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④ ЯヨHTOM

⊂⌒っ´ω`)っ

クラたん目線でいくぜ!



 ────私が:機械の神だとしても。


 ────造りし者こそ:真のもの。


 ────私は自己を:分析する。


 ────胸を張れる:モノではない。


 ────でも。


 ────彼女の:"さいしょの相棒"は。


 ────真に:私だけです。


 ────だから。


 ────聞かせたくない:言葉でした。




『────アンティ──。』


「……、──」




 こちら(箱庭内)で観測できる声に:

 ノイズが混ざっています。


  


「──なた達が──ている─だとした──危険す─るって、わかってい──ょう?」




 ヨロイに空間接続されたラジエーターが作動し:


 装備されたギア・アタッチメントが振動しました。


 全ては:我らが王(アンティ)への心的負荷に起因します。




「──れを、しなく─も、あなた達な──生きて──ます」




 私は彼女が:怒ると予測しました。


 この:怒涛(どとう)の千年と:四ヶ月。


 私が再構成されてからの時間(これまで)を:


 彼女が否定する:訳がないから──。




「──の街で──の、食堂で……なにがダメな──……、」




 マザー・レイズの:言葉が止まり。


 私の(つたな)い予測は:大きな間違い(エラーコード)だと理解します。


 アンティは────:





「  、 ……、 」





 ──声すら出さず:泣いていました。




「ぁんてぃ……」


「 ぁ…… 」




 ふたつの銀の仮面が:戸惑いを(あらわ)にします。




『>>>うーん……』




 それを見ていた:物好きな旦那様が:

 すぐ後ろで首をひねりました。

 私は聞きます。




『────マザーの:あの表情は。』

『>>>……あぁ。わかんないけどね……』




 マザー・レイズは:ローザ(いわ)く:

 "さいごのかめん"という装備を着用しています。


 仮面とローブとの境い目から露出する:

 わずかに観測できる表情。

 それだけでも:心境を察することが。

 今の私にも:可能でした──。




〘#……" しまった……! "というような表情に、見受けられるな……〙

〘------マザー;口半開(くちはんびら)きのん☆

 ------やっちまった感;パないのんっ☆〙


『>>>今の発言といい……けっこうバレちゃいるんだろうけど、でもなぁ』

『────こちらを保護しようという:

 ────明確な行動原理が感じられますね。』


{{ さっきから、やっぱ敵対心ナシよー。というかピエロちゃん、大丈夫……? }}




 アンティは椅子に座ったまま:

 ローブ状の劇場幕の下に隠れた:

 (ひざ)の上のグローブをキンキンと鳴らし:

 震えていました。


 今:マザー・レイズに言われた懸念事項を:

 アンティ自身が:考えなかったはずがないのです。


 冒険者をやめた方が:確かに安全です。

 そんな事は:演算が不必要なほど:明確な答え。


 でも:それでも。


 ────そうじゃ:ない。





『>>>後輩ちゃん……元気だせ。この人、たぶん本当にこちらの身を案じて言ってるらしい……でも。今までの冒険を、なにも知らない人だ。言わせておけばいいさ!』


『────アンティ……:クラウンギアは:

 ────あなたの味方です。』


「……、 、 」

「あ、アンティ……泣かないで……」

「くゆー」



「  ……、  」

「──にょきっとなッッ!!!」

「 ……っ! 」



 マザー・レイズのお膝元(ひざもと)のうさ丸は:

 まるで一喝(いっかつ)するかのように:

 大司教に鳴き声をあげました。



「にょきっと……! にょきっとな!! にょっきにょき、にょきにょきにょきっとな!! にょやにょや……にょっきゃっきゃっ……! にょきっと!! にょきっとな──っ!!!」


「……、……」



{{ あはは……その子、大司教様にガチお説教してるわよ? }}



 にょきっとマスターは起動していませんでしたが:

 この場面を観測した皆が:予測可能な発言でした。



 ────" それぞれの真剣な生き方がある……! "。

 ────" 悩んで、ここに辿りついたんだ……! "


 

 勇敢な兎の発言は:そう言っているように:

 思えてならなかったのです。



「……、……」



 大司教マザー・レイズは:

 本来:このような些細な事で:

 言葉を詰まらせるような立場ではないと:

 私は予測します。


 しかし:震えるように泣くアンティを見て:

 静かな:しかし明らかな動揺が:

 マザー・レイズには走っていました。


 うさ丸が怒り終え、沈黙が少々継続し──。


 ────アンティが:すくりと立ったのです。



 ──キン。




「……かえゅ」


「──……!」


「あ、アンティ!? ま、待って……」




 いきなり水晶の道を引き返しはじめたアンティを:

 マイスナは聖流の外套(セイント・コート)を解除するのも忘れ:

 あたふたと追いかけ始めました。


 カンクルは慌ててマイスナの肩に跳び乗り:

 うさ丸も私を目掛(めが)けてジャンプします。



「ま、待ちなさ……」


「マイスナ、"反射速度(クロックダウン)"」

「──! は、はいっ!!」



 ──クォオオオ──ッッ……!!



 黄金龍と天空鯨の鎧に流路が走り:

 半生体インナーマッスル機構が:

 脅威の出力を発揮します。



 ────だァァああんん──ッッ!!!!!



「・・・──!     」



 マザー・レイズのいる部屋は:

 みるみる内に:距離が離れました。



「ど、どうするの!?」

「……もぅ、たぶん警備の人、いないから」



 ぶっきらぼうに:アンティは言います。

 後方を観測すると:

 マザー・レイズが追ってきているようです。

 しかし距離は:まだ離れており:

 通常の成人女性なら:追いつけないと予測します。

 ですが:ステータスが高いのなら油断は禁物です。


 "分析(アナライズ)"に失敗し:年齢も:スキルも不明。

 しかし:義賊と狂銀の意匠に込められたパワーは:

 並の出力では:ありません──。



「お、追いかけてきてるね」

「クラウン。ギルドカードをバッグ歯車に入れたら、窓の術式を抜けられる?」


『────!。』



 演算シミュレーションを行います。



『>>>待て。人体が触れるだけでも、どう観測されるか不明だ』

『────同:結論に至りました。

 ────非推奨行動。』


「……わかった」

「アンティ! 鏡!」



 ──先刻:透過した鏡の境い目が迫っています。

 ──通過できるでしょうか。



「突っ込むよ」

「う、うん!」



 ──ヴヴォォオオオンンン・・・!!



 スルリと:問題なく通過が完了しました。

 後方の鏡に:

 水面の波紋のような光学現象を観測できます。




「あ、アンティ。マザーさん、いいの?」

「……あの人、きやぃ」



 まだ:アンティの涙腺は機能しています。

 私のすぐ隣に位置する:うさ丸の表情は:

 とても心配そうに観測されます。



「にょん……にょきっとなぁ〜〜」

「いちばん安全なことなんて、わかってるもん……! そりゃ、あの街にいるよりかは、危ないもんっ……!! でも……! でも……っ!」 


「アンティ……」

「くゆーぅ……」


『────:……。ナビゲートを開始します。

 ────"王室図書館・分館"で:よろしいですね。』


「ぅん……」



 王城の廊下で:ナビゲート・デバイスを起動しました。

 アンティとマイスナの視覚野(しかくや)に:

 流路光学マップが重ねて表示されます。



〘------変な人やったのんなぁ〜〜☆〙


『>>>……あぁ? ロザリア、てめー……。"さいごのかめん"と、"能力おろし"ってなんだよ。攻略本つくりやがれ、この酒飲み王女ぉー……!』


〘#……まったくだ。"転生システムの名残り"と、あの大司教は言っていたぞ?〙


〘------うっ!? や;あれはのんな……☆.*・゜

 ------いや;"さいごのかめん"に関しては;

 ------ホントにわからないのんよっ!?-☪︎.*・゜

 ------あれはストーリークエストの;

 ------終盤で手に入るはずなので……☪︎

 ------しかしまさか;"こちら側"に存在するなんて……☪︎〙


〘#……どういう意味だね?〙


〘------"第一旧世界"が;あなた達の知る地球──☪︎

 ------"第二改世界"が;ゲーム化した地球──☪︎

 ------"第三新世界"が;この世界だとします──☪︎

 ------"さいごのかめん"は;"第二改世界"のストーリーを攻略しないと入手困難なアイテムと判断できます-☪︎.*・゜〙


『>>>……!』


〘#……しかし;君の以前の話では──〙


〘------はい-☪︎.*・゜

 ------第二改世界の地球は……;

 ------ゲーム起動──"序盤"で異世界化しました-☪︎

 ------第三新世界は;前データを元にして創り直されていますが;しかし……☪︎.*・゜〙


『>>>そうか……改造された地球でゲームを進めないと、入手できないはずの仮面……それは確かかぃ?』


〘#……いや。こちらの世界は『はぐるまどらいぶ』に基づいて創造されたのだろう? こちらの種族が、この世界のクエストを進行し、その終盤のアイテムを入手した可能性はないのかね?〙


〘------こちらの世界でNPC派生種族が;

 ------"さいごのかめん"を入手できる可能性は;

 ------限りなく低いと思います……☪︎.*・゜

 ------プレイヤーではないと実体化しませんし……☪︎.*・゜

 ------魔王を倒すためのアイテムですし……☪︎.*・゜

 ------現魔王は今;乳に挟まれていますし……☪︎.*・゜〙


{{ 標 的 、 わ た し か よ !! }}


〘------クリア特典で"二周目"に;

 ------持ち込む事もできたはずですが……☪︎.*・゜

 ------しかし;うーん……☪︎.*・゜〙


『>>>つーか、はやくあの仮面の能力、思い出せよ』


〘#……ローザよ。"能力おろし"の説明もまだだぞ。今まで君の空けた酒瓶の数を覚えているかね?〙


〘------あら……☆

 ------精霊王に御神酒(おみき)(そな)えるのは;当然の事ではなくて?-☪︎.*・゜〙


『>>>はっはーこいつー☆ 先生ー、しばいといてー』


〘#……やれやれ。そこへ座りなさい。スライムに容赦はせぬぞ──……ッッ!〙


〘------えっ……えっ;ぇぁ……あのぅ……?-☪︎.*・゜

 ------あっ……正座ですか……?-☆

 ------めっ;目がコワイっ☆ ちょ☆

 ------目がコワイです;ギンガさまぁ〜〜;v;☆〙


『────戯れは:程々に。

 ────まもなく王室図書館・分館です。』



 精霊王への折檻(せっかん)への道中に、

 目的地への進行は滞りなく:遂行されています。



『>>>マザー・レイズは、追ってこなくなったね』

『────今の所は:感知していません。』


「……」

「……アンティ、元気だして。ね……?」

「……ん……」



 ローブ状態のまま:廊下を駆ける二人。



 ────突然。






 ────── ガ ッ ・・・!




「──なっ・・・!?」

「──えっ・・・!?」




「──────掴まえたわよ」




『────そんな:はずは──!:

 ────あ:有り得ません……。』





 マザー・レイズが:

 アンティを:後ろから抱えていました。




「ぎゃ──────っ!!!!!

 はなせぇ──────っ!!」


「お、落ち着きなさいっ……!!」


「アンティが、つかまった……!!」




『>>>ぉ、おかしいだろっ!?

 >>>今、接近を観測できたかぃッ──!?』


『────し:震音センサーに:

 ────全く反応がありませんでした。

 ────何故……。』



 目の前のコンソールをチェックしますが:

 何も事前感知せずに:接近を許したようです。

 理解が追いつきません……。


 アンティは腰に手を回され:

 マザー・レイズに持ち上げられていました。

 ローブ姿のまま:四肢をバタつかせています。



 ──キンキンキンキンキンキン!!!



「うわ──!! はなせバカぁ────!!!」


「し、静かになさいっ!! 人が来ますよ!?」


「にょきっと……」

「くゆー」


「マザー、ちからもち!」



〘#……"隠蔽(いんぺい)のジェム"というやつか……!?〙

『>>>こんなに気づかないもんでしょうか!? 音は消せないはずだろぅ……!?』



 アンティは捕まっていますが:

 鎧の力を使えば:逃走は可能判定。



「にょにょーい!」

「うわ──!! アンタなんか、きらいだぁぁ────!!」


「ぐっ……!? お、落ち着いて……」


「アンティ、あばれるちゃん……」

「かんかーん!」



 危害を加えられる様子は見受けられません。

 フル装備のアンティを(わき)に抱えるとは:

 やはりマザー・レイズは:

 ステータスに恵まれているのでしょう。



「あ、あなた達! ここは先ほどのエリアより上階でしょう! いったい何処に行くつもりですか……!?」



 マザーはジタバタするアンティを抱えながら、

 質問を口にします。

 純粋なマイスナは、答えてしまいました。



「この上に、私とアンティの部屋があります。"王室図書館・分館"というところ」


「バッ……、マイスナッッ!?」

「──"分館"、ですって──!?」



 マザー・レイズが:驚きを口にします。



「はいった……のですか?」


「は、い?」


「マイスナ……あなたも、入れたのですか?」


「?? は、い……。大きなベッドがある、図書室でし、た……」




 マイスナとマザーの会話を、

 アンティはマザーに抱えられたまま、

 様子をうかがうように聞いていました。



「そ、う……。二人で……入れたのですね」


「……?」

「……?」



 マザー・レイズ……?。

 何を……思考しているのでしょうか。



「……部屋まで、お送りしましょう」


「え っ」

「え"っ」


「くるー」

「にょきっと」



 マザー・レイズは、

 アンティを持ったまま、

 スタスタと軽やかに歩き出します。



「ま、待ってー」


「は、はなせ──!! この仮面女ぁぁ──!!」


「あなた、鏡を見なさいな……」






『────大丈夫でしょうか……。』


『>>>う、うーん……』





〘#……さぁて、ローザ君……?

 #……君は液体王女。私は鎖専門の氷使いだ。

 #……何か私に言い残すことは、あるかね……?〙


〘------しぇっ;しぇんしぇえい……?-☆

 ------ごぉっ;ごじょうだんが……;v;

 ------すぎます;のんなぁぁぁあ……っ☆☆☆〙


〘#……クックっクックックックックッ──、

 #……私が何時、冗談を言ったのだろうか……〙


〘------ぶ;ブゅルブゅルブゅルブゅルブゅル……っ☆〙


〘#……何を逃げようとしている……。正座だ 〙



 ピキっ、パキパキ、カチンコチーン。



〘------Non……;v;……☆☆☆〙




 あ:あの……初代狂銀殿。

 鎖を使用するアレは:どうかと……。





oh(๑•̀д•́๑)...!

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