表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
886/1216

カーマン・プロミス さーしーえー

発掘したPSVITAに、

ペルソナ4Gと、

ぼくのなつやすみ4、

入れたった……(((;゜Д゜)))

メチャヂカンカカル・・・!?







 目覚めた彼女の話を聞いて──。


 まず、私たちは。


 試してみよう、と思った。








 ──コォオオオオオオオオオ──……。






 身体(からだ)中の装甲の割れ目から突き出た、

 無数のノズル・スラスターから噴き出る、

 凄まじいブースト音さえも、

 もはや、乾いた空気の音でしかない。


 私たちは、飛ぶ。


 大いなる高さの中、

 誰も、語らない時間ができる。

 非日常の青空が、

 そうさせているように思う。


 ふ、ふ。

 ()()までの距離を(はか)っていた、

 先生とローザは、

 緊張していただけかもしれない。


 何にせよ、私たちは、

 晴れやかに、禁忌(きんき)(おか)していた。


 この世界の誰もが、

 やるべきでは無い事を、私たちは、する。


 天空だけが、鮮やかに、

 静かに──見つめている。



 コォオオオオオオオオオ──……。



 この高さに達するまでに、

 呼吸は、とっくに、

 体内の空間接続によって行われている。


 自らの(わず)かな身体が燃え、

 彼女の(わず)かな身体が凍ったが、

 それは、当初の予測より(はる)かに少ない規模で、

 お互いの温度差が、ダメージを食い殺す。


 怖いくらい、順調だ。


 ──まだ、空は、青い。


 断言する。

 たくさんの神々の加護があったとしても、

 私の生身ひとりで、ここに来ていたら、

 ただただ、恐怖しただろう。


 上に、おびえ。

 思わず、下へと、振り返ったに違いない。


 ──でも、今は、二人だった。

 お陰で、恐怖だけではない。


 良く言えば、(ハラ)()わっていたし、

 悪く言えば、(にぶ)くなっていて。



「……」

「……」



 コォオオオオオオオオオ──……。



 地上で過ごせば、

 何のことはない、

 少しの、時間だろうけれど。


 今の私たちにとって、

 この騒音に慣れるほどの、

 長い、長い、無言の飛行は、

 しびれていく、何かがあった。


 お茶目な神様たちは、

 加速用のスラスターを、ティーカップ、

 減速用のスラスターを、コーヒーカップと、

 呼称していた。


 身体が恋人と共にロケットに改造されつつつも、

 き、ひ、それはどうよ、と、

 (まゆ)を、ひそめずにはいられない。



 ──ボ──ヒュゥゥゥゥゥ── ─ !

 ──プ・シィぃぃぃぃ── ─……!



 いま、20回目の逆噴射があり、

 大きく、天を突くスピードが落ちた。


 先生が、皆に、アナウンスする──。



〘#……反射(はんしゃ)があった。事前情報通りだ〙



 先生の担当する放射系は、

 "接近する障害物"までの距離を、

 正確に測ることを目的とする。


 私とマイスナの、

 肩や背中などに複数、

 設置されたレーザーポインタが、

 真っ直ぐに、進行方向に伸びている。



『>>>……(タマゴ)の、中、か──』



 しゃがれるような先輩の、台詞(セリフ)

 たぶん、私が思うより、

 (はる)かに、皮肉(ひにく)めいている。


 減速は、恐ろしく上手くいく。

 空は、もう、

 "青"とは……言えなかった。



『────ギリギリまで:接近します☼』



 チューブ状になった私たちの髪が接続された、

 無数のティーカップと、コーヒーカップたち。


 ブーストは上下に分かれ、

 私たちの上昇を、緩やかにする。



『C1:最終、逆噴射(リ・ブースト)

『C3:秒速、60セルチメルトルテ、

 --:50、40、30────…… 』


『>>>両足、両肩のブースターユニットをパージする。

 >>>もう……必要ない』


『C5:……了解』

『C6:Yeah. Please wait for a while 』




 バシュォ! という音がして、

 文字通り、私たちに食いこんでいた、

 大きなキカイたちが、フレームから切り離される。

 剥離(はくり)したユニットは、

 落下する先で、亜空(あくう)に飲まれる。


 身体が、すぐに軽くなり、

 最低限のティーカップ・スラスター、

 ホバリングする。


 視界野には、

 "目的地"までの距離が表示されている。


 私は、マイスナを腰から抱き寄せた。

 彼女も、当然そうした。


 ささいな理由だ。

 こんな、遠くで。

 離ればなれになるのは、怖い。


 ──でも。

 抱き寄せた片腕とは、うらはらに、

 私たちの2本の腕は、

 ソラ高く、伸びた。


 大きく、手を広げ。

 上を、見上げる。



「 接触する 」

「 ブースト権限を、こちらに 」




 私たちの上昇スピードは、

 秒速、10セルチになっていた。



 ゆっくりと、ゆっくりと……。


 ──。 

 




『>>>……』

〘#……〙


 




 ──キ、ギィン・・・。





 ──── あった。




 本当に、あった。


 ッ 。。。


 私たちは、今。



 ()()()()()に、


 ふれている。





『────高度:100ケルメル地点:到達☼

 ────カーマン・ラインです☼』




 透明の、カベだ。


 タマゴ。


 たまご・・・!


 (アオ)と、(クロ)の、狭間(ハザマ)で。


 透明の障壁は、存在した。


 旧い、水の女神が言う。




〘++++++プレイヤーの……"限界高度"よ。

 ++++++"上"から・突き破る事はできる。

 ++++++でも……"下"から突破することは,

 ++++++今の……私たちには・できないわ〙


『>>>……』

『#……』





 正直に言うけんども。

 こぉぉーんな、透明のカベのこと。

 別に私は、どぉも思ってない。


 こんな、クソ高い所にある領域なんて、

 食堂娘にも、郵便屋さんにとっても、

 マジ、どうでもいいし。


 世界が、とうめいの(カラ)で包まれてたって、

 本当に、なんのショックも受けない。


 ただ、今は──。




〘+++++++試算は・バッチリよ。

 +++++++真上(まうえ)にあるわ──……〙


『────アンティ☼』


「構わないわ。最大望遠で、なさい」

「少し、痛くしても構いません」



 私とマイスナの眼球内と、顔の正面に、

 アナライズ・カード式のレンズが構成され、

 はるか彼方の、天空の"座"を(おが)まんとする。


 頭の中で、カチカチ、キュィンと、

 音がした。


 視界の映像が、段階を経て、

 四角く、四角く、拡大化されていき。

 やがて、像を結ぶ。


 とおいんだ。

 カクカクとした……ヒドい、画像だった。

  




■■■⋘⋘⋘□□挿絵(By みてみん)

 ✕ □□□□□/






〘++++++"サーズディ(Thursday)-ステーション(Station)"と・

 ++++++"フライディ(Friday)-ステーション(Station)"よ。

 ++++++あそこに……捕らえられているわ。〙







 ──── " 星くず "。



 それは、神さまが座す場所としては、

 あんまりの、トコロ。


 ぶっ壊れかけた……なにかだった。








『────露出補正をしていますが……:

 ────これが:解像度の限界のようです☼』


『──当然だよ……❖

 ──アレが、まだ高度を(たも)っているなら、

 ──ここから、今、飛んできた距離の、

 ──三倍も……上、なんだもん……❖』


『>>>……』


『#……』




 ここは、15の女じゃあ、

 足がすくむだろう距離だ。

 空の、限界だ。


 その、さらに倍以上の距離に、

 あのヒトたちは、いる。


 ご丁寧に、障壁まで、あつらえてやがる。

 クソが。


 怖いけどさ。

 私は、行ってやりたかった。





『>>>……後輩ちゃん。

 >>>バカな……お願いになるだろうが──』


「破壊を試みる」




 そこから、100メルトルテほど降下し、

 私とマイスナが(おこな)った攻撃の爆煙は、

 直径、1ケルガほどになった。


 私たちは、かなり続けた。

 ソルギアをガチで使おうとしたが、

 クラウンに止められた。



『────環境が変わってしまいます☼

 ────非推奨ですよ……☼』



 仕方がないので、

 持てるだけのミサイル・ユニットを、

 構成できるだけ作って、

 ぶっぱなしてやった。

 マイスナも、粒子砲を撃っている。


 "星の壁"は、まるで傷つかなかった。




〘#……もうよい、やめなさい〙


『>>>わかった、後輩ちゃん、やめるんだ』


「……、……」

「……、……」


『>>>アンティ。もういい』


「……」


『>>>……ありがとう』







 さいごに、いちおう確認して。


 やっぱり、透明(クリア)の壁は、


 傷、ひとつさえ、ない。



 炎が噴き出す、熱ダレした腕で、


 もっきり、ぶん殴ってやった。




 ──ガギゴォオオオオオオオンンン・・・!!!!!






『>>>もうひとつ、頼まれてくれるか』


「言って」


『>>>肉眼で……見たい』

〘#……すまない、私も頼む〙





 是非(ぜひ)などない。

 私たちは、先人に身体を(ゆず)る。



 先輩と、先生は、

 食い入るように、ソラを見ていた。




 決意が、(ゆる)ぐ事など、ない──。


 これは、誓約(せいやく)だった。










挿絵(By みてみん)


『>>>……戸橋(とばし)

 >>>必ず、助けてやるからな……!』


〘#……ああ。必ず、だ……!!〙













挿絵(By みてみん)


『──ふふふ……▼

 ──期待せずに、待ってるよぉー●▼●♪』














『────アンティ:そろそろ……☼』


〘++++++星は回ってる。

 ++++++雲も出てきたわ〙


「もう、いいの……?」


『>>>ああ。サンキュな』





 私は、マイスナと接触しながら、


 もう一度、空を見た。


 無関係じゃない。


 必ず、届ける──。







「はっ……!

 郵送配達職(レター・ライダー)を、ナメんじゃないわよ?

 木の神さまよぉァ──?」

「んだんだっ!」




 きひひ。


 私は、上空、100,000メルトルテで、

 どらいぶを、起動する──。




 ──キィィィイイイインンン……!!!





「帰ろ。今はね……!」

「うんっ!」





 準備が出来たら、

 必ず、再配達だ。



 ま っ て ろ 。 私 達 を 、


 お も し ろ お か し く 、


 見 な が ら な あ あ あ !






『────帰還ポイント:ドニオス街・中央部☼

 ────望遠調整完了☼

 ────目視により固定しました☼

 ────遮蔽物(しゃへいぶつ):無☼


 ────レディ・オーバー(準備完了以外に無し)

 ────どうぞ──っ……!☼』





「 " わーぷ、どらいぶ "、

  ────起動(オン)ッッ・・・! 」







 ──どひゅぅおおおおおおおおおおんんん!!!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[一言] ●▼●ちゃん、木の仮面付けてるのかな? ペルソナと見てやりたくなったけど、VITA君がいない⁉ 仕方ない・・・シスコン番長を見に行こう(`・ω・´)
[一言] 私もVITAにペルソナ4とぼく夏4あります!笑 私の感覚的にぼく夏の方が早く終わりますね(^^; って、作者さんペルソナからやりましたね… ばんちょーーーーーー!!
[一言] んな、遠くて狭っ苦しくて寒くて暗そうなトコにしかも可部まで置いて…… こりゃあ高くつきますな。 郵送料金不足のカタに、受取人をさらって来ないといけませんなぁ!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ