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酔い経つ神々たち

マンガ版に……、

変態が、出た、だと……!?

(((((((;゜Д゜))))))).*・゜




『>>>シルバーグレイっすか? ご一緒しても?』

〘#……うむ〙




 バッタリと金時(かねとき)と会い、

 なし崩しに、飲みへと(さそ)う。


 また、世界の核心に触れ、

 奇妙な空気が流れていた。


 遠慮する間柄ではない。

 だが……歳のせいか、

 その原因は、私にあったようだ。


 戸橋(とばし)(たましい)は、まだ、死んではいない──。



『>>>アイツ、まだ……生きてましたね』

〘#……! そう、だな……〙



 実に、頼りない返事をした。



『>>>……落ち込み過ぎですって』

〘#……すまない。だが、ずっと(そら)に取り残されてると思うと、な……〙



 かつて、自身の力不足により、

 全てを押し付けてしまった身だ。

 私が悪役だという世の判断は、

 間違ってはいない。



『>>>頭から、桜の木が生えてるんですって』

〘#……言っていたな〙

『>>>紫電ちゃんが、箱庭で目撃してるそうです』

〘#……!!〙



 さらりと言われたが、

 衝撃の事実であったように思える。

 私が無様に返答しなかったのは、

 驚き、硬直していたに過ぎない。

 カネトキは、落ち着いて話していた。



『>>>やっぱり、この場所は……"ダンジョン(あつか)い"、なんだ。Dサーバーっつーくらいだから、神さま達は、ある程度は、ココに干渉できるんですよ』

〘#……戸橋(とばし)香桜子(かおこ)が……箱庭(はこにわ)に……(おとず)れていたと?〙

『>>>聞く分には、間違いないかと。ただ、本体データというよりは……意識だけを、短時間とばしていただけかもしれない』

〘#……〙

『>>>紫電ちゃんの話では、けっこう、あっけらかんとしていたようです。はは……アイツらしい』



 軽く笑っているが、

 意思が込められた、熱さのような物が、

 その言葉の芯には、見え隠れする。



『>>>少しムリをして……アイツは、ローザの魂を、箱庭(ここ)へ届けた』

〘#……友の魂を、ずっと保管していたというのか〙

『>>>そうとしか、考えられません』

〘#……たいしたものだ〙



 ロザリア王女と戸橋香桜子(とばしかおこ)は、

 私が思うより、ずっと仲が良かったようだ。

 悲劇の国の中、互いを支え合っていたのだろう。

 親友と、呼べたのかもしれぬ。



『>>>思ったんです』

〘#……?〙

『>>>天空にいるのが"コトバ"だとしたら、アイツは"シ"から切り離されている』

〘#……! 死ななくなっている……と?〙

『>>>だから、新しい神様の条件に、適合した』

〘#……〙

『>>>その代わり、地上に降りたら、"シ"と"コトバ"を結合させる存在になってしまった』

〘#……むごい、な〙

『>>>しかも……"カオ"は、ぼく達が持っている』



 "言霊法(ことだまほう)"によって分離した、

 金と、銀の仮面。

 なぜ、二つに成ったのかは、分からない。

 だが──。



〘#……どうにか、あの"天空の壁"を超え、まずは、会わねば──〙

『>>>ぼくも、そう思います』

〘#……"仮面(かお)"を、彼女に返したら、私たちは……消滅するだろうか?〙

『>>>……わかりません』



 シルバーグレイに向かう道で、

 金の獅子は言う。



『>>>まずは突破の方法を(さぐ)って、冷静に、判断しなきゃいけない。ぼくと先生も……もう、この世界の"水"と"金"を(つかさど)ってる』

〘#……容易には、死ねぬ亡霊となった〙

『>>>全くです。は、召喚された勇者は、ずいぶん酷使(こくし)されるみたいだ』

〘#……くく、お前も大人になった〙

『>>>は、は。そんな気は……微塵(みじん)もしませんがねぇ』



 過酷(かこく)な運命を背負わせてしまったが、

 私とて、教師の(はし)くれだったのだ。

 教え子の成長は嬉しく思うし、

 これは、教師だったから感じるだけのものでもない。


 もう一人の教え子は、天にいる。

 想いを、()せる──。



〘#……、……元気だと、良いのだが……〙

『>>>そうですね……』


『────あ☼』



 クラウンくんに、バッタリと会った。



『>>>やぁ』

〘#……元気かね〙



 いかん。またバカみたいな挨拶をした。



『────心中を:お察しします……☼』



 教え子の奥方は、

 思いやりに(あふ)れているようだ。

 酒の席に(さそ)うことにした。

 む、年齢は……まぁ良い。

 見た目は幼いが……恐らく、

 顔見知りの中では、一番、歳上であろう。

 三人で、朱の廊下を歩く。



『>>>そうだよなぁ。戸橋(とばし)の事に食らいついちまったせいで、まだ、肝心なことがまるで聞けていない』

〘#……そうだな。"言語修復"のこと。そして──"過去のクラウンくん"のこと〙

『────いえ☼

 ────そこまで(あせ)っている:

 ────訳では:ないのですが……☼』

『>>>いじらしいね。きみは気遣(きづかい)を覚えてから、他の人に気を使い過ぎさ』

『────い:いじらしいなど:

 ────初めて言われました☼』

『>>>それは嬉しい。これからも、きみの初めてを、ぼくが奪う』

『────ばっ:バカ義賊!☼

 ────そういう事は:

 ────二人っきりの時に言いなさい!☼』



 ふふふ……。

 金を含む虹色の乙女は、

 今が、青春真っ盛りのようだ。



『────昔の私は:

 ────何を:(たくら)んでいたのでしょうか……☼』

〘#……神を、(つく)り出そうとしていた、と?〙

『>>>前のローザの話では、そんな感じでしたね』

『────:……☼

 ────アンティや:マイスナは:やはり……☼』

『>>>……まだ、早計(そうけい)だと思うよ』

『────ですが……☼

 ────真実なら……私は:押し付けて──☼』



 記憶を失った女神は、

 だが、その心を失った訳ではないのやもしれぬ。

 少なくとも、その想う精神は、

 彼女に、相応しく思う。


 私たちは、不確かな存在だ。

 だが、確かに。

 まだ、前へと進めて居る────。



『>>>気持ちを、切り替えよう』

『────?☼』

〘#……む?〙

『>>>旧友が、生きていた。ふふ、これから行くのは、"祝い酒"さ?』

『────!☼』

〘#……くく、成程(なるほど)。そう来たか〙

『>>>悠長(ゆうちょう)な事を言ってられないのは分かってる。だけど……(あせ)り倒すのも、違うと思う』

『────はい☼』

『>>>いや……カッコつけ過ぎた。ようするに──飲みたい気分だったんだよ……』

『────ふふふ☼

 ────お付き合い:致しましょう☼』

〘#……くくく……。では、桜の神に乾杯、と洒落込むとしよう〙




 思うより、(ほが)らかな雰囲気となった。


 壊れかけの宇宙のステーション。

 "カオ"と、"コトバ"と、"シ"の関係。

 地上の何処かに……封じられている"デス"。

 上空にある、破壊不能の壁。

 かつての、クラウンくんの目的。


 たくさんの問題があるが、

 慌てず、紐解いていけば良い。


 私たちは、まだ、生きている──。





〘------ぐで;ゲボヴぁぁぁぁ──☆☆☆〙

〘++++++ママさぁ──あんん……!

 ++++++もっ・ぷぁああ──……っい……!〙



『────:……☼』

『>>>…………』

〘#……、……〙



【 もう、やめときなはれ…… 】

< せっかく元気になりはったのに、体に毒やぇ〜〜? >


〘------ウェロウェロゥエロゥエろゥウロ──☆.*・゜〙

〘++++++う・うるへーっ……!

 ++++++こちとらぁ・なんがいオツトメ・

 ++++++終わった所なのよォォ──っ!!

 ++++++ジュンヤの・バカやろぉ──っ……!

 ++++++うぃ・ひっく……!〙


【 せんせぇー……。この酔っ払い、なんとかしてぇな…… 】



 ……。

 異世界でも、絡み酒というのは、

 ときたま、牙を()くようだ。


 仕方がないので、

 カウンターで酔い潰れている、

 (ふる)き水の女神の隣に座る。

 酒瓶(さかびん)を……抱きかかえているのか……。


 かつての帝国王女と同じ顔をした月の女神は、

 自分の吐いた白い液体の中で、

 地面に(しず)んでいる。



『────もう少し……節操(せっそう)を覚えてください☼』

『>>>おらっ、起きろ! きみは何回、床で寝る気だぃ!?』



 カネトキが、容赦(ようしゃ)無く、()んでいた。



< ここも、にぎやかに成り申したなぁ〜〜♪♪ >

【 はぁ……。せんせぇ、駆けつけ一杯! 】

〘#……お、すまぬ〙



 実は入り(びた)っているので、

 何も言わずとも、

 辛口の冷酒が、差し出される。



〘++++++……じぃぃ〜〜〜〜〜〜〜……っ〙

〘#……むっ〙



 隣の酔っ払いが……こちらを見ている。

 君は……せっかく元気になったのだから、

 はやく、(にぎ)っている情報を、

 しゃべってほしいのだが──……。




〘++++++……"(しずく)"って、だれ?〙

〘#………、………〙




 何故か、私のほうが、

 事情聴取、されている。



〘------ぶっゲロ;ゲロゲロぶヴぁぁ──☆.*・゜〙

『────ぎ:ぎゃ──っ!?☼』

『>>>スライムがスライム吐くとか、もはや攻撃だろ……。てか、大丈夫!? クラウンちゃんっ!? ぅおッ……!』


< うわはーっ♪ マトモにいったなぁー♪ >

【 (かんむり)……。とりあえず、ダンナと風呂、行ってこいやぁ…… 】



〘++++++ねぇーっ。

 ++++++ソノ人ぉぉ、私に……似てんの?

 ++++++ねぇーっ!

 ++++++ねぇーっ・てばぁあ──……!!〙


〘#……ふぅぅ。やれやれ、だ……〙





 ゴクリと流しこんだ酒は、


 やけに、熱かった。





もうすぐ年末ですねぃ(●´ω`●).*・゜

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『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[良い点] ジュンヤは権現引継の為に機械化して延命、カオコは″シ″を無くし不死に、対照的な二柱やな >〘------ぐで;ゲボヴぁぁぁぁ──☆☆☆〙 謎の発光現象を伴ってそうなゲ□(キラキラエフェクト…
2020/12/23 21:35 ズブロッカ
[一言] 正午をすぎる 午前中はアルコールを飲まないアメリカの 私立探偵の真似をして タンブラーに金色の液体をゆっくりつぎ 氷がとけるのをながめていると誰もいないレストランで 動く標的にピストルをむけ…
[良い点] >〘------ぶっゲロ;ゲロゲロぶヴぁぁ──☆.*・゜〙 >『────ぎ:ぎゃ──っ!?☼』 >『>>>スライムがスライム吐くとか、もはや攻撃だろ……。てか、大丈夫!? クラウンちゃんっ…
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