ホーリーレイン さーしーえー
さぁ、来ましたね!(ᵔᗜᵔ*)
エルフという種族を選んだことを、
ちょっとばかし、後悔してる。
前と似た寿命の種族を選んでしまって……、
安直だったと、言う他がない。
憧れるだろう。
でも、実際は……、とても……希薄だ。
まったく……冗談じゃない。
勘弁してほしい。
でも、今は────。
白童:「……けっこう、楽しいよなぁー」
猫三:『C3:みゃ……?』
白童:「ぁ……いや、こっちの話!」
これが……生きる活力ってヤツかな?
いや……まぁ、やるべき事は残ってる。
おっと、いけない。
ここは、久しぶりの戦場だ。
言葉を話す猫と、魂を受け継いだエルフ。
多くの命を持つ者同士。
仲良く、やろうじゃないか──。
白童:「今から、敵に突っ込むけど……怖がらなくていいからね?」
猫三:『C3:みゃ……みゃみゃっ……!?』
……ははは。
みゃみゃっ、って言いました?
この子の脳みそ、
アオカちゃんに似てそうだ。
白童:「可愛い驚き方を……するんだね?」
猫三:『C3:ひっ、ヒーラーさんなのに、敵のド真ん中に行くんですかみゃっっ!?』
白童:「……大丈夫」
猫三:『C3:えっ』
白童:「今は、楽しいから──」
可愛らしい金の猫は、
今、肩の上にいる。
このヘッドギアを解除したら、
ボクの"耳"が、よく見えるだろう。
光のゴーレムの素材は、
変形の流路術式を組みやすい。
ボクは、お気に入りの名前を言った。
白童:「──"ミラージュ・エイデン"。礼拝せよ──」
──りぃぃぃいいん・・・!
──ピピ、ペポ、パパ──!
──バ・ゴ・ン・・・!!
耳を覆う装甲は、肥大化する──!
ボクの後頭部のホールドは解き放たれ、
増大する質量は、羽衣のように、
ボクの両腕を覆っていく──。
丸みを帯びた、フォルム。
生意気にも、天使の羽根のような装飾。
そして──耳元で猫が鳴いた。
猫三:『C3:……!? そ、その、耳っ……!? どうなってるんですみゃ……?』
へぇ、いいリアクションだ。
前足で、口元を押さえてるのも、
中々、かわいいな。
彼女が見て驚いたのは、
3つの大粒の魔石が埋め込まれた、
何の変哲もない、エルフの耳だ。
反対側の耳にも、
同じように3つ、輝いている。
なーに、たいした話じゃない。
耳たぶを穴だらけにして、
無理やり、ねじ込んだだけさ──。
白童:「キミも女の子なら……ピアスとかって興味ない?」
猫三:『C3:みゃ……ッ!? ぁ、あったとしても!! そんな大きなモノは、しませんみゃー!!』
白童:「はっ、ははははは!!! ふふ……じゃあ、小さいのは興味あるんだ?」
猫三:『C3:みゃ、みゃんなの、この人──ッ!!!』
ははは、はは──……!
猫と戯れるって、時間を忘れるなぁ。
装甲をまとった怪物共は、
すぐ、そこまで迫っている。
ボクの両腕のそばに浮かぶ装甲は、
羽化した後の、羽根を伸ばす蝶のように。
硬化し始めている──。
猫三:『C3:へ……ヘッドギアが……"浮遊型"のアーム・ユニットになるんですみゃ……!?』
白童:「アーム・ゆにっと……? 妙な言い方をするね。そら──来るよ。回復を任せたよ」
猫三:『C3:も……もちろんですみゃっ!! この、浮遊ユニット……強化した方がいいですかみゃ?』
白童:「……。キミってさ──好きな人に尽くすタイプ?」
猫三:『C3:お……っ、お黙りなさいみゃーっ!!!』
ははははは──……!
世界は……中々、面白い。
最近、よく分かる。
自分で、面白くする。
ボクは──行動しなくちゃ、いけなかった。
人よりもたくさん、生きるなら──。
白童:「そういう、事だろ──?」
猫三:『C3:ひ、ひえーっ!!』
[[[ SUUUUKKKKYYYEEE──
CCOOOMMMAAAAASSHHHYYYYY!!!!! ]]]
──そぅら。
ボクの──"お通り"だぞ?
熊神:「──アイツの耳によォ。魔石、付いてんだろ?」
猫亖:『C4:にゃー?』
熊神:「あれな……? "ミラークリスタ"って言うんだぜ」
猫亖:『C4:にゃーん♪』
熊神:「……。けっこーなレアドロップなんだぜ? あるボスモンスターが落とすんだ」
猫亖:『C4:にゃにゃンが、にゃ!』
熊神:「おま……聞いてる? なんだ今の……。"ミラークリスタ"ってな……? "自動反撃"の魔石なんだぜ」
猫亖:『C4:にゃーん? じどうはんげきー?』
熊神:「おぅよ。攻撃を受けた場合……"25パセルテルジの確率"で、自動で魔法反撃する」
猫亖:『C4:にゃにそれ、すごーい!』
熊神:「アイツは攻撃魔法がダメだからな……それ以外の方法で、補ったんだ」
猫亖:『C4:にゃー……くまさん』
熊神:「おぅ、どした」
猫亖:『C4:でも……それって、攻撃を受けなきゃ、攻撃できんにゃ?』
熊神:「おう、頭いーじゃねぇか、そのとーりだ。アイツは一回……受け止めなきゃあ、なんねぇ。だから──」
猫亖:『C4:にゃー?』
熊神:「アイツはな、"回避行動"ってのを、捨てたのさ──」
[ NNAAAAANNNPAAAYYAAARRRAAAOOOUUUU──!!! ]
白童:「はい、こんばんはー!!!」
カニの槍のような爪が、振り下ろされ。
ゴーレムの腕が、自動で護る。
ボクは、他の回復職の皆様とは、全く違う。
受けなければ、ならない。
ガぁぁあああ・・・!!!
ギィィぃぃイイいいんんん・・・!!!
[ GQ,BAAA……? ]
──ふん。
おまえごときに、
押し負けるものか。
ボクの基礎VIT値は、
後ろで休んでる、クマさんより高い。
プレミオムズ、いち、なんだよ──……?
熊神:「──はっは! どっちが盾役か、わかったもんじゃねぇー……ッ!」
猫亖:「にゃー! 受け止めたにゃ!」
熊神:「──さぁーて。いくつ……おちるかな?」
さて、裁きの時間だな──。
ボクの両耳に埋め込まれた、
計、六つの魔石が、
相手の運を、はかり出す──。
ひかる。
ひかる。
ひかる。
ひかる。
……ひかる。
ひからない。
おや……5つも!
運が──クっソみたいな……カニだなぁ!
猫三:『C3:ず、頭上で何か──光ってるみゃ……?』
こんばんは、と言った相手に。
もう一度だけ、挨拶を──。
白童:「──では、さようなら」
光の雨が、貫通した。
●コミック版・第一巻情報●
ふぉおおおおお──っ!!((o(。>ω<。)o)).*・゜
はいっ(笑)活動報告と目次コーナー(この下)に、コミックス情報のバナーを掲載しました!
無理言って、紺藤先生のイラストを拝借したんよ……! 跳ねるアンちゃん、か、かわえぇ……!
(´இ﹏இ`).*・゜
今後の刊行のためにも、
よろしければぜひ、ご予約おなしゃーっす!!!
感謝感激雨霰<(_ _*)>
たれ!