気合いだぁ!!
ヒゲイド:
「うむ、帰ったか。ちなみに、なんだが……。野外席が、また無断で増築されていた。お前ら、明日の劇……ホントに大丈夫なんだな?」
キッティ:
「あのアマの連絡を怠っていたのは、すみませんでしたっ……!! わ、私だって、こんな重大な伝言をするのはっ、心苦しかったんですよぅ……!! レイドクエストなんかより、よっぽどですぅ……!! だ、だから、記憶の彼方に忘っ、ゃ……追いやってて! てへっ☆」
ユービー:
「冒険者さん達も、街の人も、すっごく楽しみにしてます!! がんばってくださいね!!」
ゴリル:
「おーぅ! 久しぶりじゃねーか! ごははっ! なぁ、お前らの劇だがな……聞いて驚け! サルサとパンジーのヤツも、バヌヌエルから出張ってくるぞ! ごはははははッ! いやー、期待してるぜぇい!!」
ヤン:
「お、来たなぁ? キンキラ絵本コンビ! いよいよ明日かぁ! なんか、すっげーウワサ、広がってんなぁー。アタシも、何とか手ぇ空けて見に行くからよぉー!! キバれよォ? ! オィ!」
セッツメイ:
「やぁ!! いつも、ご苦労さま!! ぼくも、カイセッツ兄さんと、妹のミヌフリと一緒に見に行くよ!! いやぁ、君たちが来てから、この街は明るくなったよ!! ありがとう!! はっはっは!! 実に説明のし甲斐が有るなぁ!!」
アンマイのぼり隊:
「われら、旧・クルルカンのぼり隊は、全せいりょくをもって、お祭り会場に侵攻する! お父さんとお母さんの許可は、すべての隊員が、しゅとくずみだっ!!! とうじつは、われらの数の ぼうりょくに、おどろくがいい!! じゃ、がんばってねっ!!!」
果物屋のメニーさん:
「あら、聞いてるわよぉ〜〜!! お客さん、みーんな、あなた達のこと、話してるんだから! ま、あれだけ子供に好かれりゃあねぇー。お母さんグループの中でも、あなた達の評判、すこぶる良いんだから♪ 私も、明日は見に行くわね! ところで、マンゴー買わない? 12ダースあるの!!」
八百屋のじっちゃん:
「がんばれよぉ!! トマト、オマケだぁ!」
カトリーヌさん:
「あんらぁ、もう明日なのねぇ。はやいわねぇ、私が結婚したのも、昨日だったように感じるわぁ。あなた達、子供は早い方が、いいわよぅ。え? 何かしら? 最近、耳が遠くてねぇ」
フィル・ポーカー:
「ふっ……♪ 明日の、キミたちの成功に、500イェル賭けよう。え? 額が少ないって……? ふふ、わかってないなぁ。良い賭博師と言うのは、小さな、確実な成功を、技術で積み重ねるものさ♪」
アマロン:
「あっ!! 明日は……お願い致しますねっ!? もう、グッズ販売の用意は、万端すぎるほど、万端ですからっ! 売れなかったら、教会のいくつかは、潰れますからねっ! 責任重大ですよぅ……!! ほんっとに、お願いしま……っ、──ひょ!? はっ、ごめんははいチョーシ乗りはしは、ほっへ、ははひへふははいィいい……!!!」
うさ丸:
「にょきっとなぁ!」
建設現場のお兄さん:
「やぁ、こんにちは。見ての通りさ。等間隔に打ち込んだ、背の高さくらいの木の杭に、それぞれ座席番号が書いてあるんだ。この数だ、中々、壮観だろう! いやぁー、祭りの後に片付けちまうのが、勿体ないなぁ。むっ、ちなみに……あの番号杭の上で、激しい動きをしているのは、君らのトコの、子おおかみくんだろう? アレは……何をしてるんだぃ? 何やら、頭の動きが激しいんだが……」
カンクル:
「くゆくゆくゆくゆくゆくゆくゆくゆくゆーッッ!!!」
パンデミカル・マリンズ:
「YO・・・! オレたちは下見だぁ。明日はヨロシクな。こんなビッグなステージは、オレたちも初めてだ……! 正直、緊張してる。だがなぁ……オレたちにも、今まで積み上げて来た、確かなソウルがあるのさ……! しっかし……!! あの、ちいせぇウルフのヘッドバンギングは、見事なモンだな!! うおおおお!!! オレたちも負けていられないぜぇ──ええええい!!!!!(うぉおおおあああああああああぁぁぁ!!!!!)」
知り合いの冒険者のお姉さん:
「やほー♪ 何処の酒場にも、あんた達の劇のチラシ、貼ってあんのよ! クランメンバー誘って、みんなで見にいくからねっ!!」
知り合いの冒険者のお兄さん:
「ガハハ!! あの酒場での再現でも、俺は一向に構わんぜ!!! ガハハハハハハ!!!」
通りすがりの子供:
「あちた、がんばってね!」
──。
ドニオスに帰ってきたアンティと私を、
街の人は、あたたかく迎えました。
何処に行っても、私たちの話題、
ばっかりです。
私は緊張はしますが、
あの二年間に比べたら、
死ぬような事ではありません。
皆の期待に、応えたい様にも感じます。
でも、アンティは、どうかな……?
今、アンティは、部屋の中で。
外を見ながら、ニオウ立ちしています。
「…………」
『────やはり:緊張していますか……?☼』
『>>>ま、無理もないか……。ここまで大規模なイベントになるとはねぇ……!』
『────こらっ:カネト☼』
『>>>あっ……ワリ』
『────むぅ……☼
────"当の本人"として:
────何か:アドバイスは:
────あるのですか☼』
『>>>え"っ……!? は、ハラから声出して、ゆっくりしゃべる……?』
『────むむ……☼
────確かに:それは重要ですが:
────期待していた内容とは……☼
────ギンガ殿にも:意見を:
────うかがってみては:どうでしょう☼』
『>>>あっ、そうだ、先生、なんか元気が無いんだよ。ぼーっとしてるっていうか……』
『────そうなのですか?☼』
『>>>うん。ま、声かけたら、大丈夫だ、とは言って、フツーな感じなんだけど……なんか、引っかかるというか……』
『────むぅ☼
────自身の劇に:
────思う所が:あったのでしょうか☼』
『>>>まぁ……けっこう殺伐とした過去でもあるからね。でも、最近は、かなり乗り越えた感、あったんだけどなぁ?』
本番の前日に、
妙な、ソワソワとした気持ちに、
みんなが、なっています。
アンティは、まだ、ニオウ立ちしています。
アンティがイヤなら、
私は、どこまでも一緒に逃げますが、
繋がっているココロを感じるに、
しぬほどでは、ないようです。
「アンティ、いよいよ、明日だね」
私は、アンティの後ろに近づいて、
言いました。
「── 」
アンティは、無言でした。
やっぱり、心配なのかなぁ……?
────と。
──── パ ァ ン !!
「
── し ゃ あ !!
や る か ァ ー !!!
」
えへへ。
アンティは、がんばり屋さんです。
「アンティ、ほっぺたイタイ」
「あっ……! ご、ごめんっ……」
明日が、ちょっと、楽しみです。
〘------おまえらぁー☆
------いーから;さっさと服きて☆
------とっとと寝るの──んっ☆☆
------本番前に;風邪ひくのんよぉ──☆☆☆〙
精霊王は、祝福した。










