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黄金の証 さーしーえー

投稿が遅れたのは、

決して真冬なのにアルストで

実装された夏色水着ガチャを

フルコンプしたからでは

ありませんっ。

ふすーっ( *´ω`*)=3





 ドクンっ────。




「>>>ぇ……?」




 ──それは。


 カネトキにとっては、

 はじめての、感覚だった。




「>>>なん、だ、今の──?」




 もはや、ただの芝居とはいえぬ、

 模擬戦闘とも言える立ち振る舞いの中。



「>>>何か、一瞬……?」



 かつての黄金の義賊は、

 その違和感を、

 確かに、感じ取っている。




「>>>……"(あたた)かかった"、ような……?」

『────カネト!?☼ 前です!!☼』

「>>>……、──っとッ……!?」




 とっさの太陽の姫君の声で、

 (せま)る、(ぎん)の刃を意識する。




「>>>──うわっ、と……ッ!?」




 ステップを踏む余裕は、もう(すで)に無い。

 ずいぶん、マヌケが過ぎるが、

 何とか、首に巻くマフラーを手繰(たぐ)()せる・・・!


 "絶対に壊れない柔らかさ"を利用し、

 斬撃を、後ろへと────逃がす!!




 ──シュラァァァ・・・!!

 ──しゅぱぁあああん・・・!!!




「>>>ちぃぃ・・・!!」

『────き:(きも)が冷えますよ・・・!☼』


「#──ふふ、どうした? (ほう)けているのか?」

〘------えへへ……勇者さま……☆

 ------お久しぶりの格好で;調子わるいのんっ?☆〙




 (けん)を流された(ぎん)は、

 すぐ近くの丸太を、蹴り、凍らせながら、

 宙へと、跳ぶ。

 少し、大きな跳躍となった。


 ──ギィィいいいいんんん・・・!!




 その間に、

 太陽の乙女は、黄金に問いを投げる。

 その声は、いささか慌てるに、

 当然であった。




『────カネト!☼

 ────集中してください……!☼

 ────いったい:どうしたというのです!?☼』

「>>>ぁ……いや、だって、今──……!」



 (けん)の衝撃が、反響し木霊(こだま)す、

 三角連(さんかくれん)の、黄金のマフラー。

 連なる無敵の装甲が、

 まるで、美しい鳥のように、

 鳴り響く────!




  キン・キン・キン・・・!


  キン・キン・キン・・・!




 首元に顕現せし、伝説のアイテム。


 足元の観客たちは、

 実に、湧き上がっていた────!!



「く──クルルカン、だ……!」

「すごい!! 絵本と、いっしょのやつだよ!」

「パパ! あれ、クルルカンの、マフラーだ……!!」

「あぁ、そうだな!」

「こいつぁ驚いたな」

「ふふふ、あんな物も、持っていたのね」




 呆気(あっけ)に取られて、

 逃げ回る事を(のが)し。


 黄金の動きが落ち着いたことで、

 まわりの子供たちが、

 その伝説の姿を、目に焼き付ける。


 いつもの"彼女"も、もちろん、すごい!

 いつもの"マント"も、よく、似合っている。


 でも──今、

 夜のスポットライトの下に立つは。



 まさしく、"絵本どおり"の、

 "ホンモノの、姿"────!!!




「いいぞーっ! クルルカーン!!」

「かっこい──♪♪♪」





 そして、カネトキは、また。

 言い様のない、謎の感覚を得る。






 ────ドクンっ──!




「>>>──ッ!? ま……、まただ……!」

『────かっ:カネト:集中を!☼

 ────次が:来ますっ!☼』

「>>>──! くッ──……!」




 奇妙な感覚を味わいながら、

 それでも、次の斬撃を、いなす。



 ────シャ──きぃぃイイんんん・・・!



「#──ふふ、なんだ……ずいぶんと不格好だな?」

〘------奥さんと;ケンカでもしてるのんかぁー☆☆〙


「>>>ぅ、うるさぃ!」

『────喧嘩をしている訳では:

 ────ありませんっ!☼』




 ──ギィィいいいいんんん・・・!!



 ふたたび、甲高(かんだか)い足音と共に、

 大きく距離を取る、(くる)いの銀姫(ぎんひめ)


 義賊の戸惑いは、まだ、続いている。




「>>>なんなんだ、これは……!? 調子が、くるう……!」

『────カネト……?☼』




 ──そうだ。

 この、不思議な感覚は、

 悪い感じでは、、、ないのだ。


 まるで、日差しの暖かな外へと、

 ドアを開け、出かけていくような──……?


 不思議な安心感さえ、覚える感覚。




「>>>なんだってんだ……? こんな時に……!」




 良い天気の日に、

 縁側(えんがわ)に寝転んで、

 昼寝をするような。


 干したての布団の上に、

 ふわり、と飛び込むような。

 そんな、"(あたた)かさ"。


 そんな物を、張り詰めた戦闘中に、

 一瞬でも、感じてしまう、

 謎の戸惑い・・・!



「>>>これは……いや、間違いない……!」



 カネトキは、すぐに"ソレ"の発生源を、

 突き止めることが出来た!


 すぐ、そばの首元で。

 その、黄金の三角のグラデーションは、

 美しく、光を反射させているのだから・・・!!




「>>>この……マフラーだって、言うのか……!?」

『────? カネト……!?☼

 ────なに:を……???☼』




 かつてのマフラーを装備してから、

 (とき)たま感じる、"安心感"……のようなもの!

 あまりに突然で、意外しかない感覚に、

 カネトキは、一瞬、自分を客観視してしまう・・・!




( >>>く、くそ、、、まったく、どうなってんだ……ぼくは、こんな所で……いったい、何をしている! 大勢の観客の前で、、、丸太の上を跳び跳ねて……! はは、先生なんか、斬りつけてくるし、、、はっ、もう、ワッケ、わっかんないな……! )


『────か:カネト!☼

 ────そんな事を:思っている場合じゃ……!?☼』




 謎の感覚を、きっかけに。

 カネトキは、自分の置かれた状況の、

 滑稽(こっけい)さに、溺れてしまう。


 なんだ、これは。

 どうして、こうなった。

 ただの人殺しで、あったはずなのに。

 今──たくさんのニンゲンが、

 いや、ひとつの種族だけではない。


 エルフ、リザードマン、獣人族──、

 この、変わってしまった世界で、

 その皆が、実に。

 キラキラとした目で、

 彼を、見ている──……!



「>>>ははは、おかしいよな……? こんなの、さ──」

『────か:カネト……☼』




 そして、カネトキは、

 頭が、真っ白になるのを感じた。


 ──この時に、彼は。

 こちらの世界に来たばかりの、

 ただの……高校二年生の男の子の感覚に、

 何故か、立ち戻ってしまったのだ。




「>>>ははは……やっぱ。ぼくには、、、舞台の上は、ムリだよ──」

『────しっかりして:カネト……!☼』




 急に、冷や汗をかきだす、カネトキに、

 クラウンは(あせ)りつつも、優しく声をかける。


 だが、彼の、そんな心内(こころうち)など、

 まったく、お(かま)い無しに。


 初代狂銀の乗り移りし。

 (ぎん)乙女(おとめ)は、斬りかかる──。




「#──構えが、解けているぞ? クルルカン──……!!」

〘------えへへ☆

 ------たまにはアクが;勝つかものーんっ☆☆〙



「>>>お、わッッ──……!?」





 思考が、停止していた。

 カネトキは、思う。




( >>>あれっ……!? ぼくは、どうやって、()けていたっけ……!? )




 まるで、自分の歩き方を、

 忘れてしまったかのような。

 突如として襲う、小さな " スランプ "──……!


 カネトキは、後ろへ跳ぶ事も忘れ、

 その場で、何とか、いなすしかない・・・!!



 ──ガ、キィぃぃぃぃんん──・・・!!




「>>>うおお……!」

『────ぁ:あぶない……!☼』



 その防ぎ(かた)は、

 そばで彼を見る、クラウンでさえ、

 "お粗末(そまつ)"と判断するしかないものだった……!


 白い(しも)が降りた、丸太の上で。

 バランスを崩しそうになりながら、

 斬撃を流す。



「>>>うわわわ……!?」

『────ふんばって!☼』



 明らかに、いつもの彼ではない!

 借り物の乙女の身体で、

 何とか、()みとどまる──……!



「>>>と、ととっ・・・!」

『────ど:どうしたのです:カネト……!?☼

 ────あなた:らしくありません!☼』



 初代クルルカンは、

 愛しい神に、答える……!



「>>>ま、マフラーが……何故か、(あたた)かいんだっ……!」

『────えっ……!?☼』

「>>>なにか、ホッとするような……! くそっ、調子がくるうっ!」

『────マフラーが……ですか?☼』



 "ゴールデン・ストール"という名を得た、

 時を超えしアイテム。

 彼のすぐ、そばにあるもの。


 その内側は、連なる黄金の三角形が、

 キラキラと、美しく光り輝く。



「>>>こいつ──」



 それが、嬉しそうに見えるのは、

 カネトキの、気のせいだろうか──。




  キン・キン・キン・・・!


   キン・キン・キン・・・!




 クラウンも、ようやく、気づく。

 何か──未知の現象が、起こっているのだ。



『────ゴールデン・ストールが……☼

 ────ぁ……(あわ)く:点滅しながら:

 ────光って:いる──……?☼』

「>>>は、初めての感覚なんだ! この現象は、どうなってんだ……!? ま、まさか、後輩ちゃんの身体に、なにか異常が……!?」

『────い:いえ!☼ アンティの身体には:特に何も:異常は見受けられませんっ!☼ 憑依同期による経験値消費も:今の所:想定内の範囲ですし──☼』

「>>>なんだってんだ、くそ……! たまに、お日様に照らされちまってるみたいな安心感があるんだ! こんなんじゃ……頭から、戦い方が、飛んでっちまう!」

『────き:来ましたよ:カネト!☼』




 三度(みたび)、斬りかかってくる(くる)いの(ひめ)

 やはり、無様に、さばききるしか──・・・!




 ──ギィィぃいいいんんん・・・!!




「>>>くぉ──……」

『────カネト!☼

 ────足を……動かさなければ……!!☼』



「#──ははは。逃げ回らなくなったのは良いが……クク。ずいぶんと、間抜けな舞いだな──……?」

〘------えへへへーっ☆

 ────ゆうしゃ様;クルクル回ってるのんっ☆〙



 (あお)る狂銀たち。

 義賊は、それ(どころ)ではない……!




「>>>ぼくは……いったい、どうなっちまったんだ……!?」




 一番、困惑(こんわく)しているのは、

 もちろん、カネトキ自身である。


 仮初(かりそめ)の勇者として召喚され。

 帝国の剣技を叩き込まれ、

 幾多の暗殺を成すうちに、

 最強の殺し屋と成り果てた、

 かつての自分・・・!


 その、強烈(きょうれつ)(わざ)の鋭さを、

 この、黄金のマフラーから放たれる" 何か "が、

 阻害(そがい)している・・・!


 まるで、あの頃の冷たさを、

 忘れてしまうかのような……!


 カネトキには、わからなかった!




「>>>これを装備することによって……なにか、ぼくにとっての、バッドステータスがつくのか……?」

『────カネト:お願い☼

 ────今は:前を──☼』




 その、祈りさえ(ふく)む言葉に、

 彼は、(したが)った。


 この時ばかりは、彼は、

 剣術も、殺人術も、

 スルリと、忘れていたのである……!


 それでも、なけなしの感覚が。

 何とか、銀の剣技を、弾く。


 まったく、お世辞にも、

 見事とは言えない、動きで───。




「>>>く、くそ……!」

『────次は:右から……!☼

 ────右手を:前に……!☼』




 そばにいる、クラウンも。


 何故、突然に、

 カネトキが不調になったのか、

 原因など、分からなかった。


 だが、その戸惑いを支えられるのは、

 今は、自分しか、いないっ・・・!


 太陽の姫は、ただただ、

 愛すべき者を、サポートする……!


 それは、(まん)を超える大衆の前で、行われ。

 (ぎん)(けん)の速さは、

 もはや、見えなくなっていく──。



 ──ギィィいいんんん・・・!!

 ──かァァァァンンン・・・!!

 ──ギイアカンンンン・・・!!




 誰もが分かる、劣勢(れっせい)であった。




「ぉ、お母さん……!? クルルカンが、やられちゃう……!」

「なんか、アンティちゃん……変じゃねぇか……?」

「ぁ、あぁ……いきなり、動きがニブくなったよな?」

「い、いっぱい、斬りかかられてるっ! あれじゃ、いつか、お姉ちゃんが、ケガしちゃうよぅ!」

「うおお……ちょっとマイちゃん、やり過ぎじゃーねぇか……?」



 観客に、明らかな不安が走っていく。



「>>>く、くそ……! こんな、はずじゃ……」

『────落ち着いて……!☼

 ────今は:移動するよりも:

 ────確実な:受け流しを……!☼』





 (わざ)(うす)れさせる、

 謎の感覚の中。

 無様に、攻撃を受け流し続ける、

 一方的な展開が、続く。


 クラウンは、願っている。

 彼が、何とか立ち直ってくれることを。


 カネトキは、わからない。

 なぜ、かつての自身の装備が、

 このような、結果を(まね)くのか……?



 何にせよ、彼らは、防ぐしかない。

 これは、あの物語の、続きなのだ。


 あがく、

 太陽の姫と、

 黄金の勇者。



 三角連(さんかくれん)のマフラーは、

 まだ、光っている──。




「#……むぅ? 妙だな……。だが、手は、抜かぬッッ──!!」

〘------急に;どうしちゃったのでしょうか☆

 ------ゆうしゃ様ァァ──???☆.*・゜〙




 流石に違和感を感じつつも、

 (ぎん)は、手を止めることはない。


 動きは非常に(なめ)らかであり、

 鮮烈(せんれつ)である。


 数多(あまた)の攻撃を受けながら、

 カネトキは、戸惑いを消せない。

 もはや、動きすら、なかった。




「>>>──ちくしょう」




 丸太の上で、姿勢を低くし。

 腕を、交差させ──。


 ただ、無様(ぶざま)に、

 攻撃を(しの)いでいるだけである。



 なのに────、、、





「>>>何なんだ……? この、温かさは── ─ ─ 」





 カネトキは、感じていた。


 こんな、多くの人の前で、

 生き恥のような、姿を、(さら)して。


 何故(なぜ)


 こんな、


 あたたかい、気持ちに────?





 ────── " きもち " ……?






「 ── が、がんばれっ・・・! 」





「>>>  ──、  」

『────  : ☼』




 その声は、どうしてか。

 彼らに──よく、(とど)いた。


 カネトキの瞳が、

 見開かれる──。





「が、がんばれーっ! く、クルルカン、まけるなーっ!」

「いけーっ! 黄金のパンチを、みせてやれーっ!」

「がんばってー! おねえちゃーん!!」




「>>>……、…… ── 」

『────これは──☼』




 カネトキは、マフラーを、見た。

 光った。

 光って、いる。

 まさか、と、カネトキは──。




「うおおおお──っ!!! 負けるんじゃねぇぜ、クルルカぁぁああああんんん!!!」

「そーだァァァァァ!!! おまぃや、オレたちの、ヒーローだろぉおおおおお!!!」

「そぅよぉおおお!!! 今日くらいは、暴れ回っても、いいのよぉおおおおお!!!」




 光っている。

 光っている。

 光って、いた。




「うおおおお!! いけぇえええええ!!!」

「がんばれぇー! クルルカーン!!!」

「黄金の義賊の底力、見せてやるぇえええええ!!!」

「やったれぇえええー!!! クルルカぁあああん!!」

「負けちゃ、いけねぇぞぉおおおおおお!!!」

「やれー! いけー! くるるかぁあああん!!」

「がんばれーっ!! がんばれーっ!!!」




 きぃいいんんん──。

 きぃいいいいんんん──。

 こぉおおおおおおおおおおおおおおお。




「>>>──く、くそったれ、が──」

『────カネト:これは──☼』




 カネトキも、クラウンも。

 それを見ていた。


 光っている。

 黄金のマフラーは、光っている。

 "呼応"、している。


 どこか、皮肉めいて見ていた、

 この、街の者たち、皆の声に。


 その声援(せいえん)に、その輝きは、

 (こた)えていたのだ──。




「>>>み、認めたく、ねぇ……!!」

『────あは:は……!☼』




 カネトキの出す声は、(ふる)えていた。

 クラウンも、だんだんと、理解する。




『────"大衆認識"に:

 ────呼応して:いるんだわ──☼』

「>>>それだけじゃねぇよ……クソッ……! これは、多分──」



「>>>ぼくの、"心"、か──……?」




 彼らの感覚は、やはり、(するど)く。

 だから、気づけてしまった。


 誰かに、応援されることで……、

 このマフラーは、光っている。

 その光を、増していた。



「>>>勘弁、してくれよ……」



 カネトキは、自分の心の温かさを、

 どこかで、認めたくは、なかった。


 それは、過去の自分が仕出(しで)かしたことに対して、

 とても、不名誉なことだったし、

 何より、恥ずかしいと思うことだ。



「>>>バカげている……! これが、ぼくの……心の温かさ、だって言うのか……!?」




 だが、それでも、

 それでも、だ。




「>>>ぼくは、そんな人間じゃない、、、そんな──」

『────ふ:ふふ……☼

 ────それは:どうでしょうか──☼』





「がんばれーっ! クルルカーぁあん!」

「そーだぁああ! まけるなーー!!」


「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」




「>>>────……」




 それは、不思議な光景だった。

 街中(まちじゅう)の子供たちが、

 いっせいに、声援を送る。


 声は、ピッタリと重なった。

 それに、大人たちも、続き出す。




「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」





 マフラーは、光っていた。

 どうしようもなく、光っている。


 それぞれの三角の装甲は、

 星のように、(きら)めいている。



「>>>やめろ、ってんだ……!」



 カネトキは、認めたくなかった。

 これが、自分の心の、温かさだと。

 誰かの声援によって、

 自身の心が、こじ開けられているのだと。


 自分は、、、冷たい皮肉屋で、

 どうしようもない、人間だ。


 それが、こんな声援で、

 心、温かく、なるはずがない。


 なのに────。




「>>>くそったれ……、クソッタレが! どいつも、コイツも、勝手に、英雄なんかに、まくし立てやがって……!!」

『────カネト──……☼

 ────見てください☼

 ────あなたに:皆が:

 ────期待していますよ☼』

「>>>わかっているさ、くそ、、、ドちく、しょうがッ・・・!!!」




 カネトキは、今、

 何も、認めたくはない。


 自分が、泣きそうになっている事も、

 ぜったいに、認めたくは、ない。


 それでも、皆は、応援する。

 誰もが、その姿を、知っていたから。


 その物語は、皆に、愛されている──、





 彼は、盗賊のくせに。

 派手な、騎士のような格好で、姿を現し。


 ジグザグ模様の、マフラーマントを、

 キザっぽく、首に巻き付け。


 つねに、軽口を叩き。

 だが、弱きは、必ず助け。


 真の悪は、時が止まった様に破れ去り。

 (まばた)きをする間に、黄金は消え。


 そして、貧しい民たちの街には、

 黄金の、雨が降るのだ─────……!





「>>>……、──  」




 このマフラーをつけた黄金の義賊は、

 最強だ。


 大衆にとって、

 最強でなければ、ならない。


 相応しい者が、それを身につけたから。



 それは、起こったのだ──。




 ────。






「>>>……、ぼくは」

『────☼』

「>>>ぼくは……英雄、なんかじゃない」

『────……はい☼』

「>>>だがな……? 人としての」

『────ええ☼』

「>>>意地ってモンは……あったみたいだ」




 マフラーの輝きが、

 己の瞳に、反射している。


 それは──"金色"?

 いえ、少しだけ────。



 そして、それは、ただ──。

 反射している、だけでは、ない。


 うなるような光は、

 伝染する────。




「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」

「「「「「「「 がんばれっ♪ 」」」」」」」


「「 いけぇええええ!! クルルカぁああーン!! 」」





「>>>こんな、応援のされ方ぁ、やられてよォ──……!」









 ───────────────────


  " ゴールデン・ストール " の


    最終 強化 が 可能 です ▼


    実行しますか ? ●▼≦.*・゜



    ▼ はい     いいえ


 ───────────────────










「 >>>


    カ ッ コ つ け ね ぇ


    ワ ケ に ぁ ────


 

    い か ね ぇ だ ろ ぉ が


                      」















 ────それは、黄金の、爆発だった。










 ────ィ ィ イ  イ  ィ インンン!!!!!!!










「#……──むッッ──……!!?」


〘------の;のんなぁあああ──っっ!?!?!?☆☆☆〙









 それには、誰もが、驚いた。



 斬りかかろうとしていた銀も、



 思わず、飛び退()く。



 まるで、夜が、昼になったような。



 そんな、光に。



 観客の全てが、目をつぶる。







「 うぉおおおっ……!? 」

「 な、なんだぁ・・・!? 」

「 まぶしッッ・・・!! 」






 とじた、(まぶた)の色が。


 白から、赤、黒、そして、黄金へと、


 移り変わる。




 ────温かい。




 鮮烈な光は、


 やがて、収束していく──・・・!





「 ・・・? 」

「 どう、なった・・・? 」

「 おさまった、のか・・・? 」




「 あれ── 」





 誰かが、指をさして。


 みんなが、見る。





 さいしょに、誰かが、言った。







「 すごいや 」











挿絵(By みてみん)


 き ぃ ぃ い い い い ん ん ん──・・・!!!!!










 黄金の義賊は、光っていた。


 ジグザグ模様のマフラーは、


 輝いている。





 おかしな、ところが、あった。




 ────" 長さ " である──。





「 なんだ、アレぇえええええ……!?!?!? 」

「 プレゼントの、、、リボンみたい!!! 」

「 めちゃくちゃ、光ってんじゃねぇかあァ……!!? 」






 ────" ながい "。


 とにかく、ながいのだ。


 そして、でたらめに、まぶしい。




 黄金のマフラーは、


 まるで、"無限(むげん)(ひかり)(おび)"のようである・・・!



 高級な、プレゼントに(ゆわ)えられた、


 贈り物の、リボンのように・・・!


 クルルカンの首を(いろど)る、


 その、表面は、流れていた・・・!





 連なる三角の装甲は、


 時の流れのように、


 (おび)の上を、進む──・・・!!






「>>>  ── ── ──  」







              △

             △▽△▽△

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       ▽△▽

        ▽






 輝くクルルカンに咲き誇る、


 光の、無限の道に。


 圧倒されない者など、いない。





「#……なん、だ、、、あの、姿は──」


〘------の;のんのんなぁぁああ〜〜〜〜っ!?!?!?☆.*・゜〙







 星の数ほどの、驚愕(きょうがく)の中。


 クラウンは、"分析"する────。








『────分析完了(アナライジング)── ☼』







 ── PON ─☆










 〖 黄金の時のマフラー 〗new!

 ──────────────────

  ゴールデン・ストールの最終強化版。

  黄金の勇者が、本来、手にするはず

  だった"無限の力"が篭められている。

  誰かのために戦う心の力で、無限に

  伸ばす事ができる。唯一の例外を除

  き、このアイテムを破壊する事はで

  きない。かつて黄金の勇者が使った、

  伝説の双剣を召喚する事ができる。

 











「>>>──さぁ、こいよ──」









 まるで、巨大な天使の輪が、


 (つら)なったかのような、光の道。



 その中から、





 あの、番剣(つがいけん)が──呼び覚まされる────。









 き ぃ ぃ ぃ ぃ い ん ん ん ・・・!


 こ ぉ お お お お お お お ・・・!







挿絵(By みてみん)



 〖 時刻みの黄金剣・復刻版 〗new!

 ──────────────────

  かつて黄金の勇者が最期に振るった

  という、時の力が篭められた伝説の

  双剣。長針剣と短針剣で、番を成す。

  復活する際、歯車の力も宿している。

  唯一の例外を除き、この武装を破壊

  することはできない。黄金の時のマ

  フラーと合わせ、わずかに時を超え

  る力を持つ。









 その、黄金のグローブに、


 その、(つがい)の剣は、握られる。






 チクタク、チクタク、

  チクタク、チクタク、

   チクタク、チクタク、

    チクタク、チクタク。

 チクタク、チクタク、

  チクタク、チクタク、

   チクタク、チクタク、

    チクタク、チクタク。







 それは、黄金の、剣。


 それは、時を、(きざ)むもの。





 でたらめに長い、光のマフラーは。


 集束し、円の流れを組む。



 その、双剣の構えと相成って──。









 それは────" 時計 "のように見えた。












「#……金時計の沈黙は……、破られた──」





「>>> ── い く ぜ   」














先輩、装備フルコンプっ♪

((o(。>ω<。)o)).*・゜

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― 新着の感想 ―
[一言] ぷ〇きゅあは、マール氏以外に、先輩もかぁ(;´・ω・)
[良い点]  何かあると思っていた。期待以上!『ゴルディオン・グラウンド』発動時の装備だね。 [気になる点]  生前の先輩が最期まで真の力を発動できなかったのは罪の意識で心が" 凍って "いたからだろ…
2021/03/10 11:23 電悩過敏症
[一言] どこぞのヒーロー ライダーショー の様な盛り上がり
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