表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
707/1216

サポートチームと魔王ぷんすか。

感想欄の書式が変わった……!?

((((;゜Д゜))))話数ごとに

感想が見れるようになっとる!(笑)




 >>>何日か、経って。


 あれから数日間、後輩ちゃん達は、

 何事もなく、お届け物の仕事をしているように見える。

 何だか……ぼくらは後輩ちゃん達に話しかけ辛かった。


 四人で、箱庭の巨大ちゃぶ台に集まっていた。

 全員の表情は、あまり優れない。



『>>>ぼく達の世界の知識は、間違っていたんだろうか……』

〘#……うむ……〙

『────間違っていた訳ではないと判定します。

 ────実際に:いくつかのデバイスは:

 ────酸素燃焼による爆縮運用に成功しています。』

〘------;……のんな☆〙

〘#……だが、しかし……私達の"異世界の知識"が、彼女の常識を"あやふやな状態にしてしまった……それは事実だろう?〙




 " この空間のルールを決めているのは、

   アンティ・キティラ自身である   "



 そう、神官のアマロンさんは指摘した。



〘#……もう一度、食料備蓄を含む、植物系資材の生命活動を調査するべきだ。現状を把握するためにも……〙

『>>>そうっすね……。あとは、ソルギアの現状調査ができるデバイスと、レエンホーリー、レエンダークの分析もだな……。格納できているんだから、ぼく達は、てっきりエネルギー体か何かだと勝手に解釈してたけど……』

〘#……私達の勝手な解釈が、アンティ君の"認識の振れ幅"に繋がっていたのやもしれん……〙

『>>>……はい』



 ぼく達が懸念してるのは、まさにソコだった。

 例えば、ぼく達『異世界人チーム』の誰かが。

 

『>>>それは、アイテムバッグに入るはずだ』


 と、何かを勘違いでもして後輩ちゃんに言う。

 後輩ちゃんは、


「あ、入るんだ」


 と、思い込む。

 そして……実際に、格納した後で。

 実は、それは『こっちの世界』では、

 異常な現象だと知る──。


 そういう事が、起こり得るかもしれない。

 つまり、だ。


 ぼく達の『勘違い』や『違う世界の常識』が、

 後輩ちゃんの『アイテムバッグ』を、

 『バケモノバッグ』に仕立てあげてきた──。


 その可能性を、ぼくらは否定できない。



〘#……我々は、彼女の一般常識を破壊し続けてきたのやもしれんな……〙

『>>>……はい』



 アンティ・キティラ。

 異世界の小さな街の、食堂の一人娘だ。

 ぼくらは、いつも彼女に甘えてきた。


 彼女を嫌いなヤツなんて、

 この幻影の船の中に、アリンコ一匹だっていない。


 ぼくがバカな死に方をしたせいで、

 とても、大きな事態に巻き込んでしまったと思う。


 謝ったとしても、彼女は怒らないだろう。



「私たちみんなだから出来た事が、

 いっぱいあるじゃない!!」



 そんな事を言ってくれそうで、

 なんとも、居心地がいい。


 でも、ぼくらは知っている。

 彼女のチカラが、大きくなっていく中で。

 彼女はどこかで『普通の女の子』を求めていた。

 

 力に溺れず、

 過去のぼくみたいに自暴自棄にならず。

 「きひひ!」とケラケラ笑う彼女を、

 とても凄い人だと、みんな知っている。


 だからこそ。

 不用意に、恐しいチカラを拡張することを。

 ぼく達は、したくなかった。


 常識を狂わしたのは、ぼくらだ。



『────最初に……。

 ────ソルギアの前身となる:

 ────"カーディフの火"を格納したのは:

 ────私です。』



 それは、クラウンちゃんも一緒のようで。

 必要のない、大きな力を。

 一人の女の子に、背負わせたくなんてない。



『────あの時の私は:

 ────まだ発生したばかりで……。

 ────しかし:アンティの願いには:

 ────応えたかったのです。』


〘------;……☪︎.*・〙


『────もしかしたら:あの時から……。

 ────"時限結晶(ストレージ)"機能は:

 ────"変質"を始めてしまったのかもしれません……。』


〘#……アンティ君の"常識"が崩壊するにつれ、アイテムバッグに格納できる"振れ幅"は、増えてしまう……〙



 さいしょが"山火事"だってんなら……。

 彼女の心にとっては、

 相当、デカいインパクトになったはずだ。

 "一般常識"の崩壊が始まる、大きなインパクトに……。





 "「 と、とにかく!! 私は今まで通り、

  このアイテムバッグのことは隠しますっ!! 」"


 "「 これ以上、アンティをいじめたら、ゆるさない 」"





 ──あの、アマロンさんの追求の、すぐ後で。


 後輩ちゃんと紫電ちゃんは、

 そう言って、ギルド執務室を後にした。


 ちらりと、ヒゲイドさんやキッティ、

 アマロンさんの顔を見た。

「しまった……!」みたいな感じで、

 慌てた顔をしてたっけ。


 ガンガン、言い過ぎなんだって……。

 こっちも負担かけてる身なんだからさ……。

 これ以上、余分なプレッシャー、

 かけんじゃねぇって──……。



『────:……。』

『>>>……』

〘------のん……☆〙

〘#…………〙




 異空間の和風の居間に、

 じっとりとした、いやーな沈黙が落ちている……。


 ──すると。

 トタトタと、足音が聞こえた。

 近づいてきて────……?



{{ ……なんなのよ、この重い雰囲気は…… }}



 今日の魔王様は、服を着ていらっしゃる。

 紫の尻尾には、金色のアクセサリー。

 イニィさんは、持っていた()()()を、

 かちゃん、と。デカちゃぶ台に置いて座った。


 白玉あんみつが一人前、乗っかっている。

 また、どこかでドロップしたのだろうか。



{{ 何だか暗いわよ……。今、貴方達が思ってる事は、そんな気にしなくていいわ }}



 心が読める魔王様に、励まされてしまった。

 パクパクと、あんみつを食べ始める。


 スプーンを使うイニィさんに、

 クラウンちゃんが、話しかけた。




『────アンティが……。』


{{ ……んむ? }}


『────あそこまで狼狽したのは:

 ────やはり:得体のしれない格納能力に:

 ────恐怖したからでしょうか……。』


『>>>……』




 どこかで……『普通の女の子』だという事を、

 大切にしているんだ。

 魔法が、全く使えなかった女の子なんだ。

 

 『生き物』も『魔法』も入る『底なし沼』……。

 やはり、それは得体の知れないチカラだろうか。


 あんなに狼狽(うろた)えるとは、

 思っていなかった……。


 ぼく達は、責任を感じている。



 ポツリと、言葉が出た。




『>>>……ぼく達の事は、やっぱり負担なんだろうか……』




{{  ── は ?  }}




 イニィさんの発した声に、

 視線が、集まる。




『>>>え?』


{{ あの……まさか、本気で、言ってる……? }}


『>>>……何がですか……?』


{{ ……!! 本気で、わかってないの……!? }}


『>>>……? へ??』




 なんだ? 急に……。

 い、イニィさん……?

 どう、いう……?




{{ ……呆れたわ。この数日、なんだかピエロちゃん達に対して余所(よそ)余所(よそ)しかったのは、そのせいですかッ! }}


『>>>え? え?』


〘#……ど、どうしたというのだ、イニィ殿……〙



 な、なにを、怒ってるんだ……?

 隣の先生も、戸惑いの反応だ。

 クラウンちゃんとローザも、ビックリ顔。



{{ はぁぁ……あなた達ッ!! ちょっと、ピエロちゃんの事をバカにし過ぎですよっっ!! }}



 え……ええっ……!?




『>>>ど、どういう意味だぃ……?』


{{ ……──全く!!! }}




 ──ダンっ!!


 イニィさんは、食べかけのあんみつを持ち上げ、

 すっくと立った。




{{ ──あの子はねぇっ! そんなに弱くはありませんっ!! あんなの……半分は"お芝居"に決まってるでしょう!! }}


『>>>……えっ!?』


{{ 貴方たちが心配してる事なんて、ピエロちゃんは、とっくに勘づいてましたっ!! 紫電ちゃんも、ちゃんと"援護射撃"していたでしょう……!? }}




 ……!?

 な、なんつった……!?



{{ ──誰のためにした行動か、ちゃんと、考えなさァぁぁ──いっ!!! }}



 スタスタと、

 あんみつイニィさんは、居間から出ていってしまった……。



『>>>……、……』

『────り:理解不能……です。』

〘------魔王が;怒ったのん……☆〙

〘#……ど、どういう事だ……?〙




 "お芝居"って、どういうこと──!?




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『今回の目次絵』

『ピクシブ百科事典』 『XTwitter』 『オーバーラップ特設サイト』 『勝手に小説ランキングに投票する!』
『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[良い点] え、イニィさんが服を着てる!? シーニャちゃんの全裸癖はアンティ由来かと思ったがイニィさんからだったか… [一言] オクさんからの二度目は無い宣言 アマロンさんに明日はあるのか…
2019/11/07 05:39 ズブロッカ
[良い点] アンちゃんの演技じゃない方の半分の心配が、皆に距離を置かれることとかだったら…っておもったけど、イニィさんが速攻怒りにいかずに様子見してた辺り大丈夫そう…かな?やっぱり時限の担い手としてど…
[良い点] 想い過ぎて雁字搦めやなぁ 修羅場ってこうやって作られるんですね!勉強になります! [気になる点] なろうの重要なお知らせで、画像設定項目の見直しなんてものを今日見つけて、はぐるまどらいぶに…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ