あのカニとめろ!
あぅあぅあぅ……!
実は お仕事で欠員が出てしまい
中々のふにゃふにゃお盆になりそうっす……
(´;ω;`).*・゜
今回も、ちと短めでにょきっと失礼m(_ _)m
あ、おかげ様でマンガ二巻でそうです♪
((o(。>ω<。)o))ありがたやーっ!!
"分割"魔法──"デビジョン"。
古の文献の中のみにしか、
その存在は確認されていない。
白死王ゼウガ・リレイズは、
ラグエル領域の付近で、
それを操る黒い少女と遭遇する。
王が恐れたのは、
生涯、その怪異だけであった。
全てのステータスを、半分にするという魔術。
厄介なのは、それが文献どおりであるなら、
無限に重ねがけができるという点であろう。
一度くらえば、二分の一に。
二度くらえば、四分の一に。
どのような猛者も、最後に値が1となる。
かつての白き王は、
小石を投げられても死ぬ状態になる前に、
その黒い少女から、逃げおおせたのである。
白死王は、老衰で死んでいる。
その長き生の間に、太古の王は伝え続けた。
「 ラグエル領域には、近づくな 」
千年も、前から。
その魔素すら存在しない、"無の裂け目"は、
恐れられ続けているのだ────。
姉乳:「……冗談じゃないわ」
妹乳:「悪い夢よ──」
──いま。
巨大な女神のような怪異が、
街に向かって侵攻していた。
神秘的な上半身とは似つかわしくない、
まるで、バケモノのような多脚の歩み。
大地を、穿つ──。
──ズシン・・・。
──ズシン・・・。
──ズシン・・・。
二代目義賊の言うとおりなら、
"魔法の地図"に示された、
"光のライン"を超えた時。
白死王を震え上がらせた伝説の魔法が、
自分たちに降り注ぐという。
体力も、攻撃力も、魔力も。
全ては、封じられていくだろう。
踏まれたら死ぬ。
攻撃は通らない。
魔力は枯渇する。
そうなる前に。
必ず、倒さねばならない……!
姉乳:「……IRHHIIYYYYY──!!!」
妹乳:「──AAAAAAAAAA……!!!」
──ザァァァァァアアアンンン・・・!!!
" 戦いとは、手数 "──。
マザー・レイズの教えに、
姉妹は、いつだって従ってきた。
真っ赤な斬撃は、風を伝う。
血は煙のように燃え、
赤の揺らめきを孕む剣士たちは、
蜃気楼のように、煌めいて──。
姉乳:「……ち、カモ撃ちに、タコ殴りだわ」
妹乳:「カニ、ですわよ……」
わずかな一息に、グチりたくもなる。
敵は、まったく反撃せず、
悠然と、歩いてくるのだ。
かたい。
再び血風を孕み、斬撃を飛ばす。
血は滲み、鉄の粒子は刃を成す。
それは、呪いに似ていた。
すぐ近くでは、
滝の如く銃声が、轟いている──。
銃侍:「くか……! このような……無力があるか……ッ!!」
──ズダタダダダダダダダダダダダダタ!!!
──ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!
地響きと共に迫る相手に、
ヒナワもまた、ツブテを放った。
その炎髪は、扇のように燃え輝く。
それは、必殺の連発なるや。
並の城壁ならば、即座に粉々にできるであろう、
両腕から激しく迸る、マズル・フラッシュ。
が、その銃撃もってしても、
女神は、まるで歩みを止めぬ。
ヒナワが不甲斐なさを感じる中、
金属と髪が焼ける臭いが煙と共に充満し、
だが、ヒナワが銃撃を止める事は無い。
両腕の衝撃に耐えながら。
侍は、天を見る。
要となる二つの星が、
おぼろ月に、並んでいた──。
金娘:『 辛うじて飛行はできてるけど、手足がもう使えない。箱庭の武装を私らに移植しろ。マイスナは光学を頼む、私は破砕系だ 』
日神:『────箱庭フォートレスの着氷に成功。オーダーを受諾。ご武運を。』
金神:『>>>可能だ、けど……。いや、やろう──』
──グオオオオオン……ガ・ゴン・・・!!
アンティ・クルルと、
マイスナ・オクセンの背に、
棺桶が連なったような、
巨大な金属の構造体が転送され、
鎧の外骨格に無理やり接続されていく。
ケーブル状に変質した頭髪が、
電線のように直結し、コントロールを得る。
日神:『────ミサイルユニット:
────強制接続。』
月神:〘------I have;control-☪
------Non-problem-☪︎〙
銀娘:『 わたしは顔を、アンティは脚を 』
金娘:『 ん 』
日神:『────セットアップ。ガンファイア。』
月神:〘------FUCK-YOU-MUM-☪︎〙
誘導ミサイルとビーム砲の連射を見るのは、
至高の冒険者たちといえど、
初めての事であったろう。
爆煙と光のダンスと共に、
過激な花火は爆発する。
萌殺:「マジかよ……」
彼女たちの攻撃を見て、皆は思う。
ああ、確かに。
万全の彼女たちなら。
あるいは──と。
金娘:『 ぐぎぎ、かたっぱしから転送しろ!! 』
銀娘:『 脇腹が冷たい。構わないから焼いて 』
異空間で生き残った、
未知の技術で生み出された武装たちが、
自壊しながら、
恐ろしい負荷の流路操作によって、
空中の少女たちから叩き込まれる。
金娘:『 あつい。先輩……暴走しそうな流路を切って 』
金神:『>>>……』
金娘:『 お願い…… 』
金神:『>>>……チッ』
黄野金時。
へらへらした男に見え、
彼は誰よりも情に厚い男だ。
この決断は、大いに彼を苦しめるだろう。
アンティ・クルルは、
それでも彼に頼む。
初代は、その信頼を、受け入れる。
金神:『>>>──任せな。右腕部第二関節、及び左脚部操作系を停止。#27,#42のカット、応急接続。脊髄流路補填、左聴覚のカット──視覚野#10から#20は切り離せ。ベアークラッチにて描写補助を。次の武装を検索する』
金娘:『 両足は今は捨てるわ。クラウン、フォートレスの二連エンジンを使って、私達を武器に改造して。ソルギアを通すわよ 』
銀娘:『 ルナチェインも、一回くらいなら、いけると思います。ローザ、頑張れるよね? 』
水神:〘#……。全ての処理は反転している。私は……役立たずだろうか──〙
旧水:〘++++++──違う。貴方には・貴方の仕事があるわ──〙
会話から十分に察せられる、
捨て身の上に成り立った、一斉射撃。
斬撃を放ちながらも、
ヒキハは罪の意識に苦しむ。
妹乳:「に、ニンゲンの……戦い方じゃない……ッ! 自分自身をッ……! モノのように、割り切って……!! 消費するような、やり方じゃないッッ……!?」
涙が浮かんでくる。
あれは、私の知る少女たちか。
なんだ……あの身を削って放つ神撃は。
もし、自分が余計なことをしなければ──。
──姉は、叱咤した。
姉乳:「……今やる事は、罪悪感で動きを鈍らせる事なの? あのクソでかい疫病女神に、一撃でも叩き込むことが全てだわ。あの子たちに申し訳なさそうにして、何が、あの子たちの助けになるの? 一番大切な事へ、自分の感情を無視してでも動きなさい……!!!」
妹乳:「──……!! く……」
プレミオムズである姉と。
そうではない、妹。
それは、覚悟の違いなのかもしれなかった。
熊神:「よォ……わりぃンだけどよ……。思いっきり、突っ込ませてもらうぞ……?」
大朱:< ──ドーンとやりぃ! くまさんでも、男の子なら、やらなあかん時はあるんえ! >
熊神:「はっは、……じゃあ、いくかよ」
──ガシャコォオオオオオンンン・・・!!
ベアー・フェイスは、再び鎧へと包まれ。
土煙を巻き込みながら、
巨大過ぎる杭のような脚へと、
突進する──・・・!!
熊神:「──うおおおっおおおおおおおおおおおおおおッッッ──!!!!!」
踏み潰される死と、隣合わせの、
捨て身のタックル。
盾は、わずかな時間であっても、
確かに、バケモノの歩みに抵抗した。
熊神:「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」
白童:「お付き合いしますよおおおおおお!!!」
押し戻される熊の盾を、
騒音エルフの二つの浮遊腕が支える。
巨大な女神に、光の雨が降る。
熊神:「どっか行ってろおおお、死にたがりの腹黒エルフめえええええええええええええ!!!」
白童:「──はははははははは!!! ボク達の仲じゃあないですかあああああああああ!!!」
獣王:「ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
三つの咆哮が、脅威の進行を、
わずかな時間だけでも、止める。
幼官:「いまあああああああ!!!」
玉兎:『『 にょきっとなあああああああああ!!! 』』
幼き聖女の力で、
少しだけ強化された聖樹の勇者が、
おおきなカニやろうに、殴りかかった──……!!
ヾ(๑`Д´๑)ノいったれ うさ丸ーっ!