再配達対策会議
ペルソナァぁああ──!!!
( ✧﹃✧) カッ!!
それぞれの要望は、
意外と、シンプルだったと思う。
QQさんのお願いは、
『 香桜子さんとチャラ男の救出 』。
『 言語修復の続行 』の、ふたつ。
対して、私たちが知りたいのは、
『 過去のクラウンが、何をしてたか 』だった。
話し合いは、まず。
木の神さまの事について、集中した。
〘++++++言霊法の力で、
++++++カオコ・トバシは自らを・
++++++"カオ" 、 "コトバ" 、 "シ"の・
++++++3つの概念に・分解してしまった。
++++++『カオ』は・黄金と白銀の仮面に。
++++++『コトバ』は・言語プログラムに。
++++++『シ』は・デスという最悪の魔物になった〙
『>>>……』
『#……"言語プログラム"という物の概念を、
#……今一度、教えて欲しい』
〘++++++この世界は・私たちが・
++++++プログラミングによって創造した。
++++++それは"文字入力"を"情報"として・
++++++"現実世界"に"投影"させる行為だと・
++++++定義できるの。
++++++例えでも・なんでもなく、
++++++この世界は、"言葉"で構成されている〙
『>>>……"カオ"と、"デス"の事は、
>>>ぼく達は……よく、知ってる。
>>>のこされた……"コトバ"は、
>>>……どう、なったんだ』
〘++++++"言霊法"は・
++++++自動精製されたスキルの中では・
++++++反則級の力を持っていた。
++++++"山"と言えば、"山"が生まれ・
++++++"川"と言えば……まぁ・それはいいわね。
++++++"言葉を使って世界を描き換える"。
++++++その行為は世界から・私たちと同じ・
++++++"神"に近い存在だと・誤認されたのよ〙
『>>>バグ、だったってのか……』
〘++++++"コトバ"……つまり・
++++++"神の魂と誤認された言語プログラム"は・
++++++本来は突破できない・
++++++上空の"カーマン・シールド"を貫通し・
++++++木曜日ステーションに転送された〙
『>>>……、……』
〘#……約、200年間も……あそこで、彼女は……〙
〘++++++私だって・
++++++すごく・驚いたわよ。とってもね……。
++++++でも・キングマンは……・
++++++ジュンヤは・すべてを・
++++++見通してたように思う〙
『>>>……ローザの前身となった、
>>>ロザリア王女が、ぼく達3人を、
>>>召喚したのは何故だ?』
〘------;……、……☪︎〙
〘++++++……、ふぅ……。
++++++彼女は所々・
++++++記憶が欠落しているようだけれど。
++++++そもそも・"勇者召喚"を・
++++++プログラミングしたのは・
++++++ジュンヤから基礎プログラムを・
++++++受け取った・ヒューガなのよ?〙
『>>>……!』
〘#……〙
〘++++++もう……わかっていると思うけど。
++++++あなた達ふたりは・
++++++"記憶"だけが実体化した存在よ。
++++++"メモリ"を・"セーブデータ"と誤認させ・
++++++"勇者召喚"のバグを利用して・
++++++こちら側に・呼び寄せる。
++++++多分……そんな所だと思う。
++++++第二新世界での"地球"では……・
++++++記憶喪失には・なっているけど・
++++++あなた達"3人"は・生存している──〙
〘#……、……〙
『>>>……。
>>>>先ほどの、ぼくの問いへの返答に、
>>>なっていないな?』
〘++++++……わかってる。
++++++ジュンヤは・
++++++自分の遺伝子情報を演算し・
++++++"血の繋がり"を利用して・
++++++勇者召喚のプログラムを改造した〙
『>>>!!』
〘#……計画的、だったと言うのか……!〙
〘++++++"前の地球"に取り残された・
++++++黄野金時と戸橋香桜子は・
++++++結婚しているわ。
++++++キングマン……黄野純夜は・
++++++自分の祖父母が記憶喪失であった事は・
++++++調べて・当然・知っていたはず〙
『>>>……、……』
〘#……では……、……〙
『>>>──! そうだよ!
>>>じゃあ、先生は……何故だ?』
〘++++++……・……。〙
『>>>……クイック・クイーン?』
〘++++++その呼び名で呼ぶのは・
++++++やめなさい〙
〘------そうかっ……!☪︎.*・゜
------だから……☪︎〙
〘#……ローザ? 何に気づいた?〙
『──……カンタンだよ……❖
──ジュンヤお兄ちゃんは、
──確実に呼び寄せられる、
──"神さまの血族"を……。
──前もって、調べていたんでしょ?❖』
〘#……!〙
『>>>それって……!』
『──わかりきった、事じゃない❖
──偶然なんて、何もないよ❖』
『 ニョロ〜 』
〘++++++……待って。
++++++それに関しては・
++++++私も・飲み込めていないの……。
++++++"氷帝銀我"……。
++++++あなたの存在は・
++++++私は・イレギュラーだと・
++++++思っていた……〙
〘#……、……〙
〘++++++でも・もし……。
++++++ジュンヤが・自分と同じ方法で・
++++++私の……、……〙
タートルネックを着たQQさんは、
水銀の髪を揺らしながら、
困惑しているように見えた。
服装が、ほぼ同じだからだろうか。
白衣に、銀の髪を流す先生と、
QQさんは、とても……、
どこか、似ているように思えた。
〘#……それは、今はよい〙
〘>>>……マジかよ……〙
〘#……何故、君はここに居る?
#……どうやって、この箱庭に転送された?〙
〘++++++……〙
〘#……同じ方法で、戸橋は、無理、なのか……?〙
『>>>……!!』
〘++++++私だって……〙
〘#……!〙
〘++++++私だって……!!
++++++何故・私が優先されたのか・
++++++まだ・理解していないっ……!!
++++++試行錯誤して、香桜子ちゃんを……!
++++++転送しておけば・・・!!
++++++少なくとも・"神さま"全員が・
++++++地上に降りる事ができる・
++++++可能性が・あったのに・・・!!〙
『>>>お、おいっ!? 落ち着けよ……!』
〘#……すまなかった。そんな意図で発言した訳ではない〙
〘++++++あれはっ……!!
++++++使い捨てのデバイスだったわ!!
++++++なぜ・私なんかを・・・!
++++++あの消耗度で・あんな物が・
++++++すぐ作れるとは・思えない・・・!
++++++ずっと準備していた物で・
++++++なんで・私なんかを優先した・・・!?
++++++分からない……分からないっ!!〙
〘#──落ち着きなさいっ!〙
〘++++++触らないでっ!〙
〘#……む〙
『──キューちゃん……❖
──大丈夫だから❖
──だれも……責めないから❖』
『 ニョロォォ〜〜…… 』
〘++++++だから……苦しいんじゃなぃ……〙
〘#……〙
『>>>話題は……前向きであるべきだ。
>>>どうやったら、
>>>あの、透明の壁を突破できる?』
〘++++++……! ……、……、……。
++++++ごめん・ごめんなさい……。
++++++あれは・上からなら簡単なの。
++++++でも……下からは・本当に難しい……〙
〘#……戸橋の……"コトバ"のように、
#……上へ……"転送"する事は、無理なのだろうか〙
〘++++++ははは……。
++++++神さまと誤認させた者を・
++++++実験がてら・死亡させろと?
++++++そこの金髪ちゃんと銀髪ちゃん・
++++++試しに殺してみる?〙
QQさんは、ざぶとんに座った、
私とマイスナを見て、すぐに謝る。
〘++++++ごめんなさい……。
++++++そんな事が言いたいんじゃない……。
++++++ごめんなさい……〙
身体は全快したけど、
自分だけが安全な場所に送り込まれた事を、
QQさんは、とても気にしているようだった。
〘++++++上からは簡単・と言ったけれど・
++++++それは・物理的に降下するシステムや・
++++++高度な転送装置があったらの話。
++++++見てもらったとおり……・
++++++宇宙空間の残存ステーションは・
++++++ほぼ・半壊している……〙
〘#……設備さえ揃えば、可能なのだろうか〙
〘++++++……難しい。
++++++問題は・他にもある〙
『>>>具体的に、教えてほしい』
〘++++++今の香桜子ちゃんは・"コトバ"なの〙
『>>>……?』
〘++++++地上には・あなたが何処かに封印した・
++++++"シ"が・眠っている〙
『>>>──!!』
──" デス "。
昔の先輩が、時空間ごと封じこめた、
もうひとりの──香桜子さん。
〘++++++もし……必要な設備が揃って・
++++++香桜子ちゃんが・降下できたとしても・
++++++" コトバ "は、" シ "と合わさり・
++++++" 言葉の死 "となる〙
〘#……!!〙
〘++++++この世界は・"言語プログラム"で・
++++++出来ているわ。
++++++今の香桜子ちゃんが・
++++++"カーマン・フィールド"に・
++++++接触したら──……〙
『>>>……こっちの世界が、滅ぶ』
〘++++++可能性が……高い。
++++++"世界が死ぬ"という入力になるのよ〙
〘#……、……〙
『>>>"デス"は……時間を止めて、凍結した。
>>>それでも、ダメ……なのか?』
〘++++++シゼツのナンバリングが・
++++++"4"から"3"になった事で・
++++++シゼツの"死"を司る力は・
++++++弱まっているの。
++++++クラウンが強化された代わりに・
++++++シゼツは・弱体化してしまった。
++++++この世界で今・
++++++一番、"死"の影響力があるのは・
++++++たぶん・あの個体なのよ……〙
『──それは、そう……❖
──ホントに、そう……❖』
『>>>ダイさんでも……』
〘++++++わかっているでしょう……。
++++++新しい火の神さまの・
++++++ナンバリングは・"3"。
++++++"死"の概念力では・
++++++力負けすると思う……〙
〘#……対策を、思いつくかね?〙
〘++++++" コトバ "と" シ "が・
++++++接触する前に・
++++++" カオ "を……届けるしかない!
++++++でも……そのためには・
++++++" カーマン障壁"を・
++++++突破する・必要があるの……!〙
『>>>ジレンマ……ってやつだね』
私とマイスナの、ガチ攻撃で、
傷ひとつ付けることさえ、
叶わなかった、透明のカベ──。
〘#……あきらめる訳には、いかない〙
〘++++++力を・貸してほしい……っ!
++++++私が……ここに・送られた意味を!
++++++私は・見いだしたいっ・・・!〙
── コ ォ オ ン ──!
QQさんの叫びは、
鹿威しの音と共に、響いた。