炎双昇華 上 さーしーえー
首ねちがえたいたい(:3_ヽ)_
クマにだって、観客気分の、時ァーある。
金娘:「──しゃー、やるかぁあ!!」
銀娘:「きあい、いれるんだよーっ!」
猫隊:
『『『『『『『 ニャーっ!!!!!! 』』』』』』』
いや、仲良く、
ガッツポーズしてんじゃねーよ……。
"言語が理解できる精霊"使いの、
従獣職って、だけで……、
ぶっちゃけ、偉人級の扱いなんだぜ……?
はは……ッ、それを、おま、
おおっぴらに、七体って……やれやれ。
オレは、似たような表情をしている、
隣の、おっぱいに話しかけた。
熊神:「ォいォい……猫ちゃんズ、召喚しちまって、大丈夫かァ?」
姉乳:「……しょーがないでしょ。親父さんらの前で、平気で出してるってことは、もう……見られてんのよ」
熊神:「やれやれ……。こりゃァ、いよいよ、大盤振る舞い、ってヤツだなぁ……!」
姉乳:「まったく、ね。見てよ、奥さんの方。ニッコニコだわ?」
熊神:「うわぁ……どえれェ宝モン見つけたって顔だな、ありゃァ」
姉乳:「ヘタしたら、ふたり一緒に正妻候補に、なりかねないわよ?」
熊神:「ははァ、確かに。あんな特殊な腕をイジれんだ、"確保"、、、されそうだよなぁ」
姉乳:「あまりの笑顔に、ダンナの方が冷や汗かいてるわよ」
熊神:「ホーント……」
────ニッコニコ──っ☆
ヒナワの"腕の付け替え"は、
けっこうな人数の前で、
行われる事になった。
もちろん、オレやオシハだけじゃあなく、
ヒキハ、ユユユ、マジカ……、
まさかの、ゴウガのヤツに、
ポニテの親父さんである、ギルドマスター、
妹さん七人衆、
んで……奥方さんの、
ハイ姫さんまで、居らっしゃいやがる……!
物の見事に、ナトリのトップクラスに、
情報漏洩してやがる。
ま、オレもネタバレされた組だから、
複雑な心境だが────。
熊神:「まぁた、どえらく、盛大にバレたモンだ」
姉乳:「そうねぇ……。まぁ、表情を見る感じ、いーかんじだとは思うわよ?」
熊神:「ん、というと?」
姉乳:「……ほら、なんつーか。"恩で殴られた"顔、してるでしょ?」
熊神:「はっ……ははは……! ちげぇねェッ!」
仮面の神官ふたりを見る、御家族の顔は。
実に──希望に満ち溢れた、
燃える目を、していやがる……!
どれだけ貴重な事を、
してもらってるか、ってのは、
よくよく、実感してンだろぉよ。
いや──まさに、今から本番。
これから、シテもらうのか。
まったく、若様ってばよ──?
──まさしく、"両手に花"だねィ──。
銃侍:「ょ、よろしくお願い申す……!」
金娘:「あぃよ。わかってると思うけど、その椅子に座ったまま、できるだけ動かないでね?」
銀娘:「腕は、義手を付けた時と一緒で、"前へならえ"のポーズで、いてください」
銃侍:「御意」
ヒナワのヤツは、無事に男の子に戻り、
座り心地の良さそうな、
木で出来た椅子に座っている。
マジカはジュース飲みながら見物していらァ、
ゴウガも胡座をかいて、大人しくしている。
ユユユのヤローは、椅子に座ってやがる。
ヒキハは立って、腕を組んで。
オシハは、オレの隣で、真剣な顔をしている。
オレは──金と銀に、声をかけた。
熊神:「……、見世物みてぇで、ワリィな?」
金娘:「──! きひひ……♪ ま、実際、そうですから」
銀娘:「すぺさる、しーくれっとだぞーっ」
──ふっ……!
かなりの人数にバレちまってることを、
あまり、ストレスには感じていねェようだ……。
ここにいるヤツらは、オレも含めて、
この二人には、頭が上がらねぇだろな。
オシハが、さっき言った、
" 恩で殴る "ってのは、
実に、的確だぜ。
恩があり、愛嬌がある。
この二人が困った日にゃァ、
ナニ差し置いてでも、駆けつけらァな──?
金娘:「ふうぅ……多少、緊張するわねぇー」
銀娘:「痛覚制御を、第一優先にしようね」
──さぁて。
ありがてぇ神官サマふたりは、
ヒナワの椅子の左右に、
恐れ多くも、ザブトンで座ってやがる。
宙を舞う、七匹の猫。
そして──空中に光り輝く、
ガラスのような、幻影の情報板──。
──"施術"が、始まろうと、していた。
金娘:「──よぉし。全員、"工程表"は、ノーミソにダウンロードしたわね!! 必ず視覚野に映る補助系も、全員が同じものを見るように同期すること! 今のレンタル腕をパージしつつ、新しい腕を、ひっつけるわよ!」
銀娘:「新造の腕はまず、武装化した状態で接続します。同時にレッグシューズのキックパーツも施工し、腕部の身体化の際には、脚部も普通の足に戻ることを確認します」
姉乳:「……ふ、まるで工事現場ね?」
熊神:「くく、同じようなモンだろーよ」
腕に触り始めた二人の神官には、
周囲のガラス片のような情報媒体が、
後頭部に……規則正しく、
突き刺さって、吸収されていくように見える。
シュバババ、シュバババ、といった感じだ。
長方形の透明の板が、
次々に……収納されている。
熊神:「……なんだろうな」
姉乳:「……"説明書"なんだわ」
オシハは感覚的にモノを言ったが、
オレは、なぜだか、しっくりきた。
熊神:「今、まさに、この瞬間……"腕を付け替えるプロ"になった?」
これに、オシハはオレの眼を見て、
深く頷く。
姉乳:「"得意なこと"を、書き換えてる」
熊神:「……」
それを聞いて、
オレは、何だか、複雑だった。
熊神:「……ヒトじゃない、オレが言うのも、ナンだけどよ──」
姉乳:「それは、言わないであげてね……」
熊神:「──! 、……ちげぇねぇ」
ふん、根っこは、いいヤツだぜ。
んなことを思ってる間に──。
──ヒナワの腕は、アッサリと取り外された。
金娘:「痛みは?」
銃侍:「皆無」
銀娘:「上手く断面を保護できたね」
ヒナワの腕の断面は光っていて、
そこに、アンティとマイスナの伸びた髪が、
シュルシュルと、血管の代わりのように、
接続されている。
熊神:「……」
姉乳:「……」
パッと見ると、
ユユユは、まったく笑っていない。
皆、真剣な表情だ。
金娘:「よし……クラウン、出して」
銀娘:「おひろめだよ」
──きゅぅうううううんんん・・・!
──りぃぃいいいいいんんん・・・!
────うで、だ。
金の輪と、銀の輪から、
真っ赤な────" 炎 "──。
ギ ュ ゥ ォ ォ オ オ オ ──・・・!
" おぉ……! "
と、いった雰囲気が、
全員から、漏れ出たように思う。
その一対の炎腕は、
実に──洗練されてやがらァ。
以前のヒナワの腕の……名残りはあるが、
まったくの──別のモノだ。
そして、その構造は──。
姉乳:「よくなってる」
熊神:「ああ」
ひと目みて、わかるな。
前の、ガイコツの骨に装甲がついたような、
弱々しいフレームじゃあねェ。
しっかりとした、
部分鎧のような見た目だ。
シンプルに・・・カッケェ。
男の子が、ぜったい好きなヤツだ。
銃侍:「イカすでござるな」
金娘:「きひ、言ってなさい」
銀娘:「腕がないのに、元気」
銃侍:「お陰さまにござる」
微笑ましい会話してんじゃねーよ。
見ろよ、ハイ姫さんが、
ホクホクしてんじゃねーか……!
マジで嫁さんに、されちまうぞ……?
金銀ポニテが生まれたら、どーする。
金娘:「じゃあ……行くわよ。ニャーナ! タイミング、アンタに任すっ……!」
猫七:『C7:えらいトコロで、ふってくるニャーナぁあー!』
ふたりの神官。
七匹の、空飛ぶ猫。
炎ノ双銃に、ひし、と集いて。
猫七:『C7:いくにゃよーっ! ぜんぶのセツゾク、同時にヒネるにゃよーっ!』
宙に浮かんだ光の線路を、
炎腕は、ゆっくりと移動している。
熊神:「トロッコみてぇだな」
姉乳:「うまく、つくのかしら」
熊神:「ヤなこと言うなよ」
光の筋が見えた。
ゆっくりと……ヒナワの空虚な肩口に、
腕が・・・近づいていく。
金娘:「……、っ」
銀娘:「……、っ」
金と銀の、冷や汗が、すげぇ。
かなり、繊細な作業のようだ。
見ているコッチも、声を出せねぇ。
そして────カウントが、始まった。
猫七:『C7:読み合わせ、いくにゃ!
10、9、8、7、6……5……4……、』
いよいよ、だ。
猫七:『C7:──3……、2……、1……』
光る。
猫七:『C7:──"ジロ!" ──"セットアップ"!』
ガチャ・・・コ・・・!!!
────Bi-Biii──!!!
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▲ ERROR ▲
この行為は 以下の権限者により
ロックされています▼
〖 中火神 ガンゼルレイン 〗
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金娘:「──な、なによコレッ……!?」
銀娘:「──は、はじかれたっ……!!」
やれやれ、前途多難な、よーだぜ。
でぇぇ、たぁぁ、なぁあ、
がんぜるぅうううううう!!!
((((;゜Д゜)))).*・゜










