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お楽しみくださいましや

忙しくて挿し絵かけないので

文章で勝負だな(*´ω`*).*・゜






 それは。


 盛大(せいだい)な、転倒(てんとう)だったそうだ。





 これまでの、


 芸術的な立ち回りが、


 すべて、吹き飛ぶような、滑稽(こっけい)な。





 無理やり赤ん坊を()けた、金と銀は、


 盛大に着地にミスり、ものの見事に(から)まり()て。




 (ここの)つの剣は、くるくると回り。


 おもちゃのように、舞台に()()ね。


 おふたりは、実に無様(ぶざま)に、蹴躓(けつまず)く。




 戦いの(いきお)いが、おさまるも無く──。





「>>>  、 」

「#   ’ 」





 ── きんぎんゴンガンガンッ ── !!!

  ── キぎッ、ン、ゴガガゴガ ── !!!





 ころがる、金と、銀のヨロイは。


 すってんコロリン、


 きん、ギンと、甲高く鳴り。


 積み上げられた金属鍋(きんぞくなべ)が、


 床に、ぶちまけられたような音をあげつつ──、





 ── きギン 、 きん ── 。 





 ステージの真ん中で、やっと、止まった。







「「「「「「「 ・・・・・・・ 」」」」」」」

「「「「「「「 ・・・・・・・ 」」」」」」」

「「「「「「「 ・・・・・・・ 」」」」」」」

「「「「「「「 ・・・・・・・ 」」」」」」」

「「「「「「「 ・・・・・・・ 」」」」」」」

「「「「「「「 ・・・・・・・ 」」」」」」」

「「「「「「「 ・・・・・・・ 」」」」」」」







 これだけの(かず)観客(きゃく)は、驚くほど静か。


 無理もない。


 お尻を上に向け。


 はたまた、ひっくり返り。


 あの、片足(かたあし)同士の、引っかかり方はヤバい。


 その……女性として大切な部位が、


 見事に、天を向いている。





「 ぁばーっ、ぁバぶぅ♪ 」





 チョコンと(すわ)った赤ん坊だけが、


 両手を、パタパタと()り、


 楽しそうに、幼い言語(ことば)(しゃべ)っている。





「 >>> ・・・・・・ 」


「 # ・・・・・・ 」





 なんと言っていいのか、


 どう、反応すれば良いのか、


 誰も、わからない。




 あそこに、そろって、


 恥ずかしいポーズで へたばっているのが、


 本当に……今まで、飛び跳ねていた、


 風のような二人か?





「にょんやぁ……」




 

 急に、女の子がしちゃいけない、


 壮大(そうだい)な、()()ずかしいコケ方をカマされ、


 うわぁ、やっちまったぁ、、、という感情が、


 (まん)静寂(せいじゃく)を、継続させる。




 どうする。


 どうなんの。


 これ、どうなっちゃうの。





 ──が、しかし。






「 あばばぁー 」





 赤ん坊の声の、次に出たのは、


 ──彼女たちの、肩震(かたふる)いだった。






「 >>> …… ふくっ、ふくくっくッ……! 」


「 # ──くくッ、クックックックック── 」







 ──……!


 街の(みな)が見る、その広場の真ん中で。


 主人公たちは、



 ──笑い出したのだという。





「>>> ……はっはっは、はは……! かっはっは……!! 」

「# くく……はっはっはっはっは……!!」





 祭りの、ステージのうえで。


 光あふれる、明るい夜を見上(みあ)げて。





「>>> あ──っはっはっはっはっは……!

    ふくくっ、ふくくくっく……!!

    あははっ! は は は っ は は ……♪♪♪ 」



「 # くっく──はっはっはっはっはっは!!

    はっはッ、はっかっか、っ──、

    は っ は っ は っ は っ は ッ !!! 」






 彼女たちの、ふっきれるような、バカ笑いを。


 そこにいる、(すべ)ての(みな)が見た。




 見て、聞いて、感じて。


 それは、どこまでも届く、


 楽しそうな、ふたりの声だ。




 笑ってる──。


 おそろいの おへそ出しのヨロイを着て。


 ハラを(かか)えて、笑っている。

 




 激しく、(あらそ)っていたはずの雰囲気(シンエル)が、


 まるで、嘘夢(うそゆめ)(ごと)く、喜悦(きえつ)に消え去り。



 それは、落ち込む者が聞けば、


 光を取り戻すような、大笑いだった。





「>>> はっはっはっはっは……!! バカみてぇだ……!!!」

「#  くっはっはっはっは……!! 度し難い……!!!」






 笑い続ける、主役たち。


 だれもが、理解した。


 ああ、この二人は。




 きってもきれない、


 " 仲良しさん " なんだなぁ、と──。






 ── きギィィいイイいいんんンンん─── !!!!!




「「「「「「「  ■■  ■■  」」」」」」」

「「「「「「「  ■■  ■■  」」」」」」」

「「「「「「「  ■■  ■■  」」」」」」」

「「「「「「「  ■■  ■■  」」」」」」」

「「「「「「「  ■■  ■■  」」」」」」」

「「「「「「「          」」」」」」」

「「「「「「「  ■■  ■■  」」」」」」」







 突然、大きな音が響いた。


 (きん)(ぎん)が、()んだのである。




 先のように、剣を(まじ)えるためではなく。


 まるで、曲芸師(ピエロ)のような、跳躍(ちょうやく)は。




 同期(シンクロ)したタテの回転を()せ、


 空中で、金と銀のふたりは、手を(つな)ぐ。




 サーカスのヒーローと、ヒロインのように。


 二勇(にゆう)は、仲良く着地して──。





 ── き ぃ ぃ ぃ い ん 。。。!


 ── ギ ィ ィ ぃ い ん 。。。!






 優雅(ゆうが)になびく、黄金の無限マフラーと、


 半透明の、花弁(かべん)のようなドレスの(はな)よ。






 美しい、まるで(みだ)れぬ左右(さゆう)の立ち姿に。



 ただ、そこにある二つの主人公が、


 完璧(かんぺき)のように思える。





 (はな)やかな、手を(つな)ぐ、二人によって。



 カーテンコールは、(つむ)がれる────。






  # ── さぁ さぁ おたちあい!!

    ── こよいに (つむ)がれるは!

     ── かつての さいごから

      ── いまへと おくられた

       ── 地続きの みらい !!!

                       」


   「 >>> ── さぁ さぁ ごらんあそばせ!!

      ── ここに 立つ ふたりの 道化は!

     ── あの物語の つづきを 知る

    ──ただ 唯一(ゆいいつ)

  ── 真実(まこと) なるや !!! 」





 敵同士であるはずの、ふたりの。


 舞踊(おどり)の、パートナーのように(つな)がれた手が。


 高く、夜空へと、(てん)()げられ、


 ふたつの少女の躯体(くたい)が、そり(かえ)る。




 あらためて見ると、実に不思議(ふしぎ)だ。


 何故(なにゆえ)、あんな奇妙な、


 黄金(おうごん)義賊(ぎぞく)と、白華(はな)狂銀(きょうぎん)の、ヨロイを着るのか。


 ふたりとも、はじけるような笑顔だ。


 もったいない。


 ぜったい美人だし、なんで仮面で隠すのか。


 まさか、ふたりとも、


 お忍びのお姫様か、何かだろうか。


 それとは対照的に、実に無防備な おへそが、


 少女特有の、綺麗(きれい)な身体のラインと共に、


 ()しげも無く、観客に、さらされる。




 何より、笑顔だった。


 彼女たちは、笑顔だ。




 キラキラした、


 思わず、()らずに、


 出てしまうような、はにかむ()みが──。




 彼女たちを見る、街の全てに、


 送り届けられるのだ。







 彼女たちは、言う。


 彼らと知らぬ、真実の続きを。


 魂の、輝きをである。








「 >>> さぁ さぁ (みな)みなさま よ !!!

     ま だ ま だ だ !!!

     お(まつ)りは まだ はじまったばかり!!! 」


「 #  これで 終わりなどと ── 

     ゆめ 思いなされるな ッッ !!!

     ここから すべてが はじまるのだ!!! 」







 金と銀の、(かたき)役は、


 仲睦(なかむつ)まじく、はじけるように言う。






「 >>> よみがえりし われら 絵本の住人と!!! 」


「 #  ()り成される 伝説の 物語を!!! 」






 それは、たからかな宣言である。






「「

  # >>>


    ど う か  こ れ か ら も !!!


    お 楽 し み っ


    く だ さ い ま し な ── ッ !!!


                        」」




「「「「「「「 うおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおおおおおお 」」」」」」」

「「「「「「「 おおおおォォーーー 」」」」」」」

「「「「「「「 ーー!!!!!!! 」」」」」」」






 たぎらない、はずがないのだ。


 手を振り上げ、皆が立つ。



 爆音のような、ゆれる街の大歓声(だいかんせい)にて。


 しめくくられた、(げき)の、おわりに──、







「 あばぶぅ─☆ 」



 ──ぺちペち☆






 ステージの上の 赤ん坊も。


 ぺちぺちと、拍手(はくしゅ)を おくったそうな。







(*´꒳`ノノ゛☆パチパチ.*・゜

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― 新着の感想 ―
[良い点] お二人らしい「ワンパク娘」な終わり方やね。ある意味安心しました。 [気になる点] 何でカーテンコール雄弁なのと思ったら、他の感想者さんへのかばさんの返事で確信した。 これ、クラウンの「歯車…
2021/03/31 00:53 電悩過敏症
[良い点] (。>ω<ノノ゛8888 初代であり二代目でもある素晴らしい舞台じゃった >「にょんやぁ……」 しれっと尊主様が紛れ込まれとるがな。アマロンさんの膝上で抱きかかえられて拘束されてそうな予感…
2021/03/22 21:18 ズブロッカ
[良い点] なんでアドリブでこんな素晴らしいカーテンコールが贈れるかなぁ
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