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あっさり挿し絵回です!

※サキ姐さんの挿し絵を追加。

※のんだくれローザの挿し絵を追加。

※キューちゃんの挿し絵を追加。




挿絵(By みてみん)


鬼姫:【 ふぅ──…… 】



 こっちでのキセルは、いやに長続きしやがる。

 "ぐらす"の並ぶ飴色の木長台の上に、

 寄りかこうて、煙さ吐く。



鬼姫:【 ──ふぅ──……段落、いたしよったな 】



 この地には、俺っちより俄然ひどい、

 妖怪どもが溢れておる。

 俺っちの生まれ世に、あのような化け蟹が出たら、

 どいつもこいつも、

 為す術も無く、踏み潰されたに違いあらはん。



鬼姫:【 安嬢が居らねば……異なる世の(もののふ)共は、どうするつもりやったんやかの。ふぅ──…… 】



 箱庭の酒所にて、連なる酒の瓶に。

 俺っちの金の爪と、吐く煙が写った。



鬼姫:【 ……──で? お前はんは、何をコソコソ忍びこんどるんじゃ? 】


月神:〘------ギクッ──☪︎.*・゜〙




 酒所の、客台の下じゃ。

 白う羽根、頭から生やした神はんが、

 足音殺して、忍び込みやがる。




鬼姫:【 そんのような、まっ白な忍びはおらんえ 】


月神:〘------ゃ;やぁ、ママさんっ☆

    ------いつものボトル;お願いするのん!☆〙


鬼姫:【 だぁれが、ママさんやいなぁ。……ったく 】




 酒飲みの神はんには困ったモンやが、

 此度の戦への祝い酒は、振る舞わんとやぇ。

 てきとうな酒と"ぐらす"を、

 トン、トン、と客台に置いてやった。



鬼姫:【 おごりじゃ。まぁ、やりぃや 】

月神:〘 ------ぃやっ;ここで;お金払ったこと無いのんけど……☪︎.*・゜ 〙



 神はんは、高う椅子さ、座り言う。



鬼姫:【 ──で。おんどれ、こげな所で油売っとって、ええんかぇや? 】



 "ぐらす"を布で磨きながら、問うた。 



挿絵(By みてみん)


月神:〘------ぐびっ、ぐびっ、ぐびっ──;

    ------──ぷはぁ──いっ!!☆☆☆

    ------大丈夫のんっ──☆

    ------あっちは皆で対応しとるのんなぁー☆〙



 此奴……。

 人が出払ってる間に、

 酒、たらふく飲む魂胆か。



月神:〘------今;イニィちゃんが;お話してるのんから☆〙

鬼姫:【 ほぅ? 茄子紫がか……。お手前も、挨拶かましてこんでえぇんかいゃ? 】

月神:〘------ウチは;この世界では有名に;なり過ぎたのんからなぁ……☆ あんまり騒がれたく無いのん☆ 精霊王は安売りせんのんっ-☪︎.*・゜〙

鬼姫:【 かか! 千両役者気取りやのぅ? 】

月神:〘------む──っ☆〙



 異なる世の有象無象も、精霊の長が、

 こんな飲んだくれとは思はんやろなぁ。



鬼姫:【 せめて……姫くらいの年端には、ならんかぃぃ。乳飲み子から足出たくらいの歳で、酒がぶがぶやりおってからに 】

月神:〘------ぷはぁ────っ☆

    ------ウチが小さいと;

    ------飲める;お酒は増えるのんからっ☆☆☆〙

鬼姫:【 ぃ、いじきたのぅ神さまやぁ! 】



 ──かっ。

 この神はん、酒のためなら、

 一寸法師にも成りかねん。



鬼姫:【 ほいでものぅ……ほんに、茄子紫に任せてええんけ? 】

月神:〘------なぁーんだかんだ;イニィちゃんは;

    ------善人だから;大丈夫のん☆☆

    ------ママさんも;会話ログは見てるのん?☆〙

鬼姫:【 ママさん言うな、アホたれ神さん 】

月神:〘------あっ;ほら!☆ イニィちゃん;

    ------今;聖女さんに向かって;

    {{ あなたは老衰で死ぬ事になるわ }}

    ------って言ったのんよ!?☆

    ------ねへへへへへへへっ──☪︎.*・゜〙

鬼姫:【 かっ! なーぁにを格好つけとるんじゃ、あの処女茄子はよぅー 】



 あの茄子っ娘め。

 どうやら、異なる、この地では、

 "閻魔大王"の立ち所にあるらしぃのぅ……。


 ──か!

 アレが閻魔など、片腹痛う!


 宙に流るる言の葉の川を見るに、

 我らが千年処女は、

 穏やかに受け答えるに留めるようや。


 く、く、眺める分には、

 物語のそれにて、面白き。


 む、あの寸胴のまじない女は、

 随分と茄子を恐れておるようじゃ。


 聖女とは……巫女のようなものやぇ?

 閻魔と巫女とは、

 本来なら、相容れんであろぅな。



鬼姫:【 難儀なことじゃ。あのような幼な子でも、大義の名に駆り出されるか 】

月神:〘------……☪︎.*・゜〙

鬼姫:【 おい、神はん。安嬢と舞砂は……ほんに大丈夫なんかぇ? 少し……お寝坊が過ぎとるやぅやが…… 】

月神:〘------安心して欲しいのん-☪︎.*・゜

    ------身体は完全な形に戻ってるのん!☆

    ------ただ……☆〙

鬼姫:【 ただ? 】

月神:〘------;一度;自分たちの身体を;

    ------遠隔操作する形で作動した時の;

    ------魂魄剥離現象の浸透化に;

    ------時間;食ってるのんな……☪︎.*・゜〙

鬼姫:【 ……。鬼の頭にもわかるように、お言ぃな 】

月神:〘------あと;丸一日くらいしたら;

    ------起きるのんっ!☆〙

鬼姫:【 ふぅ……なら、よろしおす。はぁぁ……まいど、心配をかけやがって…… 】



 客台に項垂れ、もたれ落ち。

 大きな、ため息さ吐く。



鬼姫:【 ……あの身に何かありゃあ、でれくと、そうらに、顔向けが出来んでのぅ 】

月神:〘------;……そうのんね-☪︎.*・゜

    ------ママさんも;一杯やるのん?☆〙

鬼姫:【 ママさん、やめぃ…… 】



 この酒所は、

 飲んだ酒が、端から知らん間に満たされよる。

 まったく……けったいな場所じゃ。

 夢所のような火色の光の中、

 俺っちは、"ぐらす"に黄金の酒をついだ。



月神:〘------あ;ウチも☆

    ------次☆ 梅酒のロックで☆〙

鬼姫:【 今の空けてから、ほざけぇ、バカたれぇー 】



 甘い香りが、口の中に広がりて。

 ああ、死すらも超えて、

 俺っちは何を成さんか、と。

 天に、問いとうなる、そんな気分じゃ。


 まぁ……今は、ひと時の祝いを、

 酒にあてたる──。




鬼姫:【 現世と 浮世の狭間に 我が身咲き

     あるぞと知らぬ 梅花の酒── 】




        ── カ ラ ン 。




月神:〘------うぇーい☆

    ------ママさんも十分;

    ------酔うとるのんなぁ──っ-☪︎.*・゜〙

鬼姫:【  お だ ま り ぃ ぃ い ///  】




 ──チリンチリン。


 新規のお客さんが、店ん入口で、

 神妙な、顔をしとる。

 かか!

 "妙な神"とは、それこそよ──。




挿絵(By みてみん)


旧水:〘++++++ウソでしょ……。ここ・BARもあるの……。信じられない……何なの、ココぉ……〙


月神:〘------おーぅ! 来たなーっ♪☆☆☆

    ------えへへーっ;こっちさ;こーい──☆〙

鬼姫:【 馴染みやったかぇ? 】

月神:〘------うんっ;

    ------人生最後の;酒飲み友達ぃぃー☆〙


旧水:〘++++++はぁ……バチが当たりそうな場所ね……〙


鬼姫:【 ──か。あんたが与えんと、当たらんのちゃうかぇ? 】


旧水:〘++++++はぁ、残念な事にね……今は神さまじゃないのよ?〙


鬼姫:【 かか、なら厄落としやぇ。ホレ、お座りんさぃ 】


旧水:〘++++++……。お金は、ありませんからね〙


月神:〘------いやーっ;

    ------またキューちゃんと;

    ------飲めるとは──っ-☪︎.*・゜〙


旧水:〘++++++あなたねぇええ……!

    ++++++その喋り方と見た目・

    ++++++すぐ止めないと、引っぱたくわよ!〙


月神:〘-----えへへ──っ☆.*・゜〙



鬼姫:【 死するもや、友と仲間は、腐れ縁、と── 】





 ──トポ、とポポ、とくとくとく──、



 ──コトン。






 "ぐらす"は、みっつの祝い酒かな。





挿絵(By みてみん)







さいごのは、かばが学生の時のやつです(^_^;)

今回は挿し絵みっつ見るだけで

だいたい話わかりますね!(笑)

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― 新着の感想 ―
ママさん!イチゴミルクをロックで!✨お代はかばさんにツケといてくれぃ!!www( ゜∀゜)ノシ
[一言] 読み返していて「現世と 浮世の狭間に 我が身咲き あるぞと知らぬ 梅花の酒」「うつしよと うきよのはざまに わがみさき あるぞとしらぬ ばいかのしゅ」 さらっと短歌を口にするところ、風流です…
[一言] あれぇ? イニィさん出番はあれだけなん?
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