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覚醒教師と、しずくセーラー さーしーえー

※挿し絵を2点追加(๑•̀⌄ー́๑)b✧






  川の行き着く 先は海だと


  わかった気に なっている。|








 長いこと"水の神様"をやっているけど、

 私だって、昔は人間の女だった。



 今、どういう場面(シーン)なのか、

 誰にだって、よくわかるはず。


 絶体絶命のピンチの時に、

 決まってヒーローは現れる。


 それが……今回は私と言うだけ。


 愉悦はない。

 使命なんだ。


 私が、やれる存在だから。

 私は、実証すべきだから。

 私に、託されたのだから。




〘++++++──〙




 クラウンとヒューガは機能を停止し、

 運命を補佐すべき、サーバーユニットは、

 空間世界の維持に悲鳴をあげている。

 それはそうだ。

 今は……彼の祖父しかいない。


 ──だが、私は来た。


 そっと、雨漏(あまも)りのように侵入する。


 私は球体状になっている、銀の王座に近づき、

 後ろから、彼らを視認した。



〘------の;N……☪︎.*・゜〙



 眠る、幼い姿のヒューガの(はら)に、

 物理的に、彼が手を沈めて接続していた。

 まるで、おへそを取られた子供のよう。

 単純だが、よい方法だ。

 今の彼女は、私と同じく液体の性質を持つ。

 ひとつになるなら、沈めばよい。


 月、氷、水。


 いいだろう。

 相性はいい。


 ジュンヤの血を選ばなかったのは、

 正解だ。


 水の女神が介入するなら、

 熱より、氷がいいだろう。


 ──うん。

 ファーストコンタクトは、大切だ。

 私が銀の男に会うのは、初めてだから。



 よって──私は後ろから、声を──── ……、







〘#……────"(しずく)"──……?〙



挿絵(By みてみん)

〘++++++……── 〙








 たいへんに、調子が狂った。



 振り返った彼は、私を見て、そう言った。


 どうして、このようになったのか。


 水神を、"(しずく)"扱いなどと、


 この世の誰もが例えまい。


 氷球の王座に構成された音響デバイスから、


 やれ、服を着ろ、


 やれ、この痴女ネコめ、などの、


 けたたましい猫鳴き声が聞こえてくる。





『C4:おまたせにゃんー』

『C3:みっ──みィイッ、やゃぁぁぁああああああああああっっっ!!!???(///Д///) シーニャがッッッ……!? おっ、おっっっきく、なってるみゃぁあああああああああァァァ──!!!??』

『C1:映えて、いる……(意味深)』

『C5:……(ポッ)……サッ』

『C6:しっ、シーニャちゃーん!? そのホワイト・フロント・フルオープンは──オケーィ!! ぱーふぇくとッッッ、レッドカァァアアアアァァッッッドゥッッッ!!! 判定ッッッ、おぅるエンド・ア──ぁぁああああゥっっツっ─!!!』


『C4:うるさいにゃ。おそくなったぶん、そだっただけにゃー』


『C3: い い い い い か ら あ あ あ っ !!?  し ッ ッ 、し た っ !?  ち ゃ ん と お ぉ 、 隠 し て ぇ え え え え え ──っ !!!??? /////////』


『C4:シーニャは服に屈さぬにゃ。たゆんたゆーん♪』


『C2:ニニニニャーナよりっっ!? サイズがッ、あるみゃッッッ……!?』


『C7:──ごぉおおおおッッッぉるるるるァァァああああ!!? にゃあぁあににおぉおおおおっっっ!? ガン見してんのに"ゃあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あああああああッッッ──!!!!!!!!!!!!』


『C4:わーい、おっぱいー』





 ちなみに今の私は、その痴女猫のせいで、


 妙に女らしさが残る、ライトブルーの、


 マテリアル・クリーチャーボディに、


 六つの腕のうち、四つが浮遊するアームデバイス完備。


 トドメに何故か──、


 藍色のセーラー服を装備した、


 なんとも色モノな水神仕様となっている。



 ゴタゴタが終わったら、


 あの痴女ネコ娘には、


 神の名において直談判(じかだんぱん)するつもりです。



 ま……それは、いい。


 それは、いいのよ。



 ──" しずく "って、なんだ。




〘#……── 〙


〘++++++……── 〙






 セーラー服を着た俗っぽさMAXの、


 "ウォーターアシュラ女神ちゃん"!


 と化してしまった私は、


 どうやって"救世主"を演じようか、


 多少は考えていたのよ。




 " 今は考えるな、ヒョウテイ・ギンガ "。


 " 私が、力を貸してやる "。




 そういう台詞が、相場でしょう?


 それが、どうだ。


 こいつ──。






〘#……──いや……、そんなはずは、ない……〙


〘++++++──…… 〙

 





 妙な……感情だ。


 なんだ、こいつは。


 いきなり私のシナリオに、


 アドリブを混ぜ込まないで。


 (ことわ)っておくが、決して私は、


 " 気にしぃ "──ではない。


 計画通りの台本が御破算になっても、


 別に動じたり、気にしたりは無い。


 では──、





〘#……、どこの学校の生徒かね? 今……手が離せないのだが──…… 〙





 ──少し、カチンとした。


 ここは、確実に私の大一番の見せ場であって、


 この男が余裕ぶって、


 気の利いた台詞を言うシーンではない。 



 手が6本あって、


 その内の4本が空を飛んでいる女子学生など、


 どんな御伽話(おとぎばなし)にも出るものか。


 先生設定、乱用するな。


 私は元々、テロリストだ。





〘#……力を、貸してくれないか〙





 複雑な──ことに。


 この男は、私の正体を察していた。


 せめて、セーラー服に対して何か言って。


 あんたの白衣着た、裸ネコ女のせいですからね。






〘#……頼む〙






 さぁ、不思議。


 この、今の、気持ちを。


 私は、どう表せば、よいだろうか────。






〘++++++──……あんたなんて、嫌いだわ?〙





 先生への第一声は、それだった──。




 わたしの 6本のアームが、


 かれの かおを つつみこむ ────。










=======================


 ── 接続中です・・・ ●▼●.*・゜


=======================





     please..wait...





=======================


  クイック - クイーン - クアンタム


          ▲

          ▬

          ▬

          ▬

          ▼


      ヒョウテイ・ギンガ


=======================





     please..wait...





=======================


 ──" Wednesday-Server " の

    概念 が 更新 されています ▼


 ── 該当サーバー は

    ハードウェア-サーバー より

    コンセプト-サーバー に

    移行されています ▼


 ── リダイレクト ── ▼


 ── "Q3" から "氷帝 銀我" への

    サーバー権限 の 移譲 を

    実行しますか・・・?


   ▼ はい     いいえ


=======================




〘+++++++人柱になる、覚悟はある?〙


〘#──狂った教師に、相応しいな〙






 ぬかせ。






=======================

                  83%


 [□□□□□□□□□□□□□□    ]

=======================






 氷ではない。


 清らかなる、水。


 体の中に、清流が駆け巡る感覚。




 肌の、変化──。





〘#……これ、は──!〙


『++++++これが、私のすべき事だと、言うのなら──・・・! 』








" 流動 "のタトゥーが、


 彼の全身を走っていく。


 水の流れのような紋様。


 鼓動の如く波打つ軌跡。




 それは動。それは道。


 海へと続く、導の線。






〘#……く。これで、立派な不良教師だ〙


〘++++++共用銭湯には行けないわ〙







 水の意匠を含む刺青(イレズミ)(つた)うは、


 押し寄せる、光の道よ。






 "波動"、"流動"、"鼓動"──。






 ────"動"への、目覚め。







〘++++++嗚呼! 私はとうとう──流れだした! ヒョウテイ・ギンガ!! "水神"、確かに貴殿に(たく)したわ!!〙



〘#──! ……目を覚ますのだっ……!! マイスナぁああああああああああ──ッッッ!! 〙






 彼の言葉は、渦。


 彼の言葉は、波。


 プログラムは、流れとなって、


 無限の流路へと押し寄せる。





〘#……マイスナッッッ!!! お前は、アンティに守られるだけでは、ないのだろうッッッ──っ!!!〙




「 ・・ ── は っ ・・ !! 」





 刺青の入った先生というのは、


 ずいぶんと、圧があるものね?





〘#……馬鹿者がっっ・・・!! ──さっさと、そこにいる燃えるツインテールを、抱きしめに行くがいい──・・・ッッッ!!!〙




「──アン、ティ・・・!!」




 氷の怪異に、知性が戻り。


 燃える少女と、血の剣士のほうを向く。




「アンティ……お願い」


『──G:Aa……?。』





「──!? あっ、あのオンナ、ダレっっ……!?」


「ゥキャッ!? ウゥキィイ──!!!」






=======================


 ──  正常に 処理 が

     完了 しました! ▼


 ── " ヒョウテイ・ギンガ " が

    " Wednesday-Server " に

     設定 されました ! ●▼≦♪.*・゜


 ──  クイックスタート を 

     開始 します ▼


=======================




「ァ、アンティは、ワタしンだぁァぁあああ──!!!」


「ゥッキャー!!?」




「えっ! わっ!」


『──GYAっっ……!?。』





 何故か、嫉妬に狂った氷の姫は、

 豪炎の少女に、構わず飛び付く!




「でやあァァァァぁああああああああ──!!!」

『──!? GYAAAAAAAAAっ──・・・!!?』




 氷の少女と、炎の少女が取っ組み合い、

 温度差による、恐ろしい破裂音がした。

 水蒸気が噴き上がる……っ!!!



 ──ぱしゅヴうううううう──!!!

 でプ、でゅデュアァあぁああああァァアアア──!!!




「アンティ……!! 目ヲ、覚まシテ……!!!」

『──ギ!? GGG:GYAっっ!? グィ……!!!』



〘++++++水を操作するわ!! 凍らせて!!〙


〘#──っ!! よし……〙




 六つの腕を操り、

 プログラムを組む。

 まるで、忍びの印を重ねるようだ。


 絡み合う二人の少女の周りを、

 まるで生きた蛇のような水流が、

 鎖のように、まとわりつく──!!!



 ──彼は、殺気を込めて言った。





挿絵(By みてみん)

〘 #──…… 凍 て つ く が い い 〙




 水流の刺青が走る腕を構え、

 氷の手刀が、空を斬る。



 すると────……!




 ──バキ、バキバキバキ……!!!




 氷の蛇鎖は、少女を捕らえている──!!

 うまく、いった・・・!!

 凍るタイミングが、完璧だったんだわ。




『>>>す、すげぇ……!! あの、熱量がっ……!』


『C2:ど、ドン・アンティへの冷却作用を確認っ!! 表面温度、下がっていきますみゃ!』



〘#……今の感覚を、忘れないようにせねばなるまい〙


〘++++++ほらっ、ボサッとしないで!! 今のうちに、この子達の流路系にアクセスするわ!! 炎と氷で打ち消し合わないと、どちらかの子が危なくなるわ!!〙


『>>>──ッ!! に、ニャーナ!! 補佐を頼む!!』


『C7:りょ、了解にゃ!!!』


『C4:にゃー。シーニャも手伝うにゃー』





 アンティ・キティラの全身を埋めつくしていた炎が、

 徐々に指向性を持ち、

 マイスナの全身の氷を溶かしていく──!


 よし……! 頭髪の流路も接続し始めたわ……!!



 ふと、サブカメラで、

 すぐ横に倒れ込んでいる女剣士を見ると。

 焼け焦げた両腕が血に包まれ、

 まるで、時を巻き戻したかのように、

 治癒が始まっている……!



「アンティ……! マイスナ、さんっ……!」

「ウゥキャ……! ウッキィー!」



 ……この娘も、ただの人間ではないのね──。




〘++++++──いいわ。今、どちらの流路にも介入できた。もう大丈夫よ。活発化し過ぎた流れを緩やかにするのは──私の得意分野ですから〙


〘#……感謝する。セーラー君……〙


〘++++++……、……あの、先生? その呼び方は、金輪際(こんりんざい)やめていただきたいわ。あなた……ヒューガから聞いて、私の名前、知っているでしょ?〙


〘#……あの、ロックスターのようなネームかね?〙


『>>>ヘィ……有難いけど、アンタ誰だよ……。どこの女子高の神様だぃ?』


『C4:さすが、クィクィちゃんにゃー』


『C7:てめぇええはッッッ──服着ろにゃあああああああア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!』






「ぁ、アンティ……だいじょう、ぶ……?」

「ん……、ま、マイス、ナ……?」



「貴女たち……っ! よかった……!」

「ウッキっキ!」






 こうして、私の後継者は。

 とりあえずの窮地を脱したのだ。






『雫』は先生の奥さんのにゃまえ

(つд⊂).*・゜

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『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[良い点] 挿絵のQ3、股間の周囲の球がやけにエロっぽいょ~。 (球=きゅう=Q で、Q3かぁ。)
[良い点] 燃え盛る炎を弱めるのも、 凍てつく氷を溶かすのも、 どちらも水、って事なんですかね… それはともかく アン=日、金、火 マイ=月、水 だから次はジュンヤさん助けつつ香桜子ちゃんマイちゃん側…
[一言] 先生の一喝でターコイズブルー流路疾走という言葉が浮かびました。
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