セイハンタイノカイゴウ
連投です。
白と黒のオトコが、カイゴウする。
そらははい、みずもはい、りくはみえず。
かれらは、そのうえに、たっている。
「ここは……」
「やあ」
「おれは、いったい?」
「こんなところで、なにをしている」
「……! 仲間を、探しているんだよ」
「ほぅ」
「おれたちは……なしとげた、はずなんだ」
「うん、そうだな」
「くそ……、なんだろう、フラフラする」
「ふふふ、そうだろうな」
「なんだ、ここは……おれたちは、戦うのか?」
「そんなことは、有り得ない」
「……? 夢、なのか?」
「そんなに察しがいいとは、思わなかった」
「誰だ、アンタは……おれは、どうなった」
「……」
「みんなに、会いたい……」
「みんな、とは?」
「……!? そりゃ……、……ぁれ……?」
「ながすぎたんだ」
「おもい、出せない……」
「140が、限界なんだ、普通の、な」
「なにを言ってる……?」
「ただ、貴公は努力した。大切な者を忘れ、
目的を忘れ、誇りを忘れ、
そして、善意だけが残った」
「わ、わからない……」
「そうだろう。皆、そうなのだ、だから──」
「……?」
「不安がる、ことはない」
「……? ?? なんなんだ、アンタは。味方、なのか……?」
「そうだ」
「信じられない」
「ふ、悲しい事をいう」
「アンタ、騎士か、なんか、か?」
「我らは、同じ者と、戦った者」
「なん、だって……?」
「覚醒の時は近い。ただ、長すぎるようにも思える」
「なにが、だ?」
「すべて、が」
「……、……。なぁ、おれが昔やってたゲームとかだと、確実に、アンタが黒幕なんだけど……」
「──! はっはっはっはっはっはっはっは、はっはっは……!」
「爆笑、かよ……」
「く、く、いや、失礼……。はぁ、難儀なものだな。誓おう、お前が誇らしい」
「ほこ、ら……?」
「ふふ、ふ……私が、"黒"と言われたのは、初めてだな」
「おい……?」
「怒らずに、聞いてほしい。お前の仲間は、もはや、死んでいる」
「……ッ!!」
「だが、それは滅びたからではない。お前と共に戦い、幸せを掴み、天寿を全うしたからに、他ならない」
「……、……」
「だからこそ……想いは語り継がれている」
「なんだ……なんだよ、ソレ……わけが、分からない」
「……」
「じゃあ、おれは、何だ。何が大切かも分からず、ひとりぼっちで、生きているのか」
「お前は」
「おれは……」
「お前は、気づいていないだけで、全てを失ってはいない」
「……ッ」
「私がここにいるのが、何よりの証拠だ」
「ッ、アンタは、なんなんだ!? 勝手に、踏み込んでこないでくれ!!」
「私は、呪いに近いモノ。そして……お前に感謝する者だ」
「……、……?」
「お前は……黒を倒した、黒。そして……黒を倒す想いを、受け継がせた、黒」
「くろ……?」
「お前の後ろに、私をはじめ」
「?」
「様々なものが、ついているのを忘れるな」
「……!?」
「必ず、その手に、掴めるさ」
「……、……。 ぉ、おい……アンタ、名前は?」
「ふふふ」
「なんだよ!」
「騎士に名を聞く時は、自分から名乗りたまえ」
目覚め、ふらふらとし、
置き手紙があることに気づく。
読みますか?
▼ はい いいえ
ペラ……
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店長へ
ピエロちゃんとの付き合いで、
ガルン共々、少々、ナトリの方に
出向いて参ります
あのメイド達も、こちらに恩義を
感じているが故
着いてきてしまうでしょう
お店のほうを、蔑ろにしてしまい
申し訳ありません
ただ、最近の店長は
お客様に逃げられることも
だいぶ……少なくなりましたから!
また戻り次第
お手伝いさせていただきます
お土産、ご期待くださいませ
イニィ
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「……ふ」
男は、黒い仮面を手に取る。
「では……しばらく一人で、頑張らねばな」










