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ビッグホワイト ちゅう

モンハ……やる時間、が……

ダクソ3、フリーデ、倒せ、ね……



「そういえば……(ヨロイ)と、(けん)まで、新しく変えたのね?」


「っ! え、えぇ……そうなんです」

「……いーのが、見つかってね」


「驚いたわ。(さま)になっています」




 特注のカップを手に取ち、

 優雅(ゆうが)で、巨大な微笑(ほほえ)みを浮かべる、

 我らが王都の、ギルドマスター、

 ソルデ・ゴーツィン。


 彼女は、後ろの窓からの、

 (あわ)逆光(ぎゃっこう)を、味方にしている。


 それはまるで、

 巨大な女神の浮かし彫り(レリーフ)のようでさえある。


 やはり、座る姿は美しく、

 しかし、巨大であった。



「ふふふ、剣の(かたち)まで、おそろいなのね?」


「はは、そ、そうですね……」

「ホントは、でっかいアイアンソードの、大、中、小、だったのよ……」




 ()わせる、ヒキハ。

 オシハは少し、()()なく。


 ギルドマスターは、

 (かべ)()()けられた、

 三振(みふ)りの剣を、改めて見ている。



「うーん、いいじゃない、とても。"妹の大剣"、"姉の双剣"……。ふふふ、無骨で面白いカタチをしていますが、美しいわね。あなた達の血のチカラにも耐えられるということは、かなり強度があるのでしょう。(めい)は?」


「ぁ、あのッ……」

「ごめん、その……。ちょっと、さ」


「──! おっと、ごめんなさいね! いけない、いけないっ☆」



 ホホホ……! と、大きな手で口をふさぎ。

 お上品に笑うギルドマスターに、

 内心、ヒヤヒヤの剣の姉妹である。


 これだ。

 この女は、ここが怖いのだ。

 他のギルドマスターと違い、

 戦闘は、まるで出来ないが。


 この……"世間話(せけんばなし)"のような、

 質問の、的確(てきかく)な選択で。


 ──核心を、突く。

 まるで、推理小説の、探偵だ。

 手駒も怖い。

 彼女の情報網は、

 生きる、犬耳族の忍者職(ニンジャ)どもだ──。



「新しい装備のスペックの話は、また今度にしましょうか」


「「 …… 」」



 彼女が、ただ、紅茶を飲みながら。

 何人の(おろ)かな罪人(つみびと)たちを、

 (あぶ)り出してきたのであろうか──。


 様々な種族が(あふ)れる、この王都にて。

 ここまで治安が良く、それを維持できているのは、

 ただ、有能な憲兵たちだけの、力ではない。


 ──即日、悪を見抜き。

 それらを、正しく、

 世間(せけん)より、間引(まび)く者がいるのだ。




 "情報の首狩り人"、ソルデ・ゴーツィン。



 知らぬ間に、

 悪に、死神の(かま)は、(せま)っている──。


 ただのチャーミングな女性が、

 王都(セントラル)のギルドマスターを、

 任せられている、ワケがないのだ────。



(メェェ……! 後ろめたい事が無いのなら、とても、頼りになるギルドマスターなのですが……!)

(……なにか、隠し事をしている時には、サイアクの相手だわな)





 " 絵本の主人公たちのヒミツ "を、

 守り通さねばならない姉妹たちは、今、

 一番に、警戒しなければならない相手と言えた。


 あの子たちの、大きすぎる(チカラ)

 お互いが支え合うという、不安定な関係。


 いや……それだけではない。

 プレミオム・アーツに隠された、

 革命的な、通信技術。


 マザー・レイズの行動だって、恐らく、

 かなりの、法に触れて──……。



(なにを、探るためなの……。わざわざ、二人そろって呼び出して!)

(ぬぬぬ、メンタル、削られるわー……たすけてー、くまー……)



 いったい、"何の看破を目的に"、呼び出されたのか。


 羊雲姉妹(ツインフェルト)は、

 気になって、仕方がない。

 そんな内心を、知ってか知らずか。


 巨大な美女は、可愛く続ける。

  



「話が()れてしまったわね……てへっ☆ 私の悪い(クセ)だわ」


「い、いえ……」

「別に、気にしてないし……」


「では──まぁ、本題に入りましょうか」



 全てを見通しそうな、ライトブルーの、巨大な瞳。

 "看破(かんぱ)碧眼(へきがん)"、とでも言うのだろうか。


 育ての母とは、また(ちが)った怖さを感じる、

 剣の姉妹である。


 雰囲気(シンエル)だけは、(おだ)やかなまま、

 誰かを丸裸にするような大きな瞳が、

 彼女の二重螺旋の前髪から、(のぞ)いていた。



「そんな、(かま)えないの。ふふ……秘密の多い、オトシゴロかな?」


「あの、ソルデ様……そろそろ」

「ええいっ、本題、言えってーの!」


「ああっ、怒らないで。ごめんなさいね。実はね──」




 昼の淡陽(あわび)を、

 まるで、蒼月(そうげつ)の光と錯覚しそうな空間で。


 姉妹は、ギルドマスターの言葉を待つ。 




「──" 銅の刑死者(ブロンズワークス) "が、姿を消しました」


「「 ──!! 」」


「なにか、知っていますか?」





(/ω\)

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[良い点] >銘は? バタア‐ナイフなんてぶっ飛んだ銘答えられんわな アンティやプレミオム・アーツの秘密だけでなくマザー関係まであると後ろめたさ倍プッシュやな [気になる点] オシ姉のベッド横にはク…
2021/04/04 20:20 ズブロッカ
[一言] 消してますなぁ(__´(,,ェ)`)
[気になる点] アンティ達の双子への土下座が目に浮かぶようだ、、。
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