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ブロンズ・サービス さーしーえー

〜〜 前回までのあらすじ 〜〜


ふと見たら、メイドがいた。

ファッ(((;゜Д゜)))──!?.*・゜





 私、アンティ・キティラは、

 世界に問いたい。


 寝て起きて。

 気づけば、メイドさんが立っていたら。

 私たちは、どうすればいいか?


 ……。

 いや……。

 正解など、わかりきっている。



 答えは────通報である。

 




「「 …… 」」


「 ゆうべも、おたのしみでしたね 」




 そもそも、メイドさんとは、何か。

 ──"使用人"である。


 家事とか、清掃とか、

 めっちゃしてくれる人であって、

 決して、同じクラスの男子が言うような、

 貴族さまのイチャイチャ相手ではない。


 ──さて。


 私は、食堂娘属性なので、

 料理とか、(たしな)みまくるし、


 お掃除は、何でも吸い込んで、

 疑似太陽で焼却処分できまくるし、


 イチャイチャは、今、肌を重ねている、

 愛しの怨敵で、間に合いまくっている。


 つまり……私たちは、

 メイドさんを雇う必要が、ねぇ……!


 当然、人を雇うなどという、

 ナゾ出費をした覚えはない。

 だが、そこに立っている。


 そんで、見られていた。


 ……。


 けけけけけけ、


 けんぺい、さぁぁあ〜〜〜〜……んんん!!!





「──お嬢様方。

 水分補給を、なされますか?」




 正直に言うと、私とマイスナは、

 ひじょーに、マじぃー状態である。


 先ほどまでは、ねろねろねろね、で、

 今の状態だと、あわあわあわわ、だ。


 意味がわかると、非常にヤバい。

 ぶっちゃけ、硬直していた。

 私たちを倒すなら、

 今がイチバン、スキだらけ、

 ベストチャンスだったりすゆ。



「それとも、お食事になさいますか?

 簡単なものなら、お作りしますが……。

 アンティお嬢様より素晴らしいものは、

 さすがに……難しいかと──」


 

 コイツが私たちを暗殺する気なら、

 とっくにヤラれている!

 私たちは、戦慄した。

 そして、考えた。

 生き延びる、方法を──……。



「「 ……、…… 」」


「?」



 謎のメイドさんは、可愛らしく首を(かし)げ、

 私は、いよいよヤバいヤツだと思ったが、

 そこで、(かろ)うじて。

 色を感じ取る、素晴らしい眼球の能力が、

 思考を補助し始める──!



( ど、どうの、メイド……。

  ん……、……ん!? どう!? )



 私たちは、緊張の中、抱き合いながらも、

 その、メタリック青銅色メイド女を見た。




挿絵(By みてみん)


「どう、か、なされましたか?」




 このメイドさん。

 ヘソ(・・)が見えている。



「「 ハッ……! 」」



 私たちは悟った。

 黒幕は、あのアホだ。

 あの九割方が露出している、

 キワドいV字パンツを食い込ませた、

 形容(けいよう)(がた)い、服屋の(あるじ)だ。

 間違いナス。

 なるほど……これがアンタのヤリカタか。

 なんてやり口なの……。

 情に厚い暗殺者姉妹を、かどわかし、

 あわだっている私たちに、送り込んだのだ。

 罪だ。

 ()(がた)い。

 ヤツを倒す時が来た。

 私たちが、丹精(たんせい)込めて造ったヨロイを、

 アイツは、ヘソ出しメイド隊に、しやがったのだ。

 ゆるさん。

 ゆるさんぞ……決して!

 ゆるさんけど、アブノさぁあああん。


 ちょっと……、今は、マジで恥ずかしいのでぇぇ、

 いっかい、この人たちぃっ! 引き取って、

 もらぇまへんかなぁぁあ"あ"あ"ああ……!!!////// 



「これは……ご挨拶が、遅れましたね」



 不法侵入中のヘソ出しメイドは、

 布団を抱き寄せてビビりまくる私たちの前で、

 (かしこ)まりながら、宣言する。


 美しい、立礼(りつれい)は、

 従者のそれ、と言うより。


 まるで、舞台挨拶の、

 主演女優さんのような──。

 




「ブロンズ・ワークス。

 ──クレフティス・メイドワーカー隊。

 ただいまより、アンティお嬢様、

 マイスナお嬢様の傘下となります。

 どうぞ──末永く、よしなに──」


「「 ……、…… 」」




 ……ぇ、

 ええねんけど、な……?


 せめて……、

 ──あわあわしてない時にしてよぉぉぉ!!!




「アンタは」


「?」


「アンタは、今の自分の姿に……!

 なんか、疑問とか、にゃいのかっ……!?」


「ミスターアブノは、

 とても素晴らしい御仁(ごじん)です……!

 このような手前に、

 真摯(しんし)に向き合ってくださり……!

 私共(わたくしども)も、あのヨロイが、

 よもや、ここまで昇華されようとは……!」



 ダメだコイツ、既に調教済みだ。

 手遅れになる前に、変態を(めっ)そう。

 店のドアは、次は太陽光線で開けよう。

 マイスナの震えが、私にも伝染している。



「ほ、他の……皆さんは、いるんです、か……?」


「──はい、お近くに。

 室内に、(わたくし)を含めて、3人。

 すぐ近くの屋外に、3人、警護にあたっています」


「み!? 見えないけどっ……!?」


「お嬢様方の、ご助力(じょりょく)もあり、

 高水準の隠蔽(いんぺい)のジェムを(そろ)えられる、

 十分な資金は、まるまる残っていますので」



 そう、"見えているメイドさん"が言うと、

 何も無い空間だったトコロで、

 まったく同じ、メイド型のシルエットが、

 ぼんやりと、浮かび上がった……!


 あぁあぁ、あンの変態ィ……?

 こんなモン! 全部で6つも、

 こさえたのかぁああー……ッ!?


 つーかぁ!? この暗殺姉妹さんたちぃ、

 財力にモノ言わせて、

 ジェムで気配、

 消しまくってるじゃないのよぉおおおおお!!?


 う、うわぁぁああぁぁぁ……!!?//////

 とうとう、素顔もナニしてるトコロも、

 モロ見られしちゃったじゃねぇかぁあああい!!!



「ななな、なななっ、ナニして、くれちゃってんのよぉおおお〜〜……ッッ!!?//////」

「わ、わたしと……アンティの、あわあわ、がぁー……っ//////」


「はぁーっ。よろしいですか?

 アンティお嬢様、マイスナお嬢様!

 私共が、このタイミングで、

 姿を、お見せしたのは!

 今の御二人(おふたり)に、私たちの有用性を、

 しっ、かりッ、とっ!

 思い知らしめるためで、ございますっ!!」


「「 ゆっ、ゆうようせぃい〜〜……??////// 」」




 布団に隠れながら、聞き返すと、

 おそらく、イヴさんであろう銅メイドさんは、

 私たちの方に、ズイッ、と顔を近づけてきた!



「 ──貴女方は、強い 」


「「 ──ッ!! 」」


「おそらくですが、対人戦においても……、

 魔物相手、だとしても──。

 フル装備の、お嬢様方は、

 ほぼ、無敵と言えるのでは、

 ないでしょうか──?」


「「 ……、そ、…… 」」


「──ですが。それは──、

 あくまで、"フル装備"の時、

 でございます──っ!」


「「 っ! 」」


「──しつれいっ!」


「「 ──ッ!? 」」




 目の前のヘソ褐色メイドさんは、

 ベッドのシーツを引っ張り上げ、

 あっという間に、私とマイスナを、

 ぐるぐる巻きにしてしまった!!




「「むむむぅうううう〜〜〜〜……!?//////」」


「──ほれ、この通り」




 ひ、ひぃえ……!?

 すごい早業だっ!

 つーか、チュウしたまま結ぶなっ……!?///

 こっ……新しい性癖(せいへき)目覚めたらどうする!?




「休息中の、お嬢様は……特にヒドい!

 ヒドすぎるっっ!!!

 ぁ、いや……その、御二人の仲の事を、

 言っているのではありませんよ?

 その……コホンっ。///

 そういうのに……、

 理解は、一応、ありますので──」


「「 ふむむむむぅぅう〜〜!?!?!?////// 」」



 ──シュルルっ……!


 あ、(ほど)いてくれた。



「にしても、無防備が過ぎます。

 私たちのような暗殺職は、

 まさに、このような時を狙います」


「はぁっ……はァっ……!

 だ、だからってねェ……!?///」

「ちょ、ちょっと良かった……///」


「これ以上ハードなプレイは、

 お止めください……。

 やはり、そうですか。

 お嬢様方は、ジェム関連の対策が、

 苦手でございますね?」


「「 ──……っ!! 」」



 そ、そりゃ……!

 個人的にも、けったクソわるくて、

 なーんか、ギルドの情報も頭に、

 入ってこないけどさぁ……!


 つーか! ギルドで売ってるのって、

 生活魔法みたいなの、

 数種類だけなんだよね!?

 そりゃ、"隠蔽(いんぺい)"は、

 凄いと思うけどさぁ……!


 売ってるトコロ色々まわるのも、

 そんな時間あったら配達するし、

 いや、食わず嫌いなトコロも確かにあるけどぉ……。



「──お休みの時に、気を張れなど、

 言うつもりはございません。

 その(ため)に、私共(わたくしども)がいるので、

 ございますよ」


「「 ……! 」」


「こう見えて、私共(わたくしども)のクランは、

 暗殺職クランで最も実力がある自負があります。

 "ジェム"の、スペシャリストでございますよ」


「そ、そうなの……!?」

「だ、だから感知できないんですか……?」


「今は、"隠蔽(いんぺい)"と"阻害(そがい)"のジェムを、

 幻影(げんえい)のジェムと少し混ぜて使っています。

 配合比率などによって、効果が高まるのです」



 ひ、ひぇぇええ……!?

 何ソレ、ジェムの知識って、

 私らが思ってたのより、

 ずっと、沼が深そう……!?

 そんなこと、イチイチ試してられないわよ……!?


 つーか、クラウンやら先輩やら、

 なんか(しゃべ)んなさいよーっ!



『────ぁ:ぃや:あの……☼』


{{ さっすが、店長っ……!!

  お見事な技前ですわっ……!!}}

『 がるるーッ!!!!! 』



 今日もイニィさんダメだな。


 なんで不法侵入者に、

 誰も、なんも言わんねん。



『────その:すみません☼

 ────清掃格納を発動して良いものか:

 ────迷ってしまいまして……☼』



 ……ん?


 あ。


 ……。


 今の、私とマイスナの見た目がアレ過ぎて、

 男子チーム筆頭に、

 見ないように、逃げとんのか……。



{{ その従者さんからは、敵意の色は、全く感じないわ。とりあえず……ピエロちゃんと紫電ちゃんの、最も即座に、やらなきゃいけない事は────……、"入浴"よ…… }}



 ……。


 ──ちぢょ、良くないッッッ!!!


 あーわ、あーわ!!!!!!!




「──ええいっ!!

 わかったから、出ていってーっ!!」

「お風呂タイム邪魔するもの、死、あるのみ」


「──そうは参りません。

 そのような時に警護するのが、

 私共(わたくしども)の役目にございます」

「「「「「 ──ございますっ! 」」」」」



 ──んあーっ!?///

 よく見たら、

 知らん間に青銅メイドさん、

 6人全員、家ン中に、いるじゃないのーっ!!

 ば、ばかぁあ──っ!?

 全員、似たような見た目、

 しやがってぇえ──っ!!!///



「────い、いいからぁああ──っ!?///

 今から、お風呂入るからぁあああ──!!!」

「鬼はそとーっ!!!//////

 メイド、そとぉー!!!//////」



 ──きゅぅういいいんんっ!!!

 ──シュルルルルルルルっ!!!



「「「「「「 ──っ!!! 」」」」」」



 "白金(しろがね)劇場幕(げきじょうまく)"を、カーテンのように、

 大きな筒状に召喚して、

 はぐるまを浮遊させて支え、

 簡易の仕切りを作った。


 床の"鎖ポケット"から、

 金銀・猫足のバスタブが、せりあがってくる。

 もちろん、お湯はMAXだ。



「ど、どうなっちゃうの……」

「ううう、アンティとわたしの、空間がぁー」



 とりあえず、風呂だ。

 あわは、石鹸(せっけん)で出すもんだ。



「お背中、流しますよ」


「「 くんなぁあああああああ──!!! 」」



 劇場幕(げきじょうまく)のカーテンを、

 やすやすと突破してくる……!

 いつ、滑り込んできた!?

 全く、わかんなかったわよ!?



『────すごい☼

 ────私が:ここまで:

 ────感知できないとは☼』



 いや感心している場合じゃねぇわ。

 マイスナきれるぞ。

 私もな。




「あ、アンタたちぃ……っ」

「うううぅぅう〜〜……!」


「アンティお嬢様、マイスナお嬢様。

 どうか……お怒りにならないでくださいまし」



 ──しゅるっ!



「ちょ、ちょっと……!?」

「か、髪、を……!」


「よく手入れされていますが、

 さきほどのアレで、絡んだり、

 (ねじ)れている箇所もございます。

 ヘアオイルは、お使いではないのですか?」


「へ、へあおいる……?」

「お料理以外に、油を使うんですか……?」


「やれやれ──お嬢様方。

 どうぞ肩まで、お浸かりください。

 私たちの、新しい門出(かどで)です。

 料理やお掃除では、あまりお役に、

 立てませんし……せっかくです。

 本日は、フルコースにさせていただきます」


「ちょ、ちょとぉ!?」

「な、なんだなんだー!?」


「──ハル、マッサージ台、運びこんで。

 メーチ、半身浴用の腰掛けは、

 こっち側にしましょう」


「ちょちょちょちょちょちょ……!?

 なにっ……!? その変な、

 折りたたみベッド……みたいなのっ……!?」

「お、お風呂の中に、何を置くんですか……!

 え……? えっ……??」


「マッサージベッドは、

 二台、ご用意しようとも、

 思ったのですが──。

 お嬢様方の密着度も考慮して、

 少々、大きめのものに、

 ご一緒に、うつ伏せになっていただこうかと。

 こちらの湯中椅子も、たいへん水に強く、

 お嬢様方のように小柄なら、

 背もたれも一緒に、ご利用可能です」


「えっ、ちょと、あの……?」

「髪の毛……洗ってくれるんですか?」


「暗殺職にも、副業は必要でして」










 ──実績が解除されました!●▼≦.*・゜



 【 銅の刑死者 】new!


 【 銅の奉仕人 】new!


 【 金・銀・銅 】new!


 【 お嬢様気分 】new!


 【 無敵義賊隊 】new!





 ■ブロンズ・ワークス■の

 以下のサービスが 解放されました!◉▼◉.*・゜



 ★全身美肌オイルマッサージ 〔無料〕

 ★本格ヘアサロン      〔無料〕

 ★入浴フルケア       〔無料〕

 ★ネイルケア        〔無料〕

 ★エステサロン各種     〔無料〕

 ★ベッドメイキング     〔無料〕

 ★ニョロニョロ叩き     〔無料〕

 ★軽食サービス       〔無料〕

 ★ドリンクバー       〔無料〕

 ★配達確認         〔無料〕

 ★身辺警護         〔無料〕

 ★諜報活動         〔無料〕

 ★清掃           〔無料〕

 ★粛清           〔無料〕

 ★暗殺           〔無料〕



  ※ニョロニョロは追い返せますが、

   完全に倒すことはできません。

   出現した場合、

   パンチ、蹴り、仕込み刀、仕込みナイフ、

   クナイ、(まさかり)、手裏剣、

   かかと落とし、目潰し、猛毒、

   の いずれかで ランダムに攻撃します。


  ※諜報活動、粛清、暗殺は、

   全ての街で、誰にでも

   行うことができます。






 データを自動セーブしています・・・///


 ////////////////////////|




 ── セーブが 完了しました!≧▼●.*・゜





かばが忘れてるサービスの追加項目、

感想欄にてお待ちしています(笑)

((´∀`*))ヶラヶラ

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『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] メイド隊のスペック高杉ぃぃいい まあ知ってたけど(笑)
[一言] サービスにジェム講座有ってもいい気がす…
[一言] 足りないサービス うさまるとカンクルのお世話 とかどうでしょうか?
感想一覧
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