くれくれサイン/モフにゃふにょ
「"刀連"、第一師団長──リキヤ・トウシンだ」
「アンティ・クルルです。はじめまして」
「マイスナ・オクセン。ふたりで、レター・ライダーズ」
「……お噂は、出張所のメンツから、兼兼」
「はは……やっぱ、そゆ所から、ひろがんですね……」
「いきなり騒がしくして、ごめんなさい」
「いや……それに関しては、逆だと思うが……。むしろ、ウチの連中のほうが、有名人・勢揃いで、浮き足立っているな……恥ずかしい限りだが」
「"逆"……? あぁ! そゆことですか」
「タイミング、よかった?」
「正直に言うと……暴動になりかけていた。それが、今では──どうだ。獣人でなくとも、彼らの安心と感謝の雰囲気を感じるさ」
「……不憫に思います。最近も、色々とあったようですから……。ほ、ほら! 至高の皆さんを見て、ホッとされたんですよ……!」
「かぁーいそーだね。おうちから、追い出されちゃうなんて、私、やだなー」
「……。ラクーン族とは……知り合いのようだな? ずいぶんと……、信頼されているように感じるのだが──」
「……!! は、ははっ! ま、またまたぁ〜〜!!/// み、見ての通り、変なカッコの、小娘ですってぇーッ!///」
「アンティは、みんなに好かれる。だから、たいへんなんだぁ」
「……? ぅ、うむ……。それで? 俺は何故、声をかけられたのかな?」
「そ、そうでした。トウゼンロー様から、救援物資をお預かりしています」
「ラクーン族さんたちの、食べ物とか、着替えとか」
「──!! それは助かる……!! たとえ僅かでも、次の支援物資の到着まで、不安を和らげることができるからな……」
「私たちは、運び屋ですから♪」
「そこらへんは、ドンとこい!」
「ううむ、感謝する。して……その、物資は?」
「……こちらに出しても?」
「かなーり、あるよー?」
「……? ……?? そうなのか……? ……。ああ、じゃあ……この辺りに積んでくれたら、こちらで、手ずから検品するが──」
「そうですか。じゃあ、えと……、──あっ!?」
「アンティ。今はマントじゃなくて、マフラーだよ」
「……???」
「いっけね……。ぁーぃ……、……しゃぁーないか」
「バッ、て、やろっ♪」
「なんだ……? ──────……ッ!?」
──きゅうんん── ─ ─。
────シュウバアアアアアアア──!!!
──────ばさぁああああああ!!!!!!!
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どんどんどんどんどんどんどん!
どんどんどんどんどんどんどん!
「……、……」
「ぁー……はは。69箱あります。こっちに中身のリストも、まとめてますんで!」
「サインください。これがないと、いけないんです」
「…………、…………。……いや……、あの……今の……大きな布も、そう、だが……その……、……うん」
「……で、できれば、何も考えずに、受け取っていただければ!」
「あんまり、ウワサに、しちゃあ、ダメだよ!」
「そっ……、だ……だが…………、かなりの団員が……ガッツリ、見ていたと、思うの、だが………?」
「は、はは、はっ……!/// と! とりあえず……サイン、くれますかね……」
「はやーぁく!」
「ぁ、ああ……! こ、ここか……? あ、すまない……。69……箱、だな。確かに……受け取った」
「1から7までの箱は、すべて、お米だそうです。タワラ? のままでは使いにくいだろう……という伝言というか、ひとり言も承ってます」
「タワラの概念が、わからん」
「あ、あぁ……ありがとう」
「いえ、感謝は、トウゼンロー様に」
「ポニテパパ、けっこう、いいやつだった」
「ポニテパパ……。だ、だが……この重量を、運んできてくれたのは、君たちだろう?」
「……! ま、レター・ライダーズですからっ♪」
「まかせんさいっ」
「……すごいんだな。"至高"というのは」
「ぇ、あはは……! わ! 私たち! 少し、ラクーンさんたちと、お話ししてきますから!」
「あとは、お願いしますねっ」
「あぁ……」
キン、キン、キン、きん、きん、
ギン、ギン、ギン、ぎん、ぎん、
タタタタタ・・・!!
「──ちょっと、ちょっと、ちょっと、ちょっと師団長、なんです!? 今のは──……!?!?!?」
「……落ち着け、ヤマメ。他の団員の前だぞ。副師団長が、狼狽えるな……」
「いや、ですが、コレは……!」
「わかっている」
「有り得ない物量ですよ……! 重量といい、幅といい……! 出した瞬間も、なんですか、アレ……!? でっかいマントが、バッ──!! って、広がったと思ったら……!!」
「……彼女たちも、"至高"だという事だ」
「ひえーっ……。正直、"配達職"などと、今まで、ナメておりました……」
「末恐ろしくなる運搬能力だな……。恐らく、遠征任務などとなると、" 至高の冒険者たち "の補給方面での要になるのだろう」
「すげぇな、レター・ライダーズ……。二人組で活動してるのは、何か、ワケがあるんですかね?」
「うむ……憶測だが、戦闘に関しては、他の方々よりも、多少、不得手なのだろう。至らぬ所を、互いに補い合っているのやもしれん」
「なるほど。金の子の能力が"運搬"で……銀の子が"ボディガード"、というのなら、筋は通りますね」
「ふ、オクセンフェルトが、クルルカンを守る、か。何とも興が乗ることだ」
「いや、でも……未だに、信じられませんね! 後方から、こんな豊かな物資支援がそろうならば、吸血鬼の城だって落とせますよ……!」
「こら、めったな例えをするな! ありもしない城のことなど……それに、"血の噂"は、狙われるジンクスだぞ。やれやれ、ゾッとするぜ……」
「えぇ〜〜? ビビってんすか? あ、、、師団長。実は、もひとつ、恐ろしいことが」
「……なんだ、言ってみろ」
「……先ほど、若様から直々に、忠告というか、脅しを受けまして」
「……なに?」
「──" 配達職の御二人に無礼があった者は、某が直々に尋問を成すと伝えよ "、ですって」
「……領主の息子が、"御二人"呼びとか、ぜったいダメなやつじゃん……。あの仮面の下には、どんなドデカい秘密が、収まってんだよ……」
「あれ、なんスか、ビビってんすか?」
「ガオガオーッ」
「……おま、ゴウガのダンナ、マジ、静かにしてろよ? おま、ホントにマジで頼むぞ……? ナトリの師団とラクーンに、ケモノ連鎖で、嫌われてみろ……! おれのクマった良心が泣けてくるぜぇーっ」
「クマ、マジきさま。前々からマジ思ってたが、"マジ"使うんじゃねぇわ。ウチのマジ・アイデンティティが崩壊すンだろがマジこのクマが」
「マジ、空気よめないですよねぇええええええええ!!!」
「マジくそが鼓膜に謝れ、マジこいつ、マジ特大魔法くらわしたろか」
「ユユユ、おま、そこの池に沈んでこいや。風の魔素、見えっから」
「それって空気よむ練習になりますかねぇええええええええええ!?!?!?」
「ガオオゥーッ」
「で、マジカちゃんよォ。ヒナワのアホは、なぁーにをプンスカしてたんだよ」
「ちゃん付けマジないわ。……、マジオコじゃねぇーって。マジ、おおかた、"絵本組ディスったらマジぶっ飛ばすぞ"、って、マジでメンチ切りまくってただけだろ」
「おま、それをマジオコって言うんじゃ、なーいんですかねぇィ……?」
「ガ、ガオーっ? ガオガオーっ」
「ああ、そうですね!!! そういえば、あの子たちが、居ませんねぇええええええええええ!!!」
「──うるせーよッ!! 騒音エルフぅぅ!!! ……え、てか何? おま……通信機能ナシで、ライオンさんと喋れんの?」
「マジだまれ何が居ねぇんだマジさっさと喋れマジ気になるわ」
「──うさ丸さんモフモフチームが、居ませんねぇええええええええええ!!!」
「ガオっ! ガオオォォ──……(がっくし)」
「………、………。……おま、その……非常食とか……思ってねぇよな?」
「ああ、マジなぁーんだ……。そのことかぁ……」
「おぁ? なんだよマジカ、知ってるツラか。……なぁ、あの、うさ公と、キツネってよォ……! カニの時……巨大化して、戦ってたよなァ……? いざってェ時にゃあ、なかなかの戦力に、なるんじゃねぇのか!?」
「マジ期待・イミなっしんぐ。あいつら、お城で、マジお留守番ちゅうだかんな」
「ええっ!? なんでぇー!? けむくじゃらのよしみで、助けてくんねぇのーッ!?」
「なんで、なんですかねぇええええええええ!!!」
「ガオォーっ?????」
「いや、マジめな話すっと……な?
なんでも──" タネガシの秘蔵っ子 "に、
マジなんか、気に入られたらしくって── 」
「すぅ……すぅ……Zzz」
「にょんむー……Zzz」
「くるぉぉぉ……Zzz」
ゆウサさん、おるすばんでーっす☆
((´∀`*)).*・゜










