ガチ説教
アンティの装備に、白金の劇場幕を追加。
スキリングに、燃焼防止を追加。
忘れてました( º дº)
ドッカンバッキュンズガンバコン。
なんの音かって?
────ウルフの群れをぶっ飛ばしてる音よ!!
「────────じゃまだぁぁぁぁあ!!!」
────ぎゅうううううん!!!!
────どぎゅ──────ぅん!!!
────しゅぱん、しゅぱん!!!
────ごおおおおおおおお!!?
「「「グゴォオオオアアアン!!!」」」
「どけどけどけぇ────!!!」
『────────……。』
はやく行かないと、ゴリラに笑われんだろがぁ───!!!
『────告。戦闘行為が、粗すぎます。』
いや、だって。
普通のウルフって、蔦ないのよ?
葉っぱ、飛ばさないのよ?
……ザコなのよ?
「うぉおりゃぁあああ────!!!」
『────────……。』
さ──ぁ、けっこう進んだんじゃない?
「クラウン。"バヌヌエルの村"までの距離って、わかる?」
『────総体感図を作成します。演算中。』
「お? ……おお!」
目の前に、透明の地図がでてきた!
なによコレ、いいじゃない!
この矢印、あたし!?
「すごい! 走りながら、地図が見れる!」
『────縮小マッピング機構を構築。』
「うわぁ〜ありがとクラウン! ここがバヌヌエル?」
『────点滅地点が目的地マーカーです。』
「てことは、ちょうど半分くらいだ!」
ふっふっふ、どうだ、ゴリラめ……
まだ2ジカも経ってないぞ……。
変態の装備の力を、侮ったな……!
このチカラのために、私は色々、捨ててんのよ!!
…………。
……うううっ。
──ポンポンポンッ!
──ぎゅいいいいん!
──ザッパン!!!
「グブォォオアアアア!!!」
「ギブギャアアアアア!!!」
……ありゃ。
……今の、オークだわ。
……まぁ、いいわ。
どうせ、女の敵でしょ。
あ、豚肉か……もどろ。
──きゅうううんん。
げっと。
今、最初に使った、炎の玉を打ち出すのも、新しいワザね。
"少し動かしながら、バッグ歯車使用"
少し勢いをつけた歯車から、
小分けに山火事を出してる、ってワケなのよ。
速さは遅いけどね。
トロい奴には当たるわ。
トロい豚は、ただの焼き豚なのよ。
『────警告。 索敵警戒レベル更新。』
「おぅ!?」
クラウンは、いつもクールで、意味わからん喋り方だな。
たまに素が出るけど。
もっと、こう……
『────アンティ! このままだとヤバいわ!』
とかで、いいのよ?
『……────前方に大型震音感知。
────距離:52メルトルテ。45、38、31……』
あ、何、またデカブツ……?
ていうか、近い!
いや、違うか!
私の速さが増してるからだ!
すぐ、会っちゃうわね!
『────可視域に到達。分析中で────』
「────どおおりゃぁぁあああい!!!」
『………………』
「………………」
……あの、クラウンさん。
……黙らないでください。
そ、そのですね……
今のはちょっと、勢い余ったと言うか……。
いや、確かにちょっと、考えなしだったわね。
黒い、大きなウルフだったもんね。
『────間違った回答。』
え?……あ、そか、焦げてるから……。
そ、そうね、白い大きなウルフだったわね……?
いや、ちゃんと見てから攻撃したわよ?
……ほんとよ?
『────アンティ。』
「ひゃい」
『────作戦の事前入力。』
「…………」
私?
もちろん、正座よ?
見なさいよ。目の前のクラウン。
小岩の上で、もう目が、真っ赤よ?
『────時限結晶は、正確には私の視覚装置ではありません。』
「──ひゃい!」
『────……ハァ。』
うおお!
ため息ついた!
ため息ついたで!
『────クラウンギアは、あなたの行動指針に、一定の理解は示しているつもりです。』
「──ありがとうございますっ!!」
『────ですが。
────能力不明の、分析前の敵対象に、"炎が吹き出した歯車で輪投げをする" という行為は、常軌を逸しています。』
「……はい」
『────狂っています。』
「はっ……、はい」
『────次したら、怒りますよ。』
うぅ……もう充分、怒ってるじゃないのよ……。
「申し訳ございませんでした……!」
ちっさい王冠に土下座する黄金ピエロ。
……こっけいである。
『────よろしい。それと、アンティ。』
「何で、ございましょうか……」
『────手紙が落下している事に、気づいていますか。』
「え"!?」
『────右方向、13メルトルテ。』
うおお!
やっばい!
知らない間に落としてたよ!
キキキキキキキン……!!
あ、これ足音ね。
「……うわぁ、ちょっと汚れてる……」
『────推奨。ストレージ内保管。』
「そうします……ごめんなさい……」
きゅるる、ひゅん!
あぶないよ……。
届ける物を、落とすなんて……。
郵送配達職、失格だよ……。
「しょぼ────ん……」
『────口で発音して、落ち込みを誤魔化さなければいけないほど後悔するなら、次回からは、気をつけてください。』
「ひゃい……」










