キレとおやすみ。
さいきん思ったんだ。
これって、もしかして……、
超大作、なんじゃね……?((((;゜Д゜))))ゾッ
「リビ様! 皆さま! お帰りなさいですのっ!」
「ですのぉぉおおおおおおおおおおおおーっ!?」
玉兎:『『 に ょ き っ と な ♪ 』』
でっかいラビットは、
ちっこい双子のメイドさんに挨拶した!
聖女:「ミルル! チルル! " 寝落ちの部屋 "を使います! モナリーだけ入室を許します! 最低限の食事を運び入れて!」
姉乳:「──" ねおちのへや "、ですって──?」
教会の敷地に滑り込んだ一同が、
真っ先に考えたのは、
ふたりの郵送配達職を、
休ませることである。
聖なる領域に駆け込む、
巨大ウサギを追走しながら、
聖女は、自分の聖域の話をする。
聖女:「私の……部屋の近くに、余分なベッドとソファが大量に置いてある部屋がありますの! 窓際の間取りの割には日当たりが悪くて……でも、掃除は行き届いております! あそこは人が来ませんし……今は、幸いするでしょう──」
花狼:『『 カンクルロン! 』』
姉乳:「──ふぅん? ナルホド、" 義賊と狂銀 " を匿うには良さそうなトコロね」
熊神:「はんっ! ちと、部屋の名前の由来が気になるがなァー!」
聖女:「ぃ、いいから着いてきなさいませ──っ!」
巨大な花狼に跨ったまま、
教会に押し入り、
神聖な通路を爆走しながら、
平然としている聖女に、
少なからず、至高たちは好感を持つ。
実に柔軟、かつ、豪快な聖女だ。
この街のギルマスは、
ただの大人しい子供ではない……!
──が。
──── ば ぼ ん っ っ !!
玉兎:「にょおやっ!?」
花狼:「くゆっくゆー!」
聖女:「ちょ!? ちょっとおおおおおおおお──っ!!」
幼女:「ひぃえええええええええ────っ!?」
二人の乙女が乗る花狼が、
玉兎と共に、いきなり縮んでしまった!
熊神:「──おっとぅおォ!!」
獣王:「ガオオオオッッッ──!!」
くまが聖女を助け、
百獣の王は審議官を助く。
ナイスキャッチである!
聖女:「な、なんですのぉおお〜〜!?」
熊神:「はっ、間一髪だったなァ!」
幼官:「ぁ、ありがと、ゴウガさん……っ」
獣王:「ガァオ・キャッ、チぃいい・・・ッッ!!!」
玉兎:「にょんにょんやぁ〜〜……」
花狼:「くゆっくゆー」
萌殺:「ま、マジかコイツら、チヂミやがったぞ!?」
銃侍:「からっから♪ これは凄いでござるな、自分の意思で大きくなれるという事でござろう」
白童:「はははーっ!!! これは何処にでも持ち運びできますねーっ!!!」
聖女:「──あれっ!? それより、ビッグうさ丸が持ってた、お姉様たちは……ッッ!?」
姉乳:「──やれやれ、安心なさい」
妹乳:「──ふぅ、受け止めていますよ!」
急に小さくなったウサギさんから、
投げ出された金と銀の少女を。
姉妹剣士は、颯爽と受け止めていた!
妹乳:「と……っと、軽いッ!! アンティは、こんな体重で、あんな強烈な威力の攻撃を打つのですか……ッッ!」
姉乳:「よいしょっ! はぁー、私、生まれ変わったら、この子たちみたいなストレートヘアーになりたいわぁー」
猫七:『C7:にゃいす・キャッチにゃ!』
金娘:「ふっすぴかぁ……」
銀娘:「むにゃむにゃ……」
姉乳:「──ヘイっ、ニャーナ。この子たち、健康的には大丈夫なんでしょーね」
妹乳:「……!!」
猫七:『C7:ニャー……。アンタ、気軽に呼んでくれますにゃー。まっ、大丈夫だと思うにゃ! バイタルは、完全に安定域にガッツリ収まってるにゃ。一応……ベッドに寝かせた後、クニャウンズ全員で診察してみるにゃ!』
姉乳:「ぁ? あんた達、そんな事もできんの。便利猫ブラザーズねぇー!」
猫七:『C7:ニ"ャーッッ!! ワタシはメスニャコ個体だに"ゃーッッ!! クニャウンズだっツってるンに"ゃーっっ!!』
熊神:「は……、オィ見ろよ。教会内部の地図が、どんどん、こっちのマップに反映してやがるぜ。隠し通路までバッチリ、トレースされてらァ。こりゃア……義賊サマが重宝するワケだぜ」
妹乳:「一度、忍び込んだら、構造を丸裸にできるスキル……。こんな物が流通したら、暗殺し放題ですわ……」
通った場所を、
自動的にマッピングする機能に驚きながらも、
彼らは目的の場所へと、たどり着く。
聖女が皆に案内した部屋は、
夏の朝だというのに、青く、薄暗く、
しかし風通しは良い。
氷の魔石は、かなり良い物を使っているようである。
夏の徹夜明けに休むには、
持ってこいの場所であった。
聖女:「あ……この部屋、光の魔石は切れているんです……。いつもは小さなランプを持ってきていて……」
熊神:「おォ!? こんな部屋で、ギルマス聖女サンは、いつも何してんだよォ!?」
聖女:「な……っ! 別にっ、なんでもいいでしょーっ!?」
猫七:『C7:うぃーっ、流石にチョット暗いにゃ! あの窓際の、変なカタチしたベッドの上に、ドンとオクさまを置いてほしいにゃ!』
聖女:「変なベッド……!? バッ、、、アレはマドレーヌ・ベッドといって、とあるお菓子のカタチをした、とても可愛らしい、趣のあるベッドで──…… 」
姉乳:「いーから借りるわよ? ヒキハ!」
妹乳:「──はいっ!」
窓際にある、
大きなクッションのようなベッドに、
姉妹の剣士は、金と銀の娘を、
そっ・・・と、横たわらせる。
カーテンは薄地の美しいものが、
何重にもなっており、
夏の朝の始まりを、穏やかに抑えている。
姉乳:「頼むわ、ネコドクター」
猫七:『C7:待ちいにゃ。ニャッチ!』
猫一:『C1:やー。呼んだかにゃ?』
──きゅぅぅういいんんん・・・!
一番目の猫も、とうとう姿を現し、
七匹の猫は、寝そべる金と銀の少女に群がる。
輪のようになって浮く兄妹は、
まるでネコ会議である。
猫一:『C1:念の為に、投影式アナライズ・スキャンもするにゃ。今は大丈夫そうだけど、ついさっきの"無茶な接続"を見たからには、やり過ぎってことは無いにゃ』
全ての猫は、長男の意見に同意する。
猫一:『C1:CTも、やっとくかにゃ……ミャーツ、造影加工を』
猫二:『C2:了解みゃ。アナライズ・スキャン開始』
猫三:『C3:ホロ人体マッピング分析。投影、バッチリOKにゃ』
猫亖:『C4:ドンたちの上方に引き上げるにゃー』
眠る主人公たちから、
ゴーストのようなものが出、
上部に引っ張り出されるようである。
至高たちは、幽体離脱でもしたのかと、
実は、かなり驚いたのだが、
様子を見、どういう事をしているのかを理解する。
銃侍:「……"人体の地図"、であるか……!」
白童:「……上に引き出して、ナカを見ているんですね」
萌殺:「マジ・トンデモねーな……。地図の使い方じゃねぇぜ」
クニャウンズは健康診断を続けている。
猫五:『C5:関節摩耗、骨密度A以下判定、骨折部、全て無し。よいと思うにゃ』
猫六:『C6:OH─YEAH!! マッスゥの損傷箇所が、全て完治しているZEYY……!! この裂傷記録、ホントにTADAしいのか・YO!』
猫七:『C7:内臓系の破裂も全て元通りにゃ……!! おっけー……オッケーにゃ。流路チェック開始! ホロ、反転──……っ!!』
内臓と骨格を透過して映していたゴーストが、
光の根っこが張り巡らされた、
何とも面妖な人体ホログラムに切り替わる。
理解は、はやい。
萌殺:「流路の、地図……マジかァ」
白童:「……高密度すぎる。なんだコレは、なぜ魔力がない」
熊神:「おいゴラ、素でしゃべってんじゃねぇゼ、坊っちゃん」
銃侍:「なんと摩訶不思議たる光景か」
獣王:「ガオォー……!!」
妹乳:「こんなに……こんな」
姉乳:「素人目で見ても、凄いと思うわね。多すぎるし、何より綺麗すぎるわ。曲がりくねっている場所がない。光の雨が体の中にあるみたい」
聖女:「……、……。」
幼官:「せ、聖女さま……手、いたいよ……」
猫七:『C7:#-7399─#-7211、正常値!』
猫六:『C6:#-7210─#-6995、休止中ぅ!』
猫五:『C5:#-6994─#-5789、正常値にゃ!』
猫亖:『C4:#-5788─#-3527も、ぜんぜん問題ないにゃー。ポチポチ』
猫三:『C3:#-3526─#-2177の流路係数調査はカット#-2176─#-1022の区間も問題ありませんみゃ!』
猫二:『C2:#-2176─#-0001区間も問題なし』
猫ー:『C1:──流路係数測定完了。ホログラムを観測位置へ──』
光の幽霊は、二体とも、
すやすやと眠る主人公たちに降下し、
ピッタリと重なっていく。
猫七:『C7:ケンコーシンダンは終了したにゃ。安心するにゃ! 疲労はしてるけど、今は内部欠損は無いにゃ! すごく健康だにゃ!』
聖女の疑問が、ここで小爆発を起こす。
聖女:「ちょ、ちょっと待って……!? "今は"、って事は、さっきの戦闘中は違うって事よね!? 内部って、なに……あとさっき、接続がどうのこうのーって言っていたけど、それって空で飛びながら装備していた、あのデッカイ武装のことよね!? その……ッ、無茶な接続って何……!? あれって、ヨロイの外に付いていたのではないのですかっ……!?」
幼官:「せ、聖女さま……!」
猫七:『C7:にゃー……落ち着くにゃ。バトってる時はアレだったにゃけど、今は問題ないって言ってるにゃ?』
聖女:「質問の答えになってないじゃない!! まさか……人体に直接、打ち込んでいたとかじゃないわよねッッ……!?」
妹乳:「……ッッ!?」
姉乳:「ちょっと、今は止めなさいよ」
猫七:『C7:にゃー……、知らない方がいいにゃ。インビジブル・フレームの構造は、あなた達の人知を超越した概念領域にゃ』
聖女:「何よソレ……! だ、だいたい、あなた達自身は、なんなんですか!! しゃべるネコって……お姉様方のスキルの一部なんですの!? ぁ、ぁ、あなたが一匹いるだけで……何か、とても大切な世の中のバランスが崩れそうな気がするし、それにウサギは巨大化するし、おっそろしい魔王の杖は銃弾を放つし光線は撃つし攻撃力はおかしいしそれに」
妹乳:「──ちょっ!! さっきのは聞き捨てなりませんわッッ!? アンティたちは……自作した武装を、体の内部に直接固定しているのですか!? そッ、そんな事を日常的にしている!? それは人道に反することなのでは!?」
熊神:「おいっ……おい、ヒキハ! やめとけって!」
姉乳:「ああクソ……こうなると、ややこしいわよぉ……」
猫七:『C7:だっ、だから落ち着けっていってるにゃ。今回の治療は特殊なケースだったにゃ。回復っていうか……まるで時間が巻き戻ったような感じで全てが復元してるにゃから、だから──』
猫二:『C2:ニャーナ! そこまで言う必要はないみゃ!』
聖女:「ドニオスは、なんてものを保有しているのよ……」
妹乳:「そんな、残酷なことを、よくもそんな──」
猫七:『C7:────い い か げ ん に し ろ に ゃ よ 』
──ギャ・・、
──ピカァァァアアア────・・・!!!
薄暗く青い部屋が、
突如、黄金に爆発したように光り、
全員は、ビクリとした。
壁や、ベッドや、家具。
全て、黄金に輝いている。
至高の何人かは、これが、
光の地図と同じ材質だと気づいた。
熊神:「そうか、そもそも……"地図"なんかじゃ、ねぇんだ……」
姉乳:「これは、もっとヤバい、自由自在な媒体だ……」
光る部屋の中央に、
パーカーとミニスカートを着た、
ネコ耳の女の子が立っている。
皆は、アンティと、
雰囲気がクリソツの女の子に目を奪われた。
黄金の少女が仮面を取り、
前髪とネコ耳を付けて、目を真っ赤にしたら
このような獣人の少女になるのではないか──。
猫七:『C7:さっきから聞いてたら、好き勝手……言いやがって──』
妹乳:「ぁ、あなっ!」
聖女:「ひとがたに、なった……!!」
七番目の猫の少女は、
聖女と、おっぱい2号を睨みつける……!
それは、ドンには、まだ及ばないものの、
中々、ドスの入ったメンチ切りである……!!
猫七:『C7:ッ、──ワタシらのヤリ方に、いちいち文句つけてんじゃにゃーわ。この二人が無理したのは、テメーらが勝手に経験値つかったからだろが』
幼官:「……っ」
妹乳:「ぅ……」
聖女:「で、でも、あなた……」
猫七:『C7:ウチのクルクルパパが、ブチ切れてた理由が、まさにテメーらの言ったソレだってこった。やっと、わかったろ?』
聖女:「……」
妹乳:「……、……」
黄金に発光する部屋で、
猫の少女の隣に、
猫の青年が姿を現す。
パーカーのポケットに、
手を突っ込んでいる少女の肩に、
彼は、ポン、と手を置いた。
猫二:『C2:──キレ過ぎだ』
猫七:『C7:──なに、庇うのか』
猫二:『C2:──ま、カチンとは来たケドね?』
猫七:『C7:──……ふんっ!』
萌殺:「みんな……マジ人型になれンのか……」
猫七:『C7:解せんにゃ。なんで、クルパパはキレずに黙ってる?』
猫二:『C2:箱庭クルーを、一斉に休止状態にしたそうみゃ。いい判断だと思う』
猫七:『C7:にゃ……。ドンたちに負担をかけないためか……。……道理で、イニィちゃんも喋らないワケにゃ──』
──ポン、ポテン、ポテンと。
マジカ・ルモエキラーの持つ十字の杖から、
黒い塊が落ち、床に跳ねる。
萌殺:「──!」
黒鰐:『 がるるるるぅぅ……Zzz がるっ……、……Zzz 』
ぷにぷにがるんが、
仰向けで、イビキをかいている!
部屋の黄金の輝きは収まり、
ゴールドから、青く薄暗い部屋に戻っていく。
至高と聖女たちの目の前にいる猫の男女。
その目は、赤く、怒りに燃えているように見えた。
聖女:「……、……ドニオスでは、あなた方のような存在が、暗躍しているんですの……?」
ニャーナは、遠慮なく殺す気で睨みつけるが、
同時に、この聖女は怒りを買う覚悟で、
何か情報を引き出そうとしている事も、
察している。
猫七:『C7:……チッ……。ヒゲイド・ザッパーが、ドンたちの事を秘匿しているのは……"こんなコト"の頻度を、下げるためだ!』
聖女:「──!!」
猫の青年も、前に出る。
猫二:『C2:あの人は……信用に値する。ガタガタ言うと、ボクもキレるぞ?』
聖女:「……ッッ、……」
込み上げる恐怖は、
"七"より、"二"の方が強い気がした。
聖女:「……、……謝罪します。取り乱しました」
猫二&猫七:『『C2+7:── ごめんなさいは ? 』』
聖女:「……!?」
あまりにもハモったので、
聖女は、少し戸惑う。
だが、猫の男女は、
殺しそうな視線で見つめている。
聖女:「ご、ごめんなさい……」
猫七:『C7:……はっ! ワタシらは、パパを止める気はサラサラ無いにゃ! 起きた時、ワタシらくらいで済めばいーにゃー?』
幼官:「ぅ、」
部屋は、完全に青く薄暗く戻り、
猫二人は、バボんと、元のチビネコ型になる。
猫三:『C3:ひぃえぇぇ……キレたニャーナ、ドンにソックリだったみゃ……!』
猫五:『C5:意外にゃ……! ミャーツも、あのような怒り方をするんだにゃ……!?』
猫亖:『C4:みゃつにぃ、キレたらパパ上、ソックリにゃー』
猫六:『C6:YAA──HA──! ベリーアングリー……!!』
猫ー:『C1:ふふ……息、ピッタリだにゃあ?』
猫二:『C2:……! ぃや……///』
猫七:『C7:……ふんっ! ソンなことにゃいにゃッ……///』
幼官:「……、……」
聖女:「……! エコープル、あなた……?」
妹乳:「……これだけ、教えてください。アンティとマイスナさんとは、寝て、起きたら……会話できますわね?」
猫七:『C7:……にゃ。オーバーヒートと、オーバークールには、接続睡眠がイチバン有効にゃ。ホレ──』
シュルシュルと、
金と銀の髪が、接続されている。
猫七:『C7:ツッコミは無しにゃ。ワタシも疲れとんにゃ』
妹乳:「……、わかり、ました。勝手を言って申し訳ありませんでした」
姉乳:「ひと息、つけそう?」
後ろを見ると、オシハ・シナインズは、
放置されたソファのひとつに座っている。
姉乳:「話、長いから、ほらぁ──」
獣王:「ガグォオオオォ……Zzz」
獣の王が、あぐらでブチ寝ている。
姉乳:「起きたら聞くわ。それでいいわよね、ニャーナ?」
猫七:『C7:……勝手にするにゃ。流石にもう、ぜんぶ隠せるとは思ってないにゃ』
姉乳:「にひひ。あと、いっこだけ指摘させてほしいんだけど?」
猫七:『C7:何にゃ! また怒らせたいのかにゃ!?』
姉乳:「──その子たちのヨロイ、脱げ始めてるけど」
猫モードのクニャウンズ全員は、
──ハ!! と振り向いた。
金娘:「うむにゃにゃ……ぁッっぃ……」
銀娘:「ふにふに……ふにふにはどこぉ……」
玉兎:「……にょきっと!」
花狼:「くゆぅぅ」
──ガチャ! キン! カチ!
──ギギギギギンッ! と。
煌めく一対のヨロイは解除され。
内部のインナーマッスルパーツが、
波打ちながら、柔肌を晒していく!
猫七:『C7:ニ"ャーッ!? 脱ぎグセがぁああああああああああっっっ!!!!!!??』
猫二:『C2:いっ、急いでシーツを掛けるみゃあああああああああっっっ!!!!!!??』
猫のチームワークは、素晴らしい。
今日は、はいていなかった……。
萌殺:「あの……なんか、マジキモイ内部構造だったんだケド……」
銃侍:「チラッ☆」
萌殺:「──テメェーえろザムライ・マジブチころすぞ後ろ向いとけぇええええええええ!!!!???」
聖女:「……寝る前に、お風呂に入りますか?」
幼官:「……! えと……いま、お風呂に入ったら、眠、って……溺れちゃいそうです……」
聖女:「っ! そうね……その通りかも」
猫七:『C7:はァ……はァ……危なかったにゃ……!!』
猫二:『C2:間一髪、だったみゃああ……っ!!』
巨大なシーツの中では、
何やらモゾモゾ、動いている。
熊神:「おい、聖女サマよぉ。おれもそろそろ寝たいんだけどよ、このソファ使わせてくれっか? 後で弁償すっからよォー」
ドロンドロンの毛むくじゃらの熊さんが使えば、
えらいことになるのは明白である。
聖女:「……ここでダメと言うほど、野暮ではありませんわ? 隣のライオンさんに、ならってみては?」
熊神:「──は。アンタ、けっこう良い奴だな」
聖女:「おだまり」
猫七:『C7:ちぇっ。体を綺麗にする魔法、かけてやるにゃ。風呂はガマンして、さっさと寝ろにゃ』
小さな歯車が10ほど部屋を巡回すると、
何故か全員の体の汚れが、
ほとんど無くなっていく。
萌殺:「いや、マジ魔法じゃねぇだろ……魔力かんじねぇし……」
白童:「ははは、もう、ビックリするの疲れましたねー???」
萌殺:「──ほんそれ。いい。もうウチ、マジ寝する」
銃侍:「ふぁああァ……さすがに限界にござる」
それぞれ、空いているベッドやソファに、
倒れ込む面々。
華々しい活躍をした戦士たちも、
眠る時は、泥のように眠るのだ────。
猫ー:『C1:撤収するにゃよー。明日は明日の風の魔素』
猫亖:『C4:にゃにゃー。ニャンそれー』
長男の一声で、
黄金の歯車の輪の中に、
次々と猫が入っていく。
最後はニャーナであった。
猫七:『C7:ほにゃ、さいなら』
姉乳:「あ、ちょと待て」
──グニッ。
猫七:『C7: に ゃ に ッ 、
す ん ッ 、
に"ゃあ"あ"あ"あ"あ"──っ!!! 』
子猫のように、おっぱいに捕獲される七番猫。
歯車から引きずり出されている。
猫七:『C7:にゃ、にゃにすんに"ゃー!? 離せっ、首ねっこ掴むなにゃー!!!』
姉乳:「連絡役に一人くらい残りなさいな。夜営の基本よ? コレぇ」
猫七:『C7:にゃ……、にゃに言っとんや、コイツーっ!?』
猫ニャーナはジタバタしている。
とっても、ジタバタしている……!!
猫二:『C2:ニャーナ……!? なにしてるんみゃ! ボクの手を掴むんみゃ!』
猫七:『C7:みゃ、ミャーツ……っ!!.*・゜』
姉乳:「おっ、男もゲット」
猫二:『C2:み"ゃあ"あ"あ"──ッッ!?』
猫七:『C7:み、ミャーツぅうううううううううううぅう──ッッッ……!!!????』
こうして、皆は深い眠りに、
つくことになるのである。
何故か、ネコも二匹。
ソファで、寝ころんではいるが。
猫二:『C2:みゃむむ……Zzz』
猫七:『C7:にゃむむ……Zzz』
ぇ、いや挿し絵2000枚はいってないっしょ!
たぶん1300枚くらい……え?
た、たぶん……((((/ω\))))