GUNGUNいこうぜ さーしーえー
おまたんたん(●´ω`●)♪
萌殺:「なっなあ、魔王さま……っ! マジでっ! ウチだけで、あのデカブツせーんぶは、ムチャですって……!」
魔王:{{ あら、貴女だけではないでしょう? 私達がいます。ホラ、ちゃんと掴まりなさい──! }}
萌殺:「うぉっとぅと……!」
──ひゅうおおおおおおお──・・・!!
十字架のような杖をサカサマに持ち、
ホウキのようにまたぎ、空を飛ぶ。
ちょうど……、十字の左右にでっぱった所に、
足がピッタリ乗り、オサマリはマジでいい。
マタにあんまし食い込まねーように、
前かがみで、下っ腹を持ち手に、くっつける。
この杖はけっこう長く、マジ安定しやがる。
魔術流路に、マジで滑らかに伝わる魔力……。
これ、、、後ろ、左、右の、
三方向に魔力が放出できやがる。
マジで飛行しやすい。マジパネェ。
なんつー杖だ、こんなの……マジ、反則だ──。
飛行操作が、マジ楽になった分、
少しだけ生まれる、若干の余裕。
気になる事を、聞いてみてぇ──。
──そんな、マジな、お年頃。
萌殺:「なっ、なぁ、魔王サマぁ……。前に、ウチと雪山で会ったこと、ないっすか……?」
魔王:{{ ──ああ! あの時はごめんなさいね? 少し、正気を失っていたみたいなの }}
──! や、やっぱり……!!
ん? つーか、魔王が……正気を失ってたァァ!?
それって、フツーに……、
マジヤバたん、だったんじゃね……?
魔王:{{ ──安心なさいな。何故か……今は意識がはっきりしているの。ふふ、貴女のお陰かもしれないわね? }}
いや……そんな事言われても……。
マジ、なんと言えばいーんだウチは……。
魔王:{{ あー……。あの時の服、盛大にヤらかしちゃってたわよねぇ? 私、服屋でバイトしてるし、適当に何か見繕いましょうか? }}
萌殺:「──魔王サマっ……!? ふっ……服屋でバイトしてんすかっ!?」
魔王:{{ あっ、いっけね }}
【特報】魔王、とっくに復活してバイトしていた。
すげぇマジスクープ聞いちまったあああああ。
聖女派のヤツらが聞いたら、マジ卒倒すんぞ……。
マジ、のん気な会話を繰り広げてはいるが、
今、ウチの目の前からは、
やっっべぇ大きさのデっカい多脚のバケモノが、
ハラにでっかい魔術兵器を抱えながら、
おっそろしい地響きを等間隔に鳴らしつつ、
こちらに歩いてきていやがる。
ズズん・・・!!
ズズん・・・!!
ズズん・・・!!
月明かりに照らされたシルエットは、7体。
控えめに言っても、マジ、
世界の終わりみたいな光景……乙。
軽口は……マジな現実を受け止めきれねぇ頭が、
気分を紛らわしてぇような感じでもあった。
──ち、マジ修羅場。
ウチも……覚悟決めっか。
萌殺:「──……やれっつーなら、マジやりますよ。この杖ならマジ、やれる気がします。接近して、マジ気でブッパなしゃー、いーんすよねぃ?」
魔王:{{ ──こぉら、慌てなさんな? 貴女の魔力量は中々のものだけれど──貴女も、わかっているんでしょう? この"私"を使って魔法を本気で撃てば、即・枯渇して、昏睡するわよ? }}
──……!
それは……マジ、そうなのだ。
どうやら、この杖……魔力を術者から吸い取り、
マジ増大させるチカラがあるらしい。
攻撃魔法の威力が上がんのはマジで有りがてぇが、
魔力を食らう力も、マジハンパねぇっぽい。
ちょっと握っただけで、
ポトフ鍋が爆発するくらいだ──。
萌殺:「……あん時のフォークが魔王様って、マジ……洒落にならねぇっすよ……」
魔王:{{ あら、ふふふ……わかっちゃった? }}
チッ……クルルカンも、マジ人が悪いぜ……。
絵本の英雄ちゃんが、
千年生きた魔王を、フォークに封印してる?
マジ、ハンパねぇ世界へのお知らせキタコレ。
聖女様とか……マジ、ひっくり返んぞ?
ちっ……この杖の使い方、マジミスったら、
ひっくり返んのは、ウチの方だがよぉ──……。
萌殺:「……マジ、わかんねぇっす。近づいて魔法、撃たねぇんだったら……ウチ、マジどうしたら──……?」
魔王:{{ ──ミャーツ君、そろそろでしょ! 狙撃ポイントをマーカーして! }}
──!?
──そ……──、"狙撃"──……!?
萌殺:「まっ、魔王さま、今──?」
猫二:「C2:──了解ですみゃ! 遮蔽物の少ないポイント、選出できましたみゃ! あの大岩の上がベストみゃ! ホログラムマーキングを投影するみゃー!!」
魔王:{{ ──いいわね。まじょ子ちゃん! あの岩のてっぺんに降りなさい! }}
萌殺:「──こ、こんな離れた所にっすか!?」
ズズん・・・!!
ズズん・・・!!
ズズん・・・!!
──いや……ちかいんだゼ?
目の前に、デカいカニ共は、
マジ、ガンガン迫ってきてらぁ。
でも……攻撃魔法をぶち込むには、
マジで、明らかに遠すぎる・・・!!
そ、それに…… " 狙撃 "──って!?
魔王:{{ 先人の言うことは聞くものよ? }}
萌殺:「わっ……かりましたよ! 降りりゃ──うっ、うわっ!? マジ、なんだアレ──っ!?」
──魔王サマの、マジ言う通りに。
大岩の上に降りようとすると、
"ゴースト"のようなものが、そこにいやがった!!
萌殺:「マジか……え、あれ……?」
いや……違う……!?
あれは……今の──"ウチの姿"──!?
猫二:『C2:推奨狙撃ポイントに、アナライズホログラムでマーカーを投影したみゃ! あれは、マジカたまの理想的な狙撃体勢を表しているみゃ!』
萌殺:「まっ、マジ、どういぅ……??」
魔王:{{ ──ぇえい! その、"貴女の姿をした幽霊"と、ピッタリと重なるようにすれば良いという事よ!! }}
──!!
この、半透明のウチと、
同じポーズをしろ……ってことか!?
ま、マジ、なんだコレ……!?
えっ……ウチ、今こんな姿してんすか!?
……、……マジかァ……。
あ──はいはい!!
やりますよ!! マジ待って!?
うおぉ……ゴーストに足突っ込むみたいで、
マジ……複雑な心境やねんけど……。
ええい……マジック、マジ度胸!
青白い、透明のウチの残像に、
重なるように前のめりになって、
……うつ伏せになる──!!
魔王:{{ ホログラムと同じように、杖を構えなさい! }}
萌殺:「こ、これっ……!? 向き、マジ逆じゃないすか……?」
魔王:{{ 二度は言わないわよ? }}
うぇい、ウチごときが文句を言える状況じゃあ、
マジで、サラサラねぇみたい……。
ご丁寧に、"おてほんゴースト"のウチも、
オバケの十字架杖を持っている。
……──。
重なれば……いいんだよな?
こ、こお──……?
↑ ❨ ❩
__(⌒( ´;σωσ)︻✙══━ +
──チャキン・・・!
"次"を質問する前に、
マジな空気は移り変わる──。
魔王:{{ ──ガルン!! 弾丸の圧縮、開始なさいっ!! }}
黒鰐:『 がるがる、がるうぅぅぅぅうううっ!!! 』
──!?
小さな黒い三つ目のぷにぷに(たぶん魔獣?)が、
十字架杖の中心の穴に吸い込まれ──、、、
──真っ黒な、球体に変化する・・・!
──きゅぅおおおおおおおおおんんん!!!
次の瞬間──ガシャコ!! と、
持ち手だった所が──展開した・・・!!
萌殺:「──……! 杖の持ち手が、マジ、筒状になってやがる……っ!?」
────螺旋状の空洞──。
向かう先は、カニのバケモノ。
ナルホド、ウチは……、
なんとなく、わかってきたぞ──。
ここを何かが……──、通りやがるんだ……!!
魔王:{{ ──ヘイ、まじょ子ちゃん。簡単に説明するわよ? この杖の中央に、丸い穴が空いているわね? 今、ここでガルンが、グラビティマジックを超圧縮し、超超魔法質量を保有する、特別な弾丸をつくっているわ。この杖はね……その弾を、高速で発射することができるのよ──!! }}
萌殺:「──っ!! 圧縮した魔法を──飛ばす……!」
黒鰐:『 ──ガ─・ロ─・ロ─・ロ─・ロ─・・・!!! 』
──や、やべぇ。
この杖の今の魔力は、マジやべぇ。
もし、制御不能になったら……、
マジ、ウチごと大地が無くなる。
ごきゅ、り……。
猫二:『C2:重力波圧縮、正常に推移中みゃ! アナライズ式光学デバイスで、照準装置を展開するみゃ!! スナイパーライフル反動制御デバイス、操作系、共に#21─#25を流用しますみゃ! 少々お待ちくださいみゃ!』
萌殺:「──。あのチンコガニは……マジ、魔法耐性が高ぇって言ってましたね? つまり……この杖の魔法は、それすらも──」
魔王:{{ ──時間よ。構えな、魔女っ子── }}
おおぅ……。
冷や汗と不安は、今はマジシカトだな。
ぉうし……やる事はわかったぜ。
ようは……ウチは、この持ち手を、
カニのアホに向けりゃーいいんだ──……。
猫二:『C2:マジカたま、そ、そこの杖のくぼみを肩に……そうみゃ。今から照準装置を出すみゃ! 真ん中の十字のマークを、カニさんの真ん中に合わせるんみゃよ……!』
うーん。
正直、マジわからんかったが、
すぐに、光の板のようなモンが、
ウチの目線の前に、10枚くらい現れやがる。
は、なるへそ、"照準"、か──。
杖を、少しだけ左右に振ると、
光の板の道も、左右に動いた。
ウチは弓は使ったことねぇが、
これなら────。
魔王:{{ ──照準の微調整と射撃補助は、ネコ君がやってくれるわ。あなたは引き金を引きながら──重力系の魔力を少し、流してくれればいい }}
萌殺:「マジ理解」
猫二:『C2:トリガーのロックを解除、露出させますみゃ。それを握りこんだら、爆縮されますみゃ』
魔王:{{ まだよ }}
萌殺:「わかってる」
黒鰐:『 ガ ロ ロ ──・・!! ガ ロ ロ ──・・!!! ガ ロ ロ ォ オ オ オ オ オ オ・・・!!!!! 』
今までやった事のねぇ、杖の構え方。
キ──ンと耳鳴りがしやがるが、
マジで、どうでもいい。
杖の中心へと、恐ろしい密度の"●"が、
集まって……きていきやがる。
ウチは……マジ、"雑用係"だ。
狙って──、握りゃあいい。
萌殺:「はっ……! マジ……、たまんねぇな……!」
無意識に──ぺろり、と。
汗の味を、確かめた──。
──PiPiPi──:
PiPiPi,PiPiPi─PiPi──……!
┏ ┓
▽
|
︹
▷ ─ 〔✚〕 ─ ◁
︺
|
△
┗ ┛
▮▮▮▮▮▮▮
Pi─────────────────√.
──────────────────────
Take careful aim and -
- eliminate the target.
──────────────────────
猫二:『C2:──圧力臨界!』
魔王:{{ いま }}
萌殺:「 ── 」
── グ グ …… ────・
── ど ぅ オ ォ ん 。
杖に、ウチの身体は。
後ろに優しく、5セルチほど押し込まれる。
──────── ─ ─・
──── ── ─ たおぉおお ── ん ……!
萌殺:「 ─… 」
マ ジ か ぁ 。
猫二:『C2:……──ギガンティック級への貫通を確認!! 頭部及び、脊髄付近の破壊を観測したみゃ! 成功ですみゃ……!! 一体、撃破しましたみゃーっ!!』
魔王:{{ よしっ! ──ガルン!! 次の弾を込めなさい! }}
黒鰐:『 ガルルォォォオオオオオオオンンン!!! 』
粉、が……。
月明かりに照らされて──、
舞う……!
熊神:「──ぅぅうおおおおおおおおお!?!? なんだ今のはァァァァァァ──!!?」
銃侍:「マジカ殿!! お見事でごさるっ!!」
姉乳:「ホントに、マジカがやったの!?」
妹乳:「っ、すごい……!!」
白童:「うわっはー!!! これは大事件ですねぃー!!!」
獣王:「──ガァアアアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンン!!!!!」
静かにしてやがった、
ライオン野郎の雄叫び。
今は、うるさがる気分に、
まじ、なれねぇ。
萌殺:「はっ、は……。マジかよ……」
マジ、こんな、モン──……、
空のドラゴンだって、落とせるぜ?
猫二:『C2:──ッッッ!! 空より飛翔体接近!! 敵からの攻撃みゃ!!』
魔王:{{ っ!? あのカニのビームッッッ!? }}
猫二:『C2:──違いますみゃ!! 甲殻の一部を変化させた飛翔体だと予測!! 接触まであと3秒!』
魔王:{{ ──まじょ子ちゃん!! }}
萌殺:「マジ回避乙」
── ブ ォ ン !
ウチが杖を、くるりと回し。
飛び乗り、岩から飛んだ瞬間。
──ダンダンダンダンダンダン・・・!!!
──ド ガ 、 シ ャ ア ア ァ・・・!!!!!
空から降り注いだ何かが、
岩と、大地をボコボコにする。
魔王:{{ つ、次の……射撃ポイントへ……! }}
萌殺:「──いや、魔王サマよォ。今ので、コツはマジ掴んだぜ!」
魔王:{{ え……? }}
萌殺:「 ウチがイチバン得意なのは──マジ、"飛行魔法"だかんよぉ──! 」
やってやんぜ。
マジ、ぶちこんでやる。
つぎは────空から、
マジ、スナイプ だ──!
マジスナイパー、マジカ爆誕( •̀ω•́ )✧