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アップル・インパクト

※一部表現を更新(●´ω｀●)

　ゴゥン　・・・

［ Tips ］

　-箱庭フォートレスは通常運行中です-

［ Tips ］

　-箱庭フォートレスは自動運行しています-

［ Tips ］

　現在箱庭フォートレスは四半舷休息中です-

［ Tips ］

　-該当の搭乗員は万が一の航路障害・哨戒任務を-

　-引き続き継続してください-

［ Tips ］

　-住居区の朱天城の中庭にある黒金樹の黄金葉が-

　-見頃を迎えています-

［ Tips ］

　-旧ダンジョンサーバーの記憶操舵システムが

　-複数追加統合されたため Ver."天福"は-

　-まもなく更新を開始します-

［ Tips ］

　-デュアルサーバーの認識度が［-5］のため-

　-何も入力がない場合称号名が-

　-世界翻訳システムより自動生成されますので-

　-ご注意ください-

［ Tips ］

　-現在プログラムに矛盾点がないか確認しています---／-

　-現在プログラムに矛盾点がないか確認しています---－-

　-現在プログラムに矛盾点がないか確認しています---＼-

［ Tips ］

　-最新のレギュレーションに更新しました-

［ Tips ］

　-OS更新により機体コンセプト搭載武装が-

　-無意識統合採決により変質を開始しました-

［ Tips ］

　-住居区画朱天城のエリアが膨張を開始しました-

　-一部艦制御プログラムが変質した武装に合わせ-

　-最適化されます-

［ Tips ］

　-箱庭フォートレスは通常運行中です-

［ Tips ］

　- Have a great time -

［ Tips ］

　- では皆様よい旅を -

［ Tips ］

　-――--

［ Tips ］

　-確認中-

［ Tips ］

　-本艦の急激な更新プロセスにより-

　-状況投影描写機構に一時的なエラーが-

　-発生しています-

［ Tips ］

　-復旧中・・・-

［ Tips ］

　-世界翻訳システムへの再接続を確認-

［ Tips ］

　-状況描写が難有りと判定されました-

　-緊急措置により復旧までの期間-

　-表現媒体への代理描写を開始します-

　ゴゥン　・・・

［ Tips ］

　-箱庭の朱色の廊下にて氷帝銀我と-

　-Ｑ３記憶操舵システムが鉢合わせている-

　-彼女の手には刀剣を模したウッドソードが-

　-敵意なく持たれている-

〘++++++……いた。コレ、また落ちていたわよ？〙

〘#……うむ……、すまない〙

［ Tips ］

　-Ｑ３記憶操舵システムにより-

　-氷帝銀我にウッドソードが手渡される-

　-二人の間には奇妙な気まずさが感じ取れる-

〘++++++ふぅ。これで何本目？　あなたの部屋、ウッドソードまみれになるんじゃない？〙

〘#……ふ、10を超えるようなら廃棄する〙

〘++++++それでも多いと思うけど……思い入れが？〙

〘#……！　そうだな……。父が生前、防犯用にと……よく枕元に置いていた。私が小さな頃からでな。この、刀を模した独特の美しさに……子供ながらに魅入ったものだ〙

〘++++++……そう……〙

〘#……く。つまらない話だったな〙

〘++++++そ、そんな事は言っていないわ！〙

〘#……くく……。この造形に心を奪われなければ、あのような、いい加減な流派に、身をやつさずに済んだのだが……〙

〘++++++……。あなたの剣の腕は、誰かを助けている〙

〘#……そうだな……。幸か、不幸か……。だが、大切な者に向けてしまったこともある……〙

〘++++++……〙

〘#……ぉ、済まん……〙

〘++++++と、とにかく、渡したからねっ！〙

〘#……ぁ、ああ〙

〘++++++……〙

〘#……〙

〘++++++……じ、じゃあねっ！〙

［ Tips ］

　-そそくさとＱ３記憶操舵システムが立ち去る-

　-残された氷帝銀我にはウッドソードと-

　-絵に描いたような苦笑いが-

　-装備されている-

〘#……しまった。何を言っているのだ私は……。もっと有用なことを……話さなければいけない、はずなのだがな。くく……。これで、神の代理品などと、実に、片腹いたい……〙

［ Tips ］

　-氷帝銀我はウッドソードと共に-

　-住居区画に再現された自室へと向かう-

［ Tips ］

　-(ドアを開く音)-

　ガチャ、キィ────……。

『──うぉおおおおおおお──っ！！！◎▽◎+

　──クルルカンを押し倒しっっっ！！！▽

　──覆い被さらんとす、オクセンフェルトおおお……っ！▽

　──"#……素顔を見せてくれないか？"▽

　──">>>先生！　そんな……っ▽

　──いやっっっっふううぅぅぅぅいい！！！≫▽≪.*・゜』

〘#……〙

［ Tips ］

　-氷帝銀我の自室には-

　-腐った林檎が不法侵入している-

　-飴色の木調が美しい書斎の机にて-

　-彼女が原稿用紙に走らせているのは-

　-引き出しにしまっておいたはずの-

　-彼の万年筆だった-

［ Tips ］

　-※汚林檎は漫画を描いているようです-

『──うぉおおおおおおお──っ！！！◎▽◎+

　──ぺぇぇえええろぺろぺろぺろぺろぺろ！！！▽

　────あっ……ちゃっす♪≫▽≪.*・゜』

〘#……──ヒュフゥ──　〙

『──え？　ッ、ちょ！？▽

　────ギエッ──……ッ！？！？▽』

［ Tips ］

　-氷帝銀我が部屋の入口に集められていた-

　-数十本のウッドソードを-

　-恐ろしい速度で汚林檎へと投擲(とうてき)する-

［ Tips ］

　-(槍のように壁に突き刺さる音)-

　────ズドドドドドドドドドドドドォォ！！！

『──ぴぎぎゃよぉえええええええええっっっ！？！？！？இ▽இ.*・゜』

［ Tips ］

　-逃げようとしたアップル・メイップルが-

　-マジックショーのナイフ投げのように-

　-ウッドソードによって壁に縫(ぬ)い付けられる-

　-外傷は発生しないが彼女は大の字の状態のまま-

　-かなりきわどい所に刺さった木の刀によって-

　-足が床から浮く形で壁に固定されている-

〘#……何を、していたのだね……〙

『──うっく……ひっ、く……っ！▽

　──だ、だってぇぇ……！▽

　──原稿用紙がドロップしたのにっ……！▽

　──Ｇペンがないなんて……！！▽

　──完ッッ全にッ……！▽

　──ナマ殺しじゃあ、ないすかぁぁぁ……！！！இ▽இ』

〘#……だからと言って、人の部屋に無断で侵入して良い理由にはならん……〙

［ Tips ］

　-丸メガネの三つ編み少女は-

　-壁に縫い付けられたまま-

　-悔しそうに涙を流している-

［ Tips ］

　-氷帝銀我は床に落下した原稿用紙の一枚を-

　-拾い上げしかめっ面をしながら眺めている-

〘#……ぅーむぅ……。その……"理解"は、あるほうだが……。自(みずか)らと、知り合いが対象にされるは、やはり、なぁ……。はぁ……画力のみで言えば、あの万年筆で描いたとは思えぬくらい、素晴らしい出来だ……。やれやれ……未来人である君ならば、もっとデジタルな手法で描くのではないかね？〙

『──ペンタブ……▽

　──３Ｄコンポライザー……▽

　──ボイス合成システムぅう……！！▽

　──ハァ、はぁ……っ///▽』

〘#……未来の画材は、よく分からないのだが……３Ｄアニメ化を目指すのは、やめなさい……〙

［ Tips ］

　-ウッドソードにて-

　-駄菓子の"カタヌキ"状態-

　-になっているアップルに-

　-氷帝銀我は語り掛ける-

〘#……はぁ。何か飲むかね？　緑茶なら、すぐに淹(い)れてやれるが〙

『──ちゃーっす……▽

　──ねがぃしゃーっす……▽』

〘#……っくく〙

［ Tips ］

　-腰の高さほどの小さな箪笥(たんす)の上の-

　-茶筒を取ろうとして氷帝銀我は驚愕する-

〘#……　！！　　　ば　か　な　……　　〙

［ Tips ］

　-箪笥(たんす)の上の写真立てには-

　-彼の妻である雫(しずく) の笑顔が輝いている-

『──それのデータ、復元しといたぜ▽

　──アンタ、見るの拒(こば)んでたろ▽』

〘#……ッ！！〙

『──こかぁー▽

　──記憶や感情に左右される空間だぁ▽

　──でもよぉー……それは拒絶しちゃペケだ▽

　──あんまりにも、ヨメさんが▽

　──可哀そうだゼ──？▽』

〘#……──　なっ……！？　〙

［ Tips ］

　-彼女を拘束していたはずの-

　-数十本のウッドソードが-

　-瞬時に蔦(つた)に変質し-

　-逆に氷帝銀我を拘束する-

［ Tips ］

　-(蔦が巻き付く音)-

　──　ぎ　ゅ　る　ん　ん　っ　っ　・　・　・　！！！

〘#……これ、はっ──ッ……！！〙

『──イッツァ、マジーック♪♪♪◎▽◎』

〘#……そ、、、のようなっ、能力(ちから)がッ……！？〙

『──うぇーっへっへーっ♪▽

　──もーと、木の神さまを▽

　──ウッドソードなんかで拘束しちゃー▽

　──　い　け　ね　ぇ　よ　っ　♪◎▽◎♪　』

［ Tips ］

　-解放されたアップルは-

　-氷帝銀我を蔦(つた)で拘束したまま-

　-ゆっくりと歩いて近づく-

　-彼の妻の写真を手に取り-

　-しげしげと眺(なが)めている-

『──やっぱり……▽

　──"速水財閥"の御令嬢(ごれいじょう)だったンだな▽

　──せんせーのヨメさんってよォ……▽』

〘#……っ！！〙

『──"出資者"の……ひとつだったぜ▽

　──あの国じゃ、ユーメイだった……▽』

〘#……キミは……、何をっ──……？　っ……〙

［ Tips ］

　-氷帝銀我が複数の蔦(つた)より解放される-

　──しゅるるっ……。

〘#……、……〙

『──なぁ、せんせぇ……▽

　──アタシは生身(なまみ)ん時ゃ▽

　──生体(バイオ)コンピューターだったんだぜ？▽

　──人工的に作られたミュータントでよぉ……▽

　──頭部が体重の４割を占めるように

　──設計されてな……▽

　──そこに機械類なんかも▽

　──ゴッチャリと詰(つ)まってたんだ▽』

〘#……、、……〙

『──あの、神サマみてぇな宇宙ステーションに▽

　──情報収集の捨て駒として▽

　──乗せられた時にな？▽

　──そりゃあ……もちろん▽

　──同じ乗船員の素性は▽

　──あらかた、調べまくったさ▽』

〘#……！〙

『──第一旧世界でな？▽

　──アタシに調べられないことなんて……▽

　──ホントーに、少なかったンだぜ……？▽

　──クラウンの頭脳素体が▽

　──この世のモンじゃねーってのも……▽

　──記憶を失った黄野金時と▽

　──戸橋香桜子が結婚した事も▽

　──もちろん知ってた▽』

〘#……今、なんと……？〙

［ Tips ］

　-氷帝銀我の疑問は無視し-

　-アップル・メイップルは-

　-語り始める-

『── 速水(はやみ) 雫(しずく) が病死した後▽

　──それを、あきらめられなかった両親は▽

　──母国で娘の遺体を▽

　──当時、最新の技術で冷凍保存したんだ▽』

〘#……──ッッッ！！！〙

『── だンが……▽

　──いよいよ治療が間に合わねぇー▽

　──自分たちが、老衰で死ぬ前に……▽

　──やっぱり、娘を土に還してやろうって▽

　──解凍して……調査したら▽

　──娘が実は▽

　──妊娠していたって事がわかった▽』

〘#……ッ、く……！！！〙

『──そン時にはな？▽

　──トップも代替わりしててよォ……▽

　──当時の財閥のヘッドだったアホが▽

　──その病気の胎児を▽

　──利用してやろうと思いついたんだ▽』

〘#……ッ、り、よう……？〙

『──いざとなったら処分が可能で▽

　──逃走しても病死する▽

　──替えが効く、女性兵のみの集団──▽』

〘#……ッ──！！　どしが、たい……！！！〙

『──" クイック・クイーン計画 "…▽

　──な？　ひっっどい、名前だよな……？▽

　──精製から、処分の早さまで……▽

　──皮肉(ひにく)ってあるんだぜ……？▽』

〘#……ぐ、……、……！〙

［ Tips ］

　-拳を握りしめる氷帝銀我に-

　-アップル・メイップルは-

　-再び語りかける-

『──ぁー……。なぁ、せんせぇ？▽

　──完全に、おせっかい……▽

　──なんだけど、さ……▽

　──別に、罪に感じる必要▽

　──ないんじゃねーの……？▽』

〘#……〙

『──言い方は、悪いけどよォー……▽

　──遅かれ早かれ、死んでたろ……？▽』

〘#……君にッ……、何がわかると、いうのだ……〙

『──アンタがさ？▽

　──同意なしにヤるようなヤツにゃ▽

　──アタシには、見えないんだわ▽

　──お相手も……納得してた▽

　──な？　そうだろ？▽』

〘#……、だがッ……！！　そのせいで。死期が早まり……たくさんの命が、弄(もてあそ)ばれる結果となってしまったッ……〙

『──でも。そのお陰で……▽

　──アンタの未来にまで▽

　──届(とど)いたモンもある▽』

〘#……っ！　そ、……〙

『──なぁ、せんせえ……▽

　──だれもアンタを、責(せ)めちゃあいねぇよ▽』

〘#……、……。それが……、辛(つら)い時も、あるのだ……〙

［ Tips ］

　-二人は目線を合わせず-

　-しばらく無言となる-

　-アップル記憶操舵システムが-

　-書斎の座席へと移動する-

『──……おっっけ！▽

　──アタシの小言は、ここまでだ！▽

　──アタシも、ほどよく腐っているし？▽

　──神サマだからって▽

　──これ以上、聖人ぶるつもりはねぇさ▽』

〘#……。彼女は、知っているのか？〙

『──いンや……▽

　──でも、いい加減、察してるだろうぜ……▽

　──見ろよ、その写真……▽

　──クリソツじゃんよ……▽』

〘#……〙

［ Tips ］

　-氷帝銀我は復元された妻の写真を持ち-

　-じっと見つめている-

『──ま、それがな！▽

　──きっかけになるかもー、って▽

　──そーゆー、ハナシさ▽』

〘#……〙

『──いちおー言っとくけどよ……▽

　──アイツぁ、大事な仲間だ▽

　──うぇっへへ、頼むぜ？▽

　──せーん、せっ……♪◎▽◎.*・゜』

［ Tips ］

　-氷帝銀我は目を閉じ-

　-深く考えている-

〘#……。少々、落ち着く時間が、欲しい。それに……だ。この様な、特殊な環境なのだ……彼女に……遠慮すべき点も……多々、あるだろう……〙

『──えっ……▽

　──……んっ！？▽

　──あっ！！　ちょ、おい──……！？▽』

〘#……少し、頭を冷やす〙

［ Tips ］

　-氷帝銀我が書斎から出て行ってしまう-

［ Tips ］

　-(ドアが閉まる音)-

　──キィ──……、バタン……。

『──へーっ……▽

　──左様で、ございまーすかっ──▽』

［ Tips ］

　-丸メガネの少女は書斎の椅子に座り-

　-机に頬杖(ほおつえ)をつきつつ-

　-何とも言えない表情で溜息を漏らす-

『──……はぁーっ、ゃりゃり……▽

　──実(じつ)の娘(むすめ)に、遠慮(えんりょ)もクソも▽

　──ねぇーと、思うん▽

　──ですけどねェーい！＝▽＝ =３』