◎▽◎あたしやんけーっ!! さーしーえー
ペルソナ4のクリスマスイベ?
そりゃ直斗くん一択ですよ……('ω')+
ふわぁ……!
ふわぁ……!
『>>>それは……!』
その浮遊する幽霊を見て、
先輩の漏らした声を、私は正しく理解する。
白に近い、薄い黄緑色のワンピース。
茶髪の、少し毛先にクセのあるストレート。
でも、何より目を奪われたのが。
『>>>ぼくの、マフラー……?』
黄金に輝く、ジグザグ模様のマフラーを、
半透明の少女は、首に巻いていた。
今、私がしている刺繍入りの、
劇場幕、などではなく──。
「ふん……懐かしいモンを、見せてくれるねェい」
──そう。
バスリーさんも、知っている……!
誰もが思い描く、英雄の飾り衣装……!
あの絵本に描かれている、
三角形を、たくさん、
繋ぎ合わせたかのような──。
" 黄金の義賊のマフラー "、
と言ったら、
ぜったいに、コレなのだ。
マイスナが、目を離さずに聞いた。
「もしかして、トバシ・カオコ?」
〘#……いや。髪の色は、似ているが……〙
〘++++++ちがうわ。ここに……いるはずがない!〙
先生と、旧い水の神が否定する。
謎の亡霊は、けっこう可愛かった。
ふわふわと浮きながら、こちらを見下ろし。
今のところ、攻撃はされる気配は無いわね……。
「クラウン……彼女を、分析できる?」
『────申し訳ありません……☼
────分析結果が:どうやっても:
────文字化けを起こしてしまいます……☼』
マジでか! ん……?
そんなこと、前にも、あったような……?
「てか……先輩の知ってるヒト?」
『>>>いや、こんな知り合いは……いなかったはずだが……』
〘------なんで……☪︎〙
身内に、意外な反応を示すメンツが居た。
〘------なんで……ッ;
------ソレを;持っているの──……ッッ!!☪︎〙
ぅ、ぅぉおぅ……。
目の前のユーレイちゃんより、
静かな怒りを含んだ、
月の精霊王サマのほうが、超・怖いンだけどッ……!?
そ、そうだわっ……。
ローザは、"ヒューガさんの記憶"と、
"ロザリア王女の記憶"を持っているもんね。
あのマフラーは……"最期の旅"で、
先輩が、ロザリア王女に贈った、
大切な思い出の品の、はず──。
それを、初対面の女が、
しれっと持っていたら──?
な、ナルホドぉ……。
心穏やかでは済まない、わなぁ──?
〘------気に食い;ませんッ……!-☪︎
------あれはッ;わたしが……ッ!!-☪︎〙
〘#……ぉ、落ち着け! ローザよ……。"王女の記憶"のほうに、引っ張られすぎているぞ……!!〙
〘------;……!! ……チッ……!-☪︎〙
のわー!!
スライム、舌打ちしとるやないのォー!?
ローザの舌打ちとか……は、初めてじゃね……?
〘#……私も、君たちの記憶は閲覧している! あのアイテムが、君にとって重要だという事は、理解しているが……!〙
〘++++++こら! 冷静になりなさい・ヒューガ! 片方の記憶に・引っ張られ過ぎちゃダメよ……!!〙
〘------;……-☪︎〙
同じ空間、幻影の玉座にいる、
先生とQ.Q.さんが、
珍しくイラついたローザを、
気にかけている!
いっぽう、もうひと方、
不機嫌を拗らせちゃってる神さまがいた!
『────ふぅ……:こちらとしても:
────ダンナの遺品を:堂々と巻いている:
────見知らぬ女:が居るとなれば……☼
────中々:心穏やかでは:
────ないのですがね……?☼』
『>>>へ、へぃ! きききっ、きみまで何を言いだしてんだぃ……!? 頼むから、落ち着いてくれよ……?』
『──わ、わぁーお……❖ この感じ……けっこうクラウンも、怒ってるよーっ……❖』
はっはー……。
昔のクラウンを知ってるシゼツが言うと、
ミョーに説得力、高いわぁーっ。
"現行カミサマ"のヘイト値が、
ガンガンと、上がっていらっさる。
月と太陽が、同時にキレなさんなや……。
やれやれ、どーして、こうなった……。
ふわぁ……。
ふわぁ……。
キョロ。
キョロ、キョロ。
浮遊中の、当の本人は、
何やら、キョロキョロしながら、
ゆっくりと……動いている、が──。
すぅ──────……!
──……ッ!
──こっちに、降りてきやがった!!
構えるけれど、打撃なんか、効くかなっ!?
「……アンティ、気をつけて!」
「マイスナもね。チッ……ガチのユーレイは、ちょっとまだ、ヤリ方が、わかんないな。"ローザの霧吹き"とかで除霊できっか……?」
"物理無効"とかだと、実に厄介よねぇ?
こっちにゃ、すぐ後ろに、
バスリーさんも居るし……。
──そんな事を考えていると。
フワリと降りてきたユーレイちゃんと、
パッチリと、目が合う。
" ── "
「「 …… 」」
ファースト・コンタクトは、
いつだって、予想外である。
『──── い よ ぉ ゥ !! ▽
────待ってた、ゼ ェ イ ッッ ♪♪♪ ▽』
── ビ ッ ス ィ イ !!
「 !? 」
「 !? 」
『────!?☼』
〘------──!?-☪︎〙
……かるいなぁー。
『──いやー、助かったぜェー♪♪▽
──ど〜〜も、あたしひとりじゃー▽
──こっから離れられないみたいでよォー!▽
──柄にもなく、ヤキモキしたぜぇー!!▽
──うぇえっへっへっへっへっへ……♪♪♪▽』
笑い方が、けっこう下品。
可愛いのが、台無し破損レベル……。
『>>>……』
『──ぽかーん……❖』
〘#……、……〙
〘++++++なんか・思ってたキャラと違うわね……かなり〙
箱庭勢も、ずいぶん気が抜けちった。
『──はぁーっ♪▽
──ここぁーキレイだけど▽
──景色だけで欲望は満たせねぇわなぁー♪▽
──ん──っ♪♪▽』
マフラーを巻いた少女のユーレイは、
空中で、器用に" 伸び "をしながら、
ずいぶん陽気に話しかけてくる……。
『──ぁ、でさぁ? アンティちゃんよお!▽
──あんの、ウサギちゃんたちゃー▽
──どーこ、行っちゃったのよォ!▽
──せっかく、オリジナルが▽
──アイサツ、ぶっかましてやろーと……▽』
「 えっ……!? 」
「 むかっ! 」
──こ、こいつ!!
私の名前を、呼びやがった……!?
な、なんでぇ……!?
ぁ……マイスナが、ちょっと、
ムッとしてるのが分かる。
ほら、私ら。
ココロぉ、繋がってるモンで……///。
「むーっ! なれなれしい、ヤツだなー!」
「いや、つーか……ウサギちゃん、つったよね……?」
どゆことやねんな?
もしかしなくても……、
うさ丸……の、ことだろうか???
後ろから、足音が近づく。
──ステステ、トタトタ。
「──なんだーィ、アンティ。やっぱり、アンタたちの、知り合いかーィ?」
「──や! バスリーさん!! 私に、こんな陽気なユーレイの馴染みは、数えるほどしか いませんよッ……!?」
「……。それ、けっこう、いるんじゃなィかィ……?」
杖を持ったバスリーさんが、
私たちの隣まで、来てしまった……!
ま、まぁ……大丈夫、かな?
このユーレイとは、
戦闘になりそうな感じは、まるで無い……。
『──よー!!▽
──ババア!!▽
──わりーな!! 騒がせちまって!!▽』
「かーっ!! 礼儀を知らんユーレイだねェー!! せっかくオンナの形してんだ、もっとエレガントな言葉を使いな!!」
『──ゥエッヘッヘッヘッヘ!! 草ァ!!▽』
……。
目の前の、ふわふわゴーストは、
こちらの戸惑いなど、おかまいなしで、
バンバン、しゃべりかけてくる。
実にフレンドリーな幽体のようだ……。
でも、次のひと言で、
クラウンとローザの顔色が変わる──。
『──やーっ!▽
──ま、そーいう、わけだかんよぉー!▽
──ワリィーんだけどさぁ♪▽
──さっそく、"ソッチ"に▽
──ダウンロードしてくんねっかなぁ??▽』
『────なっッ!?☼』
〘------コイツ……ッ;なにを──……ッ!?-☪︎〙
む……、……。
"ダウンロード"、なんて言葉は。
今の、私たちの世界では、
馴染みのない、言葉のはずよね……?
こいつ、ナニモンだ?
『──ほれぇ♪ 今のアタシの状態だと▽
──たぶん余裕で、ソッチに▽
──お邪魔できると思うんだよなーっ♪▽』
『────な:何をバカなことを!!☼』
〘------ま;マイスナ;かまいませんっ!!-☪︎
------その女から;黄金のマフラーだけ;
------むしりとってしまいなさい!!-☪︎〙
「えー」
「いや、お邪魔できる、ってアンタ」
ぁ、まさか……、
"箱庭"に入れろ、っていうイミなのかな……?
いやいやぃやぃや──……。
流石に初対面のコを、
時限結晶内にブチ込むっていうのは、ねぇ。。。
『──え? ありっ……?▽』
ふわふわガールは、
空中で首をひねっている。
ぃや、こっちが首をヒネりたいンだが……。
『──え? あの、まさか……?▽
──もしかして、私が誰か……▽
──まだ、わかってない……?▽』
……。
ふぅー……。
観念して、構えを解く。
コンタクトを試みる事にした。
「むしろ……なんで分かると思ったのよ?」
「誰だてめー! なをなのれー!」
我が嫁マイスナ、相変わらず辛辣である。
『──ええっ……!? だって……ッ!?▽
──いや、後ろにも木ィあんじゃん……!?▽』
そりゃ、木は立ってるけんども。
「あんた……なんで先輩のお墓に化けて出んのよ?」
『──やーやーやー……!?▽
──そりゃー、わかるだろぉー!?▽
──金ピカくん以外にもさぁー!▽
──ここに一緒に埋められてんじゃん……っ!?▽
──ほ、ホラ……最後までガッシリ巻きついて▽
──その……、一緒に埋められてたしィ!?▽』
──ガッ!!
『────とどど:どういうことですか:カネト……☼
────あなたの墓には:この女が:
──── 一緒に巻きついて:
────埋まってるのですか……☼』
『>>>ぉぉお、落ち着こうね……。話せば分かるよ……?』
あっ……。
ウチの顔面の新婚さん、修羅場なんスけど……?
『──いやいやいやいや──草ァ!!▽
──読者さんとか、もはや▽
──オール・サブタイで分かってるっしょー……!?▽
──コレもはや、デキレースだからねっ……!?▽
──その脳みそで、察してちょーだいーっ!!▽』
「なーにを言ってんだぁ、この子ぁ……」
「アンティ、おなかへったねー」
マイスナが、ふわガールを無視して、
コガネリンゴの実を、むしりに行ったぁ。
……嫁からは危険物判定をされなかったようだ……。
『──そんなに……?▽
──そんなに気づかないモン……?▽』
目の前の元気なユーレイっ娘は、
何かに、気づいて欲しいようだ……。
うー…………ん?????
困っていると、
箱庭から、変な声が聞こえた。
『──ぁ、あ、あ……ッ!?❖』
どした、シゼツ?
『──かっ、かっ、ぅそ、か、かお、かっ、かお……ビャッ……!?!?!?❖』
〘++++++……? あなた・どうしたの……?〙
〘#……なんだ、何か分かったのかね?〙
シゼツが、何かに気づいたくせぇ。
『──かっ、顔!?❖ か、かかか、かお! え!? だって、顔!? 顔のおおきさ!?❖ ぅ、うそだァ……!!❖ だって、かおかおかおかおかおがッ!?❖ あの・・・デカガオ、デカッ、こっ、小顔カオカオカオかおかお、カオカオカオかおがぁぁ──……ッッ!?!?!?❖』
〘++++++……たいへんよ、シゼツが壊れたわ……〙
〘#……、……医者はいないのかね〙
デカ小顔……?
あの、コワイから連呼やめれ。
『──うぇっふぇっへっへっへっへぇー♪♪▽
──気づいたかー!! こンの▽
──ジャリン子サイボーグめぇー♪♪♪▽』
──ッ……!?
「──ッ、こいつっ!? 箱庭のシゼツの声が、聞こえてるわよっ・・・!?」
『────!?☼』
『>>>しかも今こいつ、"サイボーグ"って言ったぞ!!!』
てことは!!
シゼツが……元、暗殺用サイボーグだって、
知ってる、ってこと、、、は……。
あ──────────ッッッ!!!
『──やぁれやれ……!▽
──やっぱ髪型かぁー?▽
──はっ!! しゃーねーなぁー!!▽
──答え合わせ、してやんよォ──っ♪♪♪▽』
ユーレイちゃんの髪が、ブワッ!!
──と広がったと思ったら!!
ふたつに分かれ、髪が……編み込まれていく!!
わ、私と同じ、ツインテールか……?
い や ち が う !!!
みつ、みつあみ……三つ編み・おさげ、だ!!
時間が巻き戻っていくように、
なっがい茶髪の両サイドが、
ふたつおさげの、三つ編みになっていく──!
──しゅるるるるるるっ!!
──しゅるるるるるるっ!!
────ぱちんっ・・・!!
赤いヘアピンで、
前髪が、とめられる……!
あっ・・・、あのカタチは……!!!
『──へへっ……! どーよぉ……!▽
──私といったら、コレっしょぉ──っ♪▽』
ユーレイちゃんが最後に取り出したのは……!
──どこに持ってた!!
──ミルク瓶の底みたいなレンズの、
────" ガリ勉メガネ " で あ る !!!
『──うぇあ──はっはっはっはっは!!▽
──見よ!! 世界の老若男女どもよ!!▽
──こび、へつらうがいいぁ──っ!!!▽
──正常なヘッドサイズになってぇ!!!▽
──アタシゃー!!▽
──帰ってきたぁぁぁあ──!!!▽』
〘------!? ま;まさか;あなたっ……!?-☪︎〙
〘++++++──こっ!! この声・はッ……!?〙
『──あわわわわわわぁ、ウソだぁあぁ、ぁあぁ……!❖』
──巨大なビン底メガネが、いまっ!!!
おさげのユーレイちゃんに、
合 身 す る ・・・ !!!
がっし ィ ィ い い い ンンン・・・!!!
『──うわはははははははははーっ!!!◎▽◎.*・゜
──どやぁああああああああーっ!!!◎▽◎.*・゜
──アタシやんけぇええええええ!!!◎▽◎.*・゜』
『──〘---〘+++──アッッップルゥゥウウウウウウウウうううううううううううううううううううッッッ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?〙☪︎〙❖』
でぇーたぁーなぁー、きゅうしんぅー。
うさ丸、親玉が来たぞ(笑)










