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⚙⚙⚙ プリンセス・バースディ! ⚙⚙⚙ さーしーえー

読者様A「攻撃がやんだぞ! 今だ!」

読者様B「はやくユリナオールを使うのよ!」

読者様C「いっけぇえええええ!!」

かばたれ「ヌォ?(´・ω・`)ココハドコワタシハダレ?」

読者様ズ「「「やったぁぁあ! これで話が進むぞ!」」」

かばたれ「(´・ω・`)ユリナオールってペルソ〇みたいだよね」

読者様ズ「「「こ、こいつッ……!!!」」」





「「………」」




 アンティです。


 いま、好きな人と風呂に入っています。




「……うぅ」

「んゅ……」




 非常っ…………に気恥しい。


 非常ッ…………に気恥しいです。


 向かい合ったまま、ちょっと離れてます。


 綺麗です。



 また蛮行に走らないか、


 自らを疑わずにはいられません。


 ちなみに起きた瞬間、土下座しました。


 向こうもしてきたので、頭ごっつんこしました。




「……、……///」

「……、……///」



 もう……なにしゃべったらいいかも、

 分からんとです……。

 ただ、運命の人なのは間違いないです。

 うぬあぁぁぁああ……!




 見ぃさ!

 

 嫌われたくはないから、

 手だけ繋いで、入浴中やぞ!

 切なくなるわっ! 



 ダメだ……もう上がろう。



「えっ……と、一応、配達の確認、ね……?」

「ぅ、うん、いこっ!」



 やばい……ちょっと話しただけでも、思い出す。

 "愛惹き肉"……。や、ナンデモない。

 ち、ちゃう! 何言ってんだ、わたしぃ……。



「い、いこっか?」

「う、んっ……!」



 ギクシャクしながらも、

 そそくさとヨロイを身につけ、

 受付カウンタへと飛び降ります。



 キィィィイイン──!!!

 ギィィイイんん──!!!



「き、キッティ、おはよ。何か配達は……?」

「あ、おはようございま……んん?」



 ──ズシン・・・!



 キッティが首を傾げると共に、

 ギルマスがカウンタの方に入ってきて、

 私の顔を見て、開口一番。



「……おまえ、風邪ひいただろう!」

「えっ!?」



 ヒゲイドさんはマイスナの方も見て、

 うおっ、と言った顔になる。



「ホレ見ろ、マイスナの方も真っ赤ではないか! 二人で腹やら何やら出して寝たんだろう!」

「「……ええっ!?」」



 ち、ちが……!

 た、確かに色々、だしてましたけどぉ……!

 風邪じゃあ、ないんですぅぅう……!!

 これは、ただ……照れまくりなだけでぇえ……!



「だ、だいじょぶですから……!」

「か、風邪じゃないもんっ……!」



 まだ顔は直視できぬが、

 何とか二人で共闘する。



「なァーにが大丈夫なものか……! 今日、出発するのだろう! りんごのようになっとる場合か!」

「ぬなッ……!?」



 うあああ!

 あげなことで時間が経ってしまった……!!

 明日……!!

 王女様の誕生日は……明日ッッ……!


 だ、大丈夫だ、まだ朝だ!

 間に合う、落ち着け、オチツケ、アンティ(わたしぃ)



 がっしぃぃ……!!



「「むなっ」」



 ギルマスのビッグハンドで、

 私たちのほっぺたが掴まれる……!!

 どゅっ……どうやら熱を測られているみたい……!」



「む? 見た目ほどでもないのか……?」


「でぁっ、大丈夫ですからぁ……!!///」

「はっ、離してくださぁぃい……!!///」


「ふーむ……? 熱では無いとすると……またケンカか? どうせ激しいのやったんだろう!!」


「「〜〜〜〜ッッ!!!」」



 は、激し……かったけどぉおお!!!



「だ、だい、だいじょぶですぅ……!!」

「ほ、ほ、ほんとに、風邪じゃないです、からぁ……!」


「……そうか? ……何かあったら、気軽に言えよ?」



 あ、ありがたいけどォ……!

 こればっかりは、

 口が裂けても言えないんだってばぁぁ……!!!



「というかホントに間に合うのだな? 疑う訳ではないが、早めにだな────」


「お邪魔しましたあっ!!」

「ぴゅ──!!」



 逃げるように、ギルドの外に出た!



「……なんなのだ、アイツらは」

「だめですよぉー、ギルマス。あの年頃の女の子は難しいんですからぁー」

「ふーむ……。──あっ! "銀のプレミオム・アーツ"のこと聞くの忘れた!」

「あーっ!!」




 いつも登ってくる子供たちに遭遇する。



「ふっふっふ、またあったな、クルルカン! きょうもなかよくふたりであるいて! せいぎとあくが、ゆちゃくするとは! 子どものゆめをこわすやからを、われらはすておけぬっ!」


「「ぐっ……!」」



 確かに子どもの夢を壊す癒着をしてるかもと思うと……。



「「うう……」」


「……ど、どうしたのお姉ちゃんたち」

「りーだー、としごろの女の子はたいへんなのよ」



 なんか心配された。

 バルババゼミの抜け殻をもらった。

 でかい。



「あの、アンティ……」

「う、うん!?」



 マイスナから話しかけられて、びっくりする。

 内心嬉しい。



「ごにょごにょごにょ……」

「え!? 服? あ……」



 四日前に帰宅したあの日、

 自室用のワンピに着替えてから、ああ(・・)なったんだけど。

 今日、気づいたら、

 床で仲良くボロ布になって、くたばっていた。



「私服、足しときたいな……」

「そ、そうよね?」



 クラウンの洗濯性能が高いせいもあって、

 私も元々、私服はかなり少なめだ。

 一着、昇天したダメージはデカい……。



「お腹すいてる?」

「そんなに空いてない……」

「んぁ……まだ明るいけど、いくか……」



 アブノさんのとこ、パジャマも売ってるよね……?

 理性を保つためにも、

 ついでに一着、新調しょっかな……?



「こんな明るいうちに行くのは、久しぶりかも……」

「あ、アンティ、オシャレしなくていいの?」

「お洒落!? ……なんで??」

「ほら、パーティだし……。私はヨロイの形、変えられるけど……例えばマフラーマントだけ変えるとか……?」



 む、そこまでは考えてなかった……。

 マイスナの装備は、元々ドレスだもんね。

 クルルスーツも、ヨロイとしてはいいモンだかんなぁ。

 ただ、色が激しいだけで。

 マントかぁ……赤とかの方がいいのかな。



「でもコレ、気に入ってんのよ?」

「わ、私もカッコイイと思う!」



 ど、どっちやねんな。

 何となーく、普通にしゃべれるようになってきた。

 きたけど、ねぇ……。



〘#……鎮静化には成功したようだな。互いに"命令(オーダー)"し合う、とは盲点だった。色々応用が効きそうだとは思うが……〙



 ぬおっ、先生起きてらっしゃった。



『────起点となる腹部の紋章も消えています。

 ────完全なる排除は:現時点では不可能判定。』


「「 ひぃぃ…… 」」



 私たちの装備はへそ丸出しなので、

 あれが浮かびあがったら……マズイよね!?

 大聖堂ではテンション舞い上がって描いちゃったけど、

 街の人とかに見られるのは……超恥ずかしい気がする!



〘------いんもん……☪︎.*・゜〙

〘#……──ぶぉっ! ごほっ、ゲッホ、ぐふっ……、〙



 えっ、なんで先生むせたん。



「い、いん……?」

「いんもん、って何ですか……」


〘------いっ!? いやっ;何でもないのんっ!☆

 ------知らないなら;一生知らなくていいのんっっ☆☆〙



 ……おいローザ。

 すっげぇ気になるぞコラ……。



〘#……そ、そうだ! カネトキには一言、詫びておいてくれないかね。君達の同期を解除しようと苦心していたが、結果的には真逆の状態になってしまったからな……〙



 うっ──!?

 なんか強引に話題をそらされた気もするけど……、

 それを言われると、ツラい……ッ!

 超、心配してくれてたみたいだし……。


 実際、うさ丸とカンクルは、

 自分の意思で、各自が巨大化できるように、

 同期解除できてたしなぁ……。



「……クルルカンさんは、今はどうしてますか?」


『────眠っています。

 ────精神的に消耗したようです。』



 うゅ……、

 ……後で箱庭に、謝りにいこう。


 しゃべり相手に困ることはないので、

 あっという間に、お店の前に着く。



「ちゃ、ちゃんとドアあける!」

「わ、わかってるわよぉ……」



 蹴破る元気は湧いてこないので、

 そっ〜〜っと、ドアを開ける。



 ガチャ……カララン。



「せくすぃ〜〜せくすぃ〜〜ブーメラン〜〜♪

 あなたの想いはNGよ〜〜♪……などはどうか」

「ふぉははははははははははははは……!

 やはり貴公は天才のようだな……!」

「ふん……褒めてもポロリは無いぞ」



「「…………」」



 ……バタン。


 キゅぅぅぃぃいいいん……!



「──!? アンティだめ!? 蹴破っちゃダメっ!」

「な、何でじゃあ!! はなせーっ! うわああああー!!」


{{ お、落ち着いてピエロちゃん…… }}

『 がるがるぅー…… 』



 変態の会合が行われている。

 何とか深呼吸し、中に入った。



「これはこれは姫君たちよ……! つい、友と語り合ってしまっていた……済まない! このとーりである!!

 せくすぃぃぃいいッッ!! Y字三点倒立!!!!!」



 ──ドォオン!!!



「「……」」



 ──なぜ変態達は、こうも空気を読まないのか。


 ふっざけろ、この野郎。

 謝罪で逆立ちする店長が、何処にいんだよ……。



「ふぉははは……! つい長居をしたようだ……! 友よ、また会おう……!」

「うむっ! 達者でな……っ!」



 カランカラン。

 エロP、帰る。

 私、泣く。



「うぇぇええ〜〜んん……! ドアを、蹴破りたいよぉう〜〜! 私のココロがざわつくよぉおう〜〜……!」

「よっ、よしよし。アンティよしよし……♪」



 あ……すげぇマイスナ好きだわ……天使だわ……。

 なんか……さっきまでの戸惑いがアホらしくなってきたわ。

 逆立ちして、何故か足をYの字に開く変態が、

 我が嫁のドレスを見て────おどろきやがる。



「──な!? 銀の姫君よ……!! そのヨロイは……!!!」



 ぐぐぐ……っ!


 三点倒立だったのが、頭が浮きやがった。

 ただの逆立ちでいいだろ股を閉じやがれ。

 店長、服屋にその腕力はいらないっしょ。



「とうっ──!!」



 ──ブォン!


 変態紳士は、腕の力でジャンプし、

 華麗に足から着地した。

 尋常ではない変態力である。



「こんなにはやく……完成したのであるな……!」

「どやー」



 まぁ……マイスナのヨロイが完成したら、

 ちゃんと見せてあげたいと思っていた。

 だが、もうどうでもいい。



「変態、てめーに聞きてぇことがある」

「なんなりと」

「その乳首と股間のハートはなんだ」



 私は我慢できず、問い詰めることにした。


挿絵(By みてみん)

「我は……思ったのだ! 我ももう良い大人だ……! 大事な所は、隠さねばならないのではないかとな──……!!」



 うるせぇぞ。



「大事じゃなくても全て隠せ」

「アンティ。あのハートのおっぱい、ちょっと透けてるよ……」

「私の嫁に汚ぇモン見せた罪はデカいぞ?」

「ちがうもん。アンティが私の嫁だもん」

「──!? これはっ……!? 何やら、せくすぃーふぃーるどがっっ……!? せく、すぃぃぃいいいいい!──!!!!」



 アブノさんは、ブレないなぁ……。

 あ、マイスナといつもの調子でしゃべれてる……。

 へ、へんたいに感謝なんか、しないんだからねっ……!


 シュタっ! っと……イニィさんとガルンが、

 ニンジャのように床にヒザをつける。

 い、いつの間に……。



{{ 店長、すみません……最近シフトに入れず…… }}

『 がるがるぅ〜〜ん…… 』

「──良い。もちろん来てくれれば我は喜ばしい……だが! そろそろ我も、自らの接客を極めねばならんのでな……っ!!」



 コイツ……。

 乳首にハート貼りながら何言ってんのよ……。



「もぅいーもん……。知らんもん……。アブノさん、私服買い足したいんだけど……」

「ほぅ……? せくすぃーせれくとでよろしいか?」



 よくわからんがセンスはいいので、

 店長に任せることにした。



「こうやってね、形が変わるんだよ!」

「素晴らしい……素晴らしいのであるな……! せくすぃーの波打ち際に立っているようである……ッッ!!」



 ハート、とろうよ……。

 アブノさんのくれた紙袋の中身をチェック中。



「あ、このトップス涼しそう……ん、このちっちゃい包み、なぁに?」

「試供品である」

「? 何の?」

「我とお揃いのニップレスである」

「……? にっぷれすって何??」

「なん、と……!」



 変態が驚愕している。

 何だコラ、私でも知らんことあんねんぞ。



「……我と同じく、おひとり様3つずつ、計6枚、入っているのであぁーる!」

「よくわかんないけど、タダなのね?」

「然り」

「……なら、貰っとこう」



 よくわからんものを手に入れた。



「でね、アンティとパーティに行くの。で、アンティをオシャレにしたいの!」

「ほぅ……! さらなるせくすぃーが求められるという事であるな……!? ふむ……先の試供品もオススメであるが……見たところ、その劇場幕の金の刺繍も傷んでおらぬし……」



 これ、丈夫よねっ。

 アナライズカードでホロコーティングとかしてるし♪



「ふむぅ……姫は"金の神秘"を召喚できるのであろう? 我が、せくすぃーマネジメントパゥワを発揮せずとも、自らで着飾れるのではなかろうか?」


「「!!」」



 こ、こやつ……!

 変態のくせに、的確な発言を……ッ!



「そっか! 私たちで色々できるね!」

「! うん!」

「せくすぃーは、姫君たちを祝福している……!」



 うん。ハートとろっか?



「あ……アブノさん、もいっこ聞きたいことあるんだけど」

「せくすぃーりすにんぐ」

「その──" さいしょのむねあて "って── 」


{{ ──あ、あーあ! あのねっっ!!! }}



 ──え?



{{ ほら、い、急がなきゃ! 王都はとおいわよぉぉ── }}


「ちょ、ちょと……!?」

「イニィさん、押さないで……」



 実体化していたイニィさんに、

 お店の出口の方へ、グイグイと背中を押される!

 


「ど、どしたの急に!?」

{{ いーからいーから! }}


「──……イニィ殿よ」


{{ ──! }}



 アブノさんが、イニィさんを呼び止めた。



「──話しても(・・・・)かまわぬ(・・・・)


{{ ──!! }}



 ……イニィさん?



{{ ……行きましょう }}

「「……」」



 イニィさんの謎のプレッシャーにも押し切られ、

 みんなで店の外に出た。

 どしたの……?



 ──カランカラン。



「に"ょっき"……」

「カンカンカーン!」



「「 あっ 」」



 うさ丸とカンクルが待ってた。



「……に"ょっき"ぃぃ……!」

「……わーったわよ……。連れていけばいいんでしょうっ!」



 勇者の眼力に負けて、同行を許可する。

 きびだんごはない。


 このまま行こう……。街門を出る時、

 顔見知りの憲兵さんたちに話しかけられる。

 


「いってらっしゃい、うさ仮面!!」

「きょ、狂銀殿……? このような暑い日に(えり)()きとは……」

「──くゆッッ!」

「──うおわぁ! ビックリしたぁあ!!!」



 カンクルは生き物です。



『────デバイス:スケイルスケイター(距離滑り)を構築します。』

〘------ランディングブレード(滑走刃装)を脚部より展開のんっ☆〙



 ぎゅぅうううういいんんん!!

 リィ──────────!!



 砂埃と氷の筋を作りながら、王都へと向かう。



{{ ………… }}

【 なんやぃなぁ? 眉間にシワ寄せてからに 】

< むづかしい顔してはるなぁ〜〜 >



 イニィさんが、さっきから考え込んでいるみたい。

 ……アブノさんに言われた事かな?



『────"白金(しろがね)劇場幕(げきじょうまく)"による熱風遮断を推奨。』

「? 涼しくなるってこと?」


〘------こちらも流体マントで同じ事ができるのん☆〙

「?? 暑いのにマントですか?」



 ──ファサ──……!

 シュ────……!



 私たちの首から下がマントで隠され、

 どうやら中で冷気が噴き出しているみたい。



「す、涼しいね!」

「う、うん!」



 うーん……まだちょっとギクシャクしちゃうかな?

 ううう、この世で一番恥ずかしい事を、

 し合った仲なんだけどなぁ──……。



 あとうさ丸? そろそろ私の顔から離れない?



「に"ょっき"ぃ〜〜!」





読者様D「ダメだっ、まだ完全に治ってねぇぞ!」

読者様E「追加だ! ユリナオール!! ユリナオール!!」

かばたれ「ザンゾウダ(`◔ڼ◔´三`◔ڼ◔´)ザンゾウダ」

読者様F「おま、ちょっ……避けるんじゃねぇえええええ!!!」

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『はぐるまどらいぶ。はじめから読む』
― 新着の感想 ―
[良い点] 百合しやがって [気になる点] 最初のむねあて [一言] ユリナオールのためににょきっとバスターの許可を。(いいぞ、もっとユリユリしやがれ)
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