英雄はここにいる
今日もテケトーに書きました(*´ω`*)。
さいしょユリナオール切れてます。
ピー、ちちちちちち……。
「─「」─」
物音で起きると、ずいぶんと早朝だった。
バババばーちゃんは、もう起きているみたい。
へ?
イチャコラ、したのかって……?
……。
ヒトん家では、遠慮してるっつーの。
「……アンティ、おはようのちゅぅして?」
「……今までしてたのに?」
もー。
ちゅっ。
「おはようございます」
「 「」 」
銅色のメイドが立っている。
「「 …… 」」
「人目が無いうちに、ご報告を」
こんの、メイドめぇえええええ。
やっぱり、着いて来てやがったかぁあああああ。
「うさ丸様ですが、先ほど戻られ、隣のエルフの子供たちの部屋で、カンクル様と一緒に寝ています」
「なんで様付け……。てか、隣、ロロロ達の部屋だったのね……」
「ぅ……ガマンして、良かったね……」
「マッシュ・ウォーカーですが、夜間に精霊花エリア外に5体を確認いたしました。すでに処分しております」
「……! あれって4メルくらいあったでしょう。大丈夫だったの?」
「火が弱点と聞きましたが……」
「あの程度の大きさなら、魔石がある胸辺りに火槍を投げれば一撃ですよ」
火槍が……何か分からん。
「まぁ……ありがと。ケガは無いわね?」
「エルフさんの見張りに見つかると怪しまれますよ」
「ふふふ。そのような問題は発生いたしません」
……。誰にもバレずに、
邪魔者だけを消したようね……。
流石、Aランクの暗殺職チームというトコロか……。
「……いちおー、お礼を言っとく」
「ご苦労様です」
「あら、お優しい。ところで……」
「「 ? 」」
「そのような……汗びっちゃりの肌着のまま、夏場……ひと晩中、抱きしめ合っていらっしゃるのは……、その……ですね。水分補給の面で……心配になるといいますか……?」
「「 …… 」」
……だーかーらぁー。
水分補給は、ひと晩中、してたっつーの。
「ともかく、早々に、お着替えください」
ブロンズメイドは、
水と氷の入ったコップを置いて、
姿をかき消す。
おっ、ひとつだけだ。
あのメイド……分かってきたわね。
「汗、もったいないね」
「……」
ちょっと同意しそうになったので、
コップをマイスナの口に、ぷっ込んだ。
「──ぷっ!」
「起きるよ!」
すぐに、お水が半分こになるのは、
言うまでもない。
カーディフに帰る前に、
プチ・ファッションショーとなった。
もちろん、あのマフラーを巻いている。
「ど、どすかね……?」
「アンティ、かっこいい!」
「──かっかっか。明るい時に見ると、思い出すねぇィ……!」
そう、この黄金のマフラーは、
紛うことなき──" クルルカンの正装 "だ。
『────たったいま"分析した所:
────該当アイテム名が:
────" ゴールデン・ストール ":
────に固定化されました☼』
んぇっ!? マフラーじゃないの?
ストール……いや、マフラーでしょ。
ストールって何やねん。
『>>>女性が巻いたからじゃないかぃ? ま……くく、何にせよ、良く似合っているよ』
先輩は、少し苦笑い気味で、そう言った。
バスリーさんも、色んな感情を含んでそうな、
でも、とても優しい笑顔で私を見ている。
この仮面とマフラーは……、
あの時と、一緒だから──。
「……──かっかっか! アイツは、いつも仮面の下を、そのピカピカ帯で隠していてねィ……! スカしたキザに、拍車がかかってたもんだよォ!」
「……ふふ。似てますか?」
「いぃやァ! アンタの方が、良く似合ってるねェ!」
きひひゃ。だってよ、先輩?
『>>>か、手厳しいじゃないか?』
〘#……くく。いつものマント風も良いが、それも動きやすそうに思える〙
『────それだけが:
────メリットでは:ありません☼』
クラウンが、
この伝説のアイテムの分析結果を教えてくれる。
『────そのストールは:"時の結晶剣"同様:
────"時間が停止した空間"によって:
────全体を構成されています☼
────首元を防御するアイテムとしては:
────最も優れた装備と言えるものです☼』
『>>>ああ……そうだね。マグマに浸っても、壊れないかもしれないよ?』
はは……"防御力、無限大"ってか?
確かに、それはメチャンコ心強いわね。
〘------正直に言うと;それがここにあって;
------とても;嬉しいのん……☆〙
ローザの言葉に、今ばかりは、
誰もが、、、温かい気持ちになった。
〘#……ふむ。"時間停止アイテム"なのに、布状の特性を持っているのも興味深い〙
あ! そうよね?
普通に布っぽいトコあるけど……。
ココ、強度とか、どうなの?
『────繊維質にまで:時空凍結粒子が:
────染み渡っているようです☼
────今の所:そのアイテムを破壊する方法は:
────この世に:ひとつしかありません☼』
な、なるほど……?
よぅわからんが、この世でひとつだけの、
布の性質を持った、破壊不能アイテムのようね。
つまり……"時の結晶剣"をバラして造った、
七振りの"時の結晶刀"と、
この……"ゴールデン・ストール"を破壊できるのは、
────サキの、"包丁"だけだ。
『────肯定します☼
────" ヨトギサキ "のスキル:
────" 絶対断絶 "のみが:
────それらのアイテムを破壊可能です☼』
そう考えると……サキの包丁って、凄いわよね。
"切れないものは無い"、っつーことだもんね。
ま……料理以外には……自分から進んでなんて、
ぜってー使わねーけど。
〘#……ふ。花殿の刀は素晴らしい。夜な夜な、試し斬りしたいほどだ〙
『>>>おい……』
〘++++++言ってることが……快楽殺人鬼のソレなのだけれど……?〙
〘------さらっと言うなのん☆ 召喚された自覚もてのんっ☆☆〙
〘#……いや、失敬。夜、時間が空いた時に、思わず見とれてしまってな……花殿には、感謝の言葉が無い〙
【 ──か。よしんさぃ……照れますきに////// 】
< あらぁ♪ 珍しい、花が照れとるわぁ〜〜♪ >
『────ハッ◎Д◎!!
──ま、まさか……!▽
──クル × オクではなく……!▽
──オク × クル…………なのか……ッ!?▽
──な、ん、だと………………▽
──アタシャー……!!▽
──なんてッッ、間違い、ヴォ……ッッ!?▽』
『──ぁ、アップル起きたんだ……❖ オハヨー❖ でももぅ、お昼だよ?❖』
けたたましくなってきたわねー。
ま、もう慣れっこだけどぉ。
つーか……、昨日の、腐った林檎って……?
よく意味が分からんのだけど。
ゾンビじゃあるまいし?
〘------オメーとヨメの真逆ってことのんっっ☆☆〙
あ? 精霊王テメーいまオメーっつったか?
酒一年間禁止すっぞ??
可愛く言っても許さんかんな。
〘------どうすれば赦しを得られるでしょうか……☪︎〙
『── 草 ァ !!◎▽◎+』
次に私が箱庭行くまで、
渾身の一発芸でも考えとけ。
『C7:さっすが、首領……ッ! もはや、覇王の言動にゃあ……!!』
『C2:よ、よすのみゃ、ニャーナ……! 飛び火、食らうみゃよ……!?』
ネコ二匹、躾追加、と……。
対面正座でお互いに目を見続ける、
とかにしょーかなー。
『────ぁ:あの:アンティ……?☼』
『>>>たまに、輩になるの、やめてくれ……』
ヤダなぁ、冗談ですよぅ。
アンティちゃんは、ヤサシイ子ですよーっ!
【 あほぉ。世迷いごと言っとらんと、ちっとは家事、手伝わんかぃ! 】
〘------えええ──っ;;☆〙
『──へっひゃー!▽ 怒られてやんのーっ!◎▽◎』
< ほほほ♪ アンタもやえぇ〜〜? >
箱庭の家庭劇場に気を取られている間に、
ロロロとラララ達が、そばまで来てた!
「わぁぁああ〜〜!!! アンティ、かっけー……!!!」
「それ、ホンモノなのおッッ!?!?」
「え? そ、そうね。ホンモノの、クルルカンのマフラーだよ」
「すっげー!!!」
「アンティ、すっかりクルルカンだね!!」
ロロロとラララの後ろには、
数人、同年代の子供も見に来ている。
おお、友達できたんか……!
あ、つーか全員、たぶん歳上だわ。
背の高めの女の子もいる。
だけど、どうやら……、
話しかけてはこないみたい?
あ……! 人見知り発動されてんなコレ!
はっは……、ま、こんなハデなカッコの、
謎のピカピカ二人組に、いきなり話しかけるのは、
ハードル高いだろぅなあ。
悪印象は与えていないと思うけど、
なにやらムズガユイ感じだ。
ロロロとラララは、んな事関係なしに、
ガンガンしゃべりかけてくっけどね!
「アンティ、ほんとに絵本にソックリだよ!!!」
「マイスナもね!!!」
「ははは、ありがとっ」
「ひじから剣、はやそうか?」
再現やめとき。
後ろの子供たちは、興味津々ながら、
ジッ〜〜〜〜っとコチラを見ている。
おぅふ……懐かしい感覚だわぁ。
くっ……!
ドニオスのガキンチョ共も、
さいしょは、遠慮がちだったのに……!
「アンタたちは……ヒトに登るようなコになっちゃダメよ……!?」
「アンティ、何いってるのー???」
「ははは! いみわかんなーい!!!」
ええ、えぇ……!
それで、ええんやで……!
ぐすっ……!
「みんな、絵本の中の英雄が、好きなんだねー!」
マイスナが言った。
「ちがうよ?」
エルフの子どもの1人が、
いきなり言い、みんなが面食らう。
「黄金の義賊クルルカンは、昔、本当にいたんだ。向こうの街のエルフは、みんな知ってるよ。昔……まだ、エルフと人間が仲が悪かった頃に、ふたつの種族の、架け橋になったんだ! それで、悪いヤツを懲らしめて、そいつが隠していたお金を、エルフといっしょに、空から街に降らせたんだよ」
「うん、そう! お父さん達は、私たちが会った、さいしょのヒトの英雄だって、ずっと言ってる! そのおばあちゃんも、そのヒトに会ったことがあるんでしょう!? ここには、その人のお墓があって……二代目のあなたは、精霊花を復活させた」
「ここにいる仲間はみんな……あなたたちがしてくれた事を、よく知ってるわ。あなた達は、平和と故郷を、くれたのよ」
「「……」」
おどろいた……。
私がガキンチョの時より、
よっぽど、しっかりしてる。
『>>>……、……』
『────カネト:泣いているのですか……?☼』
〘------神の御加護に感謝を……と;
------私が言うのは;滑稽でしょうね-☪︎.*・゜〙
〘#……。意味は、あった。感謝するのは……私たちの方なのだ〙
き、ひ、ひ……。
純粋なエルフキッズどもめ。
不意打ちで、ハートを撃ち抜いてきやがる。
真ん中にいた子供の前にしゃがみこみ、
黄金の無骨なグローブで、頬に触れる。
片ヒザが、床に鳴った。
──キィんん・・!
「「「……!」」」
「──先代と共に、この地が豊かな場所となる事を、心から望みます。あなた達が──必ず此処を、みんなが帰れる、良い村になさい」
「「「 はい……、必ず 」」」
「 ありがとねェい、アンタたち 」
バスリーさんに、やけに深いお礼を言われて、
花守の村を発つ。
ま、出発してすぐに──、
「あっ!!? やっべ・・・!! そっだわ、アイツら歳上だぁ!! あ"あ"あ"ぁぁ〜〜……っ/// ナーニをイキってんだぁ、私あぁ〜〜……っ//////」
「アンティ、よしよし♪」
「にょきにょき♪」
「くゆくゆっ♪」
すぐに、悶絶するのだが。
(((o(*゜▽゜*)o)))










