ゴット・オブ・ロック
ふにゃふにゃ報告だしてから
24時間以内に投稿する確率、
フィフティー:フィフティーなんだよなぁ(笑)
ドニオス教会の聖堂の大扉が、
吹き飛びそうな勢いで蹴り開けられ、
最低限の問いかけが発言される。
「アマロン・グラッセを出せ」
「いますぐにだ」
「おい! 今回の主役が登場だぜえええええ!!!!!」
「「「「「 ふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!! 」」」」」
教会に余りにも不釣り合いな、
サングラスに頭がツンツンのヤバいヤツらに、
発狂じみた声援で迎えられ、
殴り込んだアンマイは出鼻をくじかれる。
「ぁ、あ?」
「なんだ、コイツら……」
「おい」
一番ガラが悪そうなヤツに絡まれる。
「オレが今回、お前らのバックにつくユニヘッドだ。バックミュージックは任せろ、オレ達が最高のヘヴンにしてやるぜ!」
「「「「 ぅおおおおおおあああああああああああ!!!!! 」」」」
ウニ頭は、突貫槍のような弦楽器を持っていた。
マイスナはカチコミの勢いも忘れてポカンとし、
アンティは余りの出来事に、
仮面の上から金のグローブを当て、デコをおさえる。
「落ち着け……ここは教会のはず、ここは、教会だったはずよ……」
ユニヘッドは黒の革ジャンを着ている。
見た目とパーソナルスペースの近さとは裏腹に、
アンマイには友好的なようである。
「おい、お前らの精神にはロックを感じてる。まず格好がロックだがな! お前らにゃ負けたぜ! ヒャッハー!!! オレにゃあ出先で孕ましちまった宿屋の娘の息子と、娼館で孕ましちまった娘がいんだけどよ、どっちもアンタたちが劇するって聞いて爆上がりよ、実際に会ってオレも爆上がりだ、ケツから楽しませてもらうぜ!!!」
「は、はぁ……」
「おまえ頭にウニついてんぞ」
「はっはーッ!!! カマしてくれるぜ、マッドシルバーさんよォオー!!! ッハー!!! いいかァ? オレたちの心は広大だ、クラシカルなオットリした音楽も、誰かのソウルを救ってるのかもしれねぇ。でもよォオ、こーいう、デカい祭りでオレたち、パンデミカル・マリンズが選ばれた事に、オレはロックの精神を感じずにはいられねぇ。そうだろうァ?」
「「……」」
『────話を……数段階:
────すっ飛ばしてこられる:
────お方ですね……☼』
『>>>……キマってんじゃ、ないだろうな……』
「お前らの劇を、オレたちが最高のロックにしてやるぜ!!!」
「「「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」」」」」
「あんま大きい声だすと、周りの神官さんがビックリするよー」
「ぁ、あ、あのっ、ちょ、ちょっと聞いていいッ!? あなたの子供さん達が知ってるって……劇のことって、結構ウワサになってんの!?」
「お!? ていうかドニオス全部の学校に通達いってっかんな、学年オールコンプだぜ!? つーかあんた、自分らで手紙・届けてんだろ!? ほォ!! 見な、このエンブレムの封印だ!!!」
ウニ頭の革ジャンに付いていた、
ウニ頭がサングラスをかけたワッペンに、
アンマイは、確かに見覚えがあった……!
「最近、頻繁に見た蝋印のヤツじゃん……!?」
「そ、そんなぁ……!」
「それが配達されたトコはァ、全区画、オール爆上がりよォ。"義賊クルルカンの冒険"に年齢もソウルの壁もねぇからなぁ。オレのマイ・ドーターのクラスで浸透した時はクラスの連中がタップダンスを踊って授業が中止になったんだぜ! 実にロックだ、未来は明るい、そうだ! おい、タラちゃん!! タラちゃんはいるかァァ!?」
ズシン、ズシン、と足音がし、
革ジャンのチョッキを着た巨大なデブが、
恥ずかしそうに、こちらに歩いてくる。
「ドラムのタラオだ、アンタ達のファンなんだぜ!」
「お、お、オデと、握手してくれねだが……//////」
「「 …… 」」
タラオの両肩には、
トランポリンのような巨大な太鼓が、
ウイングのように装備されている。
アンマイは、若干思考停止気味に、
握手に応じた。
「あ、あ、ありがどぉ……!! は、配達ぅ"、が、がんばってくだせあぁあ……ッッ!!!/// ぐす……っ///」
「「 は、はぃ…… 」」
「オレらは仲間が受けた恩は100倍にしてシャウトする。ヤロォ共ォオオ!!! もっかいリハーサルすんぞぉおおおおおおおおお──!!!」
「「「「「「「 どりぁあああああああああああああああぁぁぁ!!!!!! 」」」」」」」
謎の魔石に通術し、
突貫槍のような弦楽器のコードが響く中、
アンマイは近くの神官に話しかける。
「アナタは……この状況が異常だと、感じないのか……?」
「頭、すごく振ってるよ……」
「いや、はは。その……アマロン様が、雇っちゃったので……。わ、悪い人たちでは無いんですよ? ははは……。ただ、たまに何言ってるか分からないだけでして……」
「酔っぱらいと、何が変わらないのよ……」
「今日の教会ダメだな」
『────押しに:弱そうな性格だと推測☼』
『>>>悪事が、悪人だけに起こされると思うなよ……』
口から魂がハミ出そうな深呼吸の後、
アンマイは、教会の柱の影から、
心配そうに世紀末のような聖堂を見る、
栗毛の神官の姿を発見する。
「あわわわわわわわわわわわわ……」
アンティは、とっさに、そばに置いてあった、
教会公認・うさ丸ストラップを掴んで投げつける。
「 ── シ ッ ッ !!!!! 」
「 ──あいたぉあああああッッッ!!!??」
アマロン・グラッセは、
狙撃されたように倒れ込む。
「あ、あいたたたたた……? あ!? ぅ、うさ丸さまがッッ……!?」
「貴様ああああああああああああぁぁぁ!!!」
「わたしを、見ろぉおおおおおおおおお!!!」
「ぁ……こんにちは……」
容赦なく、アンティは、
アマロンの胸ぐらを掴んで物陰に連れ込む。
「おまえは、なにをッッッ、しとんのじゃああああああああぁぁぁ!!!」
「しんかんおんな、ゆるすまじ」
「しっ、仕方ないじゃありませんかぁあああ……! 新しい時代を切り開く、全く今まで無かった音楽をやりたいって言うからァああああ……!!?」
「だからって、丘に上がったウニを雇うなよ……」
「けたたましいです」
「聞いてると、音痴な訳ではないんです! ただ、たまに理解できないだけで……」
「それはいいわよ。アンタ何よ、劇ってナニよォお"お"ッッ……!」
「いいかげん、怒りますよ?」
「ぇ、ぇえ……ッッ!? ま、まさっ、……!? わたくし、ちゃんとキッティには伝えておきましたわよッッ!? 嘘でしょッ!? ぜんぜん、聞いていなかったんですかっ!?」
「直接、伝えに来いよ……」
「ぶっとばすぞー」
「最近、姿を見かけたら、逃げるように居なくなってたじゃないですかぁあああ……!!! てっきり、劇の主役、押し付けたから、嫌われたものだと……!!」
「そっ……!? それはっ、ヒゲイドさんに、厄介事のにおいがするからって聞いて、うわ、めんどくせ、と思って、まいてただけで……」
「お祭りの企画書、落としたんじゃなかったんですか?」
「あの、ヒゲオヤジぃぃぃぃイイ!!! そ、そうですわよぉおおっっ!! だから、せめて劇だけでもと思ってぇええ……ッ! くっ……、本当なら、祭全体をキンキラぴかぴかの客寄せラビットにして、にょきょきグッズ販売を……!」
「……、……(あきれてモノが言えない)」
「キッティって台本持ってたの?」
「あ、渡すの忘れてた」
「神に、さいごに懺悔する事は?(えがお)」
「エイメア、アンティ、マジイケアン」
「待ってくださぃいいいいいいい!!!?? 見かける度に逃げてたソッチもワルいじゃないですかあああああ!!!??」
「だからって街のお祭りでやる劇の主役なんて、一週間前に知らされてやれるワケないでしょうがァァァァあああああああああああああぁぁぁ!!!??」
「ど、どれくらいの規模の劇なんですか……」
「や、野外ステージに、観覧席が700プラス、立ち見が300人くらい……?」
「おまえふざけんなよ」
「やりませんよ」
「ぞ、ぞんなごど言わずに、だすげでぐたざいよぉおおおおおおおおおお!!!!! おうとで、助けて、あげたでしょぉぉおおおおおお!?!?!?!?!?」
「じごおじとくだろぉがぁああああああああ!!!」
「やりま──……せんっ!」
「こっ、コレ……見ててくださいな! 手紙!! 教会に届いた! アンティさん達が配達してくれたヤツでしょおおおおおお!?!?」
「あ!? て、てがみっ……!?」
「これが、どうしたんですか?」
「これを見て……まだ、やらないなんて……言えますか……?」
ペラっ……。
──────────────────────
どにおす、きょうかいの、みなさんへ
────────────
いつも、たのしい、もよおしを、
いつも、ありがとう ござい ま す !
きょ ねんのもよおし は
ちょっと、むづか しぃ げき でしたが
クルル かんの ぼうけんは
たのしいので よく よんでいる から
たのしみ、で す !
ぉまつりの、よる、の を
たのし み にし て い ます!!
ぃ け る
ま
──────────────────────
ペラ……。
──────────────────────
ドニオスきょうかいのみなさんへ
────────────
クルルカン の えほん は、
とちゅうで まっしろで、
おわってる ものが おおいので、
その つづきみたいで、
とても、たのしみです。
おかあさんと、ぜったい みに、
いこうとおもいます!
エリザ
──────────────────────
「ほぉれ……」
「「 ……、…… 」」
アマロンの手に、200通くらいある。
「中止になったら……ガッカリ・チルドレンですわよ……」
「──だからって、観客1000人くる演劇に、七日前にツッこむヤツが、あるかよぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!??(இдஇ`。)ブワッ!!!」
「……、……あの、チョット、台本とか……見せてくれますか」
「──!? まっ……、マイスナッッ!?」
意外がるアンティに、
マイスナが、耳打ちする。
(その、引き受ける訳じゃないけど……、
クラウンさん達がいるから、
台本は覚えなくていいというか……)
(──! そ、そっか!
アナライズ・カードの不可視モードで、
カンペは作れるもんね……!)
『────可能:ですが……:
────演技指導までは……☼』
『>>>か、考えたら、ぼくと、先生をモチーフにした、劇なんだよね……っ!? う、うっわー……! なんか、むっっずがゆぅー!!///』
アンティは、ジロリと睨みつけた後、
涙目のアマロンに提案する。
「いちおうっ……!! 台本だけっ、見せなさいッッッ!!! カン違い、しないでよねっ!!! 引き受けるとか、言ってないんだかんねっ!!?」
「こ、こ、これでしゅうぅゥ……!」
バシッ、と掴み取り、
1ページ目から、読み出す。
「……、……。"──彼方! 永劫の……旅を終え、我は、この白銀へと誘われた……!" ……」
「……。なんか……カタい、言い回しだね……」
「ドニオス劇場の劇の台本、丸パクリしました……てへっ☆」
「「 ……、…… 」」
『────内容が:ないよう☼』
『>>>……や、内容はあるでしょ……。浅はかなだけで……。いきなりどうしたのさ、クラウンちゃん……』
「これ……しゃべるの、アンティと、私だけ……?」
「あのさぁ……神官、ねえちゃんよお……」
──キュゥウウ──・キューン!!!
──ズ・ズ・チャ・ヅ ♪♪♪
───ズ・ズ・チャ・ヅ ♪♪♪
突貫槍のような打楽器と、
トランポリンのようなドラ……じゃなかった、
太鼓の音が木霊する。
──ギャギャギャギャギャギャギャギャ♪♪♪
──ダララッ♪♪ ドルロッ♪♪ シャアん♪♪♪
──ブブブベ♪ ブブベブ♪
──ブブブベ♪ フベブブ♪♪
──キュゥウウ〜〜──ンンンッッ♪♪♪
──ドルドルドロドロッッッ・・・!!!
「 ──ホーリー・
スィッッッッッッッ────ッ、
トゥッッッ・・・!!!!!! 」
「「「「「 いぇああああああああああああああああああああああああああああああぁあぁあ!!! 」」」」」
──────ダダンッッ♪♪
「キマってんなー」
「……あの音楽、ドニオス劇場の演劇に、合うと思うの……?」
「……」
アマロン・グラッセが裸で寝下座しようとしたので、
アンマイは、仕方なく台本を持って帰った。
「おかえりなさいませ」
「「「「「 なさいませ 」」」」」
「今日から睡眠学習をするハメになった。でも、その前にイライラを解消するため、とりあえず今から、この子と果たし合いをする」
「今夜は激しくセめ合うので、野外待機していてください。失神ねらいでイきます。入ってきたら敵と見なします。帰る場所はありますか?」
「かしこまりました。数名、野外警備に残します。ご好意で、例の店の二階に住まわせて貰っていますので、ご心配なく。朝方、お迎えにあがりますので、ごゆっくりと、お楽しみくださいませ」
「「 昼までくんな 」」
「「「「「「 かしこまりました 」」」」」」
優秀なメイドたちは、
何となく察して、部屋を出た。
ウニ頭さんズのジャンルはラウド?
((´∀`*))ヶラヶラ