宴じゃあああああああああぁぁぁ!!!
れんっ♪ れんっ♪
とうっ♪ とうっ♪
前話よんでねっ!((o(。>ω<。)o))
「……マジ、大丈夫か、よ?」
マジカが、マジ心配するほど、
アンティとマイスナは、消耗している。
汗は服の色を変え、
その髪は、肩の高さほどまでに、
ひどい状態で、断ち切られていた。
「ハァ、ハァ……。で……どぉ? 腕の調子……」
「フゥ、フゥ……。痛いとこ、ないです……?」
ヒナワは、すくと立ち上がり、
ギッ、ギッ、と腕の調子を確かめた。
「……驚くほど、滑らかに動く。温度や質感も分かるようでござる。健全な腕が付いておれば……このような感覚なのやもしれぬ」
「は、は……。それは、良かったです」
「どーっだー……、すごいだろー」
「……髪まで、治していただいた。相応しい礼の言葉が……見つからぬ」
「きひひ……! そりゃあ、どーもっ……!」
「あとで、罰ゲームだぞーっ……!」
「……、うむ……」
汗だくで笑うアンマイとは対象に、
ヒナワは、泣くような黙る面である。
立ち上がり、元の髪型を取り戻した兄を見て、
妹たちは皆、涙目である。
「ぁ、兄様ぁぁ……っ!」
「ょ、よがっだ……!! よぅ、ございまじたぁあ……!」
感激する妹組を追い抜き、
マジカが、近くに寄った。
「おい……その髪、マジで元に戻んのか?」
苦笑いで、アンマイが答える。
「そこの若様、見てくださいよぅ……?」
「お馬さんの、お尻みたいだろーっ……!」
「あのなぁ……今やったら、マジ、ぶっ倒れるんじゃないかって、マジ言ってんだよ」
口調は荒いが、マジカは、
真に、アンマイを心配している。
ひどい自己犠牲の上に成り立った、
難しい修復だったのは、瞭然である。
「マジ疲れてんなら……その、マジ、笑えねぇ髪型だけどよ……。今日は休んで、明日、マジお姫様みてぇな髪型にしろよ。な?」
『>>>心遣いは有り難いんだが……そうも、いかないんだよ』
男の声が響く。
「マジか……何でだよ」
『>>>掻い摘んで言うと……この状態で休息しても、万全の状態で回復しないんだ』
「……!! 髪の……接続が……不完全になってしまうのでござるな?」
察しの良いヒナワが言い、
マジカも、「ぁ……」という表情になる。
『>>>……てな、ワケだ。ふたりとも、すまないが……』
「……いい。今すぐ、やりなさい」
「この髪で、寝たくはないや……」
「だ、大丈夫なのでござるか……?」
「マジ、倒れそうに見えんぞ……?」
『C7:多少は消耗するけど、しょうがにゃいにゃな……』
『C2:未接続で、寝てる時に精神的負荷が掛かると、サイアク、暴走しちゃう可能性も あるみゃ……』
「「 ……!! 」」
これには、ヒナワとマジカが言葉を失う。
彼女たちが"暴走する"ことが、
どういう事なのか、二人は知っているからである。
「悪夢すら……見れぬというのか」
「マジ、難儀だな……」
「はは……てなワケで、お願いするわ」
「感覚的には、まだ平気、だから……」
『────稼働限界までは:
────確かに……余力があります☼』
〘------でも;急激に疲れるから;
------覚悟は;しなさいね……?-☪︎〙
「「 ん…… 」」
ヒナワやマジカたちが見守る中で、
その行為は、行われた──。
──サラァァァァァ────!!!
弾けたように、ふたりが、上を向き。
金と、銀の、髪が、
いっきに、伸びきったのである。
それは、発光し──、
明らかに、さいしょにくらべ、
倍ほどまでの、長さとなった。
光が、おさまり──、
アンティと、マイスナは──。
──ぐら、ッぁ・・・!
「──ッッッ!! アンティ殿ッッ──!!」
「──うおっ!? マジかぁあ・・・!?」
──ドタタっっ! ガシッ・・・!!
ヒナワとマジカによって、
気を失った二人は、受け止められる。
金と銀の目は半開きであり、
どのように見ても、普通の状態ではない。
「アンティ殿!! ま、マイスナ殿!! 大丈夫か!?」
「おいっ!!? マジやばいってよぉ!! 控えチーム、マジ、何とかしろってぇ!!!」
『>>>お、落ち着けって!! 見た目ほど、ヤバい状況じゃないんだッ!! 一時的な負荷で、レム睡眠に近い状態になっただけだ!!』
「やばくは無いだと……!? しかし、お言葉だが、先代よッッ!! このように気を失うは、普通に見ればッ──、十分に、やばい状態でござるぞっ!! 何かッ……感覚が麻痺しておるのでは、ござるまいかッッ……!!?」
『>>>……ッ! そ、それは……──』
「…………うるさいなぁ……」
「…………けたたましい」
「──!? ぁ、アンティ殿……!?」
「おぉ、マイちゃん起きた……! マジ大丈夫か、コノヤロぉおー……!!」
『────……正常に:再起動しました☼』
〘------問題……ないわ-☪︎
------予想の;範囲内よ──☪︎〙
意識を取り戻したアンマイは、
受け止められていることを、認識する。
「腕……ちゃんと動くみたいね」
「マジカちゃん、ありがと」
「……、……うむ……」
「おぅ……。マジ、立てっかよ……?」
ヒナワとマジカの腕の中から、
アンティとマイスナが、自立する。
「……ま。さすがに……疲れたわね?」
「ごはん、ちゃんと食べなかったしなー!」
「……、……その、本当に、、、」
「「 しつこい 」」
ビシッと、ダブルで言われ、
ヒナワも、引き下がることにする。
代わりに、若は頭を下げる。
「申し訳が、たたぬ」
「ふんっ。こーゆー時は、
ありがとうって、言うべきだわ?」
「そーだぞーっ、謝る男は、
きらわれるんだぞーっ」
「……。感謝に、耐えぬ……」
ヒナワの声は、
深い想いを、揺らめかせていた。
「マジ、早く寝ろよ今日。マジ、ぶっ続けだったろがよ?」
アンマイは、足元ほどまで伸びた髪を、
手で、かき分けながら、答える。
「いや、終わってみたら、言うほどでしたよ……」
「全力疾走した後みたいな感じだねーっ……」
「マジで言ってんのかよ……マジ、マジで無理すんなよ?」
軽快な喋り口から、
マジカも深刻ではないと判断したようだ。
ヒナワが、申し訳なさそうに、
口を開く。
「……先代よ。その……すまぬ。先の某の発言は、冷静なものでは、ござらんかった」
『>>>……! いや……、……いいんだ』
ヒナワが金神に謝罪し、
当人は、思う所もあり、受け入れる。
「なんか……えっらい伸び過ぎてね……!?」
「ちょっと、やりすぎだねーっ!」
ぜったいに最初より長くなっている髪だが、
今すぐ切りそろえるのは精神的に疲れるので、
保留するアンマイである。
すると、金色の歯車が宙に出現し、
その輪から、水が滝のように流れ出た。
それは、下の、銀の鎖の輪の中に、
流れ落ちている。
アンティとマイスナは、
疲れた顔で、手を洗っている。
「……どうされたでござる?」
「マジなんだァ、いきなりマジ」
「おなかが、減ったのよ」
「遅いランチタイムなのだ」
手を洗い終わったアンマイは、
ペタンと、畳に座る。
「ま、待つでござる。今、座布団を──」
言う前に、そこにはランチが出現していた。
「マジか……。それ、" とれの海産 "のヤツじゃねーか!」
畳に直に置かれているのは、
どうみても、ナトリで有名な海鮮屋の、
" カツオのたたき " と、" サーモン丼 "である。
アンマイは、さっさと緑茶をつぎ、
手を合わせるのだった。
「「 いただきまーっす♪ 」」
全ての者が、あっけにとられる。
醤油とポン酢も、
いつの間にか、出現している。
「ぉ……ぅめぇー……っ!!」
「もぐもぐ……ごぞーろっぷに、しみわたるーっ」
「マジ、やるねぇ……」
突然、魚を楽しみだした二人の神官。
マジカは、" マジやれやれ "のポーズを取った。
そこに、踏み入れるは──。
ナトリがギルドマスター、
トウゼンロー・タネガシである。
「……」
「「 む…… 」」
周囲ガン無視でメシを食いだしたアンマイだが、
さすがに、殿様が接近してきては、
手を止めるしかない。
すぐ後ろには、ハイ姫も控えている──。
トウゼンローのターン。
「……神官なのに、生魚を食うか」
アンティは、頬張りながら、
半ば、ヤケっぱちで答えた。
「もぐもぐ……。私たち、ワケあって、えっらい大司教さんから、この服、カリパチしてますケドねぇい──」
「──別に、本物の神官じゃ、ないんだよ。もぐもぐ」
「ほぅ……? 治癒の術も、使えるようだが」
「さ。どーかしらね?」
「しらないなぁー」
妹たちは、ヒヤヒヤと見ている。
トウゼンローが、紡ぐ。
「仮面は、取らぬのか」
「「 ……っ、── 」」
アンマイが、無言で睨む。
「……無理に取れとは、言うつもりはないわ。"訳あり"か、と言うことじゃ」
「「 ……、…… 」」
少し、金銀は困った顔をした。
「ふ……えらいものを、ドニオスは隠しているものよ」
「今回、助け舟を出したのは、ヒゲイドさんよ」
「アンタは、感謝するべきだ」
恐れのない言葉に、周囲はヒヤリとしたが、
トウゼンローは、素直に受け取った。
「……そのようであるな」
「「 …… 」」
トウゼンローは、ヒナワを見、
凜々しく立つ姿に、
うむ、と頷く。
「ふ……面白き知り合いが、いるものよ」
「……父上、母上。どうか、ご内密に、お願いしたく」
トウゼンローの後ろ、ハイ姫は、
にっこりと、微笑んだ。
「……名は、なんと申したか?」
殿の質問に、
食事中のアンマイは、しぶしぶ答える。
「……アンティ」
「マイスナ……」
「ふむ。双方よ。どちらも共に、
ヒナワに嫁ぐ気はないか?」
「「「「「「「 えっ・・・!!! 」」」」」」」
妹、同言。
アンマイは、あんぐりする。
「「 ・・・・・ 」」
「ほほ♪ 妾も、賛成じゃのぅ♪」
「は、母上っ……!」
ヒナワが窘める声で、
アンマイが、再起動する。
「いえ、あの、私たち……」
「結婚、してるので……」
「ござっ……!?」
「えっ、マジでっ……!?」
「……ふむ、であるか。気が変わったら、何時でも言うが良い」
「ほほほっ♪ 残念じゃのぅ〜〜♪」
「「「「「「「 ぁ、ぁわわわわわわわぁぁー……!? 」」」」」」」
もはや、考える余裕さえ、
アンマイには、あらず。
トウゼンローの質問は、続く。
「生食が、苦手では無いのだな?」
「は、はぃ……」
「シャケ、うまいよ」
────どぅおおおおおおんんん!!!
トウゼンローが、一歩!
おおぉ──きく、踏み出す!!!!!
「「 ──っ……!? 」」
アンマイ、びっくり。
トウゼンローの手には、
いつの間にか、煌びやかな、
大扇子ぅぅ────………!!!!!
「 ──宴、じゃぁああああああああああああああああぁぁぁぁぁ──!!!!!!!! 」
「「 ・・・〜〜〜〜……っ! 」」
さけぶ、トウゼンローを見て、
アンマイは、マジで、
ぶっ飛ばしてやろうかと思ったという。
(((;゜Д゜)))










