黄金の証 さーしーえー
投稿が遅れたのは、
決して真冬なのにアルストで
実装された夏色水着ガチャを
フルコンプしたからでは
ありませんっ。
ふすーっ( *´ω`*)=3
ドクンっ────。
「>>>ぇ……?」
──それは。
カネトキにとっては、
はじめての、感覚だった。
「>>>なん、だ、今の──?」
もはや、ただの芝居とはいえぬ、
模擬戦闘とも言える立ち振る舞いの中。
「>>>何か、一瞬……?」
かつての黄金の義賊は、
その違和感を、
確かに、感じ取っている。
「>>>……"温かかった"、ような……?」
『────カネト!?☼ 前です!!☼』
「>>>……、──っとッ……!?」
とっさの太陽の姫君の声で、
迫る、銀の刃を意識する。
「>>>──うわっ、と……ッ!?」
ステップを踏む余裕は、もう既に無い。
ずいぶん、マヌケが過ぎるが、
何とか、首に巻くマフラーを手繰り寄せる・・・!
"絶対に壊れない柔らかさ"を利用し、
斬撃を、後ろへと────逃がす!!
──シュラァァァ・・・!!
──しゅぱぁあああん・・・!!!
「>>>ちぃぃ・・・!!」
『────き:肝が冷えますよ・・・!☼』
「#──ふふ、どうした? 惚けているのか?」
〘------えへへ……勇者さま……☆
------お久しぶりの格好で;調子わるいのんっ?☆〙
刀を流された銀は、
すぐ近くの丸太を、蹴り、凍らせながら、
宙へと、跳ぶ。
少し、大きな跳躍となった。
──ギィィいいいいんんん・・・!!
その間に、
太陽の乙女は、黄金に問いを投げる。
その声は、いささか慌てるに、
当然であった。
『────カネト!☼
────集中してください……!☼
────いったい:どうしたというのです!?☼』
「>>>ぁ……いや、だって、今──……!」
刀の衝撃が、反響し木霊す、
三角連の、黄金のマフラー。
連なる無敵の装甲が、
まるで、美しい鳥のように、
鳴り響く────!
キン・キン・キン・・・!
キン・キン・キン・・・!
首元に顕現せし、伝説のアイテム。
足元の観客たちは、
実に、湧き上がっていた────!!
「く──クルルカン、だ……!」
「すごい!! 絵本と、いっしょのやつだよ!」
「パパ! あれ、クルルカンの、マフラーだ……!!」
「あぁ、そうだな!」
「こいつぁ驚いたな」
「ふふふ、あんな物も、持っていたのね」
呆気に取られて、
逃げ回る事を逃し。
黄金の動きが落ち着いたことで、
まわりの子供たちが、
その伝説の姿を、目に焼き付ける。
いつもの"彼女"も、もちろん、すごい!
いつもの"マント"も、よく、似合っている。
でも──今、
夜のスポットライトの下に立つは。
まさしく、"絵本どおり"の、
"ホンモノの、姿"────!!!
「いいぞーっ! クルルカーン!!」
「かっこい──♪♪♪」
そして、カネトキは、また。
言い様のない、謎の感覚を得る。
────ドクンっ──!
「>>>──ッ!? ま……、まただ……!」
『────かっ:カネト:集中を!☼
────次が:来ますっ!☼』
「>>>──! くッ──……!」
奇妙な感覚を味わいながら、
それでも、次の斬撃を、いなす。
────シャ──きぃぃイイんんん・・・!
「#──ふふ、なんだ……ずいぶんと不格好だな?」
〘------奥さんと;ケンカでもしてるのんかぁー☆☆〙
「>>>ぅ、うるさぃ!」
『────喧嘩をしている訳では:
────ありませんっ!☼』
──ギィィいいいいんんん・・・!!
ふたたび、甲高い足音と共に、
大きく距離を取る、狂いの銀姫。
義賊の戸惑いは、まだ、続いている。
「>>>なんなんだ、これは……!? 調子が、くるう……!」
『────カネト……?☼』
──そうだ。
この、不思議な感覚は、
悪い感じでは、、、ないのだ。
まるで、日差しの暖かな外へと、
ドアを開け、出かけていくような──……?
不思議な安心感さえ、覚える感覚。
「>>>なんだってんだ……? こんな時に……!」
良い天気の日に、
縁側に寝転んで、
昼寝をするような。
干したての布団の上に、
ふわり、と飛び込むような。
そんな、"温かさ"。
そんな物を、張り詰めた戦闘中に、
一瞬でも、感じてしまう、
謎の戸惑い・・・!
「>>>これは……いや、間違いない……!」
カネトキは、すぐに"ソレ"の発生源を、
突き止めることが出来た!
すぐ、そばの首元で。
その、黄金の三角のグラデーションは、
美しく、光を反射させているのだから・・・!!
「>>>この……マフラーだって、言うのか……!?」
『────? カネト……!?☼
────なに:を……???☼』
かつてのマフラーを装備してから、
時たま感じる、"安心感"……のようなもの!
あまりに突然で、意外しかない感覚に、
カネトキは、一瞬、自分を客観視してしまう・・・!
( >>>く、くそ、、、まったく、どうなってんだ……ぼくは、こんな所で……いったい、何をしている! 大勢の観客の前で、、、丸太の上を跳び跳ねて……! はは、先生なんか、斬りつけてくるし、、、はっ、もう、ワッケ、わっかんないな……! )
『────か:カネト!☼
────そんな事を:思っている場合じゃ……!?☼』
謎の感覚を、きっかけに。
カネトキは、自分の置かれた状況の、
滑稽さに、溺れてしまう。
なんだ、これは。
どうして、こうなった。
ただの人殺しで、あったはずなのに。
今──たくさんのニンゲンが、
いや、ひとつの種族だけではない。
エルフ、リザードマン、獣人族──、
この、変わってしまった世界で、
その皆が、実に。
キラキラとした目で、
彼を、見ている──……!
「>>>ははは、おかしいよな……? こんなの、さ──」
『────か:カネト……☼』
そして、カネトキは、
頭が、真っ白になるのを感じた。
──この時に、彼は。
こちらの世界に来たばかりの、
ただの……高校二年生の男の子の感覚に、
何故か、立ち戻ってしまったのだ。
「>>>ははは……やっぱ。ぼくには、、、舞台の上は、ムリだよ──」
『────しっかりして:カネト……!☼』
急に、冷や汗をかきだす、カネトキに、
クラウンは焦りつつも、優しく声をかける。
だが、彼の、そんな心内など、
まったく、お構い無しに。
初代狂銀の乗り移りし。
銀の乙女は、斬りかかる──。
「#──構えが、解けているぞ? クルルカン──……!!」
〘------えへへ☆
------たまにはアクが;勝つかものーんっ☆☆〙
「>>>お、わッッ──……!?」
思考が、停止していた。
カネトキは、思う。
( >>>あれっ……!? ぼくは、どうやって、避けていたっけ……!? )
まるで、自分の歩き方を、
忘れてしまったかのような。
突如として襲う、小さな " スランプ "──……!
カネトキは、後ろへ跳ぶ事も忘れ、
その場で、何とか、いなすしかない・・・!!
──ガ、キィぃぃぃぃんん──・・・!!
「>>>うおお……!」
『────ぁ:あぶない……!☼』
その防ぎ方は、
そばで彼を見る、クラウンでさえ、
"お粗末"と判断するしかないものだった……!
白い霜が降りた、丸太の上で。
バランスを崩しそうになりながら、
斬撃を流す。
「>>>うわわわ……!?」
『────ふんばって!☼』
明らかに、いつもの彼ではない!
借り物の乙女の身体で、
何とか、踏みとどまる──……!
「>>>と、ととっ・・・!」
『────ど:どうしたのです:カネト……!?☼
────あなた:らしくありません!☼』
初代クルルカンは、
愛しい神に、答える……!
「>>>ま、マフラーが……何故か、温かいんだっ……!」
『────えっ……!?☼』
「>>>なにか、ホッとするような……! くそっ、調子がくるうっ!」
『────マフラーが……ですか?☼』
"ゴールデン・ストール"という名を得た、
時を超えしアイテム。
彼のすぐ、そばにあるもの。
その内側は、連なる黄金の三角形が、
キラキラと、美しく光り輝く。
「>>>こいつ──」
それが、嬉しそうに見えるのは、
カネトキの、気のせいだろうか──。
キン・キン・キン・・・!
キン・キン・キン・・・!
クラウンも、ようやく、気づく。
何か──未知の現象が、起こっているのだ。
『────ゴールデン・ストールが……☼
────ぁ……淡く:点滅しながら:
────光って:いる──……?☼』
「>>>は、初めての感覚なんだ! この現象は、どうなってんだ……!? ま、まさか、後輩ちゃんの身体に、なにか異常が……!?」
『────い:いえ!☼ アンティの身体には:特に何も:異常は見受けられませんっ!☼ 憑依同期による経験値消費も:今の所:想定内の範囲ですし──☼』
「>>>なんだってんだ、くそ……! たまに、お日様に照らされちまってるみたいな安心感があるんだ! こんなんじゃ……頭から、戦い方が、飛んでっちまう!」
『────き:来ましたよ:カネト!☼』
三度、斬りかかってくる狂いの姫!
やはり、無様に、さばききるしか──・・・!
──ギィィぃいいいんんん・・・!!
「>>>くぉ──……」
『────カネト!☼
────足を……動かさなければ……!!☼』
「#──ははは。逃げ回らなくなったのは良いが……クク。ずいぶんと、間抜けな舞いだな──……?」
〘------えへへへーっ☆
────ゆうしゃ様;クルクル回ってるのんっ☆〙
煽る狂銀たち。
義賊は、それ所ではない……!
「>>>ぼくは……いったい、どうなっちまったんだ……!?」
一番、困惑しているのは、
もちろん、カネトキ自身である。
仮初の勇者として召喚され。
帝国の剣技を叩き込まれ、
幾多の暗殺を成すうちに、
最強の殺し屋と成り果てた、
かつての自分・・・!
その、強烈な業の鋭さを、
この、黄金のマフラーから放たれる" 何か "が、
阻害している・・・!
まるで、あの頃の冷たさを、
忘れてしまうかのような……!
カネトキには、わからなかった!
「>>>これを装備することによって……なにか、ぼくにとっての、バッドステータスがつくのか……?」
『────カネト:お願い☼
────今は:前を──☼』
その、祈りさえ含む言葉に、
彼は、従った。
この時ばかりは、彼は、
剣術も、殺人術も、
スルリと、忘れていたのである……!
それでも、なけなしの感覚が。
何とか、銀の剣技を、弾く。
まったく、お世辞にも、
見事とは言えない、動きで───。
「>>>く、くそ……!」
『────次は:右から……!☼
────右手を:前に……!☼』
そばにいる、クラウンも。
何故、突然に、
カネトキが不調になったのか、
原因など、分からなかった。
だが、その戸惑いを支えられるのは、
今は、自分しか、いないっ・・・!
太陽の姫は、ただただ、
愛すべき者を、サポートする……!
それは、万を超える大衆の前で、行われ。
銀の刀の速さは、
もはや、見えなくなっていく──。
──ギィィいいんんん・・・!!
──かァァァァンンン・・・!!
──ギイアカンンンン・・・!!
誰もが分かる、劣勢であった。
「ぉ、お母さん……!? クルルカンが、やられちゃう……!」
「なんか、アンティちゃん……変じゃねぇか……?」
「ぁ、あぁ……いきなり、動きがニブくなったよな?」
「い、いっぱい、斬りかかられてるっ! あれじゃ、いつか、お姉ちゃんが、ケガしちゃうよぅ!」
「うおお……ちょっとマイちゃん、やり過ぎじゃーねぇか……?」
観客に、明らかな不安が走っていく。
「>>>く、くそ……! こんな、はずじゃ……」
『────落ち着いて……!☼
────今は:移動するよりも:
────確実な:受け流しを……!☼』
業を薄れさせる、
謎の感覚の中。
無様に、攻撃を受け流し続ける、
一方的な展開が、続く。
クラウンは、願っている。
彼が、何とか立ち直ってくれることを。
カネトキは、わからない。
なぜ、かつての自身の装備が、
このような、結果を招くのか……?
何にせよ、彼らは、防ぐしかない。
これは、あの物語の、続きなのだ。
あがく、
太陽の姫と、
黄金の勇者。
三角連のマフラーは、
まだ、光っている──。
「#……むぅ? 妙だな……。だが、手は、抜かぬッッ──!!」
〘------急に;どうしちゃったのでしょうか☆
------ゆうしゃ様ァァ──???☆.*・゜〙
流石に違和感を感じつつも、
銀は、手を止めることはない。
動きは非常に滑らかであり、
鮮烈である。
数多の攻撃を受けながら、
カネトキは、戸惑いを消せない。
もはや、動きすら、なかった。
「>>>──ちくしょう」
丸太の上で、姿勢を低くし。
腕を、交差させ──。
ただ、無様に、
攻撃を凌いでいるだけである。
なのに────、、、
「>>>何なんだ……? この、温かさは── ─ ─ 」
カネトキは、感じていた。
こんな、多くの人の前で、
生き恥のような、姿を、晒して。
何故。
こんな、
あたたかい、気持ちに────?
────── " きもち " ……?
「 ── が、がんばれっ・・・! 」
「>>> ──、 」
『──── : ☼』
その声は、どうしてか。
彼らに──よく、届いた。
カネトキの瞳が、
見開かれる──。
「が、がんばれーっ! く、クルルカン、まけるなーっ!」
「いけーっ! 黄金のパンチを、みせてやれーっ!」
「がんばってー! おねえちゃーん!!」
「>>>……、…… ── 」
『────これは──☼』
カネトキは、マフラーを、見た。
光った。
光って、いる。
まさか、と、カネトキは──。
「うおおおお──っ!!! 負けるんじゃねぇぜ、クルルカぁぁああああんんん!!!」
「そーだァァァァァ!!! おまぃや、オレたちの、ヒーローだろぉおおおおお!!!」
「そぅよぉおおお!!! 今日くらいは、暴れ回っても、いいのよぉおおおおお!!!」
光っている。
光っている。
光って、いた。
「うおおおお!! いけぇえええええ!!!」
「がんばれぇー! クルルカーン!!!」
「黄金の義賊の底力、見せてやるぇえええええ!!!」
「やったれぇえええー!!! クルルカぁあああん!!」
「負けちゃ、いけねぇぞぉおおおおおお!!!」
「やれー! いけー! くるるかぁあああん!!」
「がんばれーっ!! がんばれーっ!!!」
きぃいいんんん──。
きぃいいいいんんん──。
こぉおおおおおおおおおおおおおおお。
「>>>──く、くそったれ、が──」
『────カネト:これは──☼』
カネトキも、クラウンも。
それを見ていた。
光っている。
黄金のマフラーは、光っている。
"呼応"、している。
どこか、皮肉めいて見ていた、
この、街の者たち、皆の声に。
その声援に、その輝きは、
応えていたのだ──。
「>>>み、認めたく、ねぇ……!!」
『────あは:は……!☼』
カネトキの出す声は、震えていた。
クラウンも、だんだんと、理解する。
『────"大衆認識"に:
────呼応して:いるんだわ──☼』
「>>>それだけじゃねぇよ……クソッ……! これは、多分──」
「>>>ぼくの、"心"、か──……?」
彼らの感覚は、やはり、鋭く。
だから、気づけてしまった。
誰かに、応援されることで……、
このマフラーは、光っている。
その光を、増していた。
「>>>勘弁、してくれよ……」
カネトキは、自分の心の温かさを、
どこかで、認めたくは、なかった。
それは、過去の自分が仕出かしたことに対して、
とても、不名誉なことだったし、
何より、恥ずかしいと思うことだ。
「>>>バカげている……! これが、ぼくの……心の温かさ、だって言うのか……!?」
だが、それでも、
それでも、だ。
「>>>ぼくは、そんな人間じゃない、、、そんな──」
『────ふ:ふふ……☼
────それは:どうでしょうか──☼』
「がんばれーっ! クルルカーぁあん!」
「そーだぁああ! まけるなーー!!」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「>>>────……」
それは、不思議な光景だった。
街中の子供たちが、
いっせいに、声援を送る。
声は、ピッタリと重なった。
それに、大人たちも、続き出す。
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
マフラーは、光っていた。
どうしようもなく、光っている。
それぞれの三角の装甲は、
星のように、煌めいている。
「>>>やめろ、ってんだ……!」
カネトキは、認めたくなかった。
これが、自分の心の、温かさだと。
誰かの声援によって、
自身の心が、こじ開けられているのだと。
自分は、、、冷たい皮肉屋で、
どうしようもない、人間だ。
それが、こんな声援で、
心、温かく、なるはずがない。
なのに────。
「>>>くそったれ……、クソッタレが! どいつも、コイツも、勝手に、英雄なんかに、まくし立てやがって……!!」
『────カネト──……☼
────見てください☼
────あなたに:皆が:
────期待していますよ☼』
「>>>わかっているさ、くそ、、、ドちく、しょうがッ・・・!!!」
カネトキは、今、
何も、認めたくはない。
自分が、泣きそうになっている事も、
ぜったいに、認めたくは、ない。
それでも、皆は、応援する。
誰もが、その姿を、知っていたから。
その物語は、皆に、愛されている──、
彼は、盗賊のくせに。
派手な、騎士のような格好で、姿を現し。
ジグザグ模様の、マフラーマントを、
キザっぽく、首に巻き付け。
つねに、軽口を叩き。
だが、弱きは、必ず助け。
真の悪は、時が止まった様に破れ去り。
瞬きをする間に、黄金は消え。
そして、貧しい民たちの街には、
黄金の、雨が降るのだ─────……!
「>>>……、── 」
このマフラーをつけた黄金の義賊は、
最強だ。
大衆にとって、
最強でなければ、ならない。
相応しい者が、それを身につけたから。
それは、起こったのだ──。
────。
「>>>……、ぼくは」
『────☼』
「>>>ぼくは……英雄、なんかじゃない」
『────……はい☼』
「>>>だがな……? 人としての」
『────ええ☼』
「>>>意地ってモンは……あったみたいだ」
マフラーの輝きが、
己の瞳に、反射している。
それは──"金色"?
いえ、少しだけ────。
そして、それは、ただ──。
反射している、だけでは、ない。
うなるような光は、
伝染する────。
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」
「「 いけぇええええ!! クルルカぁああーン!! 」」
「>>>こんな、応援のされ方ぁ、やられてよォ──……!」
───────────────────
" ゴールデン・ストール " の
最終 強化 が 可能 です ▼
実行しますか ? ●▼≦.*・゜
▼ はい いいえ
───────────────────
「 >>>
カ ッ コ つ け ね ぇ
ワ ケ に ぁ ────
い か ね ぇ だ ろ ぉ が
」
────それは、黄金の、爆発だった。
────ィ ィ イ イ ィ インンン!!!!!!!
「#……──むッッ──……!!?」
〘------の;のんなぁあああ──っっ!?!?!?☆☆☆〙
それには、誰もが、驚いた。
斬りかかろうとしていた銀も、
思わず、飛び退く。
まるで、夜が、昼になったような。
そんな、光に。
観客の全てが、目をつぶる。
「 うぉおおおっ……!? 」
「 な、なんだぁ・・・!? 」
「 まぶしッッ・・・!! 」
とじた、瞼の色が。
白から、赤、黒、そして、黄金へと、
移り変わる。
────温かい。
鮮烈な光は、
やがて、収束していく──・・・!
「 ・・・? 」
「 どう、なった・・・? 」
「 おさまった、のか・・・? 」
「 あれ── 」
誰かが、指をさして。
みんなが、見る。
さいしょに、誰かが、言った。
「 すごいや 」
き ぃ ぃ い い い い ん ん ん──・・・!!!!!
黄金の義賊は、光っていた。
ジグザグ模様のマフラーは、
輝いている。
おかしな、ところが、あった。
────" 長さ " である──。
「 なんだ、アレぇえええええ……!?!?!? 」
「 プレゼントの、、、リボンみたい!!! 」
「 めちゃくちゃ、光ってんじゃねぇかあァ……!!? 」
────" ながい "。
とにかく、ながいのだ。
そして、でたらめに、まぶしい。
黄金のマフラーは、
まるで、"無限の光の帯"のようである・・・!
高級な、プレゼントに結えられた、
贈り物の、リボンのように・・・!
クルルカンの首を彩る、
その、表面は、流れていた・・・!
連なる三角の装甲は、
時の流れのように、
帯の上を、進む──・・・!!
「>>> ── ── ── 」
△
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△▽△▽△▽
▽△▽
▽
輝くクルルカンに咲き誇る、
光の、無限の道に。
圧倒されない者など、いない。
「#……なん、だ、、、あの、姿は──」
〘------の;のんのんなぁぁああ〜〜〜〜っ!?!?!?☆.*・゜〙
星の数ほどの、驚愕の中。
クラウンは、"分析"する────。
『────分析完了── ☼』
── PON ─☆
〖 黄金の時のマフラー 〗new!
──────────────────
ゴールデン・ストールの最終強化版。
黄金の勇者が、本来、手にするはず
だった"無限の力"が篭められている。
誰かのために戦う心の力で、無限に
伸ばす事ができる。唯一の例外を除
き、このアイテムを破壊する事はで
きない。かつて黄金の勇者が使った、
伝説の双剣を召喚する事ができる。
「>>>──さぁ、こいよ──」
まるで、巨大な天使の輪が、
重なったかのような、光の道。
その中から、
あの、番剣が──呼び覚まされる────。
き ぃ ぃ ぃ ぃ い ん ん ん ・・・!
こ ぉ お お お お お お お ・・・!
〖 時刻みの黄金剣・復刻版 〗new!
──────────────────
かつて黄金の勇者が最期に振るった
という、時の力が篭められた伝説の
双剣。長針剣と短針剣で、番を成す。
復活する際、歯車の力も宿している。
唯一の例外を除き、この武装を破壊
することはできない。黄金の時のマ
フラーと合わせ、わずかに時を超え
る力を持つ。
その、黄金のグローブに、
その、番の剣は、握られる。
チクタク、チクタク、
チクタク、チクタク、
チクタク、チクタク、
チクタク、チクタク。
チクタク、チクタク、
チクタク、チクタク、
チクタク、チクタク、
チクタク、チクタク。
それは、黄金の、剣。
それは、時を、刻むもの。
でたらめに長い、光のマフラーは。
集束し、円の流れを組む。
その、双剣の構えと相成って──。
それは────" 時計 "のように見えた。
「#……金時計の沈黙は……、破られた──」
「>>> ── い く ぜ 」
先輩、装備フルコンプっ♪
((o(。>ω<。)o)).*・゜










