不屈の透視 さーしーえー
えーい!(ノ˙꒳˙)ノ*:・゜✧
「にょろう〜〜♪」
ギョロ目のエロガッパを確保した。
ミスリルの鎖で巻いたぁる。
「くそぉぉおお、なんなのぉ! このエロにょろ助はよぉおおお!」
「きさま、こっちを見ろ」
私とマイスナのヘイトは高い。
当然である。
「にょろぉぉおぅ〜〜?」
〘#……本当に……これがあの、ラヨチ殿……なのか……?〙
〘------えええ──……☆☆☆
------ニョロニョロ;こんなんやったんのんなぁ──?☆〙
『>>>た、たぶん……』
先輩とロザリア王女の記憶によれば、
どうやら、このくそエロにょろ助は……。
生前は、滅びた帝国で雇われていた、
獣人の宮廷画家さんだったらしい。
もし、そうなのだとしたら。
あの異常な画力も、至極納得ではあるケドも……。
とにかく、水分と体温の表現がヤバい。
シャレになんねぇ。
「にょろう〜〜?」
『────分析完了しました。
────やはり:"アイノス"と共に:
────元々格納されていたようです。』
まじですかぁぁ……!!
どうなってんねんなぁ……。
何処で紛れ込んでたっていうのよォォ……!
「わたしと……わたしと、アンティの、愛の巣が……お化け屋敷、に……?」
「普通のお化けなら、まだ、よかったわ……」
とりま箱庭で取り調べようという事になり、
バッグ歯車の中に、ほうり込んだ。
※ラリアットしました。
「──どるらぁあああー!!」
「──にょろぅー、っぼッッ!?」
ガッ! ──スポッ、きゅぅうううううんん!
「私は怒っている」
「私も怒っています」
せっかくのお屋敷なのだ。
ゆっくりマイスナとお風呂したかったのに、
簡易風呂(歯車由来)して、ソッコー就寝。
箱庭に集合した。
私たちが天守閣から降りていくと、
鎖で縛られたニョロニョロは、すでに、
畳張りの居間で、みんなに囲まれていた。
「ニョロニョロ〜〜」
『>>>本当に……あの時のニョロニョロなのかぃ?』
先輩が、なかば放心しているように見える。
まー、そりゃーそーよねぇ……。
200年前に一緒に旅してた連れ合いが、
いきなり再会したと思ったら、
キャットファイト専門の、
ドエロ絵描きまくる悪霊になっていたのである。
予想の範疇を軽く跳び超えているわよね……。
──ひょい。
「ニョロぉー♪」
『>>>ぁ、うん……』
ニョロ助が、手で耳袋つきの帽子をヒョイと持ち上げ、
かるーい感じで先輩に挨拶した。
てめぇぇ。
両手ごとミスリルチェーンで縛ってたはずなのに、
普通に手が、すり抜けていやがるわぁ……。
チェーンが腹巻きみたいになってて、
もはや何の意味もない。
ユーレイにお縄とか難易度たかぃ……。
「ローザ、白いのぶっかけて。燃え尽きさせる」
マイスナさん、容赦が無い。
〘------それがコイツ;聖耐性あるみたいのんな──☆〙
「えぇー」
ウソこけやぃ……。
こげな悪霊に聖が効かないワケないでしょーよぉ……。
『────本当のようですね……。
────名称は:"おえかきゴースト"と:
────なっています。
────正確には:全属性無効。
────物理耐性:ですね……。』
なんなの? コイツがラスボスなの?
ふと、スケベユーレイを見ると、
私とマイスナの方を見てスケッチしている。
そのスケッチブックは何処から出した。
──シャっ! シャっ!
「おいこら」
とりあげてマイスナと見ると、
何故か二人のおケツが、
どアップでラフスケッチされている。
「「……」」
〘#……抑えろ、気持ちはわかる……〙
「にょろりん☆」
へしやぶってやろうとも思ったが、
おっそろしく丁寧に描かれていて、
何故か損壊を戸惑わさせる。
『C7:お、おみゃーのせいで、ワタシらがあらぬ疑いを仕向けられたにゃー!!!』
『C2:こ、今回はニャーナの言う通りみゃー!!!』
『C7:こ!? 今回はってなんにゃ──!!!』
「にょろろろろろろろろ」
ニャーナとミャーツが二人仲良く、
ニョロ助をしばき回していた。
風船がバウンドしているようだわ……。
猫が遊んでいるようにしか見えない。
「クラウン、空間凍結」
『────しました。すり抜けられました。』
いよいよ最大の敵な気がしてきた。
ナルホド、これが絶対悪か。
「私には……わかんだよ……アレは、想像じゃ描けねぇんだよ……実際に、見られてんだよ……」
『──……。』『>>>……』〘---……☪︎〙〘#……〙【……】<……>{{……}}『C1234567:……』
周りの一同が、こんなにも人数いるのに、
ぜんいん黙った。
「ニョロニョロぉー」
「にょきっと……」
「くゆ?」
『がるーん……』
〘#……今日はもう、遅い。もう寝よう。ラヨチ殿は……ちょっと、こっちに来い……〙
「ニョロォ?」
『>>>おわぁ……。生徒指導だ……』
ほぅぉ……。
ぜひ、厳しいモノにしてほしい……。
先生の御配慮たまわり、解散となった。
「う、ぐっす、ひっく……」
「次にあったら、目ん玉とろう」
なるほど、それはいい手かも、と、
思ったりもする。
テキトーに晩ご飯を済ませ、
味気ないお体ピカピカ術をかました私たちには、
精神的な安らぎが欠乏している。
和風の間取りを、
トボトボと、ふたりで歩く。
「いっかい起きて、お風呂やり直そっか……?」
「うーん……どうしよっかー」
箱庭をウロウロ歩いていると──……。
──ガ・コ・ン……!
「「──!」」
いっけね。
たぶん、道が変わった。
「目的地を意識しとかないと、すーぐルート変わっちゃうんだよなー、箱庭……」
「アンティ、水の音がするよ」
よく耳を澄ませると、
ナルホド、確かにチョロチョロと水音がする。
「これは……」
「まさか……」
目の前の引き戸を開けると、
予想通りの光景だった。
ガララララぁ──・・・!
「「──おお♡」」
──檜風呂である。
室内はセピア色の照明が明るすぎず、
オレンジの美しい木の肌が浮かんでいた。
このような照明を、間接照明というらしい。
先輩の受け売りの知識です。
チョロチョロちょぽちょぽちょぽ……。
「すごぃや……」
「いい感じだねっ」
箱庭に、何故こんなにもお風呂場があるのか。
それは、けっこう謎だったりする。
サキとダイ姉は、
よくお風呂場を掃除してくれているんだけど、
発見しているだけで、もう70ヶ所(!)はあるそうな。
でも、由緒正しき庶民の食堂娘にとっては、
こんな夢のような(あってる)お風呂に入れるのは、
素晴らしい特権である。
「ふふっ……♪」
「うん……っ♪」
偶然見つけた檜風呂スポットは、そんなに大きくはなかったけんども。
それでもドニオスの私たちの部屋くらいはある。
脱衣場は、学校にある木のマス目ロッカーに似ていた。
カゴに服を入れる。
ガラガラガラガラ──。
お風呂の中は蒸気に満たされており、
食堂娘としては、少し換気が気になるケド──。
呼吸に温かい空気が含まれる感じは、嫌いじゃない。
四角い木の湯船のそばには、
チョロチョロとお湯がでる場所があった。
でも、それ以外は──恐ろしく、静かだ。
ふたりでハダカでいると、不思議な感じがした。
「「……──」」
なんだか。
しゃべって雰囲気を壊したくなかったので。
黙って、かけ湯をし合って、
足から湯船に通す。
ふ、ぅ……。
やはり、とても静かだ。
舞う湯けむりと、オレンジの光。
湯船のお湯は、これまた、とことん澄んでいて。
つかっていても、お互いのハダカが、丸見えだった。
「……」
「……」
──チャポ……。
ひっつく。
いや、語弊がある。
抱き合った。
とても、幸せである。
いま、しゃべる気にはなれない。
でも、少し話はしたかった。
髪が、勝手に連結された────。
────しゅるる……。
──思考流路が接続されました▼
アンティ▶◀マイスナ
ごくらくですなぁ。
ごくらくですねぇ。
さすが、夢の中にあるだけは、ありますなぁ。
そうですなぁ。
……。
……。
……。
……おば。
……ん?
お化け、屋敷……。
ん、んふふ。ホントにねぇ……。
昔の人の、ユウレイなんだよね?
そうみたい。絵描きの人なんだって。
先輩さんの記憶、だよね? 旅の……。
そ。ミイラんなったロザリア王女と……。
絵本の、お話だよね……?
……! そう、ね……。
みんな、ここにいるね。
……うん。
……。
……。
ふしぎだ。
……ん?
アンティの周りには、みんなが集まる。
……! はは、ほんとに……。
わたしも、あなたに会えた。
ええ……。
アンティの、いちばん不思議なチカラだよ。
……そうかな?
ふふ、そうだよ。だって、こんな──
こんな?
こんな夢のお風呂で、抱きしめ合っているんだもの。
……ふふ、確かに。不思議だね……。
うん……。
ちゃぽぽ、とぽぽ、てぽ……。
「ニョロォ〜〜♡」
「「…… 」」
湯船に、ニョロニョロが浮いている。
〜〜 10分後・居間 〜〜
「──てめぇッッええ、ごるうあぁぁあア"ア"ア"!!! んざけんじゃねぇぞぉ、目ん玉くり抜かれてぇかぁア"ア"ア"あぁぁあ!!?」
「──めっさつめっさつめっさつめっさつ滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺滅殺!!!!!」
「ニョロふぅおおおおおおお──!?!?!?」
ボコボコバキバキばかこばかこドカドカズクズゴ!!!
{{ ……ピエロちゃ〜〜ん、紫電ちゃ〜〜ん。その人、もう死んでるわよぉ〜〜…… }}
イニィさんの囁きが、聞こえるような、そでないような。
「うらぁぁあああああ!!! せっかくいい感じだったのにィィいいいいいィィ──ッッッ!!!!!」
「カエセカエセカエセカエセアンティトノラブラブイチャイチャカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセ」
「ニョ、ニョロニョロぉぉおお──!?!?!?!?」
ガッ!! ゴゥッ!! バキッッ!!
プニュッッ!! ブペッッ!!
ドゥウンッッ!! バコンっっ──!!!
「にょきっとな……」
「かんかん……くゆ」
『 がるーん…… 』
{{ は……はやく、寝なさい、よ……? }}
私たちの戦いは、これからだ。
「「 どららぁああ──!!! 」」
「にょろろろろォォオおおっお────っっ!!?」
『────拡大図です。』
読者様「はよ話すすめろや(*´∀`)」










