スパ────ン!!! さーしーえー
前話の最後、少し書き足しました。
ごめんね。
(*´﹃`*)
え、ちょ、なんで?
「「「捕まえろ────!!!!」」」
「ひっ! ぃいびゃあああああああ!!!」
────ドダダダダダダダダダ!!!
超、武装した人たちに、めっちゃ追いかけられてるんですけど────!!!
「「「「「まぁぁてぇぇええコラァァ!!!」」」」」
「いぎゃぁぁああああああああ!!!」
待つか、バカあぁぁぁぁあああ!!!
こわいこわいこわいぃ!!!
なんでなんでなんでぇ!!?
私が何したってのさぁぁ!?
いや、確かに有名な盗賊さんのカッコしてるけども!!!
うわっ!
何あの人!
体、デカっ!!
顔こわっ!!
ハンマー持ってるやないの!
普通のひとじゃないわ!!!
うーわわ!!
あの人何!
両手に石持ってる!
うわぁ! 投げた!
ちょ、何すんよの!!
そんなの当たったら痛いでしょ!!
「くそっ! あいつ、はえーぞ!!」
「仕方ねえ! 弱いの一発当ててやんな!」
「よしきた!!」
なにがぁ、よしきたじゃああああああ!!!!!
いたいけな15の乙女を集団で追いかけくさって、あげくに一発当てるだあぁぁぁぁああ!!!?
お前らに、人を思いやる心はないのかああ!!
つーかてめぇら、さっきから、すでに石やら枝やら投げてやがんだろがぁぁあ!!!
「──ウィンドブラスト!!」
うおお! 風の塊がきたっ!
葉っぱ巻き込んでグルグルしてる!
ひぃい! 避けても髪が、髪が巻き込まれる!!
お母さん! 髪切っていいですか!?
「ファイヤーボール!!」
ば、ばかやらう!!
弱いの一発っつったって、
それ、火の塊じゃねぇかぁぁああ!!
乙女に気安く当てていいモンじゃねぇだろおお!!
うぁぁばか、連発すんじゃねぇぇええ!!!
「すげぇ……ことごとく避けやがんな……」
「この速さで息が切れないなんて、た、大したモノだわ……」
「こっちの息が持たねぇ! おい、お前あれやっちまえ」
「よ、よしきた!」
だから、よしきたじゃねぇよ……。
ちょ、ちょっと! 何、長めの詠唱してんのよ!
ちょっとカッコイイじゃないの!
魔法使えない私への当てつけ!?
おいコラ、こっちに手ぇむけんじゃねぇ!
「──ガイヤウォール!!」
────コゴゴゴゴ!!!
う、うわあああ!!!
ちょっと先の地面が!
どんどんせり上がっていくぅぅうう!!
な、なめんなぁぁあああ!!!
ぎゅういいいいいい───ん!!!
しゅぱぁああ───────ん!!!
「「「なにぃ────!!?」」」
きゃ──きゃっきゃっ!!!
どぅんなもんだぃ!!
食堂娘のガッツをナメんなよ!!
こちとら10メルの崖を飛び越えたりしとんのじゃ!!
こんな壁、朝飯前なのよ────!!!
もうお昼ご飯たべたけどね────!!!
壁を登って、後は着地するだけ!
けっこう高かったわ!
今、8メルくらいから落ちてるわね!
ん? んん? あれ何だ?
落下地点を囲むように、魔法使いのお姉さんたちが、円を作っている……。
おわぁ、めっちゃ光って見えてます……。
もちろん仮面ごしに……
てことは……。
「「「「「ソーンウィップ」」」」」
「捕まえる気満々だぁぁああ!!!」
5人の魔女から生み出される、茨の蔦!
だから15の乙女に茨とか無いから!
あんた達の道徳心はどうなってんのよ!
「クラウン!! 横回転!!」
『────姿勢制御。』
片足を横に出し、回転を始める身体。
マフラーが、風車のようにまわる!
ブーツには、回転する刃を展開っと!
地面に降りる頃には……!
「「「な……!」」」
「「そんな……!」」
────茨はバラバラですよ──だ!!
「ばいば────い♪」
「「「「「ふんぬぬぬ……!」」」」」
きゅいいいい────……
ドドドドドド……
「しかし、しつこいわね!」
『────敵対勢力:84を突破』
「うぎゃああ! なんで、こんなに! というか、なんで私、追われてるのよぉ……」
あ、まさか……。
バレたのか……?
"時限結晶"のことが……!
「そんな……! そんなはずない!」
『────……。』
「私、ちゃんと気を付けてた! そんな……もう、ばれちゃったっていうの……」
わからない。
わからない。
わからない。
でも、それ以外に、追われる理由が思いつかない。
あの人達は、"時限結晶"を狙う、貴族かなにかが雇った人達かもしれない!
「そんな……そんな!」
まだ、冒険者にも、なっていないのに!
まだ、夢の入り口にも立っていないのに!
まだ、この手紙たちを……
「届けてすら、いないのに……」
『────アンティ。 前方に、反応:1。』
「! ────あれは!」
きゅううううん……
「! おまえ!」
「……ゴリルさん……」
ゴリルさんが、いた。
昨日見た、焦げ茶色の革鎧を着ている。
大剣と、小槌? みたいなものを、腰に装備している。
よかった……。
会うことができた……。
そう思った時。
「おまえら……」
「「「ハァ、ハァ……」」」
「!」
ゴリルさんと私の、すぐ後ろ。
息を切らした集団が、集まっていた。
この人数は、マズい。
ゴリルさんが、どれほど強いか、わからないけれど、流石に無傷では済まないだろう。
……ふざけんな。
……ふざけんなよ。
「おい……」
「「「「?」」」」
「お前ら、私を追いかけまわして、なんのつもりだ……」
「「「「は?」」」」
は? じゃねぇよ……まったく。
「この人、娘さんが生まれたばっかなんだぞ……」
「「「「ええ! マジか!!!」」」」
「マジだよ……」
なんでそんな息あってんだよ……。
もう、我慢の限界だ。
「お前ら、いい加減にしねぇと、ぶっ飛ばすぞ」
ちょうど、雲の切れ目から、太陽が覗いた。
私のギラギラした輝きに、拍車がかかった。
──スパァァ─────────ン!!
…………。
………………。
い……
「ぃたあぃ……」
「…………はぁ」
ゴリルさん……。
なんでわっちの後頭部、どつくんのですか。
「ぅう……?」
「おぃ……お前」
「はい……?」
「俺の、娘って、何だ?」
「え……生まれました」
「はぁ……?」
「昨日、生まれました、ぱんじーちゃん……」
「おま……! その名前……!」
「はぃ……?」
「……マジなのか?」
「は、はい、もちろん」
そんな嘘、言わないわよ……
「バヌヌエルに、行けた、のか?」
…………。
ガサゴソ。
きゅいいん。
「サルサさんの手紙と、シマおばさん特製バナナチップス」
「…………」
「…………」
動いて下さい、ゴリルさん……。
「「「おい、ゴリルてめぇ! マジか!」」」
「「「「「おめでとうございます〜!」」」」」
え!?
このならず者達、ゴリルさんの知り合い!?
どゆこと!?
「……はぁ、お前ら、帰んぞ」
「「「「ひゅ〜ひゅ〜!!」」」」
「「「「「お祝いですね」」」」」
「「「「今日は飲み会だぁぁい!!!」」」」
「え? え?」
帰る? 飲み会? 何のこと??
「ホラ、お前もだ、クルルカンの嬢ちゃん……」
「あ? え?」
「ったく……ギルドについたら、話きかせてもらうぜ?」
ズルズルズル〜〜……
ゴリルさんに、引きずられて、帰った。
えぅえええ〜〜???










