フルーツ・クラッシュ
おまたんたん(●´ω`●)♪
カ" ク"
ア" オ"
ア" オ"
ア" オ"
ア" オ"
ア" オ"
ア" オ"
ッ" ッ"
ッ" ッ"
ッ" ッ"
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腹の底から震え上がるような声をあげながら、
光と熱の道を吐く一対の少女たちを見て、
至高たちは、
自分たちの表情筋が引き攣るのを実感した。
それは、"ドラゴンの一撃"とも、
"天使の槍"とも喩えられたかもしれない。
ひとつ確かなことは、
この少女たちは。
自分たちが、思っているより。
遥かに。数段飛びで。
常識という枠を、
超越しきった存在だったという事だ。
強いのだろうとは、思っていた。
だが、その予想は。
段違いのレベルで、
想像の、遥か彼方を行っていたのである。
聖女:「……、……、……」
姉乳:「……、……、……」
叫び声と閃光の道が、おさまるまで。
目を丸く開き、息を、忘れるほどの。
それほど、皆の中の概念を、
破壊し尽くすほどの、力だ。
もちろん、皆の回避は間に合った。
幻影の猫たちが、随分と前もって、
光の地図に、"消滅予測エリア"を、
反映させたからである。
銃侍:「……、……、……」
萌殺:「マジ、かァ……」
まるで神話のような。
オトギバナシのような、その双閃は、
巨大な異形の女神像の、胴と、脚を吹き飛ばす。
これで、終わらないはずがないと。
至高も、聖女たちも、思っていた。
金娘:『───、─、─、 ま だ だ ッ ッ !!!』
銀娘:『-----、--、--、 し ん で な い ッ ッ !!! 』
蟹の、胴も、脚も。
無くなったはずだ。
だが、どうだろう。
残った部分は、女神像のカタチ。
それは、ヒトガタだと考えれば、
まるっと、綺麗に残っていた。
幼官:「とまって、ない……」
妹乳:「浮い、てる……」
獣王:「ガォ……」
およそ、100メルトルテの異形の女神は、
上空を浮遊し、尚も進んできていた。
それは、民を思うような、
祈りのポーズ──。
──デッドラインは、近い。
金娘:『──うさ丸ぅぅううううううう!!! 攻撃しろぉおおおおおおおおお!!! 全力でだあぁぁぁあああ!!!』
銀娘:『----銀と雷で、、、焼 き 尽 く す ッ ッ ッ !!!』
玉兎:『『 にょ──、やぁぁぁあああああああああああ!!! 』』
恐ろしい攻撃が始まった。
常識を無視する次元の、怒涛のラッシュが。
金の少女は、追尾弾を射出し続けながら、
巨大な黄金の両手で敵を殴り続け、
銀の少女は、雷の羽根のようなものを、
吹き上がらせながら、金属槍を撃ち込む。
豪炎の鎧の兎は、轟音を響かせながら、
空気が軋むような、ラッシュを叩き込む。
──破砕音。
浮く巨大な甲殻の女神の。
祈るようなポージングの。
服の袖口に見える部位が。
やっと、ひび割れ始める。
白童:「……、……、……」
熊神:「……、……、……」
至高たちは、やっと理解する。
軽口を叩いている場合では無かった。
少なくとも、自分たちは。
彼女たちのポジティヴに、
乗っかっていられる立場などない。
金からは、炎と光が噴き乱れ、
銀は、体が凍結し始めている。
あれが、後遺症の類である事を、
誰もが、分かっている。
金神:『>>>はやく……はやく、テメェらも、攻撃してくれよ……っ! 今、この子らを助けられるのは、お前ら、だけだろうがッッ……!!』
先ほどまでブチ切れていた神の懇願で、
皆は、脇目も振らず攻撃を再開した。
雄叫びなど無い。
歯を食いしばるように、
後先の事を考えずに、
スタミナを無視して攻撃した。
それは、入魂の奥義、というよりも。
限界を超えた、作業のようであった。
旧水:〘++++++聞いて、当て込めたわ。敵の体力を表示できる! クラウン、分析して──……!〙
日神:『────:──……、分析完了。』
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姉乳:「── 、…… 」
敵のHPバーを見て。
オシハは、明確に自分の心が折れるのを感じた。
なんだ? アレは。
あの……色が濃い所が残存体力、
なのだとしたら。
まだ、四……三割?
あと、70パセルも、残っている。
頭を殴られるような感覚は、
オシハだけではない。
熊神:「間に合わねェ……」
理解した。
進行速度。今までの攻撃蓄積。
地図上の防衛ラインまでに倒すことは。
絶対に、不可能だ。
心が折れても、尚。
だが、止まる訳にはいかない。
旧水:〘++++++あきらめないで……。体力を削れば、勝機はある〙
白童:「は、は、は、は、は」
負けると分かっていて攻撃を続けるのは、
プレミオムズといえど、堪えた。
敵のHPは、
明らかに金と銀の少女たちが攻撃した時、
少しずつ、少しずつ、減っていく。
拡張された外骨格。
どう見ても、おかしな形の頭髪と砲身。
攻撃に特化させた、金と銀の、異形。
人の形を、やめてまで繰り出す未知の攻撃。
それにくらべ──自分たちは、なんだ?
渾身の威力のスキルを放っても、
1ドットも体力を減らせやしない。
彼女たちの捨て身の攻撃だけが、
怪異の体力と、至高の心に、
少しずつダメージを蓄積させる。
熊神:「ぐ、お、お、お、お、お、── 」
──心の戦いであった。
ベアマックスは、
大地より限界を超える盾を召喚し、
壁は、怪異の女神の前に立ちはだかる。
熊神:「も、もたねぇ。へし割られる──」
花狼:『『 ────クルォオオオオオオオオオオオオンンンンンン!!!!! 』』
花の狼の王が咆哮すると、
巨大な盾は結晶化し、強化され、
異形は束の間、進行を停止する。
熊神:「──ここまで、おんぶにだっこ、なのかよ……!!」
無力を噛み締めるという、
久しぶりの感覚。
失敗を、取り返せるならいい。
だが、わかっている。
背後の街。その先には──王都。
今の敗北は、やり直せないのだ──。
バキン、という、音がして。
何かと見たら、
異形の女神の袖口が、割れていた。
大きなダメージが、通ったのか?
──いや、違う。
女神は、両手を広げはじめたのだ。
萌殺:「デビジョンが、くる」
自分たちがクソだと痛感しているのに、
そのチカラが半分になってしまったら、
何ができるって、いうんだ?
それに、唯一の活路である金と銀の少女が、
チカラを半分に落としてしまったら?
二回目には、四分の一?
そして、八分の一?
考えなきゃいけない。
金と銀の少女の、チカラを、
どうやったら、守れるか。
萌殺:「ディ、ディスペルを……!」
魔王:{{ ──ちがうだろ!! 攻撃しろ!!! }}
熊神:「くそおおおおおおおおおおおおおお!!!」
黄金の義賊と、花の狂銀が、
墜落していくのが見えた。
金娘:『 か、、、はぁ…… 』
銀娘:『 ぐ、、ぅぁ、、…… 』
炎と氷に覆われた小さな身体は、
とうに、限界を超えている。
崩れるように、堕ちていく──。
妹乳:「アンティぃい……!!! マイスナアァァ……ッッ!!!」
甲殻の異形が、巨大な手をひろげ。
さも、女神のようなフリをして、
詠唱を開始する。
──もう、ラインは超えているのだ。
熊神:「とめろぉおおおおおおおおおおおおお!!!」
獣王:「ガオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
巨神の胸の中央に、
オレンジ色の、光の玉が形成される。
わかる。
アレが、弾けると、
勝機は、無くなるのだ。
まだ、敵の体力は、六割はある。
弱体化した自分たちに、希望は無くなる。
銃侍:「うおおおおおおおおおおお!!!」
萌殺:「あ"あ"あ"あ"ああああぁぁぁ!!!」
橙の、膨れ上がる魔力。
今にも破裂しそうな、誰も見た事のない魔術。
それは──禁断の果実のようで。
────もう、遅いと、直感する。
幼官:「……、……」
聖女:「……ダメなの…………?」
────そして、すべてのピースはそろう。
兄猿:「ウッキイイイイイイイイイイイイイイイイ──!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
──エックス。
エックスのメガネの、アニキ猿。
誰も、予想だにしない、援軍。
巨大な、解き放たれた、バール。
兄猿:「──キエエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!!!!!!!」
エックスのバルニキは、
大きな橙の魔術を、
殴り飛ばす。
その、かっとばされた、魔術は。
まるで大きな、
" 柿 " に、見えた──。
──ぐぉぉおおおおおおおおんんん・・・!!!
怪異の体力が、大きく変化する・・・!!
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姉乳:「大幅に……減ったわ!!」
熊神:「あのサルっ、デビジョンを……!! 敵に打ち返しやがったのかッッッ──!!?」
兄猿:「キアアアアアアアアアアアアアアアア──ッッッ!!!」
神秘の魔法の初撃を、
敵に打ち返すという荒業・・・!!!
光を反射する、エックスのメガネ・・・!!
六割の体力は、三割まで大きく減った・・・!!
ここに来て、イチバンのダメージが、
勇敢なサルの手によって、
ぶち込まれたのだ──ッッ!!!
熊神:「だが……!! まだ、三割も、ある……!!」
弱体化は、まぬがれた。
だが、次は……!?
次の詠唱までに、
残りを、削り取れるのか────……!?
そして、水の旧神は、
だれも、意味の分からない事を、
言うのである──────────。
旧水:〘++++++ ── 勝 っ た !!! 〙
バルニキやるやんけええええええええええええぇぇぇ!!!
(ง°`ロ°)งふおおおおおおおおおおお!!!