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モナリーさんへのお願い

(●´ω`●)

いつも小分け&ゆっくりでごめぬです。



 あー……。

 よくよく話を聞いてみるとですね。


 どうやら……他の街のギルドマスターが、

 違う街のギルマスを「未熟」と判断して、

 王都に報告できる制度があるらしい。


 要するに──モナリーさんは、

 私たちが、ヒゲイドさんの命令で、

 この街のギルマスの「素行調査」に来たのだと、

 思い込んでいたのだ。



「あぁぁ……決して無能なギルマスという訳ではないんです、指示は的確ですし、実はよく後の事を考えられた上での発言で結果的には上手く事が運びますし、ただちょっとその、説明不足というか、言葉たらずな所があると言いましょうか……ううう」



 も、モナリーさんは、

 普段から御主人様に思う所があるらしく……、

 なにやら、ギルマスを(かば)いながら、ヒヨっている……。

 兎に角、誤解は早く解いておきたい。

 素直に伝える事にした。



「お、落ち着いてください。先程も申し上げたように、私たちの目的は薬草不足の調査で、今回こちらに来たのは冒険者ギルドの皆さんに頼み込まれたからです……」

「ヒゲさん、ここのギルマスは有能だって言ってたよ」


「……!! ほ、本当ですか!?」



 マイスナの言ってる事は本当だ。

 "無能な訳ではない"と言ってた気がする……。



「ええ。ヒゲイドさんは、こちらのギルドマスターを評価しています。ただ──……」


「た、ただ……!?」


「その……」


「おっしゃってください!!」


「で、では……。"偏屈で、人にまったく会わない"と……」


「あああぁぁ……」



 おおぅ……。

 落ち込まんとって、モナリーさぁん……。



「やはり、そうですよね……そういう風に言われてしまいますわよね……」


「あはは……」

「会わんマスター」



 よしなさい。

 弱っているモナリーさんを傷つけないよう、

 丁寧な言葉で聞いてみることにした。



「あの……これは素行調査とかではなく、純粋な個人の疑問なのですが……」


「はい……」


「なんで……ここのギルマスさんは、人に会わないんですか?」


「それが……わからないんです……」



 おおっとぉぅ──。



「私は何故か孤児院組の中では気に入られておりまして……今では名ばかりの婦長として、身の回りのお世話や、ギルドとの連絡役を仰せつかっております……」



 モナリーさんは、

 数少ない、ギルマスと直接コンタクトできる、

 メイドさんなワケね。



「しかし、おそばにお仕えしてわかったのは、とにっかく、人嫌いが激しいとしか……」



 うえぇーぃ……。



「ほら、あのような"お立場"の方ですから──評議会メンバーの方や教会の運営陣などの、どうしても会わなければいけないお客様が来訪された際は、それはそれは……コチラがヒヤヒヤするほどの、しかめっ面を浮かべて対応なさいますし……」



 お、" お立場 "、って……!?

 やべ、そこんとこ聞きたいんだけどっ……!?

 うわぁ……なんか聞き出せる話ん流れじゃねーわ。

 無常にも、モナリーさんは話を続ける。



「どうやら、男性は特にお嫌いなようなのですが……女性が訪ねてきても平気で断りますし……かと思えば、随分と前に街の婦人会の方々が来たら、ケロっとお会いになったりした事もございまして……」



 ワケわかんないわね……。

 気分屋なんかな……。

 うーむむ。

 とりま、聞いてみよう。



「私たちは、一応 " プレミオムズ " ですが──」



 正確には、マイスナは、ちゃうけんども。



「──その名を使って、お会いする事は叶うでしょうか」


「……む、難しい、と思います。アポイントメントも、ありませんし……」




 ぬぁー、せやろなぁ。

 ふぅ────……。



「……おーらい。わかりました、モナリーさん」


「……!」


「突然、朝に訪問したワケですから。こちらの非は一目瞭然です。が……あの教会入口に集まった冒険者ギルドの皆さんは、このままでは納得しないでしょう」


「はい……」


「ダメ元で……結構です。私たちが訪ねてきているという事と──あとは、"盗賊団クエスト"の棄却理由を、簡単で良いので尋ねてきてもらえませんでしょうか……?」

「お願いします」


「……」



 けっこー、勝手なお願いだ。

 モナリーさんは、ほんの少し考えて──、



「……わかりました。一度、お伝えしてみます。しかし……気難しい方なので、まず、会えないと思ってください。ただ、お集まりいただいている冒険者様方と、ギルド職員の方たちの説得には、こちらもご助力をいただきたい身です」



 あはは、教会の前に人だかりなんて、

 縁起でもないモンねぇ。



「どうか、よしなに……」


「わかりました。集まっちゃってる皆さんには、私たちから上手いこと言ってみます」

「超、解散させる」


「……ありがとうございます」



 モナリーさんは、

 さびしい笑顔を浮かべ、席を立った。

 やれやれね……偏屈なマスターに、

 日頃から、気遣いが絶えないみたいだ。



「では──こちらの客間にて、少々お待ちくださいませ」



 モナリーさんは一礼し、

 静かに部屋の外へと出ていった────。


 ……。



「……どうなるかな?」

「……ま、ここまで来れただけでも、御の字でしょ!」



 しばらく、

 すんげぇたっかい紅茶を楽しむとしましょうか。


 すすぅ────……。



「ふぁー、おちつくわねー」

「アンティ、きもったま!」



 よせやい。


 そういや、うさ丸とカンクル、

 ……大丈夫かな?




(*´ω`*)こねこねされてそう。

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