サポートチームと魔王ぷんすか。
感想欄の書式が変わった……!?
((((;゜Д゜))))話数ごとに
感想が見れるようになっとる!(笑)
>>>何日か、経って。
あれから数日間、後輩ちゃん達は、
何事もなく、お届け物の仕事をしているように見える。
何だか……ぼくらは後輩ちゃん達に話しかけ辛かった。
四人で、箱庭の巨大ちゃぶ台に集まっていた。
全員の表情は、あまり優れない。
『>>>ぼく達の世界の知識は、間違っていたんだろうか……』
〘#……うむ……〙
『────間違っていた訳ではないと判定します。
────実際に:いくつかのデバイスは:
────酸素燃焼による爆縮運用に成功しています。』
〘------;……のんな☆〙
〘#……だが、しかし……私達の"異世界の知識"が、彼女の常識を"あやふやな状態にしてしまった……それは事実だろう?〙
" この空間のルールを決めているのは、
アンティ・キティラ自身である "
そう、神官のアマロンさんは指摘した。
〘#……もう一度、食料備蓄を含む、植物系資材の生命活動を調査するべきだ。現状を把握するためにも……〙
『>>>そうっすね……。あとは、ソルギアの現状調査ができるデバイスと、レエンホーリー、レエンダークの分析もだな……。格納できているんだから、ぼく達は、てっきりエネルギー体か何かだと勝手に解釈してたけど……』
〘#……私達の勝手な解釈が、アンティ君の"認識の振れ幅"に繋がっていたのやもしれん……〙
『>>>……はい』
ぼく達が懸念してるのは、まさにソコだった。
例えば、ぼく達『異世界人チーム』の誰かが。
『>>>それは、アイテムバッグに入るはずだ』
と、何かを勘違いでもして後輩ちゃんに言う。
後輩ちゃんは、
「あ、入るんだ」
と、思い込む。
そして……実際に、格納した後で。
実は、それは『こっちの世界』では、
異常な現象だと知る──。
そういう事が、起こり得るかもしれない。
つまり、だ。
ぼく達の『勘違い』や『違う世界の常識』が、
後輩ちゃんの『アイテムバッグ』を、
『バケモノバッグ』に仕立てあげてきた──。
その可能性を、ぼくらは否定できない。
〘#……我々は、彼女の一般常識を破壊し続けてきたのやもしれんな……〙
『>>>……はい』
アンティ・キティラ。
異世界の小さな街の、食堂の一人娘だ。
ぼくらは、いつも彼女に甘えてきた。
彼女を嫌いなヤツなんて、
この幻影の船の中に、アリンコ一匹だっていない。
ぼくがバカな死に方をしたせいで、
とても、大きな事態に巻き込んでしまったと思う。
謝ったとしても、彼女は怒らないだろう。
「私たちみんなだから出来た事が、
いっぱいあるじゃない!!」
そんな事を言ってくれそうで、
なんとも、居心地がいい。
でも、ぼくらは知っている。
彼女のチカラが、大きくなっていく中で。
彼女はどこかで『普通の女の子』を求めていた。
力に溺れず、
過去のぼくみたいに自暴自棄にならず。
「きひひ!」とケラケラ笑う彼女を、
とても凄い人だと、みんな知っている。
だからこそ。
不用意に、恐しいチカラを拡張することを。
ぼく達は、したくなかった。
常識を狂わしたのは、ぼくらだ。
『────最初に……。
────ソルギアの前身となる:
────"カーディフの火"を格納したのは:
────私です。』
それは、クラウンちゃんも一緒のようで。
必要のない、大きな力を。
一人の女の子に、背負わせたくなんてない。
『────あの時の私は:
────まだ発生したばかりで……。
────しかし:アンティの願いには:
────応えたかったのです。』
〘------;……☪︎.*・〙
『────もしかしたら:あの時から……。
────"時限結晶"機能は:
────"変質"を始めてしまったのかもしれません……。』
〘#……アンティ君の"常識"が崩壊するにつれ、アイテムバッグに格納できる"振れ幅"は、増えてしまう……〙
さいしょが"山火事"だってんなら……。
彼女の心にとっては、
相当、デカいインパクトになったはずだ。
"一般常識"の崩壊が始まる、大きなインパクトに……。
"「 と、とにかく!! 私は今まで通り、
このアイテムバッグのことは隠しますっ!! 」"
"「 これ以上、アンティをいじめたら、ゆるさない 」"
──あの、アマロンさんの追求の、すぐ後で。
後輩ちゃんと紫電ちゃんは、
そう言って、ギルド執務室を後にした。
ちらりと、ヒゲイドさんやキッティ、
アマロンさんの顔を見た。
「しまった……!」みたいな感じで、
慌てた顔をしてたっけ。
ガンガン、言い過ぎなんだって……。
こっちも負担かけてる身なんだからさ……。
これ以上、余分なプレッシャー、
かけんじゃねぇって──……。
『────:……。』
『>>>……』
〘------のん……☆〙
〘#…………〙
異空間の和風の居間に、
じっとりとした、いやーな沈黙が落ちている……。
──すると。
トタトタと、足音が聞こえた。
近づいてきて────……?
{{ ……なんなのよ、この重い雰囲気は…… }}
今日の魔王様は、服を着ていらっしゃる。
紫の尻尾には、金色のアクセサリー。
イニィさんは、持っていたおぼんを、
かちゃん、と。デカちゃぶ台に置いて座った。
白玉あんみつが一人前、乗っかっている。
また、どこかでドロップしたのだろうか。
{{ 何だか暗いわよ……。今、貴方達が思ってる事は、そんな気にしなくていいわ }}
心が読める魔王様に、励まされてしまった。
パクパクと、あんみつを食べ始める。
スプーンを使うイニィさんに、
クラウンちゃんが、話しかけた。
『────アンティが……。』
{{ ……んむ? }}
『────あそこまで狼狽したのは:
────やはり:得体のしれない格納能力に:
────恐怖したからでしょうか……。』
『>>>……』
どこかで……『普通の女の子』だという事を、
大切にしているんだ。
魔法が、全く使えなかった女の子なんだ。
『生き物』も『魔法』も入る『底なし沼』……。
やはり、それは得体の知れないチカラだろうか。
あんなに狼狽えるとは、
思っていなかった……。
ぼく達は、責任を感じている。
ポツリと、言葉が出た。
『>>>……ぼく達の事は、やっぱり負担なんだろうか……』
{{ ── は ? }}
イニィさんの発した声に、
視線が、集まる。
『>>>え?』
{{ あの……まさか、本気で、言ってる……? }}
『>>>……何がですか……?』
{{ ……!! 本気で、わかってないの……!? }}
『>>>……? へ??』
なんだ? 急に……。
い、イニィさん……?
どう、いう……?
{{ ……呆れたわ。この数日、なんだかピエロちゃん達に対して余所余所しかったのは、そのせいですかッ! }}
『>>>え? え?』
〘#……ど、どうしたというのだ、イニィ殿……〙
な、なにを、怒ってるんだ……?
隣の先生も、戸惑いの反応だ。
クラウンちゃんとローザも、ビックリ顔。
{{ はぁぁ……あなた達ッ!! ちょっと、ピエロちゃんの事をバカにし過ぎですよっっ!! }}
え……ええっ……!?
『>>>ど、どういう意味だぃ……?』
{{ ……──全く!!! }}
──ダンっ!!
イニィさんは、食べかけのあんみつを持ち上げ、
すっくと立った。
{{ ──あの子はねぇっ! そんなに弱くはありませんっ!! あんなの……半分は"お芝居"に決まってるでしょう!! }}
『>>>……えっ!?』
{{ 貴方たちが心配してる事なんて、ピエロちゃんは、とっくに勘づいてましたっ!! 紫電ちゃんも、ちゃんと"援護射撃"していたでしょう……!? }}
……!?
な、なんつった……!?
{{ ──誰のためにした行動か、ちゃんと、考えなさァぁぁ──いっ!!! }}
スタスタと、
あんみつイニィさんは、居間から出ていってしまった……。
『>>>……、……』
『────り:理解不能……です。』
〘------魔王が;怒ったのん……☆〙
〘#……ど、どういう事だ……?〙
"お芝居"って、どういうこと──!?