メ・カにたま さーしーえー
今回の投稿がすっごく遅れたのは、
PS4による蒙古襲来と、夜勤が被った
からでは決してございませんことよ──?
闇殺……!(`◔ڼ◔´)+
一対の矛と盾を持つ、ふたりの乙女。
柔肌を覗かせていた装甲は、
復元されつつある。
美しく編み込まれていく肉の繊維。
絡みついていくような外甲。
それは喰われているようでもあった。
とじたヨロイの隙間は、
光で溶接されるように結合され、
彼女たちは、絵本の一対へと近づいていく──。
白童:「はは……まるで仕組みが、分からないや」
姉乳:「その鎧……生きているの?」
金と、銀。
それぞれの仮面が、
首元より、スライドする。
──ライト・エフェクト。
金属音と共に、固定されるフェイス。
少女たちの素顔は封じられ、
紋章の刻まれし対の首輪が、
彼女たちの連なりを強める。
"レター・ライダーズ"は、ここにある。
熊神:「天は二物を与えず、なんて言ったヤツぁ、何も分かっちゃいねェな……。まったく、お気の毒なこったぜ」
銃侍:「確かに、目の毒でござるなぁ♪」
森を飲み込むように浮遊する、
くるくると回る金の刃たちは舞い戻り、
アンティ・クルルの背に7の円柱を構成する。
光が放射するような形状のバック・パックは、
周囲の全てを蹂躙する駆動性を孕んでいる。
地を飲み込んでいた白銀の霧海が、
マイスナ・オクセンの元へと集束され、
織り連なり、美しいドレスへと変貌していく。
粒子の海から即座に銀の剣を錬成しうるそれは、
自ら以外の悪を消し去る、無慈悲の武装である。
彼女たちは、まだ背を向けていた。
萌殺:「……コイツら。絵本のとーりに戦ったら、マジ、世界滅びるんじゃね?」
ふたりの少女。
少し、恥ずかしそうに振り向き、
仮面越しに、ニッ、とする。
ほどなく、神の声が、
皆に聞こえる────。
日神:『────ご心配をおかけしました。
────よくも:やってくれましたね。』
妹乳:「……!」
姉乳:「……ぁは。"ディ・クリエイター"と、きたもんだ」
神々の会話は、
惜しげも無く披露される。
金神:『>>>大丈夫かぃ……? 無理を、してなぃ?』
日神:『────ふふふ。そうかもしれませんね。』
月神:〘------えー;ウチは心配してくれないのん?☆〙
旧水:〘++++++あなた……そのキャラ・大丈夫なの?〙
火神:『『 ちょっとー!! キューちゃん居ると、私の力が弱まっちゃうんだけどーっ!? 』』
水神:〘#……やれやれ。昔の受け持った学級より騒がしい〙
銀娘:「 アンティ、おなかへった 』
金娘:「 もちっとだけ、ガマンしな 』
妹乳:「、……?」
──神々しい軽口の中で。
ヒキハが見つけた、少しの違和感。
姉乳:「ん……。……──!」
妹の視線を追い、オシハも気づく。
──口だ。
彼女たちの、声が。
口の動きと……。
まったく、合っていない。
妹乳:「アン、ティ……あなた……?」
姉乳:「発声じゃ、ない……。あの子たちの声が……プレミオム・アーツから聞こえてくる……?」
肉体からではない。
金と、銀の、声。
当然──猫も、気づいている。
猫七:『C7:ドン……、オクさま……そのお身体にゃ……』
金娘:『 ニャーナ。いらんこと言うな 』
銀娘:『 だいじょぶですから 』
ここで、周囲の全員が、わかる。
聞こえた声。
彼女たちの口元が、
まったく動かなかったのだ。
しゃべる、という機能の欠落。
察し始める。
聖女:「お姉さま方……、その……?」
幼官:「ぇ、っと……?」
玉兎:『『 にょきっとなぁー…… 』』
花狼:『『 クルゥオォンーゥ…… 』』
獣王:「ガオオオォォォ……!」
熊神:「おま……えら。なんか、変だぞ。まるで──…… 」
生きている雰囲気の消失。
人間味のある動きの欠如。
まばたきが、なくなった。
だらんと、たれる手と足。
まだ、立っている、だが。
糸で吊られているような。
────それは、まるで。
姉乳:「……っ、……"操り人形"……!」
妹乳:「……」
猫七:『C7:──アッチから強制的に操作してるんにゃな? もう、ホントウは……』
金娘:『 ニャーナ、おだまり 』
銀娘:『 しゃらっぷです 』
ふたりの少女の装甲には、
まだ、光の筋が流れている。
鎧だけではない。
肌、瞳、頭髪。
開きっぱなしの目。
おかしい。
全ての流路は、
木の根のように連なっている。
ユユユが豊富な知識から、
結論を導き出し、言う──。
白童:「……"隷属系"の術式で、無理やり動いているね? お互いに " 死ぬまで動け " とでも命令したかな? 無茶なこと……するなぁ、ホント。目も、ちゃんと色が見えていないんじゃありませんか?」
姉乳:「──っ! チッ……!! そういう事ッ……!」
妹乳:「……そ」
エルフの推察で、
オシハも含め、理解する。
動いては、いけない。
本来なら、もう──。
獣王:「ガオオオォォォ……」
熊神:「……。……隷属術式は、ょ……。まぁ、置いといてよ……」
奴隷を作り出す術式は、今は禁法である。
くまは、それは咎めない。
熊神:「それよ……命、削ってねぇよな……?」
金娘:『──』
銀娘:『──』
綺麗な生き人形のような二人は、
答えなかった。
まだ、ふたりは立っている。
プレミオムズ達は、
己を咎めるような感覚を得た。
妹乳:「……勘違いなら、ごめんなさい」
金娘:『 …… 』
妹乳:「呼吸をしていないように見えるんです」
銀娘:『 …… 』
ヒキハは、言い様のない感情に浸かる。
目の前の、明らかに異常な状態の彼女たちが、
無尽蔵に動き続ける人間兵器のように、
感じ取られるからだ。
妹乳:「アン……」
金娘:『 だぁいじょぶ、だから。ま……あとで倒れるとは思うけど 』
銀娘:『 まだ、眠るわけにはいきません 』
まばたきが、ない。
くちびるが、うごかない。
ひかりつづける、からだ。
げんかい、なのだ。
妹乳:「むりを……、……しないで……。もぅ……」
金娘:『 そうも、言ってらんないでしょ 』
ヒキハだけが見落としている点があった。
盾の戦士が、質問する。
熊神:「そんなに……ヤベェのか?」
金娘:『 ──。七体、倒してくれたから、弱体化はしてるはずです 』
銀娘:『 斬撃が効かないかもしれないんです。だから、できる限り、殴ります 』
萌殺:「……マジわりぃ、ウチ、ほうきがねぇ。どうしたらいいよ?」
金娘:『 また、イニィさんをお貸しします。でも、重力弾、待ってたら負けます。全力で魔法を叩き込んでください 』
白童:「相手を……知っているんですね???」
銀娘:『 " ワープ・ゲイザー " という名前です。光と闇に耐性があります。ザコを倒した分、移動だけの時間ができます 』
銃侍:「攻撃はどのような物でござるか?」
金娘:『 一定時間、進行すると、" デビジョン "という魔法を連発してきます。こうなると……キビシイです。これをやられる前に、止めます 』
姉乳:「……どこまで、やれるかしらねぇ」
妹乳:「ぇ……? え……、……?」
────────────────────
▼▲▼▲▼ クエスト情報 ▼▲▼▲▼
残 1 / 1000
▲▼▲▼▲ ▲▼▲▼▲
────────────────────
──空間は、歪む。
グニャリと、夜空が。
わずかに、白む夜を。
押し戻して────。
妹乳:「ああ、神よ── 」
──ソレは、ゆっくりと、顕現し始めていた。
日神:『────敵:レイドボスの召喚を確認。』
金娘:『 念の為、実体化したらシゼツで一度だけ斬るわ。無駄だと確認したら、即座に分離する 』
火神:『『 きひひ……。アレは、めちゃくちゃ厄介よ…… 』』
金神:『>>>どう、厄介なんだよ……』
旧水:〘++++++体力オバケなのよ。必殺属性は全てガードされるわ〙
水神:〘#……やれやれ、夜明けで消えたりしないのかね?〙
月神:〘------あのカニさんは、血は吸わないのん……☆〙
銀娘:『 わたしは、茹でが良いと思います 』
──カニだった。
おおきな、おおきな。
ひとつ、おおきく、違うのは。
胴体が。
人のようだ。
聖女:「私に対する……皮肉かしら?」
" Fh ── De - Vh - fias --──…… "
たくさんの脚が生えた、
巨大な、聖なる女神の像。
萌殺:「マジ、パネぇ……」
銃侍:「……なかなかの美人でござるな」
日神:『────分析完了。
──対象レイドボス名:
──【 虚空を仰ぎ見る者 】。
──全長:200メルトルテ・オーバー。
──ホールエルに向けて侵攻を開始。
──無攻撃時間の予測ラインを設定。
──マップに表示されたエリア内で:
──対象を完全に破壊してください。 』
金娘:『 いくよ、シゼツ 』
火神:『『 ダメもとだなぁ……! 』』
おおきな おおきな めがに さま に
くるるかん は きりかかります。
それが はじまり だったのです。
(-´∀`-)