イッカツトウゼン さーしーえー
おまたまたん(*´ω`*)。
※挿し絵の1枚目をチビット修正。
※挿し絵の2枚目をズバット修正。
「 すまぬ 」
「「 ……、── 」」
ヒナワの腕の損傷は予想以上にひどく、
一発ずつ、お見舞いしてやろうとしていた、
アンティとマイスナでさえ、
刹那、言葉を失うほどであった。
幼なじみの魔女が、
彼女にしかできぬ、窘めをする。
「マジ……バカだな。マジ強がるかンだろ」
「はは……、今朝方、さらに崩れよったわ」
妹七姫は、信用を見越し、
二手に分かれた後、片方を母への報告へ、
もうひと手にて、直接ヒナワの元へと案内している。
得物が半壊しながらも、
ヒナワは短い髪を揺らし、
わずかに座礼の形となる。
「詫びの言葉が、見つからぬ……」
屋外からの逆光にて、
若の姿は、儚げである。
偽りとする神官たちは、
やはり、情けは、捨てぬ故──。
「……、……状態を見ます」
「腕……少し、上げるよ?」
黄は右手側へと、
白は左手側へと、
座った。
「もう、会っているのじゃな?」
「は、はいっ!」
灰姫が、ヒナワの部屋に急ぎ駆けつけた時、
既に、処置は始まっていた。
こちらに目通りもさせず、
客を直接、息子に引き合わせた娘達に、
多少の懸念も視線に乗せる灰姫であったが、
「母上、このお二人は……信頼できます」
「──! 、……」
何やら、心打つ娘の眼差しに、
咎める気は、もはや薄れている。
障子を閉め、
どうやら世話になるしかない、
女子二人を見た。
再び揃いし妹たちは、
兄より少し離れた畳にて、
足を正し、座る膝の上にて、
拳を固めた。
灰姫は、思う。
(……! 確かに聖兵じゃ。驚いたな……あれは、四ツ仮面のものじゃ……)
マザーズ・クレリアの礼装を纏った二人。
しかも、レイズの"仮面付"であると、
ギルドの長の妻たる灰姫は、
すぐに見抜くに至る。
彼女は娘たちから、目の前の二人が、
至高の冒険者である報告は受けている。
(ぅ、む……。ほぼ、新設に近い至高が、妾の娘を負かし、治癒まで操りよるか──)
疑念と思案の目を向ける灰姫を余所に、
ヒナワの壊れた腕に立ち会う金銀は、
まさに、真剣な眼差しといった感じである。
接近し見ると、
やはり損壊は、多岐に わたっている。
アンティは、迷わない。
「クラウン、分析たのむ」
『────よろしいのですね☼』
「二度は、いわないわ」
この工程が、
家族の目を憚ることが出来ないと、
神々はじめ、皆が察していた。
「ヒナワくん。前へならえ、のポーズ、できる?」
「座ったままで、いいから」
「む……こう、か」
ヒナワが両腕を上げると、
カラン、カラン、と、
いくつかのパーツが、落ちた。
「気にしないで」
「必ず、なおす」
「……すまぬ」
クラウンは、状態異常箇所のスキャンを開始する。
──ヴァォン・・・!!!
折り紙ほどの大きさのアナライズ・カードが、
指先から肩口にかけて、
左右、三枚ずつ、透過する。
「……!!」
「「「「「「「 ──っ……!! 」」」」」」」
──ビビビ、ピピピ、フ──。
灰姫と妹たちが見る、
初めての、エフェクト。
『────分析完了☼』
損壊箇所の情報が、
透明なウィンドウとなって、
空間に多重表示される。
──ヴぉヴぉヴぉヴぉヴぉヴぉヴぉヴぉンっ──・・・!!
もちろん、それを見て妹たちは驚くが、
それよりも、深い驚愕が、灰姫には生じる。
( ……あれは……、" 硝子窓の絵巻 "……!? よもや、ナトリ創設の勇者殿たちが使った、力と、同様の……? )
今まで思案すれど、表情は動かざる灰姫の、
しかし、冷や汗は一筋、頬をつたう。
(……えらいモノを、呼び寄せた、ものじゃ……)
新参の至高が、隠されし勇者だとすれば、
なにか、隠す理由が絡んでいるはずである。
見通せぬ畏怖を、感じる心。
(しかし……能力は……)
灰姫の距離からでも、
透明の浮かぶ窓たちに、
様々な文字が光るのを、
読み取ることができた。
「劣壊が、246箇所。つーか、曲がって噛み合ってない所が、多すぎるわ……」
「フレームも、五割以上、やられています。痛みは? ありますか?」
「む……感覚は、ほぼ、ござらん」
(能力は……確かやも、しれぬ……)
伝説の、勇者の如く、
御伽のような、神秘なら──。
(……ゆだねて、みるか)
灰姫も、また、
連なる愛娘たちに並び、
間を弁えつつ、座を正すのであった。
「……、……、ひどいな。やっぱり分解しなきゃダメだ。やるしか、ないっ、か……」
「神経回路のショックを、私たちの髪で抑えながらバラします。お覚悟を」
「……文句など、皆無」
母と娘は、よく分からなかったが、
次の瞬間────・・・、
──しゃらぁぁ──────。
「「「「「「「 ──……!! 」」」」」」」
( 髪──、か──…… )
純なる神官服のフードが肌け、
帽子を押しのけるように踊り出たのは、
息を飲む、美しい髪である。
それは絹の如く。
対象的な、
黄金と、白銀の、流麗なるや──。
「き……」
「きれい……」
とても、長い。
だが、まるで逆立つ一本も在らず。
朝の川の流れのような、印象である。
「あんな……綺麗な髪の人たちだったんだ」
「……! 同じ色の、仮面──……!」
黒髪を見慣れた妹たちは、
顕になった髪と仮面に、
思わず、言の葉はしるのだが──。
──驚きなど、もはや終わらず。
『────システムに侵入します☼』
『>>>ダイレクトに接続する。まずは……外装に露出した、28箇所だ──』
──しゅるふふるるるるる──……!!
──パキ・パキ……!
「かみが……!」
「うごいてる」
「……、……」
──カチ、、、カチ、、、シュルル、
──ポォン、、。
──カチ、カチ、ドゥン──。
「いき、てる……」
複数の束に分かれ、
管状に変化した蛇のような髪は、
ヒナワの壊れた両腕の装甲の隙間に、
滑り込むように、侵入していく。
「第ー接続は完了したわ。右の肘は生きてる。んっ……でも……」
「その上のフレームから、ダメだね……。痛みはありますか?」
「いや……。心做しか、あたたかい──」
「母上……」
「……、……」
いまだ、浮かぶ無数の窓には情報が映り、
自在に動く髪は、見たことも無い美しさを、
醸している。
──髪が、光っているのだ。
( ……繋がって、おるのか……あれは……? )
美しく奇怪な光景に、
母と娘は、姿勢を保つに限る。
ただ、それは──、
絶望を、感じさせるものでは無い──。
「外部装甲から、外していくわ」
「けっこう、やっちゃうと思う」
「平に、お願い申す故」
「こっから、精密な作業になるわ。そのつもりで、頼むわよ」
「こちらで押さえて固定はするけど、あんまり動かないでね」
「承知」
障子が、叩き開けられたのは、
空中に、回る小さな金属片が、
多数、出現した時だった────。
──パァァァァァんんんッッ──・・・!!!!!
「────ぬぬぅううぅッッ・・・!?!?
きさまらぁああっっ・・・!!
我が倅に、いったい、
何をしておるぅぅぅぅぅ!!?!?!?!?」
「──げっ!? マジ、かぁ……!?」
「……!」
「ち、父上……!!」
マジカ、灰姫、妹たちの目線が集まる。
躍り出る城の主は、止まらない。
「ぬ、なんとぉおお・・・!! その、髪は……!?
め、面妖な技を、使いよってぇええ……!!!
その腕に、触れるで無いわぁあああああ──っッ!!!」
捲し立てる、タネガシ・トウゼンロー。
当然、止めるは、ヒナワが道理である。
流石に申し訳がたたぬと、
父を止めようとしたヒナワが言い淀んだのは、
金と、銀の、目の前の二人の表情である。
「……、……」
「「 ── 」」
──微動だに、せぬ。
ヒナワは改め、女の強さを知る。
動じぬ二人の異邦使に、
トウゼンローは、さらに踏み込んだ。
「むっ・・・!?!?
こ、このっ・・・聞いて、
おるのかぁあああああ!!!」
「ち、ちちうえ……!」
「この方、たちは……!」
「……」
「うえぇ、マジ厄介じゃねーか……」
妹が必死に止め。
そろそろ、灰姫が声をかけようとした時。
さらに、トウゼンローは、前へ出た。
──それが、逆鱗に触れる、こととなる。
「──き、きさまら、話をきいて──・・・!? 」
──スッ・・・
「「
だ ぁ あ つ て
す あ つ て
見 て ろ
あ あ
!!!!!!!
≦◉≧≦◉≧ ≦◉≧≦◉≧
」」
「ぬ、ぉ……っ……、……!?」
「……、」
「「「「「「「( びくーんぅ! )」」」」」」」
家主など、比較にならぬ、
氣を当てるかの如く、
重なり轟く、乙女の咆哮。
──そして。
ふりかえり、続ける。
「……うごくなよ?」
「じゃまは、しないで」
「……ぎょ、御意」
ヒナワの返答の後、
沈黙が、時を食う。
「はっは……。マジ、アイツらの、マジ度胸は、
いったい……マジで、どっから湧いてんだってな」
マジカ曰く。
トウゼンローが、無礼にて一喝されるは、
生涯にて、これが唯一だったという。
やぁーっい!!!
おこられたぁぁ──っ!!?
\\\\٩(´∀`*)و ////










