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至高たちの帰還

いつも誤字修正ありがとうございます(^_^;)

ホントいつも多くてごめぬでさ……_(:3 」∠)_.*・゜







 ホールエルの街の、ほとんどの者たちが。

 皆、外にて、立ち尽くしていた。






 ──静かだ。


 こんなにも人がいるのに。

 皆、一言も(しゃべ)らず、

 じっと、南東の方角を見つめていた。 

 それは、呼び戻された冒険者たちも一緒である。


 緊張した朝の中。

 黒猫の獣人の少女が、

 実直なる男に、話しかける──。



「ノムノム爺! 居たぜっ……ロメオだ! お〜〜い、ロメオぉ!」

「む、あんな前の方に居よったか!」


「……! スリーティア、ノム爺……!」



 いつもの三人がそろい、

 共に、皆と同じ方を向く。



「にゃぉ……どう思うよぉ? 私は何だか、もう大丈夫なように思うんだけどなぁ……?」

「うむ……。轟音は聞こえなくなった。それに──"光の城"は、解除されている」



 西に(おもむ)いていた冒険者たちも、

 街からの異変に気づき、全員が帰還していた。

 彼らも、街の"本来の姿"を目撃している。



「この目で、"光の城盾"を目にする事になろうとはな──……」



 天を突くような光の城壁は、

 朝日がのぼると共に、

 皆の前で、フ、と……解除されていたのだ。



「……伝承どおりであるなら、脅威は去ったことになる」

「うむ。"光の城"は、大いなる敵意が霧散するまで、街を守り続けると聞く」

「にゃん〜〜……」



 年寄りのドワーフが、同意する。


 街の皆の表情は、不安と期待が織り混ざった、

 複雑なものであった。


 街を去る準備を夜通し進めていたが、

 光の城が、消えたという事は。


 もしかしたら!

 聖女様と、至高の者たちが──……!



「……彼らが全員、この街に滞在してくれていたのは、この事を予見していたからなのだろうか……?」

「にゃ〜〜……、私に、わかるかってぇ……」

「……。無事だとよいがのゥ」



 陽は、皆の後ろから、夏の最後を照らす。

 ──誰かが、空を指さした!



「なんだ、アレは──!?」



 静かな中、

 その声は、よく通った。

 何かが──降ってくる。


 ロメオは、目をこらす。



「あれは──……丸い(・・)……?」



 白い、丸いモノ。

 それは、あっという間に大きくなり、

 街中(まちなか)に、落下する。




 ──ひゅぅぅぅうううううう──・・・!


 ── ど ぉ お ん っっ !!!




玉兎:『『 にょきっと! 』』




 うわあああっ! と、声があがる!

 巨大な白い魔物が、外周壁を飛び込え、

 街の中に飛び込んできたのである!



「な、なんだありゃあ!?」

「うわぁ、ラビットなのか……!?」



 東の住民たちは、度肝を抜かれ、

 多くの冒険者たちは、すぐさま武器を抜く!



玉兎:『『 にょ、にょきっとなぁ〜〜…… 』』



「にゃあぁ……!?」

「なんとデカいラビットじゃあ!」

「……!! あの、ラビットは……!」



 前に()め寄る冒険者たちに緊張が走るが、

 実直なるロメオは、ウサギと皆との間に入り、

 冒険者たちを制止する。



「待て! 待つんだ! このラビットは、敵ではない!」


「──!? ど、どういう事だよ!?」

「──ロメオ!? お前、こいつを知っているのか!?」



 "実直なるロメオ"は、良くも悪くも、

 この街では有名である。


 いつもは頭の固いロメオだったが……、

 ──今は、その知名度が幸いする。


 ロメオは、巨大なウサギの前に立った。



「君は……うさ丸くんなのかぃ?」

玉兎:『『 にょきっとなぁ…… 』』



 巨大なラビットは、

 あの"二人の恩人"と共にいた、

 あの、まん丸のラビットに酷似していた。

 実直なるロメオは、冷静に判断する。



「まさか……"存在進化"しているのか?」

「ぉ、おうぃ……ロメオぉ、大丈夫にゃのかよぅー……」

「うおっほ! これまた、近くで見ると、でっかいラビットぢゃのう……!!」



 恐る恐る近づく、黒猫の少女とドワーフ。

 他の皆も、徐々にラビットに、

 敵意が無いのだと、わかりだす──。



玉兎:『『 にょきっとなぁ、にょきっとにょんにょん…… 』』



「にゃああぁ〜〜……、デッケェ〜〜……!」

「街の結界を素通りしているんだ、恐らく従獣に近いはずだ」

「──! 見ろ、ロメオよ! このラビット、両手に誰か抱えておるぞ!」



 ドワーフの指摘で、

 冒険者たちの視線が、

 巨大なラビットの赤いガントレットに集中した。



金娘:「すぅ……すぅ……」

銀娘:「くぅ……くぅ……」

 


「──!! "郵送配達職(レター・ライダー)"の二人ではないか!」



 えっ! と、冒険者たちは驚きを隠せない。

 もう皆が、

 この街に薬草を運び込んだ恩人のことを、

 噂や世間話で、聞き及んでいるのだ。



「にゃぅ、眠っていやがるぜ……?」

「やはりか! このラビットは、彼女たちの従獣なのだ」

「よもやとは思うが……この二人も、戦っていたのかのぅ?」


玉兎:『『 にょきっと、にょきっとやん…… 』』



 大きなウサギは、大きな耳を垂れ下げながら、

 どうも困っているように思える。

 周りの住人にも、その様子は十二分に伝わる。

 このウサギは……主人たちを助けたいのではないか。



「ど、どうするぅ? ロメオ……」

「うーむ、兎に角、寝床を見つけ──」



 言いかけた刹那……、


 ──ドォン!! と。


 またもや、何者かが着地する!

 集中する街の目線!

 




聖女:「バカタレウサギぃぃ……!! 先走りやがってぇぇ……!」

幼官:「せ、聖女さま、ゆるしてあげてー!」

花狼:『『 クロンクロンクロン……!

      カァ────ン?? 』』




 今度こそ冒険者と住民たちは、

 皆そろって、腰を抜かした!



「な、なんだ、あのウルフは!? いや……ウルフなのか!?」

「すげぇ神秘的なウルフだ……!! 尻尾がいっぱいあるぞ!?」

「上に誰か乗って──、せ、聖女様と……誰だ?」

「あ、あれって、"審議官"の──……!?」



 

 続いて街に降り立った、

 光の手網(たづな)()られた、

 聖なる獣の上の聖女に、

 皆は驚く!


 少なくない何人かは、

 その前に乗る幼女と、

 ウルフかどうかわからない謎の魔物について、

 ヒソヒソと話している……!

 


幼官:「むーっ」

花狼:『『 カンカン…… 』』



「……! 聖女殿、その雄大な魔物は──?」




 ロメオが話しかけようとしたと同時。

 数々の人影が、街へと帰還する──。



 ──ドンっ!!



姉乳:「ふぅ……」

妹乳:「予想以上に、集まっていますわね」



 木箱の山の上に降り立った女剣士たちに、

 誰かが声をあげる!



「つ、ツインフェルト……!?」

「な、なんだっ!? あのピッチリとしたボディスーツは──……!!」



 豊満な肉体を、姉妹おそろで強調する、

 黒と赤とをベースとした、妖艶な鎧。

 少なくない男が鼻の下を伸ばし、

 嫁に、ぶっ叩かれる事案が発生する。



「エロい……」

「なんて大きな剣なんだ……」

「けっこう疲れているように見えるぜ……?」



 姉は、二刀流。

 妹は、大剣を持っている。

 鉄をハンマーで叩き潰したかのような、

 平べったい、三連の剣だ。


 だが、姉の持つ双剣の、

 小さな方の刃でも、

 普通の冒険者なら、

 "バスタードソード"と分類されるほどの、

 巨大なものである。



「……"羊雲姉妹"って、もっとフワフワしてんのかと思ったら、とんでもねぇんだな……!」

「あれは……絶対に俺たちじゃ、勝てねぇだろうな……」



 消耗しているせいか、

 殺気のような気配が瞳から漏れる、

 姉妹の剣士たち。


 わずかながら、

 その豊満で鍛えられたボディからは、

 血の煙のような魔力のオーラが沸き立っている……!



 ──ドンっ!!

 ──ドンっ!!



銃侍:「むっ……! このような事になっておったでござるか」

白童:「ははは!!! そりゃーあの騒ぎじゃこうなりますかぁー!!!」



 続いて着地する、

 ロン毛の、イケメン侍と、

 可愛らしい、エルフの少年。



「……!! 見てっ……!? あれっ、ヒナワ様よ……!!」

「えっウソ、かっ……カッコイイぃぃいいい……っ♡」

「あれはダメでしょ、ちょっと反則だわ」

「うわぁ……ユユユくん、初めて近くで見たけど……超かわゆいィ……♡」

「見て!! あのエルフ耳、すっごい高そうな宝石が埋め込まれてる!!」

「なんか……あの二人のツーショット、私、目覚めるカモ……ポッ」



銃侍:「難儀なことよの……」

白童:「ははは!!! 皆様、お元気そうで!!!」


萌殺:「──キャーキャー、マジうるせぇったらねーや、まったく……マジコレだから若様はよぉー」



 ──フワリ、と。

 十字架の杖に(またが)り、

 降り立つ、小さな魔族の子。



「な、なんだ……!? あのロリビッチ魔族ちゃんは……!?」

「おれの性癖と、全世界が泣いた」

「やべぇ……めっっっちゃ、ときめく…….*・゜」

「あれ薄着すぎじゃね!? 大丈夫なのか!?」

「なにあの子、かわいー……! 魔族で、あんな子っているんだねぇ……!」



萌殺:「……//////、〜〜〜〜っ……///」


銃侍:「からから♪ よかったでござるな、マジカ殿♪」


萌殺:「///──!? あっ、てめ!?」




「ま、マジカ殿、だって……!?」

「マジカって……あの、コケシ女か!?」

「速報・ウワサのコケシ魔女、正体はロリえろ魔族っ娘」

「う、嘘だ……!!! ボクは、信じないぞ……ッッ!!!」

「「「「 マジかァァァァァァ!?!?!? 」」」」



萌殺:「──マジぶっ殺すぞ、テメェらああァァァァ!!!//////」



聖女:「──ええぃ、騒がしい!! 静粛に!! 静粛になさい!! もうっ、これだからプレミオムズは嫌なのよっ!」

幼官:「わぁぁ、皆、人気なんだねぇ……^^;」

聖女:「──キキ・ネーザル!! ギルド受付嬢の、キキ・ネーザルは、いないのですか!?」


「──!! は、はいっ!! ここに……!!」



 褐色メガネの受付嬢が、

 慌てて皆の前へと掻き分けて、出る。



聖女:「──皆! お静かに! 此度の件、わたくしから説明いたします!」



 良く通る13歳の乙女の声に、

 流石に、浮き足立つ声も収まった。

 ロメオが、聖女に問う。



「……聖女、リビエステラ殿よ。いったい何が起こっていたのだ?」


聖女:「……。始めに、ハッキリと申し上げておきます。脅威は去りました! もう、敵はいませんっ!!!」

花狼:『『 クルルルルルオ──ンッ……!! 』』



 とても美しいウルフの上で、

 高らかに宣言する聖女の言葉に、

 住民は互いに顔を合わせ、

 希望の光を確認する!



聖女:「此度の薬草不足の件……ヨロイガニの大量発生が原因の様です! 薬草は捕食され、バールモンキーの一団がカニ共と戦闘になっておりました!」



「……!! ヨロイガニだって?」

「イエロークラブとかか……?」



聖女:「不用意に森へ近づいた冒険者たちや商人を襲撃していたのは、東の森のバールモンキー達でしたわっ! しかし、これはヨロイガニとの戦闘に巻き込まないため、街に追い返す目的で行われていたようです!」



 さらに、冒険者たちと、

 民衆のざわめきが大きくなる。

 聖女の言葉を信じるなら、

 バールモンキーが、魔物であるにも関わらず、

 街の者を守っていた事になる。



「む……。バールモンキーの事は……ひとまず置いておくとしよう。しかし、ヨロイガニ程度で、街の伝説の魔術防壁が、発動するものなのだろうか……?」



 実直なるロメオが発言し、

 そうだそうだ、どうなのよ、と、

 同意の声が、いくつも上がる。



熊神:「──それは、コイツを見てから言うんだな」

獣王:「──ガオォオオッ!!!」



 ────ズゥウウン!!!



 大きな熊の戦士と、

 大きな獅子の王が、

 とある物を、民衆の前に投げ捨てる。



「な……!」



 それは、5メルトルテはあるかという、

 バケモノガニであった。



「なんだ、これは……!?」

「で、かすぎるだろ……!!」

「見て、あの鋭い爪……!」

「こ、こんな甲殻、刃なんて通らねぇぞ……!?」



 普段、彼らが狩っているイエロークラブ系は、

 せいぜい1〜2メルトルテ、

 大きくても、全長3メルトルテ以下である。

 それでも、多くの冒険者は苦戦する相手である。

 その常識を(くつがえ)す程の巨体が、

 そこにはあった。



熊神:「これで、小さな方だぜ。デストロイ・クラブって呼ばれる種類だ。聞いたことある奴もいんだろ……。信じるかどうかは任せっけどよ……だいたい、1000体いたんだゼ」



 冒険者たちは、その場面を想像した。

 こんな装甲の動くバケモノが、

 集団で襲ってきたならば、

 間違いなく、生きたまま喰われるだろう。



「なんということだ……」

「にゃおおぉぉ……」

「身震いするのぅ……」



聖女:「それだけではありません。何体か、ギガンティック級の存在を確認いたしました」



 何人かの冒険者は、首を捻る。

 そのような魔物のクラスは、

 聞いた事すら無いからである。



幼官:「ギガンティック級は……! 存在進化の末に頂点に辿り着いたという、とても大きくて、強い魔物です! 小さなものでも70メルトルテくらいはあります! 今回のカニさんは……100メルトルテはありました!」



「ひゃ、100メルトルテだって……!?」

「う、嘘でしょう……!?」

「待て、あの子は審議官だぞ……」

「信じられないわ……」



 先程までは、間近で見るプレミオムズに、

 少々、浮かれていた民衆と冒険者の、

 その顔に、恐怖と緊張が戻る。



「……そんなものが、数体も居たというのか……」



 ロメオですら、

 その恐ろしさの本質を、

 想像することすら難しい。



「そんなものが、迫っていたなら……街が、光の盾を発動させたのも納得ではある……」

「にゃぅおお〜〜っ!? そんで、ソイツらはどうなったんだよぅぅ〜〜……!?」


聖女:「──倒しました。完膚なきまでに」



 小さな聖女は、しかし、力強く言う。



「……。脅威は、もうないのだな?」


聖女:「誓います。我が聖なる御名において」

花狼:『『 カン! カン! カン! クルォオオオオオ────ンンン!!! 』』



 勝利の咆哮が響き、

 それは、誰からも見て、

 聖なる福音であった。


 皆は、呆気にとられたが、

 やっと、安心したような脱力と、

 喜びが、ひしひしと皆に伝染する。



「……ふぅ。聖女よ、もうひとつ。何故、"郵送配達職(レター・ライダー)"の二人が眠っている? まさか……戦っていたのだろうか。彼女たちは、戦闘に特化しているわけではないと認識していたのだが──……」


聖女:「っ……。……」

幼官:「聖女さま……」

聖女:「……。薬草不足の調査から、バールモンキーとヨロイガニの抗争の事実を調査してくれたのは、その二人です」



「──!!」



 ロメオと共に、冒険者の皆が驚く。



聖女:「彼女たちが居なければ……我々は街へと迫る脅威や、バールモンキーたちが我々を守ろうとしている事にさえ、気づきませんでした」



 聖女の、すぐ目の前に座る、

 幼い神官の真偽球は、光らない。


 そう──疑う余地など、皆無。

 全ては、"真実"なのだ。



聖女:「……"郵送配達職(レター・ライダー)"は……手紙や、荷物を届けるだけではない。情報や……希望や……、"命"を届けるのだ」



「「「「「……」」」」」




 幼い聖女は、ひとり事のようにポツリと言い、

 だが、それが皆の心には、

 良く、響いた。


 疲れ果てた至高たちも、静かに微笑み、

 ロメオは、街を守りし乙女に話しかける。



「聖女……いや、ギルドマスター殿よ。今から、我らに手伝えることはあるか?」



 その一言に、

 ロメオの周りにいる冒険者たちの顔が、

 引き締まった気がした。



聖女:「……この巨大なカニの亡骸が、森には、まだゴロゴロ転がっています! このままでは……他の魔物が食料を求め、森に集まってしまうでしょう」


「っ! では──」


聖女:「──ええ。"デストロイ・クラブの亡骸"の回収クエストを発令します! とても大変でしょうが……クラブ系の肉は美味と聞きます! それに、甲殻は非常に強力な鎧の素材となるでしょう! キキ! あなたが取り仕切りなさい!」


「は、はいっ!! かしこまりました!!!」


聖女:「──っ、森でバールモンキーに出会っても、過度な攻撃がない場合は、放置するように! それと……今回に限りですが!! 回収したヨロイガニ素材は、自分の物にしてよろしいっ!! 一部をギルドに納品し、後は食べておしまいなさいっ!! あんな大量の肉を、ギルドでは保管しきれません!」



「き、聞いたかよ!」

「カニ、食べ放題ってことか!?」

「鎧の素材、取り放題……!?」

「うっひょう!! そりゃあいいぜ……!!」



聖女:「素材取得のギルド報告の義務も……今回に限り、多少は目をつぶります!! この回収クエストには、あなた方の協力が必要不可欠です! すぐに取り掛かってくださいまし!」



 聖女の意図を()むならば、

 今回のみ、"ギルドに無報告の着服"を、

 大目に見るという事だろう。


 見つけた宝の山は、

 その場で、ほぼ自分達のものとなるのだ……!!



聖女:「ぁ……」

幼官:「──!! 聖女さま!!」



 13の乙女の身体が、

 神秘の狼の上で、グラりと傾く。

 どの無骨な冒険者たちでもわかる。

 ──次は、自分たちの番なのだ。


 ロメオが、叫ぶ!!



「──皆、聞いたな!? 我らがギルドマスターと、至高の方々に今、必要なのは休息だ!! 次は、俺たちが踏ん張る番だ!! 森の全ての素材を、腐る前に回収せねばならん!!!」


「「「「「 おおおおおおおおおおっっ!!! 」」」」」


「──さぁ、やるぞっ!!! 荷車を用意しろ!! 住民たちから借用できるか、掛け合うのだ!! バールモンキーには手を出すな!! 借りは……返さねばならんっ!!!」


「「「「「 うっしゃああああああっっ!!! 」」」」」


「よしっ……正念場だっ!! 皆っ!! かかれええええっ!!!」




 力有り余る冒険者たちが、一斉に動き出し。

 それに伴い、ギルドの職員たちや、

 街の民衆たちも、動き出す。


 聖女は、審議官に体を支えられ、

 その様子を見ていた。



幼官:「お見事でした……! みんな、聖女さまの言葉で、ひとつになった……!」

聖女:「ふ、一応は、この街のギルドマスターですからね……?」


「──リビエステラ様!」



 黒髪のメイドの声が、

 騒がしくなった街に響く。



聖女:「モナリー……!」


「おかえりなさいませ、リビエステラ様。皆様も……よくぞ、ご無事で……!」



 深々と、頭を下げる、

 清らかなる、使用人。


 頭をあげ──。



「……? 皆様、お揃いの金色の猫を……飼ってらっしゃるのですね?」



 皆の肩に乗る、クニャウンズを見て、

 少し抜けたことを言う、天然のメイド。



聖女:「ふふふ、帰ってきたわね……」

幼官:「? えへへ……」



姉乳:「ふふ……」

猫七:『C7:にゃむにゃむぅー?』



 自らの肩に乗る金色の猫と、

 何とも言えない表情で、

 見つめ合うプレミオムズ達。



聖女:「……モナリー。皆を私たちの教会で休ませます。用意をお願いしますわ」


「もちろんでございます。皆も、お帰りをお待ちしておりますよ!」






金娘&銀娘:「「すぅ……すぅ……」」


玉兎:『『 にょっきり、にょきっとな! 』』





 戦い終えた勇者たちは、

 聖なる教会へと向かうのだった。






やすめーっ!((o(。>ω<。)o))

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― 新着の感想 ―
[良い点] ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"(๑´ㅂ`๑)ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"   カニは茹でが一番!       ↑    カニパンに続き  カニを堪能するトゥージー [気になる点] ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"…
[一言] 大団円で良かった...と思ったけど、そういや東だかで盗賊姉妹に出会った時の影っぽい魔物のこと忘れてた。 もしかしてまだ終わってない?
[一言] ひとまずの休息か…… ホント色々とあった…… んで、あのにょきっと信奉者のばあちゃんの勘違い発言は何時、アンティ達じゃなくてうさマルとカンクルを指していたと訂正されるのかな……
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