アニマルプライド
昔、プラモの写真とってたら
心霊写真になったことある(´ー`*)
──キォォオオオオオ────……っっっ!!
熊神:「──うぉっ……!!」
猫亖:『C4:もっぱつ、きたにゃー』
──また、空が裂けた。
風を貫き木霊する、ねじれ穿つための音……!
そして────……!
──だァァァあああんんん──ッ!!!
──ぷしゃあああああああ──ッ!!!
熊神:「や、やったぜ……!」
怪異は再び──爆散する……!!
粉々に砕け散った外骨格のチリは、
月明かりに照らされ、まるで雲のように、
空にのびていった──!
もう、噴火みたいじゃねぇか……!
マジ、ぶったまげたぜ……!!
熊神:「なんて威力だ……!! 突き抜けてやがる……!!」
まさしく、"風穴"、ってヤツだ!!
アレを──あの、寸胴魔女がやってるってか……!?
狙撃手は、確かな手応えのまま、声をあげる──!
萌殺:「──カニミソ・マジで乙ッッ──!!!」
猫二:『C2:──敵・前頭葉に着弾を確認!! 脊髄を貫通してるみゃ! 二体目・撃破ですみゃーっ!!』
魔王:{{ ──や、やったわね!! その調子よ!! }}
脳みそと背骨を、一瞬で粉々にされた巨躯・・・!!
森からハミ出した巨大なシルエットの、
その脚から、ゆっくりと力が抜けていき──……。
ズズズ・・・ドドン──っ……!!
ドぅ、ド────ンッゥゥっんんんんんんっ!!!
熊神:「──倒れた!! また、倒したぜ……!!」
盾の鎧ごしにも、伝わる大地の振動……!
そりゃあ、100メルトルテもあんだ!!
森も地面も、驚きやがらァ……!!
猫亖:『C4:すごいにゃー。空中から狙撃したみたいにゃー。やりおるにゃー』
熊神:「倒……せるんだな、本当に、よ──」
あんのデッカイのを、一撃ってか……。
ロストガレオンでも撃ち落とせるんじゃね?
今も、仲間達の声は、
プレミオム・アーツから聞こえ続けていた!
全ての会話は垂れ流し──。
離れているメンツのことも、
すぐにわかるぜ──……!!
黒鰐:『 ガルぅ、ガルルルルルぅぅうぅぅ〜〜……がるぅー=3 』
魔王:{{ ──ガルン、頑張って!? ピエロちゃん達が起きる前に、ぜーんぶ、倒しちゃうのよっ!! }}
萌殺:「ま、マジ、たのむぞプニプニ!! あと五体いんだかんよっ……!?」
黒鰐:『 ガルっ、ガルルルルゥゥウ〜〜〜〜!!! 』
猫七:『C7:こにゃーっ!! ガルン! にゃーに、ひと息いれてるに"ゃーっ!! 気合いいれるにゃーっ!! それでも、ニャーの子分にゃかーっ!? ニャーの顔にドロ塗る気じゃーあるまいに"ゃあああぁぁーっ!?』
妹乳:「……"ガルン"、って……どこかで聞いた事のあるフレーズですわね……」
姉乳:「いや……ほら、あれでしょう? "あんこくワニのガルン"」
妹乳:「え"っ」
姉乳:「いや、だから……アンタと遊びに行った時、聞いたでしょう? ラクーン族の伝承の──……」
妹乳:「……? ……。……──あ"──っ!!?」
巨乳姉妹の何やら不穏な名推理が、
聞こえねぇーワケでもねぇーんだが?
クマさんは、胃痛が怖いので、
聞かなかった事にして、
めっっっさ走るぜぇえええええええええ──ッ!!!
熊神:「──よォぅ、チビ猫ちゃんよぉ!? もう、マジカのやつが、ぜーんぶ倒しちまえるんじゃねェーのか!? よくわからんが……魔王サマみたいなのが、こっちの味方にいンだろォ!?」
猫亖:『C4:みたいなのじゃにゃくて、ガチンコ御本人さまにゃー。にゃむむー。でも、イニィちゃん、単発式にゃ? 装填中に、あのカニさんにビーム撃たれたら、えらいこっちゃじゃすまにゃいにゃー』
熊神:「そ、そりゃーそうだが……だからってなぁ!? クマ一匹だけで……止めれるような、攻撃なのかッ!? アレ……ッ!?」
今、イチバン前へと走っているのは、
おれなんだぜ!?
だから、それはもう、
よーく、見えていやがる!!
あの、カニの腹にある、
あの、ドデカい砲台よ……!
ナンダアレ!? ありゃーヤベぇぜ……。
ドニオスにある白い塔あるだろ!?
アレよりデケェし……。
あれが放つという、"まっすぐの雷の魔法"……?
果たして……おれの盾が、
防げるようなシロモンなのか──。
姉乳:「──……へィ、くま。生きて帰れたら、オッパイ好きなだけ揉んでいいわよ?」
熊神:「──……おま、アホ! 縁起でもねぇ事、言ってんじゃねぇー……!」
あんの、アホタレおっぱいめ。
冗談言ってるように聞こえるが、
割と、声がガチなトーンだ、
クマったれがぁあ……!
砲台ガニは、あと五体……!
くそっ……!
マジカスペシャルのクールタイムの間、
大人しく──、
しててくれりゃア、いいんだがよォオ──ッ……!?
猫亖:『C4:──くまさん、わるいお知らせにゃ』
熊神:「──あぁあぁ、そうなろうなぁぁ……!!」
クマの、ささやかな願いは天には届かず、
肩乗り猫は、今を鳴く──。
猫亖:『C4:──前方・敵対象より"粒子加速反応"を感知したにゃ』
熊神:「くわしく……聞きたく、ねぇなぁあああ!!」
猫亖:『C4:あー。砲身、光ってるにゃー。磁場フィールドも発生したにゃ。あにゃー、まずいにゃー』
熊神:「カニなのにか?」
猫亖:『C4:あれ──……二体、同時っぽいにゃー』
っ、、、ぉま、なんつった──……?
コォォオ"── ── ── ・・・
コォォオ"── ── ── ・・・
──── う お お 。
残念なことに、よく、見えやがった。
ハラに抱えた砲身の奥が、淡く光り始めた、
────二体の、ビッグな甲殻類っっっ・・・!!!!!
熊神:「──グォオンッッ!!」
舌打ちは、もはや熊の唸り声だ。
しょうがねぇだろ。
叫んだ。
熊神:「──マジカッッ!! ソイツのチャージに、あとッ、どれくれェ、かかんだッッッ!! おオッ!?」
萌殺:「──え!? え、……っとッ……!?」
魔王:{{ ──体感だと、あと数分はかかるわっ……!! }}
黒鰐:『 ガルル・ロロロロロッッ・・・!! 』
猫二:『C2:そっ、空から観測した算出データを送信するみゃ! ……まずいみゃ……弾道予測線が交差しないみゃ……』
猫七:『C7:に"ゃーッ……!?!? こっちは、まだ! ザコの溜まり場に居るのにゃーっ!!! ぎぇー!? よ、予測演算は、だれかに任せたに"ゃーッッッ!!!』
姉乳:「──ヒキハ!! 右ッッ、いけッッ!!」
妹乳:「──はいッッッ!!!」
猫亖:『C4:にゃーかい。シーニャが、敵の予測攻撃時間を演算するにゃー』
──グォオオオオオオ・・・ン・ン・ン!!
──グォオオオオオオ・・・ン・ン・ン!!
うお……やべぇ……ぞ。
二体同時に、あんな……ヤバそうな攻撃されたら。
おれは、反復横跳びとか、
超・苦手なクマなんだぜ──ッッッ!!
猫亖:『C4:──演算結果でたにゃ。敵さんのチャージ、思ったより遅いにゃ。多分、5分くらいは、かかるはずにゃー』
熊神:「おま……! 5分後に……ホールエルが滅ぶ、って言ってるように聞こえるぜッ……!?」
猫二:『C2:──こちら側の、超重量圧縮弾のチャージ速度も、試算でましたみゃ! い……、一体分の外殻装甲を突破する威力なら、あと……4分11秒で、完了しますみゃ!!』
姉乳:「──あぁん!? へィ!! そっちの猫ちゃん!? それって、つまり……──でぇえええいッッッ……!!!」
妹乳:「──かっ、片方の射撃がっ、間に合わないってコトですの……っ!? ぅぅうりゃあああああ──……ッッッ!!!」
……、──くそっ!!
そりゃ、あんなマジすげぇ魔法のダンガンだ……!
なげぇクールタイムは、ナットクだがよォ……!?
熊神:「──マジカ!! 空から攻撃できんだろ!? 二匹、重なるように攻撃できねぇか!? 串焼きみてぇに貫通させてよォ──ッッ!?」
萌殺:「や、やれっつーなら、マジやるけどよっ!?」
猫亖:『C4:ダメにゃー。シーニャの予測演算では、一体目を貫通した弾丸は、弱体化して、二体目の外殻をえぐるだけで消滅するにゃー』
猫二:『C2:──ぜ、全体に通達!! 敵・ギガンティック級、エベレスト・イーターの荷電粒子砲予測弾道ライン、出ましたみゃー!! いま……マッピング情報を更新するみゃ……!!』
──ピコン……ピコン……ピコン……!
──PON──!
熊神:「……こ、……」
光の地図に表示される、
大きな、赤い5つの点。
そのうちの──前、ふたつから、
オレンジ色の線が、
こちらに……真っ直ぐ、伸びていやがる。
この……光の線の所を。
巨大な雷の魔法が、
もうすぐ、通り抜けるってのか……。
延長線上には、きっちりと後ろの街が、
入っていやがる────。
銃侍:「──ちぃぃい──っ……!!!」
猫五:「ヒナワ殿、撃ちまくれにゃ!!」
焦りを含む、サムライの声が聞こえた。
銃侍:「──まずいでござる!!! ザコ共が、マジカ殿のいる方向へと、ガムシャラに突進を始めたでござる!!」
猫五:『C5:射撃音と、魔素の伸縮力場を察知されたようにゃ。何体か、飛び道具を使う個体がまざってるにゃか……! おれ達はミャーツと魔女殿の護衛を続行するにゃ──!』
猫二:『C2:ぉ、お願いするみゃ!!』
萌殺:「ひ!? ひぇっ……! 足元のアレ、マジかよっ……! あわわ……ぜんぶ、カニぃ……!?」
魔王:{{ ──落ち着きなさい! 動きながら高度の維持を……! 貴女は、次の射撃に集中するのよ──!! }}
黒鰐:『 ガルルロロロロロォオオオオ──!! 』
萌殺:「──でっ、でも! 魔王サマ……! マジ、このままじゃ、片方だけしか──── 」
地図を確認すると、
マジカの飛んでいるポイントが、
光のお祭りみたいになってやがった!!
真っ赤じゃねぇか……!?
アタッカーであるマジカを、
ザコ共が総攻撃しに行ってやがる──!!!
どうやらユユユも、
そちらに向かっているようだ!
アイツも……囲まれている……!?
熊神:「ユユユ!! 生きてっか……!?」
白童:「ははは……!!! っ、ちょっと……!!! しゃべって!!! られませんねぇええええええっふぉ──い──!!!」
猫三:『C3:うみゃあああッッ!!! な、内出血がヒドイみゃあああ──っ!?!? すっ、すぐ治療するみゃー!! アナライズ積層・追加したみゃああ──っ!?!?』
あいつッ……!! 1回食らわねぇと、
反撃できねぇ仕様だからな……!?
まったく、とんだヤセ我慢エルフが、
居たもんだぜえええ!!
ここは、猫のお仲間さんの、
献身的なフォローに賭けるしかねぇか──!?
どうやらオシハとヒキハも、
"マジカの守り"に行ったみてぇだ──!!
おっ……ゴウガも、そっちに向かってやがる……!
姉乳:「──うらァァァあああああッ!!!!!」
妹乳:「──じゃまです、わッッ!!!!!」
猫七:『C7:ひっ、二体! 上に跳んだにゃっ!! 気をつけるに"ゃーっ!!』
獣王:「 ガ オ オ オ オ オ オ …… !!! 」
猫六:『C6:ニャー・ハー……!! コイツはチョイト☆ H・E・A・V・Y・だ──ZEY──!!!』
く、くそ……!
全員、おれの後ろで襲われてやがる……!
ほんとうに……おれはここに居ていいのか……!?
熊神:「やっぱり、おれも──……」
猫亖:『C4:──ダメにゃ』
──!!
でも、おま……!!
猫亖:『C4:気持ちはわかるけど、今は前に進むんにゃ』
熊神:「おれは……盾のプレミオムズだ……!!」
猫亖:『C4:今は、仲間に頼るときにゃ。みんな、あきらめずに頑張ってるにゃ。くまさん……あのカニさんのビームを止められるのは、今は──クマさんだけにゃ』
熊神:「……っ、……、そ……── 」
仲間に背を向け、逆方向に走る。
そんな盾の獣に、果たして価値はあるのか?
熊神:「──……、」
──いや、
わかっちゃいる。
でも、リクツじゃねぇんだ──。
冷静な声をした、
男の声が響く。
猫一:『C1:──砲撃準備中の敵対勢力・二体を、それぞれ"ガンマ"、"デルタ"と呼称。対象・ガンマを、スリーフォウマグナムの遠距離射撃ターゲットとして設定。ミス・マジカは射撃予定ポイントへ急行されたし。ミスターベアマックスは──対象・デルタの大型粒子砲、通過予測ラインへと、お願いしますにゃ──』
熊神:「──……っ」
は──……は。
なぁ、親父よ。
おれ、今日、盾として、死ぬかもしんねぇ。
熊神:「おれは……ただのくまじゃねぇ」
チッ、しょうがねぇ。
後悔の、ないように。
心のままに、走るのだ────。
熊神:「ハッ、ハッ、ハッ……なぁ、シーニャ! ──おれの盾は──アレを、止められっかな──!?」
猫亖:『C4:にゃ、くまさん。さっきから、盾にょきにょきも、クマさんローリングも使わないのは何でにゃ?』
っ!? 変なコトを聞きやがる!
熊神:「そ、そりゃ……! 盾の召喚や、クマ前周りは、余計なパワーと、クールタイムを使っちまうから──……」
温存するに、こしたこたァねぇ。
今まで経験したことのない、大出力の魔法。
全身全熊をもって、
おれは、受けとめなきゃいけねェ──。
猫亖:『C4──それで、いいにゃ。もう答えは……クマさんの本能が知ってるんにゃ? 大丈夫にゃ。クマさんは、"その時"に、自分をせいいっぱい守れば良いんにゃ──!』
熊神:「──な、なん……!?」
いや、自分だけ守っちゃダメだろ!!
背中のヤツらを、守らなきゃーよ──……?
猫亖:『C4:クマさんは、盾で体を覆って、体の後ろにイッパイ盾を作るにゃー! そうじゃないと、ふんばれないにゃいもん』
熊神:「──ちょ、おま……!?」
えっ、なんてった!?
からだの……うしろに、盾ェ!?
いや……わっ、ワケがわからねぇ・・・!!
熊神:「おま、どういうこった……!?」
猫亖:『C4:盾は──』
猫は、のんびりと言いやがる。
猫亖:『C4:──盾は、こっちで用意するにゃよ?』
熊神:「──…… 」
────えっ!?
そ ー な の ッッッ ──…… !?
!?
Σ ʕ๑⊙ɷ⊙๑ʔ
はよ言うてあげぇさ(笑)( ^_^ ;)










