって、ここで一泊して、明日の朝、調査に行くみたい。向こうでトウレンの人らが騒いでたわ」
「そうか……僕らラクーン側からしたら、気は逸るけど……彼らが決めたのなら、納得はできる」
「クマと、ライオンの獣人さんが、向こうで傷んだログハウスの支柱を、直してくれていたわ。ふふ、すごい迫力よ! みんな……私たちのことを、考えてくれているわ」
「そうだね」
プレミオムズ、大集合に、
僕達を一度、助けてくれた、黄金の女の子に、
それと対を成す、白銀の女の子。
これが、"有り難い"って、やつだ。
「きっと、良い方向に動くわ……!」
「ああ!」
僕とコヨンは、自然に手を繋いでいた。
──と、思っていた矢先。
日が落ちる前に、事件が起きた。
「……なーんで、来ちゃったかなぁ」
「せーぞろーい……」
アンティたちは、げんなりした顔をしている。
ぼくらの居る、避難所に。
なぜか──。
おトノさまと、その奥さん。
そして、同じ顔をした、七人の お姫様が、
来ちゃったのだ。
来ちゃった♪(((;´༎ຶٹ༎ຶ`))).*・゜










