表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
932/1216

ヒゲイドさんの昔のやらかし 下 さーしーえー






  ◆  ナトリ民歌・肩幅(かたはば)巨躯(きょく)赤家(あかいえ)絵巻(えまき)  ◆



   歌:ナトリギルド 受付嬢の皆さん

   語:五代目 配牌丸(ハイハイマル)

  編曲:往生外(オウジョウガイ) 貞光(サダミツ)

  小鼓(こつづみ)(エン)(コラ) 春彦(ハルヒコ)





 ( 幕上(マクアゲ)歌手一礼(ウタイテイチレイ)拍手喝采(ハクシュカッサイ)(ノチ) - )

 ( 手拍子(テビョウシ) 小気味良(コキミヨ)クアラズンバ - )






 (しゅ) () な る や ( ぁ〜あゃあやァ♪ )


 (しゅ) () な る や ( ぁ〜あゃあやァ♪ )



 (かい) を (つんざ) く


 () () (ぶき) よ ( ぅおゥ♪ )


 () (くう) (つらぬ) く ( ──カンっ )


 (おお) お と こ ( 〜ぉおぉ〜ぅお〜〜♪ )



 (こぶし) () き () き


 (おど) り い ()  ( ──ハッ! )


 () て し (かい) () は


 屋 根 の 上 ( ィえいゑぇ♪ )




 (おさ) は 驚 き


 (あい) () を 隠 し


 家 は 見 事 に

 

 (あか) だ る ま ( ぁあア〜〜♪ )




 村 の 若 さ が


 (なに) (ごと) か よ と


 (あわ) て (つど) い し


 秋 の 空


 


 そ の 目 に と ま る は


 人 な ら ざ る か ( ・・・!! )




 ( ── ポ ン っ ♪ )




 血 の 雨 ふ ら す


 (せん) の も の ( ォ〜おぉ〜ゥお〜〜♪ )



 


 

 挿絵(By みてみん)

 









受嬢:「 ──ってーな(うた)が、ナトリに残ってるくらいには、ギルマスの黒歴史は、メッチャくちゃ有名なんですよぅぅー♪ 」


巨髭:「く、くそぅう……!」


金娘:「えぇ……っと。つまり……キッティに会う前の、若かりし(ころ)のヒゲイドさんが──」


銀娘:「──昔、空中で(なぐ)(ころ)しちゃった魔物が、カタハーヴァ族の(おさ)さんの家に、直撃(ちょくげき)した……?」


受嬢:「──そのとぉおおおうッッッりぃいいいいい♪♪♪」


巨髭:「ぐぐ、むむぉぉぉおおお……!!!」


受嬢:「キャッキャ、けらけらっ……♪ その時にギルマスが倒したのって、シガノビタチっていう、全長16メルトルテくらいある、尻尾(しっぽ)がオロシガネみたいになってるヨロイイタチ(しゅ)なんですけどもねぃーっ♪」


銀娘:「でっかいなー」


受嬢:「そら、考えてみてくださいなっ? そんなのが、どてっぱらに風穴あいて、鮮血を()()らしながら、じぶん()()ちてきた(おさ)さんの気持ちをっ……!」


金娘:「うわぁー……」


受嬢:「私も実際に見たワケじゃないですけどねぃ! そりゃあ、(おさ)さんは娘さんと奥さんを地下に隠して、家の外に様子を見にいきますよねぇいッ!? じゃあ家の色はもう真っ赤っかに変わってるワケですよ! トマトジュースより真っ赤! いやっはー♪」


巨髭:「おまえッ……? それ、酒じゃないだろうな……」


金娘:「はぃっ。そのワイングラス、私じゃないです」


銀娘:「キッティ、めっちゃしゃべるなー」


受嬢:「んでもってですねっ! 村の若人(わこうど)たちが集まってみたらですねいっ! 頭っから(かえ)り血ぶっ(かぶ)って、オールレッドになったヤングギルマスが、ニオウ()ちで、オニみたいに、ふんぞりかえっているワケですよぉ!!」


金娘:「マジなんスか……?」


巨髭:「……、……」


銀娘:「で、どーなったのー?」


受嬢:「血まみれの筋肉大男(きんにくおおおとこ)がいたら、そりゃー敵だと思いますよねぃッ!? 血気盛(けっきさか)んな村の若者たちは、当然そのヤンチャ野郎を倒そうとして、それをギルマスは返り討ちにして、ちぎっては投げちぎっては投げ!!!」


金娘:「 ええっ……!? 」


巨髭:「──ちぎってない、ちぎってはいない!!! おっ、おまえッ、適当なことを言うんじゃないッ!!!」


銀娘:「バトルになったのは、本当なのー?」


巨髭:「そっ、それはだな……」


金娘:「……何人か、やっちゃったんですか?」


巨髭:「ぁ、アホおォッ!! ちゃんとッ、手加減はしたわ!! そっ、その……関節、はずしたりとか……」


金娘:「ぁっ……ナルホド……」


銀娘:「わかげの、いたりだなー」


受嬢:「巨人族の戦士たちを全員脱臼させるとか、人智を超えた御業(みわざ)ですからね?」


巨髭:「し、しかたねーだろ……! たまたまっ、(いえ)真上(まうえ)に、落ちちまったんだから……!」


金娘:「なーんで、ナトリで歌になってんすか……?」


巨髭:「くっ……! その、カタハーヴァ族の集落が、たまたま、近かったんだッ……!!」


銀娘:「ヒゲさんも、有名人だったんだなーっ」


受嬢:「巨人族の村長(むらおさ)の家を破壊した挙句(あげく)、その村の若者を全員ボコボコにした荒くれもんが、有名にならないわけが、ないですよぅぅ──っ♪ キャッキャッ……! ぐびぐびっ♪♪♪」


金娘:「キッティ、そろそろ、やめときなって……」


巨髭:「あの時の俺は……どうか、してたんだっ……! くそ、ぐぉおおお……!」


銀娘:「気にするな、そんな日もある!」


金娘:「どの立場から(はげ)ましてんのアンタ……?」


巨髭:「く……! もちろん、後で、謝りには行ったんだ……!! ただ、その頃には、すでに完全に警戒(けいかい)されてしまっていてだな……! ……っ、アンティ。おまえどーせ、赤ワイン持っているだろ。金はらうから、ついでくれ!!」


金娘:「ぅ"えっ……!? し、知りませんよぉ……?」


銀娘:「じゃあ、ヒゲイドさん。ソルデさんの一族から、めっちゃ怖がられたままなんだねー!」


巨髭:「くっ……!」


受嬢:「キャッキャッキャ……♪♪ マスター同士の、(はつ)の顔合わせの時は、ケッサクでしたよぅ〜〜っ♪♪♪ ふわぁ〜〜ぃ……。他の方はともかく、ウチのギルマスだけは、別に呼び出されましてですねぃ〜〜♪」


金娘:「つーか、よく会ってくれましたね……?」


巨髭:「……ふんっ、あんなの、会ったとは言えん!」


金娘:「どゆこと?」


銀娘:「声は聞いたんですよね?」


巨髭:「……" (はこ) "だ」


金娘:「……んむぅ?」


銀娘:「はこー??」


巨髭:「指定された部屋に行ったらな……。俺の、身長くらいの……でっかい箱が、あったんだ」


金娘:「──ブハッ……!?」


巨髭:「俺はな……箱と……しゃべったんだぞ……」







挿絵(By みてみん)


巨女:「……これから……よろしくおねがいします……」

巨髭:「ぉ…………。……、……おぅ…………」








巨髭:「──と、だけなぁぁぁあああ・・・!!!」


金娘:「──ブッ、きゅっ……!? ── き っ 、、、 き っ ひ ゃ っ ひ ゃ っ ひ ゃ っ ひ ゃ っ ダメぁ、ツボッ、たぁっ、ッ き っ 、 ひ ゃ っ ひ ゃ ッ ひ ゃ ッ ひ ゃ っ ひ ゃ っ ヒ ャ ッ ♪♪♪ 」


受嬢:「ぎゃっっっはははははははははははははははっっ☆☆☆」


銀娘:「きょだい・はこいり・おんなさんっっ・・・!!!」


巨髭:「ぜっっってぇ……!! あの、デカブツ親父(オヤジ)の差し金だぁあ……! 娘が、ギルドマスターになると聞いて、護衛(ごえい)タップリの部屋に、文字通り、娘を箱入りにして、アイサツかましてきやがったんだあああああ!!!」


受嬢:「おなかいたひ、おなかいたひ、しぬ・・・!」


金娘:「き・・・ひ・・・ひ・・・まじ! で、でもっ、そんなまでしてっ、会ってくれて、よかったじゃないですかぁぁァ」


巨髭:「バカものぉ! あんなのがッ、会ったうちに・入るかぁああアァ!! まるでッッ、特設(とくせつ)懺悔室(ざんげしつ)のようだったわ!! ありえんからなあッ!?」


銀娘:「会いに行ったらバカでかい箱があるの、おもろいなーっ♪」


金娘:「き、ちょ、、、! やっ! やめてッ、ヒゲイドさんっ……、腹筋(ふっきん)つるからっ・・・ぐふっぉ」


受嬢:「はァ、はァ……アンティさん、おかわりください」


巨髭:「それからというものだな……。数年間、必要最低限の業務連絡しか、向こうさんとは、取っておらん……どぅだ、余興(よきょう)が聞けて、満足か……ンクンク」


金娘:「はー笑った。ちょっと、でっかい身体(カラダ)で、そんなチンマく丸まってお酒飲むの、やめてくださいよー」


銀娘:「気にすんな、わかげのいたりだ!」


巨髭:「……おまえは悩み少なそうでいいよなぁ……」


受嬢:「ギルマスの若気(わかげ)の伝説、まだけっこーありますよ♪ 聞きますかぁ?」


巨髭:「おまえなぁ……今日、休日出勤じゃなかったら減給モンだぞキサマぁ……!」


受嬢:「ぷッ、ぴぇ〜〜ん♪( すっげぇハラ立つ変顔 )」


金娘:「やめっ、あおんな……」


受銅:「──あの、キッティさん!! すみませんでした、お休みなのに……って、あれっ? ……飲んでます? あれっ? ……ギルマスも……??」


金娘:「……あっ! ユービーちゃん、おつかれーっ♪」


銀娘:「よく来たな。ピザを食べろ!」


受銅:「っ! はいっ! どうも!! ……あれっ!?」


玉兎:「にょきっと☆」








楽しい職場。(*´꒳`*).*・゜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[気になる点] 挿絵のギルマスが豪鬼に見えて仕方がない。 [一言] 朝から酒を嗜むギルマスに受付嬢…本日休業ですね。
[良い点] 道着が真っ赤だと2Pで羽〇研二の方になってしまうな 巨人族の子供を叱るときの常套句に『いい子にしてないと血染めの鬼さんがやって来るよ』くらいは言われてそう [気になる点] ティンと来た!こ…
2021/04/28 21:25 ズブロッカ
[一言] ヒゲイドさんの黒歴史ですが逆に考えてみよう… 村からしたら近くにいた魔物を倒してくれた恩人に村の若い衆が一斉に襲い掛かって張り倒されるだけで済んだ。 これ、村のほうが合わせる顔が無いパター…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ