訳:いい仕事してますね〜〜
カンクルが、元気ナッシングな理由が発覚した。
こやつ……最近、自分で植えた精霊花、
ぜんぜん食いやがらねぇ。
「お腹へってただけかぁ。もぅ、心配させてー!!」
「おいしい?」
「くゆくゆくゆくゆくゆくゆくゆくゆ!!!」
モシャモシャモシャモシャモシャ!
手持ちの精霊花を出して食わせたら、
秒で復活した。
なんなん……?
「あんた、なんで自分で植えたやつ、食べないのよぉー」
「くゆっ(ぷいっ)」
ぷいっ、じゃねぇんだぞ……。
倒れてたからな? まだ食べれそうよね。
試しにギルドの受付カウンタに連れてってみる。
「──! アンティさん、マイスナさん、おはようございます。今日は……新種のフォックスの調教ですか?」
「おはようございます!! 可愛いですね!!」
「くゆくゆくゆくゆくゆゆぅー!?」
カンクルが、私の手の中で暴れている……。
じたばーた、するなーよ。
「おはよ。間違っちゃいない……」
「じたばた、メッ!」
「くゆくゆくゆくゆくゆくゆくゆくゆ──!!」
「にょきっとな……」
キッティとユービーちゃんに挨拶された。
ふたりがいる受付カウンタの左右には、
見事な精霊花の鉢植えが、
門番のように飾られている。
木の高さは2メルトルテほどまで育っていて、
なんというか……上の、
花の集合してる部分が、丸くて、見事だ。
綺麗だと思う。
「ほれ、食べ放題」
「くゆっ(ぷいっ)」
なんでやねん、キサマ……。
「ひゃわぁ。お腹、いっぱいなんじゃないんですかねぃ?」
「かわいい……///」
「くゆっくゆ!!! くゆゆ!!」
「うさ丸、通訳して」
「──にょんや!?」
「くゆーっ♪」
カンクルは、カウンタの見事な鉢植えを、
しみじみと見ている……。
「くゆぅー。くゆっくゆく、くゆくゆっ!」
「にょ……にょきっと、にょきっとな……」
──PON!
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この さくひん いいしごと してますね
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う る せ ぇ わ 。
お前ぇぇ……!!?
まっ、まさか……、
盆栽として完成度が高ぇから、
食わねぇってんじゃ、ねぇだろぉなあああああああ。
「くゅっくゆゆ、くゆゆゆ!」
「にょ……? にょんにょん、にょっにょっにょっ!」
──PON!
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せかいは せいれいかに ひれふすのだ
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「──バカヤロぉおおお!! 世界がひれ伏す前に、お前が腹減って地面に突っ伏すんだよぉおおおー!!!」
「言ってること、まるで、あくやくだなぁー」
カンクルは、よく、
自分の身体に生えた精霊花を食べているけど、
当然、それだけじゃー足りない時もあるワケで。
今までは、そこらへんに植えた精霊花や、
私たちの時限結晶に入ってるストックを、
小分けに食べさせていたんだけれど──……。
「──あんた、なぁに、プロ意識もちはじめちゃってるのよぉッ……!? じゃあ、そこのドアんとこに生えてるヤツはどうなのっ!? カウンタのみたいに、綺麗な球体には、なってないじゃないでしょッ!?」
「くゆゆっ!? くゆゆゆゆゆっ……くゆっ!(ぷいっ!)」
マジかよ、コイツ……。
前に、ドニオスギルドの入口のドア(の穴)に植えた、
精霊花の前に連れてっても、
そっぽ向きやがるけど?
「くゆゆ、くゆゆゆっ♪」
「にょーぉ。にょきっと、にょきにょきな!」
──PON!
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はなの どあに する !
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あほぉおおおおおお。
いいから、食べろってぇぇぇぇぇぇ。
夢と希望は、計画的にぃいいいいいいい。
「どーする、アンティ」
「うーむむむむむっ。こまったちゃんめ……!」
「くゆーっ♪」
はなさかカンクルは、どうやら、
自分の仕事にプライドを持ち始めたようだ……!
「かといって、手持ちの精霊花、もう、あんまり無いンだけどっ!?」
「そーだよねぇー」
カンクルは精霊花と水しか食べないから、
精霊花不足になったら……?
こりゃー、たいへんだ……。
もし、この、しょーもない我を通されたら?
また、ぶっ倒れそうよねぇー!!?
「えーい、食べろ、食べろよぉー……!」
「くゆっ!(ぷいっ!)」
「カンクル、わがままだなぁ」
「にょきっとー」
「キッティさん。アンティ様たちは、あのモフモフさん達の言葉が、わかるのですか……?」
「モフモフしていれば、だいたい分かるようにはなるらしいですよ。──って、"様"ッ……!?」
「くゆっくゆ、くゆくゆくゆ」
「にょ? にょーっき……」
「──ええい、じゃまくさい! うさ丸、あんた紙に書きなさいよ! 字ぃ書けるようになったんでしょ!?」
「にょ、にょきっとな……」
──PON!
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むちゃ いいやがる ……
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『────ぁ:アンティ☼
────そろそろ:周りに:
────見られまくっていますから……☼』
「なんだなんだ、絵本ペアのワンコロが、餌たべないんだって!?」
「そうなのか? ソーセージとか食わせてやればいいんじゃね?」
「塩が多すぎるのはいけませんわよ。だれか納品前の食材とかないんですの?」
「いや、確かアイツ、肉、食わねぇだろ。ひっくり返ってイヤがってたの見たぜ?」
「私も見ましたぁ〜〜♪ 可愛かったですぅ〜〜♪♪」
「ちょっと待て!? 今、うさ丸が字ィ書けるって言ってなかったか……!?」
「あの子、なんなの」
「ほほぅ……! 検証してみる必要が、ありそうですね……!(きりっ)」
「いやいや、冗談だろう……? ははは、読み書きができるラビットとか、もはや伝説だぜ……?」
──バァ──ン!!!
「──うさ丸さまっ・・・!!!
よもや、愚かな我らの言語まで、
習得なされるとは・・・!!!
なんと、おいたわしいことかっ・・・!!」
「あっ、アマロンきた」
「神官様、おはようございますっ!」
「でぇぇぇえええ、たぁぁぁぁああ、なぁぁああああ!! しょあくの、こんげんがぁぁああああああ!!!!!」
「よくツラ見せられたな。服を脱いで床を舐めろ」
「くゆー」
「にょんやぁー……」
──PON!
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かおす
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