星の彼方へ さーしーえーまーつーりー
※二話前にユービーちゃんの挿し絵を追加。
QQさんが、起きた。
『────予定時刻:3分前です☼』
〘++++++──……ねぇ。
++++++最終確認するけど……。
++++++本当に"行き"ではなく・
++++++"帰り"に使用で・いいのね?〙
『>>>ああ。悪いんだけど、サ。
>>>まだ、ソレが本当にあるのか、
>>>半信半疑な所はあるんだよね。
>>>もし無かった場合……。
>>>後輩ちゃんたちが宇宙空間に、
>>>放り出される事になっちゃうからさ』
〘++++++もぅ……大丈夫だって・
++++++言っているのに。
++++++減速制御に失敗したら・
++++++大怪我じゃ済まないかもしれなくてよ?〙
〘------言い争いは;やめとけのんっ☆
------計算上では;可能のんからぁー☆〙
〘++++++ねぇ、ヒューガ……。その喋り方・
++++++私・まだ飲み込めていないんだけど……〙
〘------のーんのんっ☆
------のんぷろぶれむーっ☆.*・゜
------ぶへへへーっ☆☆☆〙
〘++++++こいつ……。
++++++しっかり頼むわよ・ホント!?〙
〘#……。放射系感知は、今回、
#……私達の方で担当する。
#……仮想訓練は重ねはしたが……。
#……至らぬ点があれば、フォローを頼む〙
『>>>いや、訓練結果、見ましたけれど、
>>>アレなら信用できますって。
>>>かなり前もって、やればいいですし──』
〘#……くく。
#……世辞を言われるようになってしまったか〙
『>>>はは……。
>>>いまさら、歳よりぶらないでくださいよ』
『────予定時刻:2分前です☼』
「あの、これってさ。
ホントにお昼で……良かったんだよね?」
「下の人達に見えないか、ちょっと心配です」
『>>>うーん、夜だと、
>>>ブーストの発光も騒音も、
>>>けっこう目立っちゃうんだよね。
>>>さいしょは風力だけだし、……大丈夫。
>>>それよりも……。
>>>インビジブル・フレームの再使用の件、
>>>その、なんというか、さ──……』
「──!? あぁーもぅッ!
ギリギリで、その話、蒸し返さないでっ!
ぜんぜん、気にしてないってば!
使った方が、安定するんでしょーッ?」
「カネトキさん、心配しすぎです。
今日は、お昼前まで寝てましたし、
体調も問題ないです。
いきなり体内で実体化したりとか、
そんな危険なことに、ならないですっ」
『>>>……すまないな。甘えるよ』
『────1分前です☼ 予定通り:
────エアロ・ジャンプから開始します☼』
「ふぅ、いよいよか……はぁ。
この塔から、まっさか、
上に飛ぶ、ことになろうとはねぇー!」
「ちょっとドキドキするねーっ!」
『>>>……よしっ。オペレーターチームは、
>>>作戦終了までネコ語は原則禁止!
>>>補助演算、たのんだよ!』
『C1:ニャッチ、了解』
『C2:── 』
『C3:ミャナミ、了解』
『C4:シーニャ、了解にゃー』
『C5:ニャンゴ、了解』
『C6:ネコロク、了解』
『C7:── 』
「……ネコ、しっかり混ざってるけど?」
「にゃー」
『>>>やれやれ……ん、おぃ。
>>>ミャーツ、ニャーナ?
>>>どうした……? 何かあったかぃ?』
『C2:ぁ……!
--:ごめんなさい、了解ですみゃ!』
『C7:っ……! り、了解にゃん!
--:こ、この新型同調デバイス、
--:けっこー集中しちゃうんにゃんよ……!』
『>>>……たのむぜ?
>>>同期観測系の専用デバイス、
>>>きみらの使ってる、ソレ、
>>>ひと組だけなんだからな?』
『────40秒前です☼
────気体圧縮室:接続を開始☼』
『C1:──了解。
--:#1から#24の気体圧縮区画、
--:スラスターユニットへの移動を開始』
『C3:第2安全弁・第3バルブを開放完了。
--:#1、#2、アンティ機へと接続。
--:#3、#4、マイスナ機へと接続。
--:エアロ・ブースター、接続完了。
--:コントロールを移譲します』
『C4:バーニア部・"ティーカップ"。
--:ぜんぶ、ろしゅつするにゃー。
--:ぽちっと──にゃー!』
──キュッオオッ・・・ガチャん!!
──しゅっ、ごぉぉぉぉおお──・・・!
──こぉぉぉおぉおお──・・・!!!
ぐぉん、ぐぉん、ぐぉん、ぐぉん・・・!!!
『C6:おー・けぇいいいッッッ・・・!
--:プレ:スタートを、開始した・ゼ──!
--:YAA・・いつだって飛べる・SA!
--:I can fly I can fly I can fly ……!』
『────レディ・オーバー☼
────アンティ・マイスナ:
────後は:お空にジャンプするだけです☼』
「だれやねん……バーニアに、
ティーカップって名称つけたの」
「これ、みんな下向いてるから、
こぼれまくりだねー」
『>>>なにも問題はないさ。こぼれるのは、
>>>紅いお茶じゃなくて、紅い爆風だ』
「どこに問題ない要素があんのよ……。
はっ、食堂娘にも分かるように説明して?」
「ぶっそうな午後ティーだなぁ」
〘++++++お嬢ちゃん達・そろそろよ。
++++++お口に・チャック!〙
「ひゃーぃ」
「ひゃーぃ」
『────思いっきりで:けっこうです☼
────この塔の強度なら:耐えられます☼』
「わかった。進行方向、
もう少し分かりやすくなる?」
「ちょっとマーカーの色が、
空の色に近すぎます」
『────なるほど:改善しました☼
────カウント開始します☼
────10、9、8、7、6、5、4──』
「はなしちゃだめよ」
「はなさないもん」
── ぐ・ぐ・ぐ ── ・・・!
『────3、2、1── ど う ぞ っ !☼』
『>>>── い け っ !! 』
「「 ── ら っ ! 」」
──── ど ぉ お お お ん ん !!!
『C1:エアロ・ブースト、開放』
『C3:全バルブシステム、正常加圧』
── ぶしゅごぉおおおおおおおおお──!!!!!
── ぷぅおおおおおおおおんんンン──!!!!!
「「ぐ……」」
『────高度:300メルトルテを突破☼』
『>>>──いーい加速だ!
>>>光量が誤魔化せる高度まで、
>>>これでいくよ!』
" オーライ。思考伝達に推移するわ "
" 仮面、二重にしてください! "
『C5:流線型アナライズ装甲、
--:対衝撃観測値、すべて予測値範囲内。
--:風速シールド、正常に機能確認!』
『C6:エンジンも、ゴ・キ・ゲ・ン・だゼ!
--:お空の旅に、ヒャウィゴー!!!』
" むーっ、少し、首が疲れるわ…… "
" ずっと上、向いとかなきゃだもんねー "
『C3:──改善します。頭部補助機構をインビジブル・フレームに追加配備。胸部・腹部のフレームを接続固定開始。内部関節の部分ロックを開始』
『C5:肋骨部・恥骨部・大腿骨のジョイントを対面固定。腕部をスラスターモードに移行中……。脚部の飛行形態への変形を開始』
" ぉ、楽になったわ。ありがと "
" ちょっと傾いてるけど、平気ですか? "
『>>>あぁ、星の自転の加速を、
>>>利用しているためだ。大丈夫だよ』
『────高度:1500メルトルテを突破☼』
『C1:フレア・ブースターデバイス、
--:切替準備、完了』
『C3:10秒後に燃料を切り替えます。
--:脚部装甲の再コーディングを確認中……』
『C5:アナライズ・コーティング、
--:28層まで展開。
--:内部構造より継続的に生産中』
『C6:アツアツ、ティーカップも、
--:オール・オーケイ・SA!
--:ハートはCOOL?
--:紅茶はホット!
--:準備オール・ライト!! イェア♪』
『>>>こら、ネコロク!』
" ふんっ、どっかのチャラ男みたいな、
にゃんこ がいるわね "
" そろそろですよね。
やっちゃってください "
『────了解しました☼
────バーニア:点火します☼
────衝撃に:備えてください☼』
"" ん ""
── ぼぼぼっ、ぼぼぼっ──、
── ど っ !!!
──ごおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
──ぐぉおおおおおおおおんんんんんんん!!!
"" ……、…… ""
『────高度:2000メルトルテを突破☼』
『>>>さぁて、はじまったぞ……。
>>>ミャーツ、ニャーナ!
>>>コンディション報告!』
『C2:── 』
『C7:── 』
『C2:内気圧環境:良好──』
『C7:血液循環値:良好──』
『C2:オーバーヒートライン:+2.5──』
『C7:オーバークールライン:-2.5──』
『C2:メンタルバランス:問題、無し』
『C7:ストレスチェック:問題、無し』
『『C2+C7:観測を続行します』』
──ごぉおおおおおおおおおおおおお!!!
" ……そ、その二人……。なんか、
いつもと雰囲気ちがうけど、大丈夫? "
" 声、感情が……しんでますよね "
『>>>君たちの体調管理・専属なんだよ。今回の、ミャーツとニャーナはさ。擬似同期してもらって、君たちの同期融合をトレースしてる。それより気分は? 高さとか怖くない?』
" いや、ずっと上、向いとるっちゅーねん "
" 首が固定されて、下は見えませんー "
『────高度:3000を通過☼
────呼吸器補助系を:第二段階へ移行☼』
〘++++++フェイスガードを・密閉式にしたわ。
++++++頭痛や耳鳴りが起きたら・
++++++すぐに言うのよ〙
" 今んトコ、大丈夫。ありがとう "
" この透明のやつ、ちょっと曇るな "
〘------いま;雲だからのんよ☆〙
" あっ! "
『C1:サブモニター、進行方向の視覚野を、
--:レイヤー表示へと移行』
『C3:ドン。オク様。
--:しつこいようですが、
--:酔いや嘔吐感はありませんか?』
" う、うん、大丈夫……! "
" 雲って、こんななんだねーっ "
『────高度:6500を通過☼』
『>>>やべ、予定より少し遅れたか!?』
〘++++++誤差レベルよ。頭かたいわ〙
『>>>やー。一言、多くないかぃ?』
『────ケンカは非推奨ですよ☼』
" わぁ、すごっ…… "
" モヤモヤだーっ "
──ごぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
『>>>ふぅ……よし。そろそろだ……覚悟はいいかぃ?』
" やっちって "
" ドンとこい "
『────レディ☼
────ソルギア・ブースター:
────ルナチェイン・ブースター:
────接続完了☼』
『>>>いくぞ……、──急加速……、
>>>開始ッッ──とッ──!!』
── ボ っ !!!
──── ば あ あ あ !!!!!
── ォォぉぉぉおおおおおおおおあああ!!!!!
──キィぃぃぃぃイインンンンンンン!!!!!
──ギィィィィいいいんんンンンんん!!!!!
──ぷしゅぅううういいいい──!!!!!
──きゅぷぅうおおおおおあああ──!!!!!
ガタガタガタガタガタガタガタガタタ!!!!!
"" ──……、…… ""
『>>>大丈夫か?』
" だ、だいじょうぶだけど……。
ヤカンの王様みたいな音するわよ? "
" めっちゃ揺れますねー "
『>>>うーん、スピードが、
>>>スピードだからねぇー……』
『────高度:10000メルトルテを通過☼』
" ……! なにも、ない、青──…… "
" そらの、いろだけ──……! "
『C4:雲の高さを超えたんにゃー。
--:ひとつ、しつもんにゃー。
--:にゃーんで、シーニャだけ、
--:オペレーターシートが個室なんにゃー?』
『C1:(いゃ、服を着ろ……)』
『C5:(いゃ、服を着ろ……)』
『C6:(いゃ、FUKUをKIRO……YO!)』
『C3:(もぅ……ペンキぶっかけてもいいみゃ……?)』
" うぉ……これ、けっこう速いんだよね!? "
" 自分たちの速さが、よく分からないねー "
『────ミャーツ:ニャーナ☼
────状態の報告を☼』
『C2:──』
『C7:──』
『>>>……?
>>>ミャーツ? ニャーナ!
>>>どうした!』
『C2:脈拍、呼吸数、問題なし』
『C7:通信、流路系、問題なし』
『C2:異常箇所:ありません』
『C7:破損箇所:ありません』
『C2:オーバーヒートライン、+7.5』
『C7:オーバークールライン、-7.5』
『『C2+C7:全て、正常値で更新されます』』
『────りょ……:了解しました☼』
『>>>……ずいぶん、キマッてんなぁ……』
──ごぉぉぉっッ、おおおおおおおおお!!!!!
" わぁ。ちょっと、怖くなってきたわね "
" した、見てみたいねー! "
『────高度:35000を通過☼
────順調ですね☼
────下方カメラの映像を:
────視覚野へと:まわします☼
────お待ちください☼』
──きゅういいいいいん。
────ヴォん……!
" ……! ……、……きれぃ……! "
" たかいねー! あおーぃ! "
『>>>……つーか、やってる事、
>>>マジで、人間大砲だよな……』
『────こらっ:カネト!☼
────あなたが軽口:
────叩かないでくださいっ☼』
『>>>むっ! ご、ごめんっ!』
〘++++++ほんとに……新婚さんっぽいわね……〙
──ドダドタダダタタっっ。
『──ちょ、ちょっとーッ!?❖
──なーんで、
──起こしてくれなかったのよーっ!?❖』
〘++++++あ。お子ちゃまが起きてきた〙
『──むきーっ!!❖』
──ごぉおおおおおっ、おおおおお!!!!!