表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
904/1216

英雄はここにいる

今日もテケトーに書きました(*´ω`*)。

さいしょユリナオール切れてます。




 ピー、ちちちちちち……。



 

    (カタン、)

       (コッコッ……。)





「─「」─」



 物音で起きると、ずいぶんと早朝だった。

 バババばーちゃんは、もう起きているみたい。


 へ?

 イチャコラ、したのかって……?

 ……。

 ヒトん()では、遠慮してるっつーの。



「……アンティ、おはようのちゅぅして?」

「……今までしてたのに?」



 もー。

 ちゅっ。



「おはようございます」


「 「」 」



 銅色のメイドが立っている。



「「 …… 」」


「人目が無いうちに、ご報告を」



 こんの、メイドめぇえええええ。

 やっぱり、着いて()てやがったかぁあああああ。



「うさ丸様ですが、先ほど戻られ、隣のエルフの子供たちの部屋で、カンクル様と一緒に寝ています」


「なんで(さま)()け……。てか、隣、ロロロ達の部屋だったのね……」

「ぅ……ガマンして、良かったね……」


「マッシュ・ウォーカーですが、夜間に精霊花エリア外に5体を確認いたしました。すでに処分しております」


「……! あれって4メルくらいあったでしょう。大丈夫だったの?」

「火が弱点と聞きましたが……」


「あの程度の大きさなら、魔石がある胸辺りに火槍を投げれば一撃ですよ」



 火槍が……何か分からん。



「まぁ……ありがと。ケガは無いわね?」

「エルフさんの見張りに見つかると怪しまれますよ」


「ふふふ。そのような問題は発生いたしません」



 ……。誰にもバレずに、

 邪魔者だけを消したようね……。

 流石、Aランクの暗殺職(アサシン)チームというトコロか……。



「……いちおー、お礼を言っとく」

「ご苦労様です」


「あら、お優しい。ところで……」


「「 ? 」」


「そのような……汗びっちゃりの肌着のまま、夏場……ひと(ばん)中、抱きしめ合っていらっしゃるのは……、その……ですね。水分補給の面で……心配になるといいますか……?」


「「 …… 」」



 ……だーかーらぁー。

 水分補給は、ひと(ばん)中、してたっつーの。



「ともかく、早々に、お着替えください」



 ブロンズメイドは、

 水と氷の入ったコップを置いて、

 姿をかき消す。

 おっ、ひとつだけだ。

 あのメイド……分かってきたわね。



「汗、もったいないね」

「……」



 ちょっと同意しそうになったので、

 コップをマイスナの口に、ぷっ込んだ。



「──ぷっ!」

「起きるよ!」



 すぐに、お水が半分こになるのは、

 言うまでもない。





 カーディフに帰る前に、

 プチ・ファッションショーとなった。

 もちろん、あのマフラーを巻いている。



「ど、どすかね……?」

「アンティ、かっこいい!」


「──かっかっか。明るい時に見ると、思い出すねぇィ……!」



 そう、この黄金のマフラーは、

 (まご)うことなき──" クルルカンの正装 "だ。



『────たったいま"分析(アナライズ)した所:

 ────該当アイテム名が:

 ────" ゴールデン・ストール ":

 ────に固定化されました☼』



 んぇっ!? マフラーじゃないの?

 ストール……いや、マフラーでしょ。

 ストールって何やねん。



『>>>女性が巻いたからじゃないかぃ? ま……くく、何にせよ、良く似合っているよ』



 先輩は、少し苦笑い気味で、そう言った。

 バスリーさんも、色んな感情を含んでそうな、

 でも、とても優しい笑顔で私を見ている。


 この仮面とマフラーは……、

 あの時と、一緒だから──。



「……──かっかっか! アイツは、いつも仮面の下を、そのピカピカ(おび)で隠していてねィ……! スカしたキザに、拍車(はくしゃ)がかかってたもんだよォ!」


「……ふふ。似てますか?」


「いぃやァ! アンタの方が、良く似合ってるねェ!」



 きひひゃ。だってよ、先輩?



『>>>か、手厳(てきび)しいじゃないか?』

〘#……くく。いつものマント風も良いが、それも動きやすそうに思える〙


『────それだけが:

 ────メリットでは:ありません☼』



 クラウンが、

 この伝説のアイテムの分析結果を教えてくれる。



『────そのストールは:"時の結晶剣"同様:

 ────"時間が停止した空間"によって:

 ────全体を構成されています☼

 ────首元を防御するアイテムとしては:

 ────最も優れた装備と言えるものです☼』


『>>>ああ……そうだね。マグマに(ひた)っても、壊れないかもしれないよ?』



 はは……"防御力、無限大"ってか?

 確かに、それはメチャンコ心強いわね。



〘------正直に言うと;それがここにあって;

 ------とても;嬉しいのん……☆〙



 ローザの言葉に、今ばかりは、

 誰もが、、、温かい気持ちになった。



〘#……ふむ。"時間停止アイテム"なのに、布状の特性を持っているのも興味深い〙



 あ! そうよね?

 普通に布っぽいトコあるけど……。

 ココ、強度とか、どうなの?



『────繊維質にまで:時空凍結粒子が:

 ────染み渡っているようです☼

 ────今の所:そのアイテムを破壊する方法は:

 ────この世に:ひとつしかありません☼』


 な、なるほど……?

 よぅわからんが、この世でひとつだけの、

 布の性質を持った、破壊不能アイテムのようね。


 つまり……"時の結晶剣"をバラして造った、

 七振(ななふ)りの"(とき)結晶刀(けっしょうとう)"と、

 この……"ゴールデン・ストール"を破壊できるのは、


 ────サキの、"包丁(ほうちょう)"だけだ。



『────肯定します☼

 ────" ヨトギサキ "のスキル:

 ────" 絶対断絶 "のみが:

 ────それらのアイテムを破壊可能です☼』



 そう考えると……サキの包丁って、凄いわよね。

 "切れないものは無い"、っつーことだもんね。

 ま……料理以外には……自分から進んでなんて、

 ぜってー使わねーけど。



〘#……ふ。花殿の刀は素晴らしい。()()な、試し斬りしたいほどだ〙

『>>>おい……』

〘++++++言ってることが……快楽殺人鬼のソレなのだけれど……?〙

〘------さらっと言うなのん☆ 召喚された自覚もてのんっ☆☆〙

〘#……いや、失敬。夜、時間が空いた時に、思わず見とれてしまってな……花殿には、感謝の言葉が無い〙


【 ──か。よしんさぃ……照れますきに////// 】

< あらぁ♪ 珍しい、花が照れとるわぁ〜〜♪ >


『────ハッ◎Д◎!!

 ──ま、まさか……!▽

 ──クル × オクではなく……!▽

 ──オク × クル…………なのか……ッ!?▽

 ──な、ん、だと………………▽

 ──アタシャー……!!▽

 ──なんてッッ、間違い、ヴォ……ッッ!?▽』

『──ぁ、アップル起きたんだ……❖ オハヨー❖ でももぅ、お昼だよ?❖』



 けたたましくなってきたわねー。

 ま、もう慣れっこだけどぉ。


 つーか……、昨日の、(くさ)った林檎(りんご)って……?

 よく意味が分からんのだけど。

 ゾンビじゃあるまいし?



〘------オメーとヨメの真逆ってことのんっっ☆☆〙



 あ? 精霊王テメーいまオメーっつったか?

 酒一年間禁止すっぞ??

 可愛く言っても許さんかんな。



〘------どうすれば(ゆる)しを得られるでしょうか……☪︎〙

『── 草 ァ !!◎▽◎+』



 次に私が箱庭(ソッチ)行くまで、

 渾身の一発芸でも考えとけ。



『C7:さっすが、首領(ドン)……ッ! もはや、覇王(はおう)言動(げんどう)にゃあ……!!』

『C2:よ、よすのみゃ、ニャーナ……! 飛び火、食らうみゃよ……!?』



 ネコ二匹、(しつけ)追加、と……。

 対面正座でお互いに目を見続ける、

 とかにしょーかなー。



『────ぁ:あの:アンティ……?☼』

『>>>たまに、(やから)になるの、やめてくれ……』



 ヤダなぁ、冗談ですよぅ。

 アンティちゃんは、ヤサシイ子ですよーっ!



【 あほぉ。世迷(よまい)いごと言っとらんと、ちっとは家事、手伝わんかぃ! 】

〘------えええ──っ;;☆〙

『──へっひゃー!▽ 怒られてやんのーっ!◎▽◎』

< ほほほ♪ アンタもやえぇ〜〜? >



 箱庭の家庭劇場に気を取られている間に、

 ロロロとラララ達が、そばまで来てた!



「わぁぁああ〜〜!!! アンティ、かっけー……!!!」

「それ、ホンモノなのおッッ!?!?」


「え? そ、そうね。ホンモノの、クルルカンのマフラーだよ」


「すっげー!!!」

「アンティ、すっかりクルルカンだね!!」



 ロロロとラララの後ろには、

 数人、同年代の子供も見に来ている。 

 おお、友達できたんか……!

 あ、つーか全員、たぶん歳上だわ。

 背の高めの女の子もいる。


 だけど、どうやら……、

 話しかけてはこないみたい?

 あ……! 人見知り発動されてんなコレ!

 はっは……、ま、こんなハデなカッコの、

 謎のピカピカ二人組に、いきなり話しかけるのは、

 ハードル高いだろぅなあ。


 悪印象は与えていないと思うけど、

 なにやらムズガユイ感じだ。

 ロロロとラララは、んな事関係なしに、

 ガンガンしゃべりかけてくっけどね!



「アンティ、ほんとに絵本にソックリだよ!!!」

「マイスナもね!!!」


「ははは、ありがとっ」

「ひじから剣、はやそうか?」



 再現やめとき。

 後ろの子供たちは、興味津々ながら、

 ジッ〜〜〜〜っとコチラを見ている。

 おぅふ……懐かしい感覚だわぁ。


 くっ……!

 ドニオスのガキンチョ共も、

 さいしょは、遠慮がちだったのに……!



「アンタたちは……ヒトに登るようなコになっちゃダメよ……!?」


「アンティ、何いってるのー???」

「ははは! いみわかんなーい!!!」



 ええ、えぇ……!

 それで、ええんやで……!

 ぐすっ……!



「みんな、絵本の中の英雄が、好きなんだねー!」



 マイスナが言った。



「ちがうよ?」



 エルフの子どもの1人が、

 いきなり言い、みんなが面食らう。



「黄金の義賊クルルカンは、昔、本当にいたんだ。向こうの街のエルフは、みんな知ってるよ。昔……まだ、エルフと人間が仲が悪かった頃に、ふたつの種族の、架け橋になったんだ! それで、悪いヤツを()らしめて、そいつが隠していたお金を、エルフといっしょに、空から街に降らせたんだよ」


「うん、そう! お父さん達は、私たちが会った、さいしょのヒトの英雄だって、ずっと言ってる! そのおばあちゃんも、そのヒトに会ったことがあるんでしょう!? ここには、その人のお墓があって……二代目のあなたは、精霊花を復活させた」


「ここにいる仲間はみんな……あなたたちがしてくれた事を、よく知ってるわ。あなた達は、平和と故郷を、くれたのよ」



「「……」」



 おどろいた……。

 私がガキンチョの時より、

 よっぽど、しっかりしてる。



『>>>……、……』

『────カネト:泣いているのですか……?☼』


〘------神の御加護に感謝を……と;

 ------私が言うのは;滑稽でしょうね-☪︎.*・゜〙

〘#……。意味は、あった。感謝するのは……私たちの方なのだ〙



 き、ひ、ひ……。

 純粋なエルフキッズどもめ。

 不意打ちで、ハートを撃ち抜いてきやがる。


 真ん中にいた子供の前にしゃがみこみ、

 黄金の無骨なグローブで、(ほお)に触れる。

 片ヒザが、床に鳴った。


 ──キィんん・・!



「「「……!」」」


「──先代と(とも)に、この地が豊かな場所となる事を、心から望みます。あなた達が──必ず此処(ここ)を、みんなが帰れる、良い村になさい」


「「「 はい……、必ず 」」」












「 ありがとねェい、アンタたち 」



 バスリーさんに、やけに深いお礼を言われて、

 花守の村(フラネット)を発つ。



 ま、出発してすぐに──、





「あっ!!? やっべ・・・!! そっだわ、アイツら歳上だぁ!! あ"あ"あ"ぁぁ〜〜……っ/// ナーニをイキってんだぁ、私あぁ〜〜……っ//////」


「アンティ、よしよし♪」

「にょきにょき♪」

「くゆくゆっ♪」






 すぐに、悶絶(もんぜつ)するのだが。







 

(((o(*゜▽゜*)o)))

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] いつものイケメンムーブかましてくあんちゃん!相手が年上とかそんなの関係ない!
[一言] 薔薇とか……百合とか……最初に言い出したのは……誰なのかしら(桜ん) メンタルは幼児だから良いシーンって事にしとけ!
[良い点] 904/904 ・今日も演出とか設定とか描写に気合入ってますね。さすが。最近すごさを再認識しました [気になる点] ↓おせっかい [一言] オク×クル(BL)の解説。知ってたらごめん。 …
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ