ねぇちゃんアドバイザー
連投っ!!
( ✧﹃✧) カッ!!
──きゅいいいいんんん……!
──ぎゃりりりぃんんん……!
神官ねぇちゃんに、
バッグ歯車と、鎖ポケットを見せる。
複雑な気持ちだった。
「…………炎は入るの?」
「……はい」
……頷き、少し出し入れする。
──ボッ! ……ボッ!
「……大きさは?」
「え……? えと、多分、底がなくて……」
「……違う。この……歯車と鎖の輪の大きさのこと」
「え? あっ、拡げられます!」
「わ、私も……」
──ぎゅうおんん・・・!!
──ぎぃいいんん・・・!!
「……」
なんか色々と……叫ばれると思ったんだけど。
神官アマロンさんは、
とても静かに、目を開いて見ていた──。
「……食べ物は、入っているの?」
「「え?」」
また、質問される。
「う、うん、はい……たくさん、入ってます」
「……料理も? 野菜とか入ってる? まるままとか──」
「え、ええ──」
チキンライスのお皿と、
パインアップルの実を出した。
アマロンさんは、手に取った。
「………」
パインアップルの実を、
色んな角度から、しげしげと見てる。
……?
「……ありがとう。ごめん、もう一度、火を出し入れして」
「……へ?」
不思議だ……。な、なんだろう?
チラリと、ヒゲイドさんに目線を投げると、
両肩を上げられた。
ヒゲイドさんも、このアマロンさんの反応には、
驚いているみたいだ。
戸惑いながらも、コクコクと頷いたヒゲイドさん。
アマロンさんの言う通りにしてみろ、
という事でしょね……。
──ボッ! ボッ……!
「……ありがとう。この空間には、生き物は入らないのよね?」
「は、はい! それは、ふつうどおりみたいで……」
「……。何か、例外はある?」
「へ?」
「火、みたいに……生き物っぽいのに、入ってしまう何か、とか──」
「例外……「──あ」」
マイスナと同時に声がでた。
「…………あるのね?」
「こ、この花なんですけど──」
きゅるる、と、精霊花を出す。
アマロンさんは、すぐに手に取った。
「珍しい花なんです。それだけは、ふつうに格納できて──」
「……、このギルドの受付カウンタや、ドアの所に生けてある花と同じね。あれも……この空間を使って運んだの?」
「は、はぃ……」
「出して、植えたんだよ……」
「……」
アマロンさんの表情は、真剣だ……。
「……その、歯車の中に、腕を突っ込んでみていい?」
「「えっ!?」」
な、なんでそんな事……!
「お願い」
「い、いい、ですけど……」
すぐ、弾き返されるわよ?
「ど、どうぞ……」
「……」
きゅいいいん……──ズボっ……!!
け、結構ガッツリいくわね!
二の腕くらいまで、はいってるわ!
「……押し戻される感覚があるわね」
「そ、そのはずです」
「……」
アマロンさんは、
バッグ歯車と、自分の腕の境い目辺りを、
じっと観察している……。
「……数秒、時間停止できる?」
「……は?」
「いま、私の腕は、この空間に入っているわ」
「で、できるわけ、ないでしょう!」
叫んだ!
「やってみて」
「アマロンさんの、腕が!」
「やってみなさい」
な……。
『────不可能:判定です……。』
「む、無理です、よ……」
「…………」
アマロンさんは、
すっげぇ強い目線で、私の方を見てた。
まだ、腕はズッポシ、バッグ歯車に入っている。
マイスナが、慌てた様子で、
アマロンさんと私の顔を、交互に見ていた。
「……ありがとう。もういいわ」
アマロンさんが腕を引き抜く。
私は……胸を撫で下ろした……。
「……………………」
アマロンさんはソファに座り直し、
何やら考え事をしている。
「……アマロン?」
「……ちょっとアマロン? どうしたんです……?」
ヒゲイドさんも、キッティも。
真剣アマロンさんに、気圧されているようで……。
アマロンさんが、ポツンと言って。
でも、それは全員に聞こえた。
あー……、そだよねぇ……。
ヒゲイドさんが、言葉を紡ぐ。
「まぁ……というわけで、容量が無限らしいのだ。コイツには俺もたまげて──」
「──いや、そこじゃないでしょう!!」
アマロンさん、叫ぶ。
ヒゲイドさん、ビックリ!
「な……?」
「あ、アマロン……??」
「え……?」
妙な、反応の食い違い、が……?
「……! まさか、気づいて、ない……!?
あ、あなたたちもッ──!?」
「「 え!? 」」
私&マイスナ、どぎまぎ。
「し、信じられない……」
アマロン、さん……?
「……マイスナさん? あなたも、能力おろしを受けたのよね?」
「──! は、はい……」
「……アンティさん? その空間スキルは、あなたの"歯車法"に同化してる。そうね──?」
「そ、その解釈で、合ってると思います……」
「これは……マザー・レイズが隠そうと思って、当然だわ……!」
──そ、そなの!?
「なんだ、どういう事だ。アマロン」
「?? 私には……さっぱりです?」
「あぁ……こいつら、わかってない……!」
むかっ!!
「……あんた達、まだ時間ある? すぅ──」
アマロンさんは、紅茶を含んだ。










