表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
826/1216

メ・カにたま さーしーえー

今回の投稿がすっごく遅れたのは、

PS4による蒙古襲来と、夜勤が被った

からでは決してございませんことよ──?


闇殺……!(`◔ڼ◔´)+





 一対の矛と盾を持つ、ふたりの乙女。

 柔肌を覗かせていた装甲は、

 復元されつつある。


 美しく編み込まれていく肉の繊維。

 絡みついていくような外甲。

 それは喰われているようでもあった。


 とじたヨロイの隙間は、

 光で溶接されるように結合され、

 彼女たちは、絵本の一対へと近づいていく──。




白童:「はは……まるで仕組みが、分からないや」

姉乳:「その鎧……生きているの?」




 金と、銀。

 それぞれの仮面が、

 首元より、スライドする。


 ──ライト・エフェクト。

 金属音と共に、固定されるフェイス。


 少女たちの素顔は封じられ、

 紋章の刻まれし対の首輪が、

 彼女たちの連なりを強める。



 "レター・ライダーズ"は、ここにある。




熊神:「天は二物を与えず、なんて言ったヤツぁ、何も分かっちゃいねェな……。まったく、お気の毒なこったぜ」

銃侍:「確かに、目の毒でござるなぁ♪」




 森を飲み込むように浮遊する、

 くるくると回る金の刃たちは舞い戻り、  

 アンティ・クルルの背に7の円柱を構成する。

 光が放射するような形状のバック・パックは、

 周囲の全てを蹂躙する駆動性を孕んでいる。


 地を飲み込んでいた白銀の霧海が、

 マイスナ・オクセンの元へと集束され、

 織り連なり、美しいドレスへと変貌していく。

 粒子の海から即座に銀の剣を錬成しうるそれは、

 自ら以外の悪を消し去る、無慈悲の武装である。


 彼女たちは、まだ背を向けていた。




萌殺:「……コイツら。絵本のとーりに戦ったら、マジ、世界滅びるんじゃね?」




 ふたりの少女。

 少し、恥ずかしそうに振り向き、

 仮面越しに、ニッ、とする。


 ほどなく、神の声が、

 皆に聞こえる────。




日神:『────ご心配をおかけしました。

    ────よくも:やってくれましたね。』




妹乳:「……!」

姉乳:「……ぁは。"ディ・クリエイター"と、きたもんだ」




 神々の会話は、

 惜しげも無く披露される。




金神:『>>>大丈夫かぃ……? 無理を、してなぃ?』


日神:『────ふふふ。そうかもしれませんね。』


月神:〘------えー;ウチは心配してくれないのん?☆〙


旧水:〘++++++あなた……そのキャラ・大丈夫なの?〙


火神:『『 ちょっとー!! キューちゃん居ると、私の力が弱まっちゃうんだけどーっ!? 』』


水神:〘#……やれやれ。昔の受け持った学級より騒がしい〙


銀娘:「 アンティ、おなかへった 』


金娘:「 もちっとだけ、ガマンしな 』




妹乳:「、……?」




 ──神々しい軽口の中で。

 ヒキハが見つけた、少しの違和感。




姉乳:「ん……。……──!」




 妹の視線を追い、オシハも気づく。


 ──口だ。

 彼女たちの、声が。

 口の動きと……。

 まったく、合っていない。




妹乳:「アン、ティ……あなた……?」

姉乳:「発声じゃ、ない……。あの子たちの声が……プレミオム・アーツから聞こえてくる……?」




 肉体からではない。

 金と、銀の、声。

 当然──猫も、気づいている。




猫七:『C7:ドン……、オクさま……そのお身体にゃ……』


金娘:『 ニャーナ。いらんこと言うな 』

銀娘:『 だいじょぶですから 』




 ここで、周囲の全員が、わかる。

 聞こえた声。

 彼女たちの口元が、

 まったく動かなかったのだ。


 しゃべる、という機能の欠落。

 察し始める。

 



聖女:「お姉さま方……、その……?」

幼官:「ぇ、っと……?」


玉兎:『『 にょきっとなぁー…… 』』

花狼:『『 クルゥオォンーゥ…… 』』


獣王:「ガオオオォォォ……!」


熊神:「おま……えら。なんか、変だぞ。まるで──…… 」




 生きている雰囲気の消失。

 人間味のある動きの欠如。

 まばたきが、なくなった。

 だらんと、たれる手と足。

 まだ、立っている、だが。

 糸で吊られているような。


 ────それは、まるで。




姉乳:「……っ、……"操り人形(マリオネット)"……!」

妹乳:「……」


猫七:『C7:──アッチから強制的に操作してるんにゃな? もう、ホントウは……』


金娘:『 ニャーナ、おだまり 』

銀娘:『 しゃらっぷです 』




 ふたりの少女の装甲には、

 まだ、光の筋が流れている。

 鎧だけではない。

 肌、瞳、頭髪。

 開きっぱなしの目。

 おかしい。

 全ての流路は、

 木の根のように連なっている。


 ユユユが豊富な知識から、

 結論を導き出し、言う──。

 



白童:「……"隷属系"の術式で、無理やり動いているね? お互いに " 死ぬまで動け " とでも命令したかな? 無茶なこと……するなぁ、ホント。目も、ちゃんと色が見えていないんじゃありませんか?」


姉乳:「──っ! チッ……!! そういう事ッ……!」

妹乳:「……そ」




 エルフの推察で、

 オシハも含め、理解する。


 動いては、いけない。

 本来なら、もう──。

 




獣王:「ガオオオォォォ……」

熊神:「……。……隷属術式は、ょ……。まぁ、置いといてよ……」




 奴隷を作り出す術式は、今は禁法である。

 くまは、それは(とが)めない。




熊神:「それよ……命、削ってねぇよな……?」


金娘:『──』

銀娘:『──』




挿絵(By みてみん)


 綺麗な生き人形のような二人は、

 答えなかった。


 まだ、ふたりは立っている。


 プレミオムズ達は、

 己を咎めるような感覚を得た。




妹乳:「……勘違いなら、ごめんなさい」


金娘:『 …… 』


妹乳:「呼吸をしていないように見えるんです」


銀娘:『 …… 』 




 ヒキハは、言い様のない感情に浸かる。


 目の前の、明らかに異常な状態の彼女たちが、

 無尽蔵に動き続ける人間兵器のように、

 感じ取られるからだ。




妹乳:「アン……」


金娘:『 だぁいじょぶ、だから。ま……あとで倒れるとは思うけど 』

銀娘:『 まだ、眠るわけにはいきません 』




 まばたきが、ない。

 くちびるが、うごかない。

 ひかりつづける、からだ。


 げんかい、なのだ。




妹乳:「むりを……、……しないで……。もぅ……」


金娘:『 そうも、言ってらんないでしょ 』




 ヒキハだけが見落としている点があった。


 盾の戦士が、質問する。




熊神:「そんなに……ヤベェのか?」


金娘:『 ──。七体、倒してくれたから、弱体化はしてるはずです 』


銀娘:『 斬撃が効かないかもしれないんです。だから、できる限り、殴ります 』


萌殺:「……マジわりぃ、ウチ、ほうきがねぇ。どうしたらいいよ?」


金娘:『 また、イニィさんをお貸しします。でも、重力弾、待ってたら負けます。全力で魔法を叩き込んでください 』


白童:「相手を……知っているんですね???」


銀娘:『 " ワープ・ゲイザー " という名前です。光と闇に耐性があります。ザコを倒した分、移動だけの時間ができます 』


銃侍:「攻撃はどのような物でござるか?」


金娘:『 一定時間、進行すると、" デビジョン "という魔法を連発してきます。こうなると……キビシイです。これをやられる前に、止めます 』


姉乳:「……どこまで、やれるかしらねぇ」





妹乳:「ぇ……? え……、……?」






 

 ────────────────────

  ▼▲▼▲▼ クエスト情報 ▼▲▼▲▼

    残    1 / 1000

  ▲▼▲▼▲        ▲▼▲▼▲

 ────────────────────






 ──空間は、歪む。





 グニャリと、夜空が。


 わずかに、白む夜を。


 押し戻して────。








妹乳:「ああ、神よ── 」











挿絵(By みてみん)






 ──ソレは、ゆっくりと、顕現し始めていた。





日神:『────敵:レイドボスの召喚を確認。』


金娘:『 念の為、実体化したらシゼツで一度だけ斬るわ。無駄だと確認したら、即座に分離する 』


火神:『『 きひひ……。アレは、めちゃくちゃ厄介よ…… 』』


金神:『>>>どう、厄介なんだよ……』


旧水:〘++++++体力オバケなのよ。必殺属性は全てガードされるわ〙


水神:〘#……やれやれ、夜明けで消えたりしないのかね?〙


月神:〘------あのカニさんは、血は吸わないのん……☆〙


銀娘:『 わたしは、茹でが良いと思います 』









 ──カニだった。


 おおきな、おおきな。


 ひとつ、おおきく、違うのは。


 胴体が。


 人のようだ。







聖女:「私に対する……皮肉かしら?」









挿絵(By みてみん)


 " Fh ── De - Vh - fias --──……  "







 たくさんの脚が生えた、


 巨大な、聖なる女神の像。








萌殺:「マジ、パネぇ……」

銃侍:「……なかなかの美人でござるな」








日神:『────分析完了(アナライジング)


    ──対象レイドボス名:

    ──【 虚空を仰ぎ見る者(ワープ・ゲイザー) 】。


    ──全長:200メルトルテ・オーバー。

    ──ホールエルに向けて侵攻を開始。

    ──無攻撃時間の予測ラインを設定。

    ──マップに表示されたエリア内で:

    ──対象を完全に破壊してください。 』







金娘:『 いくよ、シゼツ 』


火神:『『 ダメもとだなぁ……! 』』










 おおきな おおきな めがに さま に


 くるるかん は きりかかります。







 それが はじまり だったのです。










(-´∀`-)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[良い点] ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ 随分見てなかったからどこまで読んだか忘れてしもたので、活動報告から見つけた、どうも猫ちゃんです。 大分放置しちゃってたああああ!!!!!!ごめんなさーい!!!!!! …
[一言] BGMは『暁の車』ですかね・・・・。 燃えさかる歯車(くるま)・・・。 「とこしえのさよなら」にはなって欲しくはありませんが・・・・。
[良い点] ヒナワさんのラヲチ化が進行している気が… からくり人形の瞳のその奥~の…し、死んでる!? アガルマトフィリアからのネクロフィリア。こりゃ性癖が拗れるぜ! 空間が歪む感じのさーしーえースコ …
2020/08/09 19:38 ズブロッカ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ