トドメちゃんのトドメしオモイ
おまたんたん(●´ω`●)。
ちとさいご、書き足しました!
我がお供の勇者によって、
レスキューされたトドメちゃんは、
自分の魔法のノックバックで、
見事に気絶しておられる……。
シャレにならんわ……保護者を出せ。
「きゅ〜〜〜〜…………☆」
「に"ょ、にょおッげっふォ……、に"ょにょ、に"ょくッ……っ」
うさ丸さまに、ニンジンを捧げよ。
がんばったな、よしよし。
「よおやったな、見直したぞ」
「水のうえ、ジャンプしてたね」
「にょっき、にょきぃ……」
うさ丸は、下半身びっちょりである。
モチロン、漏らしたのではない。
チョッピリ、自然の摂理に抗っただけである。
「ただアンタ……デカくなったら赤靴の裏から、ジェット噴射できるやんけ」
「次から、そうしてね」
「──に"ょっ……!?」
なんで水面、走ったんだろな、この子……。
ん、パニくった?
しっかなさいな。
「で、どない……?」
「全然ケガはしてないねー」
「よかったぁー……!」
失神したトドメちゃんは、
幸い、目立った外傷は無いようだった。
まったく、驚かせんじゃないわよぉぉぉ。
「んむむっ……、、、きゅ〜〜──……☆」
「くゆくゆ、くゅくゅ?」
ノビているトドメちゃんを、
カンクルが、心配そうに覗き込んでいる。
「くゅ……くゆーっ?」
「──── ハ ッ !?(ガバッッ)」
起きた。
「 く ゅ ― ッ !?(ぴゅ──ん) 」
トドメちゃんが、いきなり上半身を起こしたので、
カンクルが飛んでった。
アディオス、キツネ。
「こ、ここは……!?」
「地上だよー」
「だ、だいじょうぶ? トドメちゃん……。あなた、気ィ失ってたわよ」
「自分を吹っ飛ばしてたよ」
「ぅ、うぅ……また、なのです……トドメは、まだまだなのです……」
また、って、アンタ……。
こんな事、日常茶飯事なんじゃ、ねっだろなァ……!?
子どもが飛んでいい飛距離じゃなかったかんねっ……!?
「あの……魔法の練習してる時って、いっつも、あんな感じなの……?」
「だいたぃ、あんな感じなのです……」
「あぶねーなー」
よもや、いつもココの池を、
クッション代わりに使ってンじゃ、
ないでしょーねぇぇ……?
今回は、たまたま、
うさ丸がミラクルキャッチしたけんども。
普段は、失神して水にボッチャンしてから、
強制的に叩き起きて、
岸まで泳いでるのだとしたら……。
「キケン極まりない行為だろがよ……」
「本当に危ないから、ちゃんと考えた方がいいです」
「はい……」
「くゆっっくゅーっ……!!(葉っぱまみれ)」
「にょきっとな……(水びたし)」
ヘタり座りしているトドメちゃんのそばに、
マイスナと、しゃがんで円陣くみながら、
色々とアイディア出しなんざ、
してみたりする。
「もーちっと魔法の威力を弱めれば、槍みたいに使えるんじゃない?」
「うぅ……どうやっても、おっきな……丸こい魔法球になってしまうですよ……」
「魔法を留めたまま、杖ごと投げるとか、どうですか?」
「ええやんソレ」
「前にやった時は……爆発の後に杖ごと飛んでって、探すのに、一週間かかったのです……」
「「……」」
あんたソレ、よく心、折れなかったわね……。
「それで今度は、杖と自分の手をロープで繋げて投げてみたら、今度は自分ごと飛んでって、木の枝に、お布団を干すみたいに引っかかったです」
「「 バカちんが 」」
ためす前に、やめとこうね。
「焼きゴテみたいに、押し付けられないんですか? ジュー杖、って」
「物騒ねぇ、アンタ……」
「んみゅ……どんなに少しだけでも、何かに触れたら、即・バクハツするのですよ……」
「めっちゃこわいやん」
「うーん……」
『────かなりの:難題のようですね☼』
『>>>こまったねぇー。この子、体重、軽そうだし』
〘------本当に;杖なのんコレっ☆〙
〘#……ぃや、うーむ……。色々な意味で、地雷では、あるようだな──……〙
ナルホド、な……。
トドメちゃんなりにも、
いろいろ試して、努力してはいるみたいだ。
実際、魔法の威力は スンゲぇから、
扱えるようになれば、
すんごぃんだろーけどぉ……。
「立ち入った話になるけど……孤児院? の人とかは、なんて言ってんの……?」
「心配してると思うよ」
「うぅ……。そ……そのままじゃ、とてもクエストは受けられませんよ、って……。せめて、パーティに入れてもらうかして、修行しなさいって言われたのです……」
そーなるわなぁ……。
魔法職の事は、魔法職さんに習った方が、
イチバンいーだろぅし。
「でも、今のトドメがパーティに入っても、バクハツして終わりなのです……」
「「 ぅ、あー…… 」」
たぶん、ナトリのシスター的な立場の人も、
かんなり、心配してると思うんだよなー。
だって、気づけば木の上に、
魔女っ子が引っかかってんのよ?
考え方も、言っちゃなんだけど、
かなり幼いっぽい感、あるしなぁ……──。
クラウンの言ったとおり、
こいつぁ、なかなかの難題だわ。
うーん、できれば、
解決策を見いだしてあげたいけれど──。
「「 ぅ────んんん…… 」」
マイスナとふたりで頭を悩ませてみるけど、
いい方法は、イマイチ、閃かなかった。
お節介すぎる気もするけど……、
ほっとくと、無茶しそうだしなぁ……。
「にょきっと、にょきっと!」
「くゆくゆっ!」
「ふふふ、かわいいのです♪」
当の本人は、
うさ丸たちに癒されているみたいだ。
やりやり……。
つーか、もちっと大きくなるまで、
修行する……とかが、いいんじゃないかな……?
すると、うさ丸たちをナデナデしながら。
盃の魔女は、ポツンと言う──。
「トドメは……魔法職になる前は、従獣職になりたかったです」
「──! そうなの?」
「むゆ?」
「にょきっとな!」
「かんかん?」
「トドメも……この杖を握るまでは、こんなに魔力があるとは、知りませんでしたから」
う、ん……威力だけなら、相当なモンだ。
さっき、魔法を溜めて殴った木は──、
────幹が、無くなっている。
「でも、その前は、どんなに小さくってもいいから、かわいい魔物をトモダチにして……薬草あつめとかを、頑張りたかったのです。強くなくても、冒険者になりたいのです」
「へぇ……」
「どうして、そんなに?」
「ちょっとでも、お金があれば……みんなが、助かりますから」
「「……」」
みんな、ってのは……、
ナトリの、孤児院の仲間のことだろーか。
……ええ子か。
方法は……アレだけんども。
「ふふ、あなたみたいな、可愛いラビットのトモダチが、できればよいのですが」
「にょきっと……?」
「くゆーっ!」
「それは、ダメだよ」
マイスナが、そう言ったので、
ちょっとビックリする。
マイスナが、トドメちゃんのそばに、
しゃがみ直して────。
「孤児院にラビットなんか持ってったら、ぜったい食べられちゃうよ」
「……! ふふ、そうかもしれないですねっ♪」
「にょ、にょきっとな……っ!?」
マイスナの一言を聞いて、
トドメちゃんは、ケラケラ笑っていた。
「神官さんたちは……なんだか、不思議な人たちなのです。仮面をしてるけど、優しくて……可愛いトモダチもいて。この街には、どんな御用だったのです?」
「「 ……! 」」
いきなり質問されたので、
少し考える。
う、うーん……。
若様を、救出にきた、とは、
言えないし……。
「ぉ……、お刺身を、食べにきたのよ!」
「──!!」
マイスナに、ガバッと振り向かれた。
あ、あによ、間違ってはいないじゃない。
あ、マイスナも、めちゃくちゃ頷いている。
すると、トドメちゃんから、
意外な返答がくる・・・!
「──!! そうなのですかっ! それでしたら、トドメが、よい店を知っているのですっ!!」
──え……ッ!?
ま……、マジっすかッッ!!?










